近年、若いインフルエンサーが一夜にして高い評価を手に入れることができる「Kylie Cosmetics」や「Fashion Nova」のようなブランドが出てきたため、ソーシャルメディアはミレニアル世代やジェネレーションZ世代にしか影響力がないように見受けられることがあります。
しかし、ベビーブーマー世代(団塊の世代)をターゲットとするブランドも、ソーシャルメディアインフルエンサーとの関係を構築することから恩恵を受けています。特に、ベビーブーマー世代の中でソーシャルメディアを利用する人々が増えるにつれて、インフルエンサーマーケティングによって簡単にこの世代にリーチすることができます。
すでにベビーブーマー世代の人々は平均的にミレニアル世代よりもソーシャルメディアに多くの時間を費やしていることがわかっており、この世代は依然として世界的に見ても最大の経済的勢力を占めています。
今回は、ベビーブーマー世代に効果的にエンゲージする方法を紹介します。
目次
- インフルエンサーマーケティングがなぜベビーブーマーに効果的か
- 正しいインフルエンサーの選択
- 的確な製品、サービス情報を提示する
- ユーザー作成コンテンツ(UGC)
- まとめ
インフルエンサーマーケティングがなぜベビーブーマーに効果的か
インフルエンサーマーケティングは「ブランドについて投稿してくれる信頼性の高いカリスマ的な個人であるソーシャルインフルエンサーとタイアップするマーケティング」であるため、口コミによるマーケティングを好むベビーブーマー世代に非常に効果が高いとされています。
ベビーブーマー世代は、学生や働き始めである若い世代よりも自由に利用できるお金を多く持っているため、エンゲージメント率も高くなる傾向にあります。
ベビーブーマー世代に効果的にエンゲージするには、ミレニアル世代やジェネレーションZ世代に使用するものとは異なるインフルエンサーマーケティング戦略を練る必要があります。
インフルエンサーマーケティングとUGCを使って、ベビーブーマー世代にリーチするための3つのヒントを、以下で紹介します。
1.正しいインフルエンサーの選択
Instagramは若い世代によって支配されているように見えますが、ベビーブーマー世代はFacebookを好んでいます。
そして魅力的な画像に頼るInstagramのインフルエンサーとは異なり、Facebookのインフルエンサーの成功は説得力のあるストーリーテリングが重要であることが多いです。Facebookでインフルエンサーのパートナーシップを探しているブランドは、ベビーブーマー世代の多くから支持を得ている有名人やマイクロインフルエンサーを見つけることが重要です。
自社ブランドに適したインフルエンサーを見つけたら、製品の「プロダクトプレイスメント」を自然な形で投稿に組み込んでもらう方法が効果的です。
プロダクトプレイスメントとは、インフルエンサーが商品を開封したり利用する様子をオーディエンスに見せることで、実際に手元に届く製品情報を分かりやすく伝えるコンテンツの一種です。
商品のリサーチに多くの時間を費やし、友人や家族とブランドに関する情報を共有することに慣れているベビーブーマー世代にとって、ブランドの製品を取り上げる信頼性の高いインフルエンサーは非常に好評です。
また、ブランドはインフルエンサーと協力してファンからのUGC(ユーザー作成コンテンツ)や製品レビューを募ることで、フォロワーとの関係を強化するためのアイデアを収集することもできます。
ベビーブーマー世代はInstagramのような他のプラットフォームも、もちろん利用しています。そして、Instagramにおけるトップインフルエンサーの中には50歳以上の人も存在します。
例えば、Martha StewartさんにはInstagram上で210万人のフォロワーがいます。彼女は定期的に自身のファンに向けて、莫大なエンゲージメントを生む製品紹介コンテンツを投稿しています。
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2.的確な製品、サービス情報を提示する
ベビーブーマー世代は、製品が思ったとおりに機能するか事前に知りたいため、購入前の製品リサーチに多くの時間を費やします。
この世代をターゲットとする場合、ブランドはインフルエンサーに対して、製品またはサービスの利点について詳細に触れるコンテンツを作成するよう指示することで、エンゲージメントとコンバージョン率を高めることができます。
