アジアのインフルエンサーマーケティング事例特集 シンガポール、中国、インド

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欧米の事例ばかり取り上げられがちですが、オンラインレビューをよく見る消費者、特に「若者をターゲットに行われるインフルエンサーマーケティング」は、今やアジアでも活用されています。今回はシンガポール・中国(香港)・インドを含むアジアを舞台に行われたインスタグラムのインフルエンサーマーケティングについて紹介します。

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目次

  1. シンガポール:アジアのインフルエンサーマーケティング事例その1
  2. シンガポール:アジアのインフルエンサーマーケティング事例その2
  3. 中国:アジアのインフルエンサーマーケティング事例その3
  4. インド:アジアのインフルエンサーマーケティング事例その4
  5. まとめ

シンガポール: アジアのインフルエンサーマーケティング事例その1

アジアのインフルエンサーマーケティング市場 シンガポール編

シンガポールにおいて、インスタグラムはTwitterを抜いて2番目に頻繁に使用されるSNSです。また、シンガポールの16歳から24歳のうち85%はインスタグラム使用者であり、そのうちブランドの公式webサイトや新聞、テレビの広告よりもオンラインの口コミを信じると回答したのは40%でした。このデータを鑑みると、シンガポールにおいてインフルエンサーを起用したインスタグラムのプロモーションが効果を発揮するのは自然なことです。

シンガポールで企業が行うインフルエンサーへの投資は実際に高いリターンが見込まれ、1ドルの投資ごとに6.85ドルのリターンがあると言われています。これをふまえた上で、シンガポールで実際に行われたインフルエンサーマーケティング事例を2つ紹介する。以下の事例は、どちらも「StarNgage社」というインフルエンサーマーケティングの仲介企業が手がけた事例です。

Tony Roma’s Singapore レストランのインフルエンサーマーケティング事例

Tony Roma’sはアメリカ発の企業であり、東南アジアやオーストラリアなどアジア太平洋地域にもビジネス展開を行っているカジュアルレストランです。「Tony Roma’s Singapore」は新メニューを展開するにあたり、10人のインフルエンサー達を国内最大級のショッピングモール「サンテック・シティ」にある自社レストランでの試食会に招待しました。

レストランの料理は多岐に渡り、マスのマリネや牛のタリアータなど様々なメニューが並びました。レストランの目的は、
・食に精通するマイクロインフルエンサーと提携
・ターゲットオーディエンスへのリーチ
・ブランド意識の確立と向上
であり、招待したインフルエンサーの創造性とオーディエンス基盤を利用してレストランへの来客数を増やすことも目指していました。

インフルエンサーの活用

レストランがインフルエンサーに要求したのは、
・新メニューのトップ・オブ・マインドに注意を払うこと
・新しい料理を強調すること
・正直に最適なタイミングでコメントを行うこと
上記の3つでした。

インフルエンサー達は10日の間に、2~3枚の写真をインスタグラムに投稿しています。スナップチャットの活用や、新メニューに関する短いブログ記事で追加のプロモーションを行ったインフルエンサーもいました。さらに、タグは「@tonyromassingapore」、ジオタグは「Tony Roma’s Singapore」、ハッシュタグは「#tonyromassingapore」「#tonyromas」「#tonyromasribs」をそれぞれ使用するよう求められました。また、「@TonyRomasSingapore」をインスタグラムでフォローし、最新投稿をいいねすればレストランで15ドル安く食事できるという割引特典のプロモーションもインフルエンサーによって行われています。

結果

インスタグラムにおいて10人のインフルエンサーが3日間で行った27コンテンツは、
・260件以上のコメント
・6000件以上のいいね
・オーディエンスからの高いエンゲージメント
・ターゲットとなる消費者からのフィードバック
・ブランドアウェアネスの向上
・ブランドメッセージの伝達
・インスタグラムにおける40000以上のソーシャルリーチ
を獲得するという、大きな成果を生み出しました。


シンガポール: アジアのインフルエンサーマーケティング事例その2

衛生用品ブランド「SureClean社」のインフルエンサーマーケティング事例

「SureClean社」はシンガポールの衛生用品・サービスの有名ブランドです。同社はインスタグラムのインフルエンサーマーケティングを活用し、新商品である「アルコールフリーで軽く香りのついた泡状の手の消毒液」をプロモーションしました。

インフルエンサーの活用

「SureClean社」のインフルエンサーマーケティングの目的は、
・新しい手用消毒液について告知すること
・商品の購入できるECサイトのリンクへ消費者を誘導し、売り上げを伸ばす
ことでした。

同社は、子供をもつ12人のインフルエンサーに消毒液のサンプルを無料配布し、商品に関するレビューを書いてもらいました。インフルエンサー達は、商品についてインスタグラムで1件ずつ投稿を行い、投稿後の一週間インフルエンサーのアカウントに消毒液が購入できるECサイトのリンクを掲載しました。また、彼らは消毒液のブランドである「@SureCleanSG」、ブランドのインフルエンサーマーケティングを支援した仲介企業「@StarNgage」についてメンションし、「#StarNgageXSureCleanSG」や「#Sponsored」のハッシュタグを使用しています。

結果

・112,000人以上のインフルエンサーフォロワーにリーチ
・13件以上の関連投稿
・2418件のいいね
・103件のコメント数
・ECサイトLazadaへのクリック数138回以上
を獲得するという、大きな成果を生み出しました。

 

中国: アジアのインフルエンサーマーケティング事例その3

アジアのインフルエンサーマーケティング市場 香港編

2,400以上のグローバル企業が本社を構えているほどビジネスの中心地である香港でも、デジタル広告やオンラインマーケティングの必要性が高まっています。最新の調査によると、100人の主要マーケター達は平均で51%程度の予算をデジタル広告に、49%に従来のメディアマーケティングを費やしている。

