EMV(アーンドメディアバリュー)はどんな基準?EMV戦術の使用法

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Earned Media Value(EMV)は、インフルエンサーキャンペーンを測定するための最新の測定基準です。昨今、このEVMの使用を希望する企業は、ますます増えてきています。メトリックに慣れていない人のために、ソーシャルメディアのコンテンツを「Earned(獲得)」した場合の価値を、ドル換算して提供する試みとしてEMVの測定ツールはいくつか提供されています。例えば、このInstagram投稿は「価値がある」と判断されると、$500に換算される、といったツールです。

かつて使われていた基準であるAdvertising Value Equivalents(AVE)と本質的には似ていますが、EMVは生まれ変わったバージョンの基準です。しかしインフルエンサーマーケティング事業者「Traackr」のサム・クーニー氏は、「将来のインフルエンサープログラムには、EMVの新しい役割も存在しない。」と述べています。

今回は、クーニー氏の言葉の意味と理由を、下記でご紹介します。

目次

  1. EMVはブラックボックスのメトリック
  2. すべてのキャンペーンに適応できる測定基準は存在しない
  3. リアビューミラー戦術としての使用が最適
  4. まとめ


  5. EMVはブラックボックスのメトリック

    根本的に、インフルエンサーマーケティングを多くの人々が行っている理由は、信頼できる個人からのおすすめは広告よりも大幅に重視されることを知っているからです。

    EMVは中身の見えない「ブラックボックスのメトリック」であり、ベンダーごとに独自の計算方法があります。この基準は、比較が難しいだけでなく、それがどんな計算方法かわからなければ、KPIと自社のブランドパフォーマンスをどのように改善しなければならないかわかりません。

    ドル価値は、最終的なROIや売り上げに結びついていないため、信じられないほど誤解を招きます。例えば、「この投稿には500ドルの価値がある」とEMVの測定で出たとしても、協力している企業に「どうやって500ドルの価値をもたらしたか」はわかりません。

    明らかにインフルエンサーはスポンサードコンテンツを投稿しているので、例えばInstagramの1投稿に対して1ドルのコストをかけることは可能です。しかし、誰もオフラインの世界でメディアを購入するためにお金を支払ったことがないように、オンラインでも同じことが言えます。



    すべてのキャンペーンに適応できる測定基準は存在しない

    インフルエンサーの料金は、

    ・インフルエンサーがそのブランドと、どのくらい働きたいのか

    ・キャンペーンはどんなものなのか

    ・最終的に何がインフルエンサーの利益になるのか

    上記​​に基づいて、大幅に変わることがあります。

    すべてのキャンペーンが異なるゴールを持っているように、異なるKPIと測定方法も同様に必要です。

    時には新製品発売の際に認知度をあげるためであったり、また時には、重要なニッチグループの間でエンゲージメントすることがゴールとなります。しかし、ブラックボックスのドル基準では、各ゴールやパフォーマンスを測定するのに役立つかどうか定かではありません。

    EMVは、純粋で定量的なメトリックなので、

    ・各投稿が含んでいる意図

    ・競合他社による投稿への言及

    ・重要なメッセージが含まれているかどうかなど

    上記については、測定の際に考慮されません。

    例えば、インフルエンサーがあなたの製品について否定的なレビューを1つ投稿したとしても、その投稿は500ドルの価値があると測定されることになります。つまりEMVは、あなたのターゲットオーディエンスと、彼らがどんな影響を受けているかどうかは考慮に入れません。



    リアビューミラー戦術としての使用が最適

    EMVは複雑な質問に対する簡単な答えを提供するので人気があります。しかし現実には、すべてのブランドや業界、さらには個々のキャンペーンにも適用できるような魔法のKPIは1つも存在しません。

    クーニー氏たち「Traackr」がAMEC(コミュニケーションの測定と評価のための国際組織)の枠組みに基づき、独自にEMVの測定基準を作ったことがその理由です。また、彼らの作った基準はインフルエンサーマーケティングに適用するため、ブランドがゴールを事前に設定し、定期的にその成果を測定できるよう手助けするためのものでもあります。

    EMVは通常、「リアビューミラー戦術」として使用するのが最適です。「リアビューミラー」とは「車などのバックミラー」という意味であり、「来た道を確認して反省、改善することで、今後のキャンペーンに活かす戦術」としてEMV戦術を使用すると良いでしょう。

    これは、キャンペーン後に測定した結果を受けて、

    ・何を学ぶことができるのか

    ・次回は自社の戦略と戦術をどのように結びつけるか

    ・より良いパフォーマンスを出すため何をすべきか

    ということを考える重要な基準となります。

    また、ブランドが競合他社に対してどのようにベンチマークを行っているかを示す基準としても、よく使用されています。



    まとめ

    EMV(アーンドメディアバリュー)は明確に定められたものではなく、

    ・ブランド

    ・各業界

    ・各キャンペーン

    によって測定方法が変化する不透明な測定基準です。

    インフルエンサーの料金は、仕事の内容などによっても大幅に変化する上、各投稿ごとに内容も違ってくるため、EMVを使用して1投稿のドル価値を測ることが、インフルエンサーマーケティングの成功に結び付くとは、一概には言えません。

    このため、EMV戦略は「次回のインフルエンサーマーケティングキャンペーン」に関して目標設定を行ったり、より良いキャンペーンにするための測定基準として使用するのが最適と考えられます。

    参照:http://www.traackr.com/blog/influencer-marketing-why-emv-needs-to-go 

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