世界的ショッピングサイト・Amazon社が展開するインフルエンサーマーケティング事例

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世界最大級のオンライン・ショッピングサイトとして、今や誰もが知る大企業に成長したAmazon社。2019年度の世界総時価額ランキングでは第2位にランクインするなど、その成長ぶりはますます加速しています。そんなAmazon社は、新サービスや新商品を宣伝するにあたってインフルエンサーマーケティングを積極的に取り入れている企業としても知られており、インフルエンサーとタイアップした数々のキャンペーンにおいて大きな成果を上げました。

今回はAmazon社にスポットを当て、当社がこれまでに実施したキャンペーン事例の概要とその効果をご紹介します。

 

目次

      1. オーディオブック「Audible」の事例
      2. 食品配達サービス「Fresh Market」の事例
      3. Prime Nowキャンペーンの事例
      4. Prime Dayキャンペーンの事例
      5. まとめ

オーディオブック「Audible」の事例

Amazon社が提供しているサービスAudibleは、小説からビジネス本まで幅広いジャンルの本をプロの声優や著名人の朗読で聴けるサービスです。スマートフォンやタブレット、パソコンがあればどこでも本が読める、ジョギングや料理など他のことと同時進行で本が聴けるなど、これまでの本にはなかった利便性の良さが話題を呼びました。

Amazon社は、Audibleの認知拡大のため若い世代やその親世代をターゲットにしたキャンペーンを実施。6人のインスタグラマーと5人のYouTuberとタイアップし、計14のコンテンツを発信しました。

マイクロインフルエンサーHailey Phamのケース

カリフォルニア州の住むHailey Phamは、育児に奮闘する母親の視点からAudibleをアピールするコンテンツを投稿しました。彼女は家事の中で子供服を整理するのが最も苦手だと言い、「そんな時は、近藤麻理恵の片づけハウツー本を聴きながら作業するのがお気に入りです。本を読むよりもモチベーションが上がるの」とコメントしました。Haileyは、日々の生活の中でどのようにAudibleが活用できるかという具体例を示しただけでなく、母親としての等身大の姿を発信することで、オーディエンスの強い共感を呼びました。その結果、今回のキャンペーンの中でも大きな成果を挙げたインフルエンサーのひとりとなったのです。
いいね!の数:618
エンゲージメント率:13.7%

マクロインフルエンサーTyler Oakleyのケース

750万人超の登録者数を誇る人気YouTuberのTyler Oakleyは、Audibleを宣伝する動画を2本アップしました。中でも視聴者の質問に答えるQ&A形式の動画では、今月のAudibleおすすめ作品、Audibleの使用方法、作品の検索方法、無料で視聴できるリンクなどを紹介。またAudibleのおすすめ作品を毎月発信している旨を付け加えることで、インフルエンサー自身が日常的にAudibleを使っていることをオーディエンスに印象付けました。この動画は38万回以上再生され、Audibleの認知拡大におおいに貢献しました。
動画再生回数:385,787回
お気に入り登録数:約3.8万回
コメント数:1,339

Audibleカナダのケース

カナダでは、Audibleのサービス開始を記念したイベントを開催し、14人のインスタグラマーを招待しました。その顔ぶれにはテレビ番組のパーソナリティを務める有名人が多く含まれており、彼らはAudibleを宣伝するコンテンツをインスタグラムに計17本投稿しました。中でもJessi Cruickshankは、双子のバギーを押しながらAudibleに耳を傾ける様子を投稿し、20%近いエンゲージメント率という驚異の数字を記録しました。
14人平均のエンゲージメント率:6.52%
いいね!の数(Jessi Cruickshankのケース):8,481

食品配達サービス「Fresh Market」の事例

Amazon社の食品配送サービス「Fresh Market」は、生鮮食品を含む食品や日用品を当日もしくは翌日までに家まで届けてくれるサービスです。Amazon社はサービスの認知拡大を目指し、食品の宣伝に特化した6人のインスタグラマーを起用したキャンペーンを実施しました。Hungry Girls Do It Betterという名前で活用するインフルエンサー2人組は、「ナショナルアイスクリームデー」に合わせてFresh Marketでアイスクリームをオーダーするというパフォーマンスを投稿。いかに商品が早く届くかという点をアピールしました。

残念ながらこのキャンペーンの平均エンゲージメント率は1.5%に留まり、Audibleの事例に比べあまり成果を挙げられませんでした。しかし、「アイスクリームが溶ける前に届くほど速い」という印象をオーディエンスに与える上で一役買ったと言えるでしょう。

Prime Nowキャンペーンの事例

Amazon社がPrime会員を対象に提供する「Prime Now」は、食品、日用品、電化製品、地域によってはローカルレストランの注文品等をオーダーから最短2時間で届けてくれる即時配達サービスです。このキャンペーンでは、女優で歌手のLea Micheleをはじめ合計1,600万人のフォロワーを持つメガインフルエンサー3人とタイアップしました。

今回のキャンペーンではクリスマスシーズンにちなみ、インフルエンサー本人がファンの家へ商品を届けるというサプライズ企画を実施しました。インスタグラムには憧れのスターに会えて歓喜するファンの様子がアップされ、フォロワーたちの大きな反響を呼びました。

Lea Micheleのケース

フォロワー数:480万人
いいね!の数:97,226
エンゲージメント率:4%

Prime Dayキャンペーンの事例

毎年7月頃に開催される「Prime Day」は、Amazon社のPrime会員限定の特別セールです。あらゆるジャンルの商品が驚くほど安く買えるこのキャンペーンは毎年話題になる人気企画で、宣伝には3人のインフルエンサーが起用されました。

その1人である歯科医Dentist Singingは、人気曲のパロディを作成し自ら歌って歯の健康を訴える、というユニークなアプローチで人気となったインフルエンサーです。彼はコンテンツを通して電動歯ブラシがPrime Dayキャンペーンでセールになっている旨をアピールし、認知拡大に貢献しました。

Dentist Singingのケース

フォロワー数:105,000人
いいね!の数:2,300人
エンゲージメント率:5.3%

まとめ

世界をリードするAmazon社は、 メガインフルエンサーからマイクロインフルエンサーまでを広く起用したクリエイティブな戦略を展開し、インフルエンサーマーケティングの世界でも大きな注目を集めています。Audibleではインフルエンサーたちが日々の生活での利用している様子を紹介し、Fresh Marketではアイスクリームによって配達のスピード感を表現。Prime Nowキャンペーンではクリスマスに合わせたサプライズ企画を打ち上げるなど、各サービスやイベントを最大限にアピールできる戦略を実施してきました。Amazon社のインフルエンサーマーケティングは、今後ますます発展していくことが予想されます。

 

参考:http://mediakix.com/2017/09/amazon-marketing-strategy-influencers/#gs.6vh7zf
https://www.mavrck.co/amazons-influencer-marketing-push/
https://affiliate-program.amazon.com/influencers
https://primenow.amazon.com/onboard?sourceUrl=%2Fhome

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