アイスクリームブランドによる異色のインフルエンサーマーケティング事例5選

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昨今の「SNS映え」という言葉は、耳に新しいものではなくなってきました。アイスクリーム業界も、よりフォトジェニックなものや奇をてらったフレーバーを開発し、売上を伸ばそうと試行錯誤しています。

これはもちろん、インフルエンサーによるInstagramやFacebookでのシェアなどインフルエンサーの影響力を利用するためと言えるでしょう。

今回は、有名アイスクリームブランドだけでなく、意外な戦略で話題を呼ぶことに成功した新興ブランドのインフルエンサーマーケティング事例も併せて5つ紹介します。


目次

  1. Haagen-Dazs社、テニスプレイヤーやファッションブランドとタイアップ
  2. Godiva社のマイクロインフルエンサープログラム
  3. 売上世界1位のアイスクリームブランド「Magnum」のアプローチ
  4. Ben&Jerry’s社、1日のフリーコーンデイでフォロワー数が激増!
  5. Halo top社によるフィットネスインフルエンサーとタイアップした戦略
  6. まとめ

  7. Haagen-Dazs社、テニスプレイヤーやファッションブランドとタイアップ

    Haagen-Dazs社は2016年にウィンブルドンの公式スポンサーに就任しました。また、スウェーデンのファッションブランド「BjornBorg(ビョルン・ボルグ)」とタイアップして、Haagen-Dazs社の人気フレーバー「ストロベリー&クリーム」のパッケージのデザインを依頼しました。これはテニスに興味のある人だけでなく、ファッションに興味のあるオーディエンスをターゲットとした戦略で、大きな話題を呼んでいます。

    Häagen-Dazs社がタイアップしたのは、ウィンブルドンテニスプレイヤーのGrigor Dimitrovのような世界的なブランドアンバサダーや、非公式にタイアップを望んでいる同じくテニスプレイヤーのSloane StephensさんやLaura Robsonさんのようなインフルエンサー、そしてInstagramフォロワーが少数のマイクロインフルエンサーでした。

    こういったインフルエンサーパートナーたちがHaagen-Dazs社のアイスクリームを食べている写真はInstagramやFacebookで投稿され多くのエンゲージメントを獲得し、SNS世代へアピールするキャンペーンとして成功を収めました。

    ハーゲンダッツジャパンの#ハーゲンハート

    また、ハーゲンダッツジャパン社においても、Instagramで「#ハーゲンハート」と共にハーゲンダッツミニカップの中蓋を外した写真をアップするというキャンペーンが行われています。

    カップの表面にハートのような模様が表れている状態が「ハーゲンハート」です。これは、ハートに見えても見えなくても写真をアップする行為自体が重要であり、加工を加えることでアイスが笑顔を作っているような写真コンテンツも投稿されています。

    有名モデルやファッションインフルエンサーが「#ハーゲンハート」をつけて写真を投稿しはじめたことがキッカケとなり、オーディエンスが真似することで定着しました。後に「ハーゲンハート」は、ハーゲンダッツジャパン社の公式テレビCMにも起用されています。

    このように体験を共有することで、ただアイスクリームを食べるだけの行為が何倍も楽しめるのです。また、Haagen-Dazs社は「小さな贅沢」「自分へのご褒美」として広く定着しているため、「Haagen-Dazsのアイスを食べた」という経験を共有するだけでも価値のあるものとして広まっているようです。


    Godiva社のマイクロインフルエンサープログラム

    世界をリードする高級ショコラブランド「Godiva社」は、デジタルチャンネルの普及に伴い、インフルエンサーマーケティングを行うにあたって「インフルエンサーとの関係性の複雑さ」に直面しました。そこで、ハイクオリティなブランドコンテンツに対する継続的な需要を効率よく満たすべく、インフルエンサーキャンペーンを開始しました。

