BtoBからBtoCへ転向したヘアケアブランド Amika のインフルエンサーマーケティング事例

Pocket

Amika はアメリカで誕生したヘアケアブランドで、「どのようなタイプの髪質にもマッチする」と人気を集めています。

元々、Amika はヘアサロンで使用するプロ専用のヘアケアブランドでしたが、2018年から一般消費者向けのマーケティングを開始し、その戦略の一つとして、化粧品や香水を扱う美容品専門店「Sephora」でのヘアケア製品の販売を開始しました。

BtoB ブランドから BtoC ブランドへのリブランディングを成功させた Amika は、世間に「インフルエンサー」という言葉が広まるずっと前からインフルエンサーマーケティングに取り組み、Sephora での事業拡大においてもインフルエンサーマーケティングが戦略の中心となりました。

今回は、Amika がインフルエンサーマーケティングで成功している秘訣を、美容専門店 Sephora での Amika のインフルエンサーマーケティング事例を交えて紹介します。

目次

  1. 美容専門店 Sephora での Amika のインフルエンサーマーケティング事例
  2. Amika がインフルエンサーマーケティングで成功している秘訣は?
  3. 競合ブランドと Amika のインフルエンサーマーケティング戦略の違いは?
  4. インフルエンサーマーケティングを取り入れたい企業へのアドバイスは?
  5. まとめ


  6. 美容専門店 Sephora での Amika のインフルエンサーマーケティング事例

    Amika は一般消費者をターゲットに置いたリブランディングの一環として、2018年に美容専門店 Sephora でヘアケア製品の販売を開始しました。

    Amika はヘアサロンで使用するプロ専用のヘアケアブランドとして有名でしたが、一般消費者の間での認知度は高くありませんでした。そのため Amika は、まずはブランド認知度を上げることが Sephora での事業拡大の成功のカギだと考えました。

    Sephora では以前から Amika の商品が販売されていましたが、ヘアケア製品の販売は今回が初めてでした。この新たな試みを通じて、Sephora の実店舗のエンド棚(通路に面していて商品棚の一番目立つ場所)で人気のブランドになることを目指しました。

    キャンペーンの目的

    ・Amika のヘアケア製品のターゲットユーザー間でブランド認知を拡大する
    ・Amika ブランドへのエンゲージメントを高める
    ・Sephora の実店舗、オンラインでの販売促進

    キャンペーンの方法

    Amika は10名のインフルエンサーとタイアップし、幅広い年齢層とあらゆるタイプの髪質を持った潜在顧客へ向けてヘアケア製品をプロモーションしてもらいました。

    Amika は以前からキャンペーンのパフォーマンスを重視していて、タイアップしたインフルエンサーごとのブランドのメンションや、オーガニックメンション、シェア、リスポンス率などのデータを毎週チェックしています。

    今回のキャンペーンでも、メンション、Amika のソーシャルチャンネルのフォロワー数、エンゲージメントなどの具体的なゴールを設定し、モニタリングを実施しました。

    キャンペーンの結果

    トータルメンション:46
    ポテンシャルリーチ:1,980万
    エンゲージメント:73万6000
    動画閲覧回数:464万回
    平均エンゲージメント率:3.97%

    Sephora における Amika のリブランディングは大成功を収めました。ブランド認知やエンゲージメントのゴールを達成しただけではなく、実店舗とオンラインショップの売上も目標を超えました。

    キャンペーンが大成功を収めた背景には、次のような理由がありました。

    ・プロモーションする商品を絞った
    ・様々な髪質や民族性のインフルエンサーを起用した
    ・キャンペーンのパフォーマンスを細かく分析した

    インフルエンサーマーケティングを活用した Amika のリブランディングは、インフルエンサーのパフォーマンスを分析し、ブランドとインフルエンサーの関係性をマネージメントしながら戦略的にキャンペーンを実施することによって、ブランド認知、エンゲージメントに大きな影響を与え、最終的には売上の増加も実現できることを証明しました。

    元々 BtoB ブランドだったAmika は、今回のインフルエンサーキャンペーンを通じて、マーケティングチームの在り方、一般消費者へ向けた新商品のプロモーションとソーシャルメディアを活用するワークフローを確立しました。



    Amika がインフルエンサーマーケティングで成功している秘訣は?

