DNA検査キットのインフルエンサーマーケティング2事例の比較

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現在、自身のルーツに興味を持っている人は多く、特にミレニアル世代が「自分の祖先と再会」することに強い関心を抱いています。家族から聞いたことを除いて、自分の祖先についてあまり詳しくない人が多い中、DNA検査キットを使用することで自身のルーツを探り、驚くべき起源を知ってソーシャルメディアで共有することが小さなブームになっているようです。

DNA検査キットの販売促進にインフルエンサーマーケティングを使用することは、ファンがインフルエンサーとのつながりを深め、インフルエンサーについてもっとよく知るのを助けながら、同時に製品への関心を高めます。

今回はDNA検査キットを販売するブランド「23andMe社」と「Ancestry社」の事例を2つ紹介します。

 

目次

    1. 23andMe社の事例:InstagramerとYoutuberだけでなく他ブランドともタイアップ
    2. 23andMe社のキャンペーン概要
    3. 23andMe社のパートナーシップ
    4. 23andMe社のキャンペーン結果とコンテンツ例
    5. 23andMe社は多種多様なパートナーシップでリーチを獲得

 

    1. Ancestry社の事例:トラベルインフルエンサーとのタイアップ
    2. Ancestry社のキャンペーン概要
    3. Ancestry社のキャンペーン結果とコンテンツ例
    4. Ancestry社はDNA旅行キャンペーンでエンゲージメントを獲得
    5. まとめ

23andMe社の事例:InstagramerとYoutuberだけでなく他ブランドともタイアップ

遺伝子検査サービスブランド「23andMe社」は遺伝子検査についての意識を高めるために、さまざまなパートナーシップを結んでテストを行っていました。

同社は、米国の薬局チェーン「CVSファーマシー」やスーパーマーケットチェーン「Target」のような大手小売業者に自社のDNA検査キットを販売するよう説得しただけでなく、Universal Pictures社の短編アニメ「怪盗グルー」が23andMeのキットを使って彼の亡くなった兄弟を発見するシーンがあるように、映画制作会社ともコラボレーションを果たしています。

23andMe社はパートナーシップを多様化し、「Lexus社」のようなビッグブランドやより特定の分野に強みを持つマイクロインフルエンサーとのタイアップも開始しました。しかし同社のすべてのキャンペーンを通して一貫しているマーケティングテーマは、非常に個人的な「(自分の祖先を探すという)自己発見のストーリー」です。

23andMe社のキャンペーン概要

ゴール ・遺伝的検査が「人々の個人的アイデンティティに対する見方をどのように変えることができるか」を見せるために、多様なオーディエンスと繋がること。 ・23andMe社に対するブランド認知度を確立し、家族の歴史、遺産、健康などについてより多くの情報を求めるよう人々に働きかけること。

アプローチ 使用されたソーシャルメディア:YouTubeとInstagram インフルエンサー:多様な分野のマイクロインフルエンサーとマクロインフルエンサー

Instagramのインフルエンサーはフォロワー数で分類されていますが、YouTubeのクリエイターは平均的なビデオ視聴数に基づいて分類されます。ソーシャルメディア固有の基準に基づいて慎重にインフルエンサーを選択することは、すべてのキャンペーンにおいて重要な要素です。

23andMe社のパートナーシップ

タイアップしたインフルエンサー例 Kiki: Instagramで人気のマクロトラベルインフルエンサー KOKO: オースティンを拠点とするマイクロインフルエンサーでフードブロガー Naomi Davis: Instagram上の有名なママブロガーでマクロインフルエンサー Brock and Chris: InstagramとYouTubeで有名なライフスタイルとトラベルインフルエンサーであるスウェーデン人カップル Nikki and Gabi: YouTubeチャンネルで美容と音楽関連のビデオを制作する人気のマクロインフルエンサーの姉妹

ブランドパートナーシップ 23andMe社は、以下のような幅広い業界のブランドとタイアップしました。

BuzzFeed Video:アジア系アメリカ人の同僚がDNA検査を受け、それぞれの結果について話し合う動画を発表。 Lexus社:エイプリルフールにLexus社は、顧客の遺伝子に合わせてカスタマイズされた自動車についての偽のコマーシャルを発表。 CVS社とValerie Hさん:このブランドとインフルエンサーのコラボレーションInstagram投稿は、トラベルインフルエンサーのValerie H.さんがCVSで購入した遺伝子検査キットの結果を23andMeから受け取ることに興奮しているシーンを撮影した動画。