    Godiva社は、インフルエンサーマーケティング会社の「Mavrck」と協力して、クリスマスからバレンタインデー、イースターまでの数週間にわたるキャンペーンを行いました。#GodivaInsidersという人々は主にマイクロインフルエンサーで構成されたコミュニティで、彼らによってリードされたキャンペーンは多くのコンテンツを生み出しています。

    GodivaInsidersのインフルエンサーたちは、Godiva社の季節限定ショコラアイスバーを食べた感想を述べたり、その包装の素敵さを写真で投稿するなど、各々の個性が出るコンテンツを作成しました。

    このようにマイクロインフルエンサーとタイアップすることで、Godiva社はブランドのタッチポイントを超えて、現代の消費者の複雑な感情や嗜好にアピールしただけでなく、ブランドエンゲージメント、eコマースコンバージョン、コンテンツ制作の効率化を促進することにも成功しました。


    売上世界1位のアイスクリームブランド「Magnum」のアプローチ

    MagnumはUnilever社が運営するロンドンのアイスクリームブランドです。日本では流通がないため耳にしたことがない人も多いですが、Magnumは世界的に有名なブランドであり、ヨーロッパではどこでも目にする高級志向アイスクリームです。

    こちらの経営戦略も、もちろんインフルエンサーマーケティングを利用しています。Magnumはヨーロッパの有名ビューティーインフルエンサーであるCarodaurさんとタイアップし、話題を呼びました。彼女がMagnumのアイスクリームバーをもって海辺にたたずむ美しい写真は、多くのリーチとエンゲージメントを生み出しています。

    しかし、MagnumによるSNSマーケティングはそれだけではありません。

    Magnum London支店のUGC効果

    Magnum London支店は、「#MagnumLND」というハッシュタグをつけて、Magnumのアイスクリームバーの写真を投稿しようというキャンペーンをFacebookで開始しました。こういったユーザー作成コンテンツ(UGC)がいかに効果を得られるかテストするためです。

    おすすめ記事:ユーザー作成コンテンツの有用性。UGCとIGCの違いとは?

    結果は、Magnum London支店が打ち出した公式の写真広告(ブランド作成コンテンツ)が44%のユーザー層にリーチしたのに対し、アイスの消費者であるユーザーが作成したUGCは67%のリーチ数となり、より優れたパフォーマンスを発揮しました。

    この数字からわかるようにインフルエンサーマーケティングコンテンツは、ブランド自身が作成したコンテンツよりも高い効果が得られる傾向にあります。


    Ben&Jerry’s社、1日のフリーコーンデイでフォロワー数が激増!

    最近、日本でも名前を聞くようになった「Ben&Jerry’s社」は、アメリカでは非常に有名なアイスクリームブランドです。Ben&Jerry’s社は1978年5月5日に創設されたアイスクリームブランドであり、1961年創業のHaagen-Dazs社とさほど変わりません。

    まだSNSが普及していない2000年代初頭、Ben&Jerry’s社は日本へ輸入されていましたが、売り上げが好調せず一度撤退しています。しかし近年、再び日本進出が決まってBen&Jerry’s社が行った戦略は「フリーコーンデイ」でした。

    フリーコーンデイ戦略とは、フリーコーンデー当日に店舗でアイスを1つ無料で提供するという大胆なものでした。
    条件として、無料でもらった人はアイスクリームの写真を撮り、「#フリーコーンデー」を付けてInstagramやFacebook、Twitterに投稿するというキャンペーンです。この戦略が大ヒットし、Ben&Jerry’s社の名前を知らなかった日本人も次々と検索してフォロワー数が急増しました。

    このフリーコーンデイ1日だけで、
    ・「Ben&Jerry’s社」の話題は4万件以上
    ・#FreeConeDayをつけたツイート数は11000以上
    上記のような大記録を打ち立てたので、SNS戦略における成功を収めたと言えるでしょう。