    米国インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「Traackr」の取材で、Amika のブランド責任者である Chelsea Riggs さんは、自社のインフルエンサーマーケティング戦略について次のように話しました。

    「私たちは商品のパッケージを一新し、Sephora の実店舗のエンド棚でヘアケア製品の展開をスタートさせました。プロモーションする商品を限定し、様々な髪質や民族性のインフルエンサーを起用したことが成功の要因だったと考えています。」

    「そして、タイアップの候補になっているインフルエンサーのフォロワーをデータ分析し、少なくともフォロワーの50%がアメリカ在住、80%以上が女性、Amika がターゲットとしている18歳~25歳、25歳~34歳の年齢層のフォロワーを持つインフルエンサーを優先して起用しました。また、エンゲージメントや、インフルエンサーの過去のスポンサーコンテンツへのフォロワーからのコメントも分析しました。」

    Amika のインフルエンサーマーケティングが成功している秘訣は、これまでのインフルエンサーマーケティングの経験から、データを抽出する方法、インフルエンサーを選定する方法など、一連の流れが成功メソッドして確立されているからです。

    キャンペーンは一度きりで終わらせてしまうのではなく、継続的に実施することによって毎回ブラッシュアップされていきます。そのためにも、インフルエンサーとのタイアップは長期的に行うことが大切です。

    おすすめ記事:インフルエンサーと長期契約を結ぶメリットと注意点



    競合ブランドと Amika のインフルエンサーマーケティング戦略の違いは?

    Chelsea Riggs さんは、自社と競合ブランドのインフルエンサーマーケティング戦略の違いについて次のように答えました。

    「美容業界のブランドは YouTube などのソーシャルメディアプラットフォームの開拓に躍起になっています。Amika は「インフルエンサー」という名前が世間に広まるずっと前からインフルエンサーとのタイアップを実施してきました。」

    「今では信じられないことですが、インフルエンサーへの投資は売り上げにつながらないので資金の無駄だと言われていた時期もありました。当初は予算も限られていましたが、私たちはインフルエンサーに可能性を見出し、予算の多くをインフルエンサーに投資してきました。他のブランドと Amika が異なる点は、インフルエンサーをただの広告塔ではなく、ブランドを代表する存在だと考えていることです。」

    「また、私たちは Sephora の商品ページに掲載する製品の「ハウツービデオ」を、自分たちではなく、インフルエンサーに作ってもらっています。そうすることで、製品の最も良い使い方を信憑性を持ってデモンストレーションできるからです。」

    「インフルエンサーのパワーを信用していないマーケターは未だに多く存在し、インフルエンサーにインセンティブを支払わない会社もあります。また、キャンペーンが適切に展開されていない、オーディエンスから信頼が得られない方法で実施されているなどの問題点も多いのが現状です。」

    「ソーシャルメディア上でのプロモーションと同じように、インフルエンサーマーケティングは「やらなければならない」ことだと考えているのかもしれませんが、正しく実施できないのであればやるべきではありません。」

    Chelsea Riggs さんは、長年の経験からインフルエンサーマーケティングの成功法則を確立しました。競争が激しい美容業界でも、インフルエンサーの持つ影響力を正しく活用できれば、後発ブランドにもチャンスがあることを Amika が証明してくれました。



    インフルエンサーマーケティングを取り入れたい企業へのアドバイスは?

    インフルエンサーマーケティングを取り入れたいと考えている企業に向けて、Chelsea Riggs さんは次のようにアドバイスをしています。

    「初めに、会社の各部署の責任者をプロジェクトに巻き込むことが重要です。Amika では、セールスチームでさえインフルエンサーマーケティングの意思決定に関わっています。彼らはインフルエンサーにプロモーションしてもらう製品を決定し、どのようなコンテンツが一番良いかを決める手助けをしてくれます。」

    「以前はソーシャルメディアマネージャーのみがインフルエンサーマーケティングに関わっていましたが、今ではマーケティングチームの誰もが何かしらの形でインフルエンサーマーケティングに関わっています。」

    Amika のインフルエンサーマーケティングが成功している理由の一つとして、「全社を挙げた取り組み」があります。Chelsea Riggs さんも、初めから様々な部署の協力を得られた訳ではないでしょう。インフルエンサーの影響力を理解してもらい、周りの人を巻き込んで力強くプロジェクトを推進する Chelsea Riggs さんのような存在がプロジェクトの成功には必要不可欠です。



    まとめ

    今回は、Amika がインフルエンサーマーケティングで成功している秘訣を、美容専門店 Sephora での Amika のインフルエンサーマーケティング事例を交えて紹介しました。

    競争が激しい美容業界のインフルエンサーマーケティングにおいて、Amika は業界を代表する存在です。早い時期からインフルエンサーの影響力の重要性に気づき、長期的にタイアップキャンペーンを実施したことにより、Amika はインフルエンサーマーケティングの成功のサイクルを作り出しました。

    Amika のインフルエンサーマーケティングは、次のように様々な要素から成り立っています。

    ・詳細なターゲット層の設定
    ・明確なキャンペーン目的とゴールの設定
    ・データ分析に基づいたキャンペーン戦略の立案
    ・部署の枠を超えた協力体制

    これからインフルエンサーマーケティングに参入しようとしている企業にとって、Amika は理想的なロールモデルと言えるでしょう。


    参考:http://www.traackr.com/blog/staging-a-brand-rebellion-how-amika-scales-authentic-influencer-marketing

    http://www.traackr.com/amika-influencer-marketing-case-study

    Pocket