コカ・コーラのインフルエンサーマーケティング事例5選

Pocket

コカ・コーラブランドは、1886年に米国ジョージア州アトランタで誕生しました。誕生から100年以上経過した今では、世界の人口の96%がコカ・コーラのロゴを認知するほどの有名ブランドに成長しました。

コカ・コーラは、これまでにさまざまなインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施し、市場開拓などの戦略的なプロモーションだけではなく、人々の心にコカ・コーラブランドを刻み、ファンとの繋がりを生み出す方法として活用してきました。

今回は、そんなコカ・コーラのインフルエンサーマーケティング事例5選を紹介します。

目次

  1. インフルエンサーマーケティング事例① イギリス This One’s For キャンペーン
  2. インフルエンサーマーケティング事例② ベルギー Coke Ambassador キャンペーン
  3. インフルエンサーマーケティング事例③ ドイツ Original Serviert キャンペーン
  4. インフルエンサーマーケティング事例④ 2018年FIFAワールドカップ Pick Your Teamキャンペーン
  5. インフルエンサーマーケティング事例⑤ 2016年リオ・オリンピック That’s Goldキャンペーン
  6. コカ・コーラのインフルエンサーマーケティング事例から学べること
  7. まとめ


  8. インフルエンサーマーケティング事例① イギリス This One’s For キャンペーン

    1件目の事例は、西ヨーロッパ地域をターゲットとして商品プロモーションを目的に実施されたインフルエンサーマーケティングキャンペーンです。フォロワーが10万人以上のマクロインフルエンサーと、フォロワーが10万人未満のマイクロインフルエンサーがコカ・コーラとタイアップし、「This One’s For(~に捧げます) 」というコンセプトでオリジナルのスポンサードコンテンツを作成しました。

    キャンペーンでは合計22件のスポンサードコンテンツが投稿され、コンテンツには@cocacolaeuというオリジナルタグと、キャンペーンハッシュタグ #ThisOnesFor が付けられました。

    イギリスのフリースタイルフットボール選手であるAndrew Hendersonさん(@iamandrewhenderson)は、34万3,000人のインスタグラムフォロワーに向けてサッカーボールを用いたパフォーマンス動画を投稿しています。

    今回のキャンペーンでは、自身の父親に向けたメッセージから始まるサッカーのジャグリング動画を投稿しました。また、Hendersonさんのコンテンツではプレゼント企画も同時に実施されました。Hendersonさんはキャプションで、「僕と一緒に「ジングルベルボール」に参加したい人はコメントを残してください。当選者はインスタグラムライブで発表します。」と述べました。

    ジングルベルボールは、ラジオ局「Capital FM」が主催するコンサートで、インスタグラムのオーディエンスは、Hendersonさんのコンテンツにコメントを残すことでプレゼント企画にエントリーすることができます。Hendersonさん自身もコカ・コーラからコンサートに招待されており、キャプションで感謝の気持ちを表現しました。

    プレゼント企画のようなオーディエンス参加型のインフルエンサーマーケティングキャンペーンは話題が拡散されやすい上に、今回の企画のようにインフルエンサーと実際に会える機会を提供すると、オーディエンスはキャンペーンに強い興味を示します。

    プレゼント企画やインフルエンサーとの対面イベントのように個人的なやり取りを含むキャンペーンは、高いエンゲージメントを生み出す優れた方法です。

    ライフスタイルインフルエンサーでユーチューバーとしても活躍するEmily Canhamさん(@emilycanham)は、インスタグラムで最新のファッションやメイクを紹介しています。Canhamさんは今回のキャンペーンで、親友のリビーさんを紹介するコンテンツを投稿しました。

    Canhamさんはキャプションで、「今回のキャンペーンは大切な人との繋がりを祝福するユニークでポジティブな方法です」と述べました。上記のコンテンツはクリスマス直前の2017年12月23日に投稿され、家族や友人に会う楽しい経験とコカ・コーラを効果的に関連付けました。

    This One’s Forキャンペーン全体で17万3,000件を超える「いいね!」と、1,600件のコメントを獲得し、平均エンゲージメント率は7.8%という結果になりました。

