インフルエンサーは新しいブランド。影響力拡大で企業と企業との境目が薄くなる傾向に

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多くの企業や小売業者が、インフルエンサーをメジャーなマーケティング・チャンネルとして活用し始めている。リアリティスターのキム・カーダシアンがAirbnbとのコラボで宿泊施設の様子をスナップチャットに投稿したり、ファッションブロガーのEmily SchumanがNordstromと共同でファッションのニューラインを提案したり、複数のブロガーを採用してビールからイメージした洋服を作ってもらったりと、様々な企画にインフルエンサーが参加している。

今やインフルエンサーは金の卵だ。ファッションブランド「Rebecca Minkoff」はNew York Fashion Weekのランウェイで、インフルエンサーをセンターとフロントに抜擢。ショーに参加したインフルエンサーは、Chriselle LimやArielle Charnasといったファッションブロガー。Rebecca Minkoffの店先に広がるGreene Streetを舞台にファッションショーが展開された。

 

目次

    1. 高まるインフルエンサーの信頼性
    2. インフルエンサーを仲介する企業が増加
    3. エンゲージメント率の高いマイクロインフルエンサーに注目
    4. まとめ

高まるインフルエンサーの信頼性

最近ではインフルエンサーのお墨付き商品が信頼される傾向にある。事実、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「MuseFind」が公開したデータでは、従来の広告や有名人が推薦する商品よりも、インフルエンサーがオススメする商品の方が信頼できると答えた消費者が92%だった。同データでは42%の消費者がWeb上の広告をブロックするツールを使っているという結果も出ていて、従来のデジタル広告チャンネルの効果が制限されていることがうかがえる。

最新経済情報を発信する「ブルームバーグ」によると、毎月インフルエンサーマーケティングに2550億ドル(約25兆円)投資されているという。企業とインフルエンサーマーケティング会社がどのようにインフルエンサーと仕事をしているのだろうか。次の見出しからは、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「MuseFind」のCEO・Jennifer Li氏と、ニューヨークに拠点を構えるハンドバック販売会社「GiGi New York」の社長・Tom Glazer氏へのインタビューを紹介する。

インフルエンサーを仲介する企業が増加

インフルエンサーがマーケティング戦略でより重要な役割を持つにつれて、いくつかの企業が企業とインフルエンサーをマッチングさせるプラットフォームの開発に参入し始めている。MuseFindはそういった会社の1つ。「インフルエンサーマーケティングプラットフォームの役割は、ソーシャルメディアで活躍するインフルエンサーの力を借りて、企業の顧客に再び関心をもってもらうこと」だとJennifer Li氏は語る。

「私たちの提供するプラットフォームを提供して、企業に最も適したインフルエンサーを探すお手伝いをしています。インフルエンサーのパフォーマンスデータをまとめることで、最低でも得られる効果を視覚化しました」とLi氏は解説する。MuseFindは資生堂やオレオといった、有名企業のインフルエンサーマーケティングを活用したキャンペーンに携わってきた実力派だ。

インフルエンサーと企業の区別は難しくなってきた。Michelle PhanやZoellaといったインフルエンサーは自身のブランドを立ち上げ、企業は消費者の信頼を勝ち取るためにインフルエンサーを起用。インフルエンサーと企業のコラボレーションは、双方の協力関係で成り立っている。インフルエアンサーと企業には共生関係があり、共に助け合ってお互いのブランディングを強化する。しかしキャンペーンが成功するかどうかは、最終的にインフルエンサーとユーザーの関係に左右される。

「インフルエンサーマーケティングは、信頼関係を利用することが基本にあります。例えば私がフォロワーだとすると、インフルエンサーをフォローするのもアンフォローするのも親指1つで出来ます。広告が多すぎて嫌だな、本音で話してないな、企業からもらった仕事なのにクオリティ低いな、と感じたらすぐにアンフォローすることだって可能です」とLi氏は続けた。

