大手スーパーマーケット「ALDI」と「Whole Foods」のイースターインフルエンサーマーケティング事例

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ドイツのディスカウントストアチェーン「ALDI」は驚異的な割引価格で知られており、米国のスーパーマーケットチェーン「Whole Foods」はハイエンドでオーガニックな食料品を取り扱っている食料品店です。

国際小売業連盟の調査によると、2018年米国のイースターの支出額は182億ドル、つまり1人当たり150ドルになると予測されていました。米国の人々がイースターに費やすお金のうちの大部分はチョコレートバニーや大きなハムなどの食べ物に割り当てられていて、およそ57億ドルにものぼると言われています。

このように、イースター休暇期間は食品メーカーや小売業者にとって大きな宣伝のチャンスです。米国人の半数以上(58%)が外食ではなく家庭でのイースターディナーを用意しているため、スーパーマーケットは特にイースターに関連するマーケティングの恩恵を受けています。

今回は、ALDIとWhole Foodsの両食料品チェーンが実施したイースターインフルエンサーマーケティングキャンペーンの概要と、そのビジネスゴール、インフルエンサーのコンテンツ例を2つずつ紹介します。


目次

  1. ALDIは有名フードブロガーとタイアップ
  2. ALDIがタイアップしたインフルエンサー
  3. Lindsay Ostromさんの有機卵を使ったイースターエッグレシピ
  4. Adrianna Adarmeさんの簡単イースターハムレシピ

  5. Whole FoodsのOn-The-Goイースターインフルエンサーキャンペーン
  6. Whole Foodsがタイアップしたインフルエンサー
  7. Erin Drugaさんのお持ち帰りイースターパーティー
  8. Whole FoodsはMelanie Bauerさんの頼れるパーティーパートナー
  9. まとめ

  10. ALDIは有名フードブロガーとタイアップ

    ドイツのディスカウントストアチェーン「ALDI」は、その割引価格で最もよく知られています。世界的な小売業者であるALDIは2022年までに2,500店舗に拡大し、月に1億人の顧客にサービスを提供すると予測されているほどです。

    この事業拡大に伴い、同社は「自社の低価格商品は決して低品質の食品ではない」と強調しています。 ALDIのCEOであるJason Hartさんは「より多くの、抗生物質を含まない肉やオーガニック農産物といった新鮮で健康的な食料を、従来の食料品店の50%以下の価格で提供することに焦点をあてています」と語りました。

    その割引価格と高品質の食材を宣伝するためにALDIは、ハムや子羊肉、お菓子だけでなく、おいしい料理を特徴とするイースターディナーのための食料品を提供できるようキャンペーンを展開しました。戦略として、同社は割引をしない店の品質と同等のものをイースター割引価格として提示していることを宣伝するために、インフルエンサーマーケティングを利用してます。

    ALDIは5人のトップフードブロガーとタイアップして、彼ら独自のレシピコンテンツに焦点を当てたキャンペーンを開始しました。各インフルエンサーは、イースターレシピを特色とするスポンサードポストを1〜2つInstagramに投稿し、各々のブログには1つのスポンサード記事を投稿しました。

    このイースターキャンペーンは、ブランドの包括的な「#ALDILove」マーケティングと適合し、非常に発見しやすいInstagramコンテンツで多くのエンゲージメント生み出しました。スモークゴーダチーズ味のビスケットからチーズの盛り合わせまで、作成されたレシピは一般的に高価であると考えられていた材料を使って特集されており、他の食料雑貨チェーンよりALDIを利用したホームパーティーのメリットを感じさせるコンテンツとなっていました。


    ALDIがタイアップしたインフルエンサー

    タイアップした5人のうち3人のインフルエンサーは20万人以上のフォロワーを持つマクロインフルエンサーで、残りの2人は10万人以下のフォロワーを持つマイクロインフルエンサーでした。

    @pinchofyum — 58万1,000 フォロワー
    @loveandlemons — 24万4,000 フォロワー
    @cozykitchen — 21万4,000 フォロワー
    @foodfaithfit — 7万7,500 フォロワー
    @playswellwithbutter — 4,900 フォロワー


    Lindsay Ostromさんの有機卵を使ったイースターエッグレシピ

    フードブロガーのLindsay Ostromさんは、581,000人のフォロワーを持っており、ALDIのイースターキャンペーンに関わる中で最大規模のインフルエンサーでした。彼女はALDIの商品を紹介するために、ハム、卵、チーズを使ったブランチのレシピを用意し、ブログには1つ、Instagramには2つのスポンサードポストを投稿しています。