23andMe社のキャンペーン結果とコンテンツ例

結果 ソーシャルリーチ YouTube再生回数:8,610,459 リーチ数:39,552,276

エンゲージメント InstagramとYouTubeでの合計いいね数:250,560 InstagramとYouTubeでのコメント数:18,502 ハッシュタグ「#23andme」の合計使用量:52,243

23andMe社のスポンサードポストの一例 The Blonde Abroadとしても知られている有名トラベルインスタグラマーのKikiさんは「自身にフランス人の先祖がいたとわかったことがパリを訪問するきっかけになった」と23andMe社とタイアップ後のスポンサードポストで話しました。

彼女の54万人以上のフォロワーがインスピレーションを求めたことにより、Kikiさんの写真キャプションは合計14,000件のいいねと多くのエンゲージメントを生み出しました。あるKikiさんのファンは、「私の友人は23andMe社に勤めています。自身がどこから来たのかを見るために、遺伝子検査をする必要があります」と同投稿にコメントしました。

23andMe社は多種多様なパートナーシップでリーチを獲得

23andMe社とタイアップしたInstagramインフルエンサーは、自身の高いストーリーテリング能力で遺伝子検査の認識を高め、その結果を個人的な発見とアイデンティティの物語に結び付けました。YouTubeにおけるキャンペーンでは、ファンがインフルエンサーの「遺伝的結果に対する生の反応」を見た時に最もよくエンゲージメントし、それはインフルエンサーに対する現在のファンの関心と結びついていることが証明されました。

Lexus社のようなより確立されたビッグブランドやUniversal Pictures社といった多様な他ブランドとのパートナーシップは、23andMe社が遊び心のあるブランドであると認知させるのにも役立ちました。

Ancestry社の事例:トラベルインフルエンサーとのタイアップ

「Ancestry社」は、Instagramのトラベルインフルエンサーとタイアップして自社の遺伝子検査サービスの魅力を広めるキャンペーンを開始しました。

現在、多くのミレニアル世代が自身のルーツを探る旅に出ています。例えば、自身の曾祖母がアイルランドの首都ダブリンで生まれ育ったことを知ってすぐ、アイルランドへのフライトチケットを予約しているようです。Ancestry社は紙を通してだけではなく、その血によって自身の系統を知ることを可能にしました。ディズニーランドへのチケット以下の価格で、誰でも自分のルーツを発見することができます。

同社は広告予算に1億7500万ドルもの大金をあてて、魅力的なトラベルインフルエンサーによる自己発見の旅を戦略に組み込みました。他のDNA研究ブランドと同様に、同社のDNAキットをAmazonの人気商品に変える戦略としてAncestry社はインフルエンサーが自身のルーツの地を訪れて「自分の祖先と再会する」感動的な瞬間を捉えて共有しています。

また、Ancestry社は7人のミドルティアインフルエンサー(マクロインフルエンサーとマイクロインフルエンサーの中間に位置するインフルエンサー)およびマイクロインフルエンサーとタイアップし、人々が自身のルーツに戻る個人的な旅を追求するよう奨励しました。 Ancestry社はさらに、系図学者によって導かれるグループツアーとプライベートツアーを含む「DNA旅行部門」を作るという新しい試みにも着手しています。ハッシュタグ「#DNATravels」は既に、約800の投稿でタグ付けされています。

Ancestry社のキャンペーン概要

ゴール ・感情的および個人的な魅力の両方に焦点を当てたコンテンツを作成し、Ancestry社のDNAキットを使用することの利点を強調して認知度を高めること ・インフルエンサーの投稿によってフォローワー間の会話が増え、魅力的なInstagramキャプションでポジティブなエンゲージメントを生み出すこと

アプローチ 使用されたソーシャルメディア:Instagram インフルエンサー:多様なミドルティアインフルエンサーおよびマイクロインフルエンサー

Ancestry社のインフルエンサーパートナーは、伝統的な夏の旅行シーズンが到来する数ヶ月前の2018年4月以降に投稿を開始しました。ブランドは主にミドルティアインフルエンサーとコラボレーションしましたが、少数のマイクロインフルエンサーも含まれていました。

Ancestry社とタイアップしたのは、ファミリーブロガー、ミレニアル世代のYouTuber、フードブロガー、メンズウェアモデル、トラベルインフルエンサーなど、幅広い年齢、人種、パーソナリティのInstagramインフルエンサーでした。それらのインフルエンサーの共通点は、Instagramでの強い存在感を武器に、幅広いオーディエンスに訴求することができることのみで、それ以外の共通点はほとんどありません。