インフルエンサーの影響力をフォロワー数で測れない。実際に影響力のあるインフルエンサーのポイントは、信頼できて情報収集能力の高い人材である。「インフルエンサーマネジメントプラットフォームのTraackrは、大きいことがいつも良いことだとは限らないと言っていました。フォロワー数ではなく、企業と関連性が高いインフルエンサーを選ぶべきです。高級ブランドがフォロワー数だけ見てインフルエンサーを選んでも、インフルエンサーやそのフォロワーに手が届かないものなら意味がありません。ブランドイメージを守る正しいペルソナ設定が何より大事です」と情報サイト「Luxury Daily」のSarah Jones氏は語る。

エンゲージメント率の高いマイクロインフルエンサーに注目

ソーシャルインフルエンサーと仕事をする時は、量より質を重視する傾向に変わっている。 ファッションジャーナリストのRebecca Suhrawardi氏は、「企業はさらにインフルエンサーのフォロワー数に注目しなくなっています。フォロワー数が8,000人ほどでも構わない場合もあるでしょう。見返りとして、信頼性や独自の視点、ストーリーを深く掘り下げる力、目的に合った消費者とつながる可能性を秘めたインフルエンサーを探しているんです」という内容の記事をForbesに寄稿した。

ファッションブランド「GiGi New York」は、マイクロインフルエンサーとパートナを組んでキャンペーンを成功に導いた。フォロワー数の多いインフルエンサーが抱えるフォロワーは、だいたい他の人気ブロガーなどもフォローしているものだ。「ところがフォロワー数のあまり多くないマイクロインフルエンサーをフォロワーは、他にフォローしているアカウントといえば1つか2つほど。そういったフォロワーのエンゲージメント率はとても高い数値を示します」とGiGi New Yorkのマーケティングチームが教えてくれた。「かつてファン数の多い有名ブロガーと仕事をしたことがあるんです。結果にすごく期待していたのですが、売上も訪問数も期待していた数値を下回っていました。」

GiGi New Yorkはインフルエンサーマーケティングを始めてから、インフルエンサーと近い関係を保っている。「インフルエンサーと仲良くなると良いことがたくさんありますよ。特に現在のように商業的に成功する前に、インフルエンサーと良好な関係を保っていたのは幸運でした。」とGiGi New YorkのTom Glazer氏。同社は価値のあるコンテンツを消費者に提供することと、自社製品と他社製品の差別化に注力していた。

GiGi New Yorkは消費者に新しくて独自性のある何かを提供しようと考えていた。インフルエンサーはファッション雑誌を見なくても最新トレンドに詳しいので、ファッションパーソナリティとしてもよく起用されている。インフルエンサーは最新トレンドを消費者に届ける独自のポジションを獲得しており、自己流でインフルエンサーの声に耳を傾けてくれる人とつながるのだ。

まとめ

今後、企業はインフルエンサーの持つ力をマーケティング以外にも活用しよう。インフルエンサーを消費者からのフィードバックツールと考えてはどうだろうか。 「私は企業にインフルエンサーを広告塔として見ないようにと伝えています。実際に、インフルエンサーは広告塔ではないですから。彼らには他にも色々な可能性があるんです。インフルエンサーはビジネスを熟知していて、仕事熱心な人が多いです。2~5年後にはインフルエンサーが他の企業を代表するブランドになっているかもしれませんね。そうなるとインフルエンサーと企業の境目がぼやけてくると思いますよ。」とインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「MuseFind」のCEO・Jennifer Li氏は語った。

インフルエンサーはマーケティングでさらに重要な役割を持ち、成長を続け、消費者に影響を与えるとみられている。戦略面では、マイクロインフルエンサーの起用がキャンペーン成功のカギになるだろう。企業や小売業者は人目を引く新しいマーケティング・チャンネルを、常に探す必要がある。消費者はますます従来のマーケティングを拒否して、ソーシャルメディアに目を向ける傾向にあるからだ。 消費者が求めるものはトレンドとレビューを含む色々なタイプの情報。そういった情報が集まっているからこそ、ソーシャルメディアでの立ち回りが重要になると考えられる。

 

 

参考:Forbes:Influencers Are The New Brands http://www.forbes.com/sites/deborahweinswig/2016/10/05/influencers-are-the-new-brands/#203da4807fc5

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