    Halo top社によるフィットネスインフルエンサーとタイアップした戦略

    「Halo top社」のような低カロリーアイスクリームブランドは、4年前まで生き延びるのが困難な状況に陥っていました。しかしSNSが普及した現在、Halo top社のアイスクリームはイギリスのほぼすべてのスーパーやコンビニで目にするほどの人気を博しているようです。

    5年前、アイスクリームとダイエットは真逆であると考えられていました。「健康的な」アイスクリームは、おしゃれなパッケージで低カロリー、高タンパク質をモットーにしたHalo Top社が2016年に登場したことによって、人気が高まったと言えるでしょう。

    砂糖の代替品であるステビアとエリスリトールを使用している同ブランドの製品は、アイスカップごとにカロリーが表記されているため「カロリー計算せずに食べられるアイスクリーム」としてビューティーインフルエンサーやフィットネスインフルエンサーの間で話題になり、一気に広まっています。

    また、Halo top社は少人数のフォロワーを持つフィットネスインフルエンサーとタイアップして、健康に関するハッシュタグをつけたコンテンツを作成しました。これは、健康志向の人々をターゲットオーディエンスにした、当時のアイスクリーム業界では珍しい戦略です。

    インフルエンサーパートナーは、単におすすめするだけでなく、サンプルを試食した感想やアイスクリームの割引コードといったコンテンツも作成しました。

    新しいブランドであったHalo top社でしたが、マイクロインフルエンサーを起用し、ターゲットを絞ることによって、安価のインフルエンサーマーケティングで短期間に大きな成功を手にしました。


    まとめ

    アイスクリームブランドも、それぞれInstagramやFacebookといったSNSを利用したインフルエンサーマーケティングを行っているのがわかりました。

    高級志向のアイスクリームブランドは有名ビューティーインフルエンサーとタイアップし、ラグジュアリーなコンテンツを作成することでキャンペーンを成功させています。

    健康志向をターゲットにしてフィットネスインフルエンサーとタイアップした低カロリーアイスクリームブランドもある一方で、フリーコーンデイといった大胆な試みやプロアスリートとタイアップしたPRは万人受けする目新しいキャンペーンとなり、大きな話題を呼びました。

    アイスクリームは、コンビニエンスストアやスーパーなど比較的どこでも購入できるものなので、老若男女問わず関わりが深いスイーツです。経験をシェアすることを重要視している「SNS世代」である現代の若者はもちろんですが、新フレーバーやコラボレーションの写真コンテンツなどは誰にでも受け入れられやすい内容なので、アイスクリームブランドにとってもインフルエンサーマーケティングは非常に有効な戦略です。



    参考:https://www.thedrum.com/news/2018/07/10/h-agen-dazs-shaking-up-its-influencer-marketing-strategy-smash-wimbledon-sales
    https://www.thedrum.com/news/2017/05/22/h-agen-dazs-top-uk-marketer-why-its-switching-sexy-and-suggestive-ads-new-brand
    https://www.thedrum.com/news/2017/06/29/h-agen-dazs-teams-up-with-bj-rn-borg-ahead-wimbledon-championships
    https://www.marketingweek.com/2017/07/07/haagen-dazs-trying-become-iconic-brand/
    https://www.clickz.com/what-makes-ben-jerrys-so-good-at-social/101187/
    https://www.adweek.com/digital/ben-jerrys-early-winner-instagram-ad-race-154196/
    https://www.tracx.com/resources/blog/uncovering-oreo-moments-harry-styles-just-gave-ben-jerry-s-a-social-media-opportunity/
    http://www.magnumicecream.com/sg/pleasure-store.html
    http://www.olapic.com/resources/case-study-magnum/
    http://www.olapic.com/resources/magnum-ice-creams-london-pop-up-store-is-all-about-custom-desserts-and-ugc/
    https://www.marketingweek.com/2018/10/31/halo-top-ice-cream/ 

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