単発か長期契約か?大手航空会社によるインフルエンサーとの関係構築方法3事例

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インフルエンサーマーケティングが盛んになってきたのは最近のことではありません。ソーシャルメディアでの影響力を測定する尺度である「Klout Perks」や「Kred」の登場や、ソーシャルメディア上でのブランドアンバサダー制度がポピュラーになってから、もう何年も経過しており、日々新しい戦略が生み出されています。

インフルエンサーマーケティングには、毎日どころか、数十秒単位で様々な変化が起こるソーシャルメディアマーケティングの概念全体と矛盾する点が1つあります。それは、目まぐるしく変化するトレンドに対応しなければならない一方で「インフルエンサーとは長期的な関係を築くべき」という点です。

以前まで、インフルエンサーとブランドの間に長期にわたる関係が生じることはめったにありませんでした。ブランドマーケティング担当者がキャンペーンの結果に満足し、インフルエンサーが契約期間を終える、という単発の関係がほとんどだったようです。

しかし最近では、ソーシャルメディアで長期的な関係を築くことに焦点があてられています。キャンペーンが終了した後も、ブランドがターゲットインフルエンサーとのエンゲージメントを継続することには非常に重要な価値があるためです。

今回は大手航空会社の3事例と合わせて、インフルエンサーとブランドの長期的な信頼関係構築の重要性についてご紹介します。


目次

  1. Gogo社の迅速なリプライ対応
  2. 全日本空輸(ANA)社のブランドアンバサダープログラム
  3. Air Canada社の費用全額負担旅行
  4. まとめ

  5. 1.Gogo社の迅速なリプライ対応

    航空Wi-fiサービスプロバイダである「Gogo社」の例を見てみましょう。

    「Gogo社」とトラベルブロガーのNeal Schafferさんがタイアップした際、機内でのWi-fi接続に関する様々な問題が浮上し、はじめの印象はよくなかったようです。しかし、Schafferさんが目的地に到着して同社に連絡した後、Gogo社は迅速かつ丁寧なレスポンスをすることで、印象の回復に尽力しました。

    この対応の良さを受けてSchafferさんは次の機会にも同社のWi-fiサービスを利用し、「空中でGogo社のサービスを利用できるのをひそかに楽しみにしていた」とTwitterでつぶやいています。このツイートに対してGogo社は、すぐにリプライをしていました。

    また、同社はSchafferさんに小さなお礼として旅行用のミニポーチを贈っています。Schafferさんはその写真と共に「いつも旅行前にはこのポーチを探しいる」という投稿も残しており、ブランドとの関係の良好さをフォロワーにも印象付けていました。タイアップ終了後も、Schafferさんが旅行の写真をTwitterやGoogle+に投稿するたびに、Gogo社は友人のように積極的なコメントを残して関係を続けています。

    タイアップしたインフルエンサーに対して、契約後も積極的に関わりを保つことで、インフルエンサーの印象から消えずに残ることが可能です。ブランドが「いいね」やちょっとしたコメントなどで自然にエンゲージメントすることで、つながり続けることが重要といえます。


    2.全日本空輸(ANA)社のブランドアンバサダープログラム

    ANA社は、長期的なブランドアンバサダープログラムを行っています。

    世界で初めて、Boeing 787 Dreamlinerでロサンゼルスまたはサンフランシスコから東京へ商用飛行するサービスの導入を宣伝するための「Inspiration of Japan」プログラムで、複数のインフルエンサーとタイアップして大きな結果を残しました。

    その成果に満足したANA社は、さらに新しくシアトルから東京へ、そしてサンホゼから東京へのルートの導入を促進するために、 ・トラベルブロガーのNeal Schafferさん
    ・YouTuberのJohn Pozadzidesさん
    ・Geekbeat.tvのCali Lewisさん
    ・カナダ在住のブロガーであるYukari Peerlessさん
    とタイアップして787 Dreamlinerの宣伝を行っています。

