インフルエンサーイベントは必要?美容ブランド5社に見るイベント事例

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インフルエンサーと良好な関係を築くことは、インフルエンサーマーケティングを成功させるうえで非常に重要です。このことを受け、アメリカやヨーロッパといったインフルエンサーマーケティング先進国では、ブランドが企画するパーティ、ライブ、旅行等のイベントにインフルエンサーを招待するケースが増えています。

またインフルエンサーイベントは、ブランド自身にとっても認知拡大を狙う上で有効な戦略です。2018年のインフルエンサーマーケティング・レポートによれば、アンケートに回答したブランドの89.8%が「インフルエンサーをイベントに招待すること自体が有効なマーケティング戦略である」と回答しています。

今回は華やかなビューティー業界にスポットを当て、実際に行われたインフルエンサーイベントとその活用方法をご紹介しましょう。

 

目次

  1. Tarte Cosmetics社の事例
  2. Benefit Cosmetics社の事例
  3. Bobbi Brown社の事例
  4. Armani Beauty社の事例
  5. Fresh Cosmetics社の事例
  6. まとめ

Tarte Cosmetics社の事例

Tarte Cosmetics社は、インフルエンサーマーケティングの有効性をよく理解し積極的に活用しているブランドの代表格です。同社は毎年巨額の予算を投じ、インフルエンサーたちをラグジュアリーな旅行へ招待するバケーション・キャンペーンを定期的に開催しています。行き先にはボラボラ島、カウアイ島、タークス・カイコス諸島といったエキゾチックなリゾート地が選ばれ、いずれも膨大なフォロワーを持つ人気インフルエンサーたちが招待されました。

Tarte Cosmetics社のキャンペーンの特徴は、インフルエンサーマーケティングの効果を最大限に活かすため、毎回オーディエンスが羨むようなラグジュアリーな滞在を演出する点です。フライトにはビジネスクラスもしくはチャーター機が、宿泊先には高級ホテルが選ばれ、インフルエンサーたちは美しいリゾート地にて贅沢な食事やクルーズなどのアクティビティを満喫。優雅に過ごすその姿は#trippinwithtarteのハッシュタグと共に拡散され、何百万ものオーディエンスの目に止まりました。

Tarte Cosmetics社による豪華なバケーション・キャンペーンは、オーディエンスを魅了するだけでなく、インフルエンサーとのパートナーシップをより深め、彼ら自身をブランドの熱狂的なファンにする効果もありました。まさにインフルエンサーイベントのお手本とも言える事例でしょう。

Benefit Cosmetics社の事例

マスカラで有名なコスメブランドBenefit Cosmetics社は、新製品「BADGal BANGマスカラ」のプロモーションのため、宇宙をテーマにした壮大なインフルエンサーイベントを実施しました。インフルエンサーを含む約250人のゲストを招待したこのイベントでは、ブランドカラーであるピンクの宇宙服に身を包んだ宇宙飛行士たちが、宇宙船に乗って降り立つ様子を演出した迫力のショーを展開。エキサイティングなイベントとして、大きな話題となりました。

このユニークかつ刺激的なイベントに参加したインフルエンサーたちは、会場の様子をインスタグラムをはじめとするソーシャルメディアプラットフォームに次々と投稿しました。これらのコンテンツは、最終的に計3,500万人ものオーディエンスの目に届くまでになり、イベントの2週間後にはBADGal BANGマスカラは「イギリスで最も売れているマスカラ」として大きな成功を収めました。

Bobbi Brown社の事例

Bobbi Brown社は、もともとナチュラルメイクのイメージが強いブランドでした。しかし、これまでになかったビビッドなカラーラインの口紅シリーズ「Crushed Lip Color」のプロモーションに際し、インフルエンサーマーケティングを採用。同社の代表取締役Sandra Mainは「ソーシャルメディアプラットフォームの存在のおかげで、我々はこれまで以上に広いコミュニティへアクセスすることができるようになった」とインフルエンサーマーケティングの有用性について発言するとともに、ブランドの新たな可能性を世間にアピールしました。

Bobbi Brown社のイベントは、25人のインフルエンサーをニューヨーク3日の旅に招待し、フォトジェニックなワークショップを提供するというものでした。期間中、Crushed Lip Colorの口紅をまとったインフルエンサーたちは花冠作り、ブランドのアーティストによるメイクアップセッション、ストリートでの写真撮影などを体験し、その様子をソーシャルメディアプラットフォームにアップ。コンテンツは2,500万人ものオーディエンスの目に届く程の影響を与えました。

Armani Beauty社の事例

インスタグラムにて計1,200万人ものフォロワーを持つベテラン・インフルエンサーAimee SongとCamila Coelhoは、ニューヨークにオープンしたポップアップストア「Armani Box」のイベントに参加しました。Armani Beauty社のマーケティングチームは、コンテンツクリエイターである彼女たちのスター性に着目したインフルエンサーキャンペーンを実施。2人はインスタグラムを通して、イベントの日時、イベントに参加すること、そしてイベントで彼女たちによるプライベート・メイクアップレッスンが受けられることを宣伝しました。

この戦略は、2人がイベント前の告知としてそれぞれ1つのコンテンツのみをアップするというシンプルなものでした。しかしその効果は絶大で、Aimee Songのレッスンチケットはわずか5分で完売し、当日ストアには彼女たちのファンが大勢押しかけました。2人のメイクアップレッスンも好評で、インフルエンサーマーケティングを活用した本イベントは大盛況に終わりました。

Fresh Cosmetics社の事例

Fresh Cosmetics社は、ハスを原材料とした商品ラインナップのプロモーションとして、インフルエンサーたちをカンボジア旅行に招待するイベントを実施しました。この旅行の目的は、ハスの花の生産地を訪れ、その生態や効能に触れることで商品への理解を深めるというものでした。

このイベントの結果、ブランドはインフルエンサーと商品の関係性、ひいてはブランドとインフルエンサーの関係をこれまで以上に発展させることに成功。同時に、カンボジアでの様子をソーシャルメディアプラットフォームにアップすることで、フォロワーが商品への理解を深めるツールとしても有効に作用しました。

まとめ

インフルエンサーイベントにはさまざな種類がありますが、まとまった予算を捻出する必要があることから一見リスキーな戦略に見えるかもしれません。しかし、非日常的かつエキサイティングなひとときを生み出すインフルエンサーイベントは、オーディエンスの目にも新鮮に映り、その分大きな反応が得られる可能性も高くなります。

インフルエンサーイベントを成功させるには、明確な目的を持ち、目的にフィットしたイベントを実施することが重要なポイントです。どのインフルエンサーとタイアップするのか、キャンペーンの目的に沿った内容になっているか等を正しく判断できれば、予算を投じた以上の効果が期待できることでしょう。

 

参考:https://www.launchmetrics.com/resources/blog/examples-events-influencers
http://www.thepersuaders.co.uk/benefit-cosmetics-badgalbang-mascara-launch
https://www.mediabistro.com/climb-the-ladder/skills-expertise/best-influencer-marketing-campaigns-2017/
http://www.elviraabasova.com/2017/09/nyc-bobbi-brown/

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