Instagramで「#food」と入力すると、さまざまなアングルやフィルターがかかった何百万枚もの写真が表示されます。そして#foodporn(5500万枚)、#instafood(4300万枚)、#foodgasm(1100万枚)など、この他にもフード関連のハッシュタグがたくさんあります。老若男女問わず誰しもが食べ物を食べるため、フード系の投稿が人気なのは驚くことではありません。したがってInstagramは、食品業界や飲食店が注力して自社ブランドを広めるのに最適なプラットフォームです。
フード関連ジャンルのオーディエンスをフォロワーにし、毎日1つか2つの料理写真を投稿するとエンゲージメントが獲得できます。例えばパティスリーのオーナーであれば、ケーキを飾りつけているパティシエの動画をアップしたり、顧客がケーキを選んでいる写真を撮ってみるといいでしょう。また「テキストオーバーレイ機能」を使うと動画にタイトルやフレーズといった文字を簡単に入れられるため、製品と顧客を関連付けることもできます。写真や動画を華やかに彩ることで、オーディエンスをより惹き付けることが可能です。
今回は、Instagramを活用したインフルエンサーマーケティング戦略で成功を収めたレストランの事例を3つ紹介します。
目次
ホテル内にあるレストラン「Springbone」の事例
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- https://www.instagram.com/p/BJVbnKxjSyu/?utm_source=ig_embed
成功したインフルエンサーマーケティングの一つ目は、マンハッタンのホテル「Spring kitchen」にあるレストラン「Springbone」の事例です。
このホテルでは最近、顧客が大幅に増加しています。そのほとんどが「Springbone」のストロベリールバーブアイスクリームを購入することを目的としていました。ストロベリールバーブアイス目当てに顧客が押し寄せたキッカケは、Instagramに投稿された一枚の写真でした。
言い換えれば、地元の食通のInstagramアカウントによる投稿が「Spring Kitchen」への新規顧客を急増させたことになります。Instagramは自社の商品を宣伝し、その商品やサービスに興味があると思われる何千人もの人々に見てもらうための新しい方法を生み出しました。インフルエンサーマーケティングは、この革命から生まれた最も効果的な方法の1つです。
レストラン「Springbone」は、ニューヨークで大流行している「ボーンブロススープ」を作って宣伝するためにInstagramインフルエンサーとだけタイアップすることに焦点を当てたインフルエンサーマーケティング戦略を練っていました。レストランはSam EcksteinさんとJordan Feldmanさんがオーナーであり、2人はレストランの認知度向上のためにインスタグラムインフルエンサーの力を借りたかったためです。
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- https://www.instagram.com/p/Bs8kVttBJ-6/
レストラン「Springbone」のSam Ecksteinさんは、自身のレストランにインフルエンサーを招いて食事をしてもらうというインフルエンサーマーケティングキャンペーンを展開しました。招待したインフルエンサーの中に、「NY Foodie(@ny.foodie)」を管理するBruceとMonica Wong夫妻がいます。この夫婦はキャンペーンに参加するためにレストランを訪れてストロベリールバーブアイスクリームを試食し、その4週間後にアイスと料理の写真を4万人のフォロワーに向けて投稿してくれました。この投稿には600件のいいねと8件のコメントがつきました。
マイクロインフルエンサーとの親密なタイアップが効果的
ブランドに適したインスタグラムインフルエンサーを選定すれば、数十万人ものフォロワーがいなくとも十分に効果的なインフルエンサーマーケティングを実施できます。むしろ数千人ほどのフォロワーがいるマイクロインフルエンサーと、適したインフルエンサーマーケティングキャンペーンでタイアップすれば、有名インフルエンサーよりも多くのエンゲージメントが得られます。
インフルエンサーは、食べ物からファッション、そしてホームデザインまで、特定の分野や業界を専門としています。ほとんどのフードインフルエンサーはフードブロガーと密接に関係しています。フードインフルエンサーとフードブロガーは一緒になって、地元のレストランで個性的な料理や注目に値する料理を提供しているレストランを見つけ出し、照らし出すことで。
「Springbone」の共同創設者Sam Ecksteinさんによるインフルエンサーマーケティングの主なゴールは、料理に興味があるインスタグラムユーザーに自社レストランの料理を視覚的に美しく見せることによって、広く宣伝することでした。 2人のオーナーが魅力的な写真やフードビデオを作成し、レストランのインスタグラムに投稿した後、フード関連チャンネルに連絡してリポストとシェアを依頼しました。
このようにフードチャンネルに既存のコンテンツをリポストするよう依頼することにより、「Springbone」はタイアップしたインフルエンサーのオーディエンスを通して、より多くの露出を得ました。
さらに、ニューヨークの美味しい料理を美しい写真と共に紹介するアカウントの中でも特に有名な「New Fork City」は、70万人以上のフォロワーを抱える人気アカウントですが、このNew Fork Cityがストロベリールバーブアイスクリームの写真をリポストしたことで、Springbone Kitchenはより大きな恩恵を受けました。この投稿を見た多くのユーザーが、次の日には店を訪れてストロベリールバーブアイスクリームを注文し、New Fork Cityによる投稿の写真は、
・1600件のいいね
・235件のコメント
を獲得しています。
おすすめ記事:レストランやカフェのためのインフルエンサーマーケティング活用方法【前編】
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- https://lmnd.jp/blog/restaurant_influencermarketing1
レストランチェーングループ「PEPE」の事例
