酒・アルコール業界のインフルエンサーマーケティング6選

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昨今、「若者の酒離れ」というニュースをよく耳にします。国税庁の「酒レポート」によると、課税移出数量(国内出荷数量)は平成11年度の1,017万KLをピークに、その後は減少しています。さらに、世界各国で酒のコマーシャルを規制する動きが強まっており、酒類を販売するブランドを取り巻く環境は厳しくなりつつあります。

そんな中、酒・アルコール業界のブランドがプロモーションの舞台として注目しているのがソーシャルメディアです。すでに、世界的に有名な酒・アルコール業界のブランドがインフルエンサーマーケティングを実施しています。

今回は、酒・アルコール業界のブランドが手掛けるインフルエンサーマーケティング6選を紹介します。

目次

    1. なぜインフルエンサーマーケティングなのか?
    2. スミノフのインフルエンサーマーケティング事例
    3. バドワイザーのインフルエンサーマーケティング事例
    4. I.W.ハーパーのインフルエンサーマーケティング事例
    5. スカイウォッカのインフルエンサーマーケティング事例
    6. ハイネケンのインフルエンサーマーケティング事例
    7. ベックスのインフルエンサーマーケティング事例
    8. まとめ

 

 

なぜインフルエンサーマーケティングなのか?

総務省の「通信利用動向調査」によると、2019年には全世代の69%がSNSを使用し、20代は87.1%と、最も高い水準になっています。また、40代は78.4%、50代は70.4%となっており、20代を中心に幅広い世代がソーシャルメディアを使用していることが分かります。

そして、ソーシャルメディアなどのオンラインを中心に実施するインフルエンサーマーケティングキャンペーンには、次のような利点があります。

・その商品がある生活スタイルをリアルに提案できる
・インフルエンサーのフォロワーを中心に顧客のコミュニティを作ることができる

酒・アルコール業界のブランドは、自社ブランドを身近に感じて長く愛飲してもらうために、ソーシャルメディアというプラットフォームを活用して新たな顧客獲得とファン層の形成に乗り出しています。

次の章から、実際に酒・アルコール業界のブランドがどのようにインフルエンサーマーケティングキャンペーンを展開しているのかを紹介していきます。

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    スミノフのインフルエンサーマーケティング事例

    スミノフは、ロシア発祥のウォッカブランドです。1941年10月に、ウォッカを使ったカクテル(モスコー・ミュール)が生まれ、スミノフの流行の一因となりました。モスコー・ミュール発明から75年になる2016年、スミノフは、覚えやすい2017年3月3日をナショナル・モスコー・ミュールデーという記念日にすると宣言しました。

    ロシア革命後にアメリカに拠点を移し、現在に至るまで販売を続けています。アメリカに移ってからのスミノフの発展を祝って、2017年に多数のインスタグラマーとタイアップしたインフルエンサーマーケティングキャンペーンが実施されました。

    130万人のフォロワーを持つインフルエンサーの@boywithnojobさんは、海を背景にスミノフのロゴ付きのカップにアルコール度数40度のウォッカを注いでもらっている写真を投稿しました。また、フードブロガーのEden Passateさんは、お菓子の箱にスミノフの瓶とコップを入れたオシャレな写真を投稿しました。

    ナショナル・モスコー・ミュールデーである3月3日にも多数の写真や動画が投稿され、多くの「いいね!」を集めました。

    バドワイザーのインフルエンサーマーケティング事例

     

    Game days are better with my partner @budweiser! #thisbudsforyou

    Lace Morrisさん(@lacemorris3)がシェアした投稿 –

    バドワイザーはアメリカ・ミズーリ州の会社が製造しているラガー・ビールで、日本ではキリンビールが販売しています。バドワイザーは複数のインスタグラマーと契約しており、Lace Morrisさんはその中の一人です。

    MorrisさんはABCテレビの番組の出演者からインスタグラマーに転身した女性で、インスタグラムには36万人を超えるフォロワーがいます。バドワイザーの公式インスタグラムのフォロワーは24万人程度なので、Morrisさんとタイアップすることによって、およそ1.5倍の人にメッセージを届けられることになります。

    バドワイザーは、投稿する写真のどこかにバドワイザーを入れシェアすることで、アメリカ全土のインフルエンサーに自分の街をアピールしてもらう企画も行いました。あらゆる都市のインフルエンサーと交流することで、「バドワイザーはあらゆる街の魅力を理解しているブランドだ」とフォロワーに感じてもらうことを目指しているためです。

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      I.W.ハーパーのインフルエンサーマーケティング事例

      I.W.ハーパーはアメリカ発祥のバーボン・ウイスキーで、80年代に日本で流行しました。2015年には宣伝効果を上げるため、同社はアフリカ系アメリカ人のインフルエンサーやブロガーとタイアップしています。