テーマ ・約半分のインフルエンサーが自身のパートナー、子供、その他の家族をInstagramのスポンサードコンテンツで紹介しました。 ・一部のインフルエンサーは自身のDNA検査の結果に基づいて、その興奮と文化を捉えるために旅に出ました。 ・多くのインフルエンサーが自分たちのDNAの結果と矛盾する情報を持っていた「ショックな」ストーリーを投稿し、オーディエンスを魅了してエンゲージメントを呼びました。 ・#DNADay、#DNATravel、#AncestryDNA、#ancestry_partnerをブランド化したハッシュタグをコンテンツに含みました。

Ancestry社のキャンペーン結果とコンテンツ例

結果 ソーシャルリーチ リーチ数:950,200

エンゲージメント いいね数:47,267 コメント数:763 全体の平均エンゲージメント率:6.10%

Ancestry社のInstagramスポンサードポストの例 1.フードインフルエンサーのCourtney Richさんは、自身のスカンジナビアのルーツを知って作ったケーキについて特集したスポンサードポストで、最もコメントを集めました。

    1. https://www.instagram.com/p/Bmb-2XPnnwT/?utm_source=ig_embed

2.最高のいいね数と11%のエンゲージメント率を生み出したJamie Perkinsさんの投稿は、両親のAncestry DNA検査による結果が家族の歴史を明らかにしていることを強調した内容でした。彼はこの投稿で、174万人のチャンネル登録者数がいる自身のYouTubeチャンネルにアップロードしたDNAキットの検査結果動画を見るよう、自身のフォロワーに勧めています。

3.TaeさんはAncestry社とタイアップしたインフルエンサーの中ではフォロワー数が最も少ないですが、彼女の投稿は今キャンペーン最高の14.6%というエンゲージメント率を誇っています。簡潔なキャプションの中で、彼女のブログを訪問することによって彼女についてもっと知ることができるため、フォロワーの興味をそそっています。

Ancestry社はDNA旅行キャンペーンでエンゲージメントを獲得

33歳未満(ミレニアル世代)のインスタグラマーの内の40%以上が、次の休暇を計画する際に目的地の“ Instagrammability(インスタ映え)”を考えています。 Ancestry社のインフルエンサーマーケティング戦略は、トラベルインフルエンサーのマーケティングトレンドを利用し、そのフォロワーがAncestry DNAテストの結果を知ることで自分のルーツに触れるように促しました。

異なる分野に強みのあるインスタグラマーとコラボレーションをすることで、Ancestry社のインフルエンサーマーケティングは印象的なリーチとエンゲージメントを生み出すことに成功しました。インフルエンサーごとに個々の物語を通して、各オーディエンスに関連性の高い要素に焦点を当てた投稿は多くの関心を呼んでいます。

また、マイクロインフルエンサー層とミドルティアのインフルエンサー層を組み合わせることで、幅広い消費者にリーチすることができました。

まとめ

今回は、23andMe社とAncestry社のインフルエンサーマーケティング事例について紹介しました。

23andMe社のキャンペーンでは、さまざまなフォロワー数とエンゲージメント率を持つYouTubeとInstagramのインフルエンサーが混在していました。さまざまなソーシャルメディアにわたるインフルエンサーやビッグブランドとタイアップすることで、23andMe社は自社の認知度アップに成功しています。

また、Ancestry社のキャンペーンではフォロワー数の規模が違うマイクロインフルエンサーとミドルティアインフルエンサーかつ、多種多様なジャンルのインスタグラマーとタイアップすることで、より特定の分野のオーディエンスにリーチすることができました。同社はさらに「自身のルーツを探るDNA旅行」キャンペーン戦略で、トラベルインフルエンサーと魅力的なコンテンツを作成しています。

今回の事例では、23andMe社とAncestry社の両ブランドで共通して、 ・遺伝子検査の背後にある個々人の物語を見せる ・国籍や年齢を問わず多くの人々に自身のルーツを知ってもらう ・人々が自分の遺伝の歴史を発見するためのきっかけを作る タイアップしたインフルエンサーによって、上記のような目的をテーマとしたコンテンツが多く作られました。

どちらのブランドも自社のDNA検査キットの販売促進とブランド認知度のアップをゴールとしていましたが、目新しく各ブランドに合ったキャンペーン戦略によって大きな成果を残しています。

 

参考:http://mediakix.com/2018/08/influencer-marketing-case-study-23andme-dna-genetic-testing/#gs.3ggdpz
http://mediakix.com/2019/02/ancestry-dna-influencer-marketing-case-study-instagram/#gs.3gg9k4

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