    Ostromさんのスポンサードコンテンツは、「ALDIでは手頃な価格で高品質な食品を買うことができる」と消費者に知らせるという一番の目的を果たしました。ブログ記事の中で、Ostromさんは「ALDIの卵は、安全で安心なオーガニックケージフリーの卵なので、とても気に入っています」と述べています。

    さらに彼女は、ALDIが一般的な卵ではなく有機卵を取り扱っていることをフォロワーに知らせるために「有機ブラウンエッグ」というフレーズを2つのInstagram投稿のキャプションで定期的に使用しています。

    またOstromさんのレシピは、ALDIで購入した商品をすばやく簡単に使用できる調理法として最適でした。準備しやすい食事を探している消費者もまた、効率的で手頃な価格で買い物ができる場所を求めているため、彼女のレシピはALDIの理想的な人口統計にマッチしています。

    このレシピは45秒のビデオの中で最初から完成まで収まるため、Ostromさんは彼女の2番目のInstagramの投稿で調理のヒントを特集しました。この短いレシピ動画は魅力的でシェアを伸ばせただけでなく、オーディエンスに簡単でおいしいイースターレシピを提供することができました。


    Adrianna Adarmeさんの簡単イースターハムレシピ

    Ostromさんと同様に、Adrianna Adarmeさんも同じ「ステップバイステップ形式」のレシピ動画とそれに付随するブログを投稿して、ALDIの製品を紹介しています。Adarmeさんは、スライスハムとスモークゴーダチーズ、ブラックペッパービスケットを組み合わせたイースターメニューを214,000人のフォロワーに紹介しました。

    OstromさんはALDIの食品を「オーガニックで調理しやすいものも多い」として紹介していますが、AdarmeさんはALDIを「料理経験の浅い人にとっても理想的なもの」として強調しています。ブログ記事でAdarmeさんは「私はハムなんて作ったことがありませんでしたし、簡単だと思ってもみませんでした。ALDIで買った豚肉の塊をオーブンで数時間焼いて、焼きあがる30分前にジンジャーやシナモンなどの香辛料が入ったソースをかけてみたら、まさにイースターハムになりました」と書いています。

    ALDIの顧客にとって、準備が簡単で効率的に調理ができるということは非常に魅力的だったため、彼女のレシピもまた多くのエンゲージメントを生み出しました。


    Whole FoodsのOn-The-Goイースターインフルエンサーキャンペーン

    米国で最も健康的なオーガニック食料品店として知られている「Whole Foods」は、一般の人々の意識の中ではALDIの反対側に位置しています。ALDIが2500店舗に到達しかけている一方で、Whole Foodsは479店舗ですが、Whole Foodsは1年に1500万ドル以上といった大きな収益を生み出しています。

    ALDIとは異なり、Whole Foodsブランドは高品質の有機食品を取り扱っていることを消費者に知らせる必要はありません。しかしWhole Foodsは、スーパーマーケットとして別の問題に直面しています。それは、提供している高品質の食品や製品がグルメ専門家やホームシェフだけのものとして見られる傾向にあるため、一般的な人には浸透していないという問題です。

    一見すると、Whole Foodsは「高品質の食材を使ってイースターディナーの準備をするフードインフルエンサーとタイアップする」という点において、ALDIよりもイースターインフルエンサーキャンペーンに最適かもしれません。しかし、同社は注文して店頭で受け取る(On-The-Go)だけの「事前に準備されたオーガニックイースターフードの予約注文のテイクアウトメニュー」をキャンペーンの中心にすることを選択しました。

    この予約注文とテイクアウトサービスを特徴とすることで、Whole Foodsのイースターキャンペーンは複雑な食事を準備する時間や経験を持っていない消費者にアピールしました。このような属性の消費者にリーチするために、Whole Foodsはそういった「時間や調理経験の少ない」インフルエンサーとタイアップしています。


    Whole Foodsがタイアップしたインフルエンサー

    キャンペーン目標に従って、Whole Foodsは7人のインフルエンサー(マクロインフルエンサー1名、マイクロインフルエンサー6名)とタイアップし、それぞれがテイクアウトのイースターメニューを宣伝する1つのInstagramポストを作成しました。タイアップしたインフルエンサーたちは誰も、ALDIのキャンペーンのようなレシピコンテンツは作成しませんでした。