      I.W.ハーパーは、カクテルパーティーを開催してインフルエンサーに自社のウイスキーを楽しんでもらいました。カクテルパーティーに参加したインフルエンサーは、自分がテイスティングする姿をインスタグラムに投稿しました。

      カクテルパーティー自体は、酒・アルコール業界でよく行われているイベントですが、インフルエンサーを通じて情報を発信してもらうことによって、ブランドのプロモーションとは異なる潜在顧客層へのリーチが可能になります。

      また、カクテルパーティーのような対面イベントは、インフルエンサーとブランドの関係性を強化できるというメリットもあります。

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        スカイウォッカのインフルエンサーマーケティング事例

        青い瓶に白文字で「skyy」と書かれた「スカイ」は、25年前にサンフランシスコで発売開始されたウォッカブランドです。

        スカイは、インフルエンサーにちょっと変わった方法でブランドをアピールしてもらいました。インフルエンサーはスカイブランドのウォッカを飲んでいる様子を投稿するのではなく、青いセーターやニット帽を身にまとった写真を投稿しました。

        ファッション&ビューティーブロガーのRachel Martinoさん(@rachmartino)がインスタグラムに投稿した写真は、白い雪景色の中でスカイのトレードカラーであるブルーが目立つ構図になっています。

        スカイの事例のように、商品やサービスをダイレクトにプロモーションするのではなく、トレードカラーを印象付けるという方法も、ユニークなインフルエンサーマーケティングキャンペーンのアイデアの一つと言えるでしょう。

        ハイネケンのインフルエンサーマーケティング事例

        ハイネケングループは1863年に創業した歴史あるオランダのブランドで、日本でも広く名前が知られています。

        ハイネケンは、インフルエンサーやデザイナー、ブティックなどに、ハイネケン公式の男性向けアパレル商品をデザインしてもらうというキャンペーンを実施しました。

        インスタグラムに2万6,000人のフォロワーを持つマイクロインフルエンサーのColtrane Curtisさん(@coltranecurtis)は、今回のキャンペーンで制作されたリュックサックのモデルになり、スタイリッシュな写真を投稿しました。

        「お酒」と「ファッション」という異業種のコラボによって、ハイネケンブランドのスタイリッシュなイメージをアピールすることに成功しました。

        ベックスのインフルエンサーマーケティング事例

         

        Ready for a special night at @becks_it 😍🍺🎶 #becksunacademy #live #beckstage

        Valentina Ferragniさん(@valentinaferragni)がシェアした投稿 –

        ベックスはドイツビールの大手企業です。日本でも各地でオクトーバーフェストが開催されるなど、ドイツビールへの関心が高まっています。

        ベックスは音楽イベントを主催し、インフルエンサーを招待するという方法でブランドを宣伝してもらいました。イタリアのインスタグラマーであるValentina Ferragniさん(@valentinaferragni)は、イベントを楽しんでいる様子をコンテンツとして投稿しました。

        音楽イベントと酒・アルコール業界は非常に相性が良く、音楽イベントを活用したインフルエンサーマーケティングキャンペーンも盛んに行われています。

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          まとめ

          今回は、酒・アルコール業界のブランドが手掛けるインフルエンサーマーケティング6選を紹介しました。

          酒・アルコール業界のプロモーションを取り巻く環境は厳しくなる一方ですが、今回紹介したように、有名ブランドはソーシャルメディアを活用したオンラインプロモーションに活路を見出しています。

          今後も、酒・アルコール業界のブランドによるユニークなインフルエンサーマーケティングキャンペーン事例が次々と誕生するでしょう。

          そして、ブランドのイメージに合ったインフルエンサーとタイアップすることによって、リブランディング効果があるだけではなく、そのインフルエンサーに興味を持つオーディエンスへのリーチも可能になります。

           

           

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          参照:https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/shiori-gaikyo/shiori/2016/pdf/000.pdf
          https://www.washingtonpost.com/news/wonk/wp/2014/10/01/when-transit-agencies-run-short-on-cash-should-they-sell-alcohol-ads-to-get-it/?utm_term=.c53a41df8e68
          https://www.curalate.com/blog/alcohol-social-influencers/
          http://www.adweek.com/brand-marketing/alcohol-ads-increased-400-over-40-years-americans-arent-drinking-more-163668/
          http://mediakix.com/2016/03/alcohol-advertising-social-media-influencers/#gs.iDPUaS0
          https://medium.com/juliusworks/how-smirnoff-targeted-millennials-with-influencers-to-celebrate-national-moscow-mule-day-24f8c5469c1e
          http://mediakix.com/2015/12/how-brands-are-marketing-on-instagram-this-holiday-season/#gs.b7HAnmk
          http://www.prnewswire.com/news-releases/smirnoff-vodka-the-vodka-of-the-original-moscow-mule-declares-march-3-to-be-national-moscow-mule-day-300348439.html
          https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc111130.html

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