Pepe’s Restaurant Groupは、ソーシャルメディア戦略やインフルエンサーマーケティングキャンペーン、ブログアンバサダープログラムを通じて、マンハッタンに拠点を置く5つの自社レストランの宣伝と販売拡大のために「Belle Communication」というインフルエンサーマーケティングチームを立ち上げました。このマーケティングチームはPEPEのオーナーと協力して、インフルエンサーのオーディエンスに5店舗それぞれのレストランの個性を広めています。
Belle Communicationチームは各SNSサイト、ローカルビジネスレビューサイト「Yelp」、そして公式Webサイトの写真を更新するため、プロフォトグラファーによる写真撮影会を企画しました。その後、チームはインフルエンサーマーケティングキャンペーンやブログアンバサダープログラムを含むPRおよびソーシャルメディア戦略を策定しています。
またPEPEのマーケティングチームは、コンテンツの種類、フォロワー数、ターゲットとなるユーザー数が多い地域、レストランへの近さなどの基準に基づいて様々な調査を行った末に、適切なインフルエンサーの特定に成功しました。
インフルエンサーマーケティングキャンペーン開始後、PEPEのマーケティングチームによる依頼により最初の10日間で12人のインフルエンサーにレストランを訪問してもらい、その様子がソーシャルメディアニュースで取り上げられています。
6か月間に渡るインフルエンサーマーケティングキャンペーンの全体的な結果は次のとおりです。
・45人のインフルエンサーがレストランを訪問
・投稿に450万インプレッション
・6万6,500件以上のいいねやコメント
・1回の投稿あたり平均2,000以上のエンゲージメント
さらに、PEPEで開催された「プログレッシブディナー」というパーティーには22人のインフルエンサーが集まり、このイベントに関する投稿は1万8,734件のいいねやコメントを獲得し、合計659,447人のオーディエンスにリーチできました。
「All Bar One」のブランチ売り上げ向上キャンペーン事例
英国のバー&レストランチェーン「All Bar One」は、インフルエンサーマーケティング企業と協力してマイクロインフルエンサーとタイアップし、ブランチの売り上げを伸ばしました。
#Brunchie(ブランチ)を投稿に使用したインフルエンサーマーケティングキャンペーンを開始した「All Bar One」は、ソーシャル広告やユーザーのエンゲージメントを奨励するとともに、女性のフードインスタグラマーをターゲットにしました。
All Bar Oneによるインフルエンサーマーケティングキャンペーンでタイアップしたのは、合計25万人以上のフォロワーを持つ25〜39歳の10人の女性マイクロインフルエンサーでした。彼女たちはそれぞれ、All Bar Oneで友達とブランチを楽しんでいる魅力的な写真を作成し、その後ハッシュタグ#Brunchieを使用してそれぞれのインスタグラムチャンネルで共有しています。
タイアップしたインフルエンサーのアプローチを通じてAll Bar Oneは175,000のビューと多数のいいねやコメントを生み出し、インフルエンサーマーケティングキャンペーン開始前に比べてエンゲージメントが63%向上しました。
「All Bar One」のマーケティングマネージャーであるMichael Duffyさんは、次のように述べています。 「ソーシャルメディアでは、#Brunch、#Brunchie、および#Brunchingのハッシュタグを使用して、Instagramの投稿でエンゲージメントが594%増加しました。また、協力を依頼したインフルエンサーマーケティング企業が作成した画像を使用してFacebook、Twitter、Instagramに投稿したことでエンゲージメント率が63%も増加したのには驚きを隠せません。」
全国に約50店舗もの拠点を持つこのレストランブランドでは、上記のようにプロによって調整されたソーシャルメディア上でのインフルエンサーマーケティングキャンペーンを始動したことで、たったの一か月間で28%もの顧客の増加が見られました。
おすすめ記事:フードブロガーとタイアップしたインフルエンサーマーケティング事例5選
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- https://lmnd.jp/blog/foodblogger
まとめ
今回は、レストランブランドによるインフルエンサーマーケティングの事例を3つ紹介しました。
食べ物を食べに行くということは、経験を買いに行くことと同じです。Instagramで自社の飲食店を宣伝するなら「写真に撮りたい!」と思わせる工夫が必要です。
例えば、
・流行りの食べ物や飲み物をメニューに追加
・インスタ映えするメニューを考案
・顧客が自分で写真を撮ることができるスペースを用意
・店内をおしゃれに改装
上記のようにターゲットとするユーザーに適用するような戦略を考えましょう。
事例では「フーディ」と呼ばれる食通やミレニアル世代をターゲットとして、フードインフルエンサーやローカルインフルエンサーとタイアップしていました。自社の店舗がある地域に合ったオーディエンスと、その地域に住むフォロワーを持つインフルエンサーを選定することが重要です。
レストランやカフェといった飲食店によるインフルエンサーマーケティングへの具体的な取り組み方については、以下の記事をご確認ください。
おすすめ記事:大手ファストフードブランド3社によるマイクロインフルエンサーとのタイアップ事例6選
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- https://lmnd.jp/blog/fastfood3_casestudies6
参考:https://starngage.com/instagram-case-studies-food-beverage/
https://socialpros.co/restaurant-influencer-marketing-case-studies
https://bellecommunication.com/case-study-pepes-restaurant-influencer-marketing/
https://mobilemarketingmagazine.com/case-study-all-bar-one-brunch-sales-influencer-marketing-takumi-wpr
http://www.forbes.com/sites/jeffkauflin/2016/09/28/how-a-new-york-restaurant-uses-instagram-influencers-to-drive-sales/#69610d1254c3