    @paleomg — 33万 フォロワー
    @pbfingers — 4万5,100 フォロワー
    @averiesunshine — 4万3,600 フォロワー
    @thealmondeater — 2万2,600 フォロワー
    @melaniemakes — 6,800 フォロワー
    @brunchnbites — 6,300 フォロワー
    @thrivingonpaleo — 4,400 フォロワー


    Erin Drugaさんのお持ち帰りイースターパーティー

    フードインフルエンサーのErin Drugaさんは、Whole Foodsのイースターインフルエンサーマーケティングキャンペーンのトップパフォーマーの1人でした。Drugaさんは準備に時間がかかったように見えるおいしそうなイースターディナーテーブルの写真を投稿して、「信じられないかもしれませんが、この食べ物はすべて@wholefoodsにみんなで注文したもので、どれもとてもおいしかったのです。」と語っています。

    この写真を見て彼女のオーディエンスは、Drugaさんが最初から自身で手掛けたイースターディナーを準備する方法をフォロワーに教えるであろうと、まず予想したでしょう。しかし注文してテイクアウトしただけのディナーを載せた投稿は、ファンに大きな衝撃を与え、Whole Foodsの予約オーダーサービスへの強い関心を呼びました。

    この記事は、DrugaさんのInstagramフィードにもぴったり合っています。彼女は定期的にカラメルバナナのショートケーキやチョリソーマンゴーピザなどの高度なレシピをアップしているため、このエレガントなイースターメニューの写真は彼女のファンが期待するものであり、予期せぬ投稿の効果を倍増させています。


    Whole FoodsはMelanie Bauerさんの頼れるパーティーパートナー

    キャンペーンの中で最も影響力のある人物の1人であるMelanie Bauerさんは、前述のDrugaさんに似た写真を出しました。4人の子どもの母親である彼女もまた、Whole Foodsの予約オーダーとテイクアウトサービスによる美しいイースターディナーテーブルを披露しています。あらゆる忙しい親にとって不可欠なツールとしてWhole Foodsのサービスを位置付けることによって、彼女と同じ属性のオーディエンスへのアピールに成功しました。

    投稿の中で、Bauerさんは「私たち家族はこの4週間で、4回の誕生日を迎えました。そしてママである私はとっても疲れています。私の夫の誕生日はもうすぐです。イースターももうすぐ。私はこの連続でやってくるパーティーの準備を、誰か他の人にしてもらうことに決めました。@wholefoodsで検索してみてください。」と述べています。

    タイアップしたフードインフルエンサーのコンテンツは、キャプションとそれに付随する複数の画像をあわせて、Whole Foodsのイースターは一から作り出したものと同じくらい美しく、美味しいものであることをオーディエンスに示しています。

    キャプションの中で、BauerさんはWhole Foodsの予約オーダーとお持ち帰りサービスが利用できるWebページへのリンクも貼っており、Webトラフィックとサービスの売り上げを促進するのに大きな役割を果たしました。


    まとめ

    今回は、ALDIとWhole Foodsという2社のスーパーマーケットチェーンによるイースターインフルエンサーマーケティングキャンペーン事例について紹介しました。

    ALDIは低価格で有名なディスカウントストアでしたが、商品は低品質ではなく、オーガニック製品も取り扱っているという点を強調しました。同社はインフルエンサーとタイアップしてALDIで購入した材料を使用したイースターレシピコンテンツを作成し、多くのエンゲージメントを獲得しています。

    一方でWhole Foodsは、高価格高品質として知られているオーガニックマーケットですが、調理に時間がかけられない忙しい人々の利用も拡大するべく、パーティーメニューの予約オーダーとテイクアウトサービスを開始しました。タイアップしたフードインフルエンサーたちはその美しさと手軽さを写真で投稿し、味もおいしいと高く評価したことでWhole Foodsを利用したことがなかった新たな属性の消費者にも話題になりました。

    どちらの食料品ブランドも、自社の強みと弱みを考えてマーケティング戦略を練ることで、このイースターキャンペーンで成功を収めています。タイアップするインフルエンサーごとに違うオーディエンスのニーズを考えてアプローチを変えることが、インフルエンサーマーケティングキャンペーンでの成果につながるでしょう。



    参考:http://mediakix.com/2018/04/easter-marketing-campaign-case-study-whole-foods/#gs.6t2ofu

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