香港のインスタグラマー

香港のインフルエンサーのうち、70%以上が18歳~34歳の若い世代で、香港のインスタグラム使用者には、男女間で特徴があることが分かっています。香港の男性インスタグラマーの6割以上はトレンドを積極的に追いかけ、新しい商品を好む傾向があるようです。一方、女性インスタグラマーの72%は男性より買い物を楽しみ、66%は「趣味がよく美的センスがあると思われたい」「人とは違う自分でいたい」と感じています。

エスティーローダー社のインフルエンサーマーケティング事例

エスティーローダー社が香港で行ったのは、”Pure Color Envy Oil-Infused Sculpting Lipstick”というキャンペーンです。この事例においてブランドは、香港・オーストラリア・シンガポール・ドバイなど国際的にビジネス展開するインフルエンサー仲介業者の「Vamp」と提携しました。

香港の女性インフルエンサー達はエスティーローダー社の商品説明会に出席し、ブランドの新しい口紅コレクションについて紹介を受けました。彼女たちはそれぞれ、イベントで紹介された口紅の中から自分の性格やスタイルに合ったものやお気に入りの色を選択し、選んだ口紅に関して複数回にわたってコンテンツを投稿しました。

インフルエンサー達は、
・自ら口紅を着けて鏡の前で撮影した写真を投稿
・口紅をおしゃれに並べて撮影する
などして商品の魅力を伝えています。


インド: アジアのインフルエンサーマーケティング事例その4

アジアのソーシャルネットワーク市場 インド編

インドのソーシャルネットワークの使用率は、国内人口の14%と世界でも最低レベルです。それでもインドのインターネットユーザーは4億6200万人であり、中国に次いで世界で2番目に大きなオンラインマーケットが存在しています。

IAMAI(Internet and Mobile Association of India)の報告によると、インドの大都市に住むインターネット使用者のうち66%が定期的にソーシャルメディアにアクセスしています。また、そのうち2億人はソーシャルメディアを積極的に利用するユーザーですが、女性がテクノロジーや情報へのアクセスを制限されているなど、インドのソーシャルメディアの使用率には性別や年齢によって大きな差があるのが特徴です。例としてインドのFacebookユーザーの76%は男性であるのに対し、24%は女性であることが判明しています。また、ソーシャルメディアを積極的に利用するユーザーの60%は大学生です。

ランコム社のインフルエンサーマーケティング事例

ランコム社は香水や化粧品を取り扱うフランスの高級ブランドです。今回紹介するのは、国際的にビジネス展開するランコム社が「ランコム・インディア」としてインドでインフルエンサーマーケティングを行った事例です。ランコム社は、「MindShift Interactive」という代理店と共同でプロモーションを行いました。

肌の色を整える美容液「Dream Tone」を発売するにあたり、同社はインドの都市デリーにおいて”LancomeLove Event”というティーパーティーを開催しました。アパレルショップで行われたパーティーには美容やライフスタイルに定評のあるインフルエンサーが招かれ、ブランドの新商品が紹介されています。また、ムンバイでは有名なスタイリストやジャーナリストなどをホテルに招いてイベントが行われました。

加えて、ブランドは”Go No Filter Challenge”と呼ばれる7日間のフォトチャレンジを開催。「ありのままで美しい」というコンセプトのもと、コンテストでは「フィルターで加工していないことを条件」に、写真が投稿されました。ターゲットとなるインドの女性があまりFacebookを使用しないが、自撮りやインスタグラムは大好きであることからプロモーションはインスタグラムを通じて行われました。

インフルエンサーの活用

今回のインフルエンサーマーケティングの目的は、ランコムインディアの新商品「Dream Tone」の告知を行うことでした。まず、新商品の発売記念イベントで撮影された40枚以上の写真がインフルエンサーによってハッシュタグ「#LancomeLove」を付けてインスタグラムとツイッターで公開されました。また、インフルエンサーは「#GoNoFilter Challenge」のハッシュタグを使用し、フォトコンテストである”7Days Challenge”のプロモーションも行っています。

結果

・1000件以上のハッシュタグ「#GoNoFilter」を使用した投稿
・125人以上の参加者からのリポスト
・ブランドの公式インスタグラムアカウントフォロワー数が約180%増加


まとめ

ブランドの公式広告よりもオンラインの口コミを信用するという若者の数はアジアでも増加しており、インフルエンサーマーケティングはアジアでも有効なマーケティング手法です。今回紹介したアジアで行われたインフルエンサーマーケティング4事例のうち3つは、いずれも欧米ブランドによる商品のプロモーションでした。一方、シンガポールの衛生用品ブランドの事例では、アジアのブランドが自社商品のプロモーションにインフルエンサーマーケティングを活用しています。

このことは、欧米発ブランドのアジア展開のみならず、インフルエンサーマーケティングがアジア企業にも浸透してきていることを示唆しています。また、今後もインフルエンサーマーケティングが日本を含めアジア地域でさらに発展し活用されていくことが予想されます。


参考:http://starngage.com/influencer-marketing-singapore/ 
http://starngage.com/tony-romas-campaign-review/ 
http://app.starngage.com/campaign/view/tony-romas-new-menu-launch 
http://starngage.com/sureclean-hand-sanitizer-campaign-review/ 
http://app.starngage.com/campaign/view/surecleans-childsafe-foamy-hand-sanitizer-campaign 
http://starngage.com/influencer-marketing-hong-kong/ 
http://visualamplifiers.com/vamp-estee-lauder-casestudy/ 
http://starngage.com/influencer-marketing-india/ 
https://www.socialsamosa.com/2014/05/social-media-case-study-lancome-india-instagram/ 

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