    通常、インフルエンサーが商品をプロモーションする際は、商品そのものをコンテンツに含めるのが一般的です。しかし、今回、コカ・コーラとタイアップしたAndrew HendersonさんとEmily Canhamさんは、いずれもコカ・コーラの缶やビン、ブランドロゴなどをコンテンツに登場させることなくスポンサードコンテンツを作成しました。

    コカ・コーラそのものをプロモーションするのではなく、人と人の繋がりが生まれる場所にコカ・コーラブランドを関連付けることによって、オーディエンスが自分の大切な人と過ごす時にコカ・コーラを想起してもらうことが狙いと考えられます。

    インフルエンサーという生身の人間を通じて商品をプロモーションしてもらうことによって「感情」をメッセージに乗せることができるのは、インフルエンサーマーケティングキャンペーンの大きなメリットです。

    おすすめ記事:飲料業界のインフルエンサーマーケティング。お茶や飲料水、フルーツジュースブランドの事例4選

    飲料業界のインフルエンサーマーケティング。お茶や飲料水、フルーツジュースブランドの事例4選



    インフルエンサーマーケティング事例② ベルギー Coke Ambassador キャンペーン

    2件目は、ベルギーの消費者をターゲットにしたインフルエンサーマーケティング事例です。ベルギーで活躍する12人のインフルエンサーとタイアップし、そのうち10人はフォロワーが10万人未満のマイクロインフルエンサーでした。

    合計19件のスポンサードコンテンツが投稿され、すべてのコンテンツに@cocacolabelgiumとハッシュタグ#CokeAmbassadorが付けられました。

    ベルギーの旅行インフルエンサーでユーチューバーのYannick Merckxさん(@hetisdemerckx)はインスタグラムに4万8,000人のフォロワーを持ち、世界中を旅行して撮影した景色をコンテンツとして発信しています。

    Merckxさんはコカ・コーラとのタイアップで、メキシコを旅行中に見つけたコカ・コーラのロゴと共に、「地元の人たちは朝食にコカ・コーラを飲むこともあると話してくれました」というユニークなエピソードを共有しました。

    ファッションインフルエンサーのYentl Keuppensさん(@yentlkeuppens)は、ベルギー市場でのインフルエンサーマーケティングキャンペーンに参加したインフルエンサーの中で2番目に多い、13万1,000人のフォロワーがいます。

    KeuppensさんもMerckxさんと同じように海外で見つけたコカ・コーラのロゴを披露し、コカ・コーラブランドのグローバルな存在感を表現しています。キャプションでは、「2018年に再び#CokeAmbassadorになって幸せです!」と述べました。

    コカ・コーラはKeuppensさんと長期契約を結ぶことによって繋がりを深めています。インフルエンサーとブランドの結びつきが強くなると、インフルエンサーのフォロワーとブランドの結び付きも強くなります。

    コカ・コーラは、ベルギー市場におけるインフルエンサーマーケティングキャンペーンで4万6,000件以上の「いいね!」と500件のコメントを獲得し、9.1%という高い平均エンゲージメント率を達成しました。

    フォロワーが少ないインフルエンサーは積極的に自らのフォロワーとコミュニケーションを取り、信頼関係を築いています。そのため、インフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施すると、フォロワー数が多いインフルエンサーよりもエンゲージメント率が高くなる傾向があります。

    ただし、フォロワーが少ないインフルエンサーは影響を及ぼすことができる範囲が狭いため、複数のインフルエンサーと同時にタイアップすると良いでしょう。

    おすすめ記事:【保存版】これさえ見ればわかるマイクロインフルエンサーのすべて

    【保存版】これさえ見ればわかるマイクロインフルエンサーのすべて



    インフルエンサーマーケティング事例③ ドイツ Original Serviert キャンペーン

    3件目はドイツ市場におけるインフルエンサーマーケティング事例です。コカ・コーラは、ベルリンとニューヨークを拠点とする国際的なマーケティング会社であるCLYとコラボレーションして、2018年にドイツ市場をターゲットとするインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施しました。

