インフルエンサーマーケティングは、あらゆる業界において高い親和性を発揮できるマーケティング戦略です。代表的なのが、ファッションやトラベルなど視覚的な要素が大きい業種でしょう。ブランドや商品のメリットを一目で把握しやすいことから、多くのブランドがインフルエンサーとタイアップしたキャンペーンを実施しています。
一方、ホーム&ガーデンのように、ビフォーアフターが比較しやすい業界においてもインフルエンサーキャンペーンは大きな効果を発揮します。今回はホーム&ガーデン業界におけるキャンペーン事例を4つご紹介しましょう。
目次
Miracle-Gro社のキャンペーン
一般的にガーデンのリフォームは、インテリアのリフォームに比べて優先度が低く、どうしても後回しにされがちです。そこでガーデン用品のブランドMiracle-Gro社は、新アプリ「Sprout it」のプロモーションのため、応募者の中から抽選でガーデンリフォームが叶うキャンペーンを実施しました。タイトな予算の中、ホーム&DIYインフルエンサーとタイアップしたこのキャンペーンによって、Miracle-Gro社は新しいオーディエンスの獲得に成功しました。
キャンペーンの概要
Miracle-Gro社は、iPadの新アプリ「Sprout it」のプロモーションとして、庭のリフォーム代1,000ドルと人気ホーム&DIYインフルエンサーのChris and Julia Marcumによるリフォームデザイン案が当選するキャンペーンを実施。オーディエンスに「自分の庭でリフォームしたい場所」の写真を撮って#growinspiredのタグと共にソーシャルメディアプラットフォームにアップしてもらい、その中から抽選で6つの庭が選ばれました。
キャンペーンの結果
コンテンツ数:7
リーチ:6万人
オーディエンスがキャンペーンに投稿した数:150以上
Sprout itのホームページ閲覧数:5,000以上
コンテストページの閲覧数:1,200
IKEA社のキャンペーン
北欧家具で日本でも人気の高いIKEA社は、ジャングルの野生動物をモチーフにした3~7歳の子供を対象としたシリーズ「Jungle Collection」のプロモーションのため、インフルエンサーとタイアップしたキャンペーンを実施しました。
キャンペーンの概要
このプロモーションでは、「Jungle Collection」のバラエティ豊かなラインナップを紹介するため、インフルエンサーを起用しました。インフルエンサーたちは、オランウータンやライオンといったコレクションのぬいぐるみを家に置いている様子を撮影し、ソーシャルメディアプラットフォームに投稿。野生動物を保護することの重要性や、絶滅危惧種についても触れ、子供たちの野生動物への知識を深める役割も果たしました。
キャンペーンの結果
コンテンツ数:26
エンゲージメント率:5.90%
フォロワー数:304,402
いいね!とコメントの総数:17,966
BISSELL社のキャンペーン
掃除機ブランドとして名高いBISSELL社のターゲット層は、一般的な広告よりもユーザーの意見や口コミを重視して商品を購入する傾向にありました。そこで同ブランドは、ペットの毛の清掃に特化した新型掃除機ProHeat 2X Revolution Pet Upright Carpet Cleanerの発売に際し、ペットオーナーであるインフルエンサーたちを起用したキャンペーンを実施。ユーザーたちの「本当の声」を届けることで、オーディエンスに商品をアピールしました。
キャンペーンの概要
BISSELL社は、タイアップするインフルエンサーの条件として以下の3つを掲げました。
・ホーム&ガーデン、ライフスタイル、子育て等をテーマに活動していること
・ペットを飼っていること
・家の床がカーペットであること
BISSELL社は上記を満たした32人以上のインフルエンサーとタイアップし、感謝祭やクリスマスといったホリデー前の大掃除にProHeat 2X Revolution Pet Upright Carpet Cleanerを使用してもらいました。そして、その使用感やカーペットのビフォーアフターの画像をソーシャルメディアプラットフォームに投稿。その効果をアピールすると共に、商品の有効な使用方法について公式サイトをチェックするよう促すコメントを記載しました。
キャンペーンの結果
インプレッション数:890万
コンテンツ数:当初の期待値の145%を達成
エンゲージメント率:期待値よりも256%上昇
Home Hardware社のキャンペーン
Home Hardware社は、カナダ最大のホームセンターチェーンです。同ブランドはターゲット層やマーケットの変化を敏感に察知し、最も有効なマーケティング戦略としてインフルエンサーマーケティングに乗り出しました。
キャンペーンの概要
Home Hardware社は、新たなターゲット層に対するブランドの認知拡大とエンゲージメント上昇を目標に、DIYインフルエンサーたちとタイアップ。同社の扱う商品を使ったDIYプロジェクトを実施してもらい、その様子をソーシャルメディアプラットフォームに投稿することでブランドをアピールしました。
bethanythislittleestateは、2018年を通してタイアップしたDIYインフルエンサーのひとりです。タイアップ前から同社のファンであった彼女は、同社の製品を取り入れたDIYの様子を次々とアップ。白いトーンでまとめられたキッチンでは、ディッシュラックとシャンデリアを設置したことを投稿し、同社で行っているイベントについてもコメントしました。
Home Hardware社のソーシャルメディア・マネージャーであるKim McClennan氏は、インフルエンサーマーケティングについて以下のように述べています。
「ターゲットであるミレニアル世代は、本物で魅力あるコンテンツを求めています。インフルエンサーがプロジェクトにまつわる自分たちのストーリーを語れば、ターゲットの心に届けることができます。我々は、2018年を通してインフルエンサーマーケティングについてさまざまなことを学びました。来年以降は、その学びを土台にさらに飛躍したいと考えています。」
まとめ
ホーム&ガーデン業界における商品は、一目で商品の魅力が伝わるファッション業界とは異なり、その使用感や効果をアピールする必要があります。またオーディエンス側にとっても、商品の効果を実際に試して「本物の声」を届けてくれるインフルエンサーの存在はありがたいものであり、一般的な広告よりもインフルエンサーたちの声を重視する傾向があります。
ホーム&ガーデン業界におけるインフルエンサーキャンペーンの興味深い点は、その商品によって幅広いアプローチが可能な点です。BISSELL社のケースのように商品を使用したビフォーアフターをアピールする方法、IKEA社やHome Harware社のケースのように自宅で商品がどのように使われているかをアピールする方法などさまざまですので、ぜひキャンペーンを企画する上での参考にしてみてください。
参考:http://prtini.com/sprout-it-case-study/
https://www.tribegroup.co/case-study/ikea
https://linqia.com/customers/bissell/
http://smbp.uwaterloo.ca/2018/11/home-hardware-influencer-marketing/