    残念なことにプログラムの発足後、同機はバッテリー問題のために一時的に運行がストップしました。しかしこの事態によって、ANA社がブランドアンバサダーとの長期的な関係を築けなかったわけではありません。787 Dreamlinerが運行していない間も、ブランドアンバサダーのSNSに積極的に参加することで、同社はプログラムの再開に向けてつながりを保つ努力を怠りませんでした。

    また、ANA社は同じターゲットオーディエンスへの露出を求めている組織「沖縄観光コンベンションビューロー」とタイアップすることも決定しました。

    その際、ANA社のブランドアンバサダーでありトラベルブロガーのNeal Schafferさんは、このユニークな「ブランドマッシュアップ(協働)キャンペーン」について自身のブログで記事を投稿しています。Schafferさんは、#NealFliesANAや#ANAokinawaを使って様々なソーシャルメディアチャンネルを通して個人的な経験をシェアすることで、同社のエンゲージメントを高めることに大きく貢献しました。

    ほかにも787 Dreamlinerの発着が遅れる場合は、ANA社の優れたサービスや目的地に関する情報を広める手助けをブランドアンバサダーがしてくれるなど、長期的な信頼関係をインフルエンサーと築くことは大きなメリットがあります。


    3.Air Canada社の費用全額負担旅行

    Air Canada社はキャンペーンの一環として、タイアップしたインフルエンサーにバンクーバーからブリスベンへの旅行をプレゼントしています。このキャンペーンは、バンクーバーからブリスベンへのAir Canada社の新しいフライトコースを宣伝することが目的でした。バンクーバーに住んでいるインフルエンサーたちは無料で飛行機に乗り、ブリスベンまでの空の旅を楽しんでいます。

    インフルエンサーたちは、ハッシュタグ#boardingbrisbaneを付けて、ブリスベン旅行の経験をInstagramに投稿し始めました。 このキャンペーンによって、バンクーバーの人々がAir Canada社を使ってブリスベンへ行くことが増えるなど大きなプロモーションとなり、話題を呼びました。旅行やホテルでの滞在など、インフルエンサーに貴重な経験を無償で提供することで、ブランドエンゲージメントを高めることに成功しています。

    旅行費用が全額支給される旅はタイアップしているインフルエンサーの満足感を高める優れた方法です。インフルエンサーたちは「おもてなしをされている」という特別感を感じるため、ブランドに対して報酬以上に感謝の気持ちが生まれます。特にトラベルブロガーといった旅行を愛するインフルエンサーに不手際のない旅をプレゼントすることできるなら、こういった戦略は非常に大きなエンゲージメントを生み出す可能性があります。

    キャンペーンが終わってからもAir Canada社は、タイアップしたトラベルインフルエンサーたちの通常の投稿にコメントを残すなど、関係維持に力を入れていました。このため、旅行をプレゼントされたインフルエンサーたちは契約終了後もAir Canada社を積極的に利用し、その様子を自身のSNSに投稿するなど、同ブランドのファンであることをフォロワーに示し続けてくれています。


    まとめ

    今回は、タイアップしたインフルエンサーと長期的な関係を築いてる航空会社の事例を3つ紹介しました。

    どの航空会社も、インフルエンサーマーケティングキャンペーン契約の終了後もインフルエンサーにSNS上で積極的に関わることで、インフルエンサーからのブランドアフィニティを高めることに成功しています。 その証拠に、トラベルインフルエンサーたちはタイアップした航空会社の印象が消えることなく、個人的な旅にも喜んで航空便を利用しています。

    インフルエンサーの投稿に対する「いいね」や、自然なコメントを定期的に残すといった小さな行動で、このような大きなメリットを得ることが可能です。

    ブランドアンバサダーやインフルエンサーとの関係を良好に保つために長期的なアプローチを取ることは、今後のインフルエンサーマーケティング戦略の重要なポイントとなるでしょう。



    参考:https://nealschaffer.com/influencer-marketing-long-term-relationship/
    https://www.grin.co/blog/influencer-marketing-tactics

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