    キャンペーンは長期にわたって実施され、コカ・コーラは合計300名以上のインフルエンサーとタイアップを行いました。タイアップしたインフルエンサーは、レストランで伝統的なビンのコカ・コーラを楽しむ様子をインスタグラムに投稿しました。

    インフルエンサーマーケティングキャンペーンを長期にわたって実施すると、ブランドに関するコンテンツがオンライン上に投稿され続けます。コンテンツの数が増えるとそれを目撃するオーディエンスの数も増え、記憶に残りやすくなります。また、タイアップを続けることによってインフルエンサーはブランドのことを深く理解し、ブランドに対するロイヤリティも高くなります。

    ブランドとインフルエンサーの間に信頼関係が生まれ、インフルエンサーが心を込めたコンテンツを作り、それが長期的にオーディエンスの元に届くことによってインフルエンサーマーケティングキャンペーンの効果が最大化されます。ドイツ市場における事例はそれを示す好例と言えるでしょう。

    2019年7月までにキャンペーンハッシュタグである#originalserviertが付いたコンテンツは540件以上投稿されています。ハッシュタグでインスタグラムを検索すると、さまざまなインフルエンサーがコカ・コーラを楽しんでいる様子を見ることができます。

    テレビで人気があるセレブを起用した大規模な有料広告を活用すれば一気にブランドや商品の知名度を向上させることができますが、今回の事例のように、比較的フォロワーが少ない複数のインフルエンサーとタイアップして長期的なキャンペーンを実施することによって、情報が草の根のようにじわじわと広がっていきます。

    インフルエンサーマーケティングを実施する際は短期的な見返りだけを求めず、あせらずじっくり取り組む姿勢も大切です。

    おすすめ記事:インフルエンサーと長期契約を結ぶメリットと注意点

    インフルエンサーと長期契約を結ぶメリットと注意点

    インフルエンサーマーケティング事例④ 2018年FIFAワールドカップ Pick Your Teamキャンペーン

    4件目は2018年にロシアで開催されたFIFAワールドカップに合わせて実施されたインフルエンサーマーケティング事例です。コカ・コーラは、マレーシアとシンガポールのインフルエンサーとタイアップしてPick Your Teamキャンペーンを実施しました。

    このキャンペーンは、サッカーの熱狂的なファンも、そうでない人もFIFAワールドカップを楽しめるようにというコンセプトで展開されました。タイアップしたマレーシアとシンガポールのインフルエンサーはワールドカップの試合をほぼリアルタイムで解説しました。その際に、インフルエンサーは「熱狂的ではない」サッカーファンの視点で解説を行いました。

    コカ・コーラの統合マーケティング・コミュニケーション・ディレクターであるLim Kean Yewさんは、「すべての人種とバックグラウンドを持つ人々がFIFAワールドカップを通じて共にサッカーへの情熱を祝福し、すべての人にとってより有意義で楽しいものにしたい。」と述べました。

    また、Pick Your Teamキャンペーンの一環として、ミニチュアのスタジアムでサッカー選手に見立てたコカ・コーラの缶がプレイするユニークな動画が公開されました。動画に使用されたコカ・コーラの缶はFIFAワールドカップのためにデザインされた限定版です。

    キャンペーンは2018年6月初旬に開始され、試合前の動画が毎日公開されるなど、コカ・コーラファンの間で#PickYourTeamの会話が盛り上がり、エンゲージメントが高まっていきました。

    おすすめ記事:飲料メーカーのインフルエンサーマーケティング事例【バドワイザー × 2018年FIFAワールドカップ】

    飲料メーカーのインフルエンサーマーケティング事例【バドワイザー × 2018年FIFAワールドカップ】

    インフルエンサーマーケティング事例⑤ 2016年リオ・オリンピック That’s Goldキャンペーン

    5件目の事例は、2016年リオ・オリンピックに合わせて実施されたThat’s Goldキャンペーンです。長年にわたってオリンピックの公式スポンサーを務めているコカ・コーラは、10代の若者をターゲットに、オリンピックとコカ・コーラブランドをプロモーションする目的でインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施しました。

    That’s Goldキャンペーンは50か国で展開され、世界中の20名を超えるオリンピックアスリートが参加しました。

    このキャンペーンは、コカ・コーラの新しい「ワンブランド」マーケティング戦略の延長です。アスリートが体験する「金メダルを獲得する瞬間」は特別なものですが、That’s Goldキャンペーンでは、アスリート以外の人々が日常生活で試験に合格することや、初めて父親の車の鍵を手にすること、友人の誕生日を祝うことまで、それが自発的で本物である限り、何でも「金の瞬間」になり得えるというコンセプトに基づいて展開されました。

    That’s Goldキャンペーンは10代の若者がターゲットに設定され、アスリートを起用した大々的なテレビCMや有料広告と平行して、インスタグラムやYouTube、ブログなどで活躍するインフルエンサーとのタイアップキャンペーンも展開されました。

    インフルエンサーとのタイアップキャンペーンではインフルエンサーによるトーチリレーが行われ、その様子をソーシャルメディアに投稿してもらうことによってオーディエンスとの交流の機会が生まれました。

    また、「自分にとっての金メダル」をテーマに、それぞれのインフルエンサーがセンスの良いコンテンツを作成しました。コンテンツにはキャンペーンハッシュタグ#ThatsGoldが付けられ、フォロワーに対しても、自分にとっての「金の瞬間」が何であるかを共有することを求めました。

    リオのプラカマウア地区にはコカ・コーラ・オリンピック・ステーションが設けられ、10代を中心とした若者がコカ・コーラを飲みながらライブミュージックやアスリートのトークを楽しみました。

    改装された電車の車庫に作られたコカ・コーラ・リオ・ニュースルームでは、厳選されたグローバルなインフルエンサーグループが、コカ・コーラのリアルタイムマーケティングチームと協力してオリンピックの試合に関するコンテンツを作成および配信しました。

    オリンピックにおける企業の有料広告規制

    オリンピックには、企業の有料広告に関する「ルール40」という規制があります。コカ・コーラのようなオリンピックの公式スポンサーは、サポートしているアスリートや試合に関連するハッシュタグを使用したプロモーションが許可されていますが、非公式のスポンサーは、オリンピックの開催期間とその前後の特定の期間中は、IOC理事会の許可なくアスリートやコーチを起用した有料プロモーションを行うことはできません。

    そのため、アスリートがスポンサーに感謝するツイートのような単純なコンテンツでさえ、ルール違反になってしまう可能性があります。ルール40は、アスリートやコーチなど、オリンピックに参加する人物が対象となります。

    アスリートとのタイアップキャンペーンが実施できない非公式スポンサーは、アスリートの代わりにインフルエンサーとタイアップすることによって、オリンピックという一大イベントで効果的に商品やサービスをプロモーションすることができます。

    コカ・コーラのような公式スポンサーも、アスリートを起用してテレビCMなどを展開しながら、インフルエンサーともタイアップしてソーシャルメディアで話題を拡散しています。

    おすすめ記事:アスリートとタイアップしたHuluのインフルエンサーマーケティング事例

    アスリートとタイアップしたHuluのインフルエンサーマーケティング事例

    コカ・コーラのインフルエンサーマーケティング事例から学べること

    View this post on Instagram

    when your lyrics are on the bottle 😛 #ad

    A post shared by Selena Gomez (@selenagomez) on

    コカ・コーラは、米国の有名女優であるセレーナ・ゴメスさんとのタイアップコンテンツで、2016年にインスタグラム史上最多の「いいね!」を獲得して話題を集めた実績がありますが、今回紹介したインフルエンサーマーケティング事例では、いずれもフォロワーが10万人以下の「マイクロインフルエンサー」と呼ばれるインフルエンサーの活躍が目立ちました。

    コカ・コーラのような有名ブランドであっても、フォロワー数が少ないマイクロインフルエンサーとのタイアップを積極的に行っている点は注目に値するでしょう。

    テレビで活躍する有名人を起用したキャンペーンは不特定多数の人に幅広くリーチできる半面、有名人と一人ひとりの消費者の繋がりはそれほど強くないため、キャンペーンのエンゲージメント率が低くなる傾向があります。

    一方、マイクロインフルエンサーは影響力を与えられる