ある製品について詳しく読むのに慣れているベビーブーマー世代は、この豊富な情報をしつこいと感じたり高圧的だと見なすことは少ないため、より製品に関連性の高いインフルエンサーの方が好まれる場合がほとんどのようです。
ミレニアル世代のインフルエンサーが自身に憧れを抱かせるために、テキストをほとんど含まず演出を重視して商品を紹介するのに対し、ベビーブーマー世代のインフルエンサーによるコンテンツはビジネスレビューサイト「Yelp」やAmazonのレビューに似ていることがよくあります。ユーザー作成コンテンツにテキストの評価やレビューを取り入れることは、これらの情報を必要とする人に最適であると考えられます。
例えば洋服ブランドの「HYLETE」はユーザー作成コンテンツとレビューを統合して、各製品の詳細なレビューを提供することで、ベビーブーマー世代をターゲットとしたインフルエンサーマーケティングを成功させています。
また、インフルエンサーがブランドの公式Webサイトにリンクバックするか、または購入可能なリンクをコンテンツに含めるようにブランド側が準備しておけば、ターゲットとなるベビーブーマー世代は提供されている製品やサービスに関してさらに調査することができます。
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3.ユーザー作成コンテンツ(UGC)
ベビーブーマー世代は購入前にブランドについてできる限り学びたいと思っています。しかしそれと同じくらい家族や友人、コミュニティの仲間の1人によって製品またはサービスが実際に利用されているのを見ることを好んでいます。
ブランドは、この世代の消費者の間でロイヤルティとエンゲージメント率を高めるために、さまざまな方法でユーザー作成コンテンツを活用できます。UGC活用方法を以下で4つ見ていきましょう。
1.ハッシュタグやバズワードを利用したUGC
ブランドは、ハッシュタグやバズワードを戦略的に使用してキャンペーンの範囲を広げ、フォロワーからの自然な反応がある投稿を作成できるよう、マイクロインフルエンサーやより小規模なナノインフルエンサーの手助けをすることができます。
2.製品やサービス購入後のEメールでUGC投稿を勧誘
ブランドは購入後のEメールに「UGCを投稿しませんか?」と書くことで、直接ベビーブーマーをユーザー作成コンテンツ投稿に勧誘することもできます。これは、多くの消費者が直接商品レビューを共有したり、単にブランドに対する感謝の気持ちを示す投稿をしてもらえる絶好の機会です。
3.UGCコンテスト
SNS上でコンテストを開催し、ベビーブーマー世代からユーザー作成コンテンツを集めることもできます。これにより、ベビーブーマー世代はブランドをフォローするように奨励され、ブランドコミュニティに参加することで価値が高まります。
4.集めたUGCでブランドの信頼性を高める
ブランドはこのユーザー作成コンテンツを将来のマーケティングキャンペーンに利用したり、SNSや購入可能な商品ギャラリーでみられるように設定して、マーケティング活動の信頼性と信憑性を高めることができます。
調査によると、商品購入前にベビーブーマー世代の消費者は、
・72%がソーシャルメディアに情報を求める
・92%が個人的な口コミを好む
と言っているため、企業はベビーブーマー世代のインフルエンサー間での更なるリーチの拡大を見逃すことはできません。
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まとめ
今回は、ベビーブーマー世代(団塊の世代)をターゲティングにしたインフルエンサーマーケティングに関するポイントを3つ紹介しました。
ブランドがターゲットとするオーディエンスに適したインフルエンサーの選択は、マーケティングにおいて最も重要です。また、ベビーブーマー世代は過度な演出よりも、実際に手元に届く製品がどのように機能するか確認したうえで購入することを好んでいるため、インフルエンサーが使用したリアルな感想を求めていることがわかりました。
また、ユーザー作成コンテンツを利用することも、商品の口コミを確認して情報を共有することを好むこの世代に対しては非常に有効です。
主にFacebookを利用する人が多いベビーブーマー世代をターゲットとする際は、上記のことに焦点を当ててインフルエンサーを選定し、戦略を練ることが成功につながるカギになります。
参考:https://www.pixlee.com/blog/does-influencer-marketing-work-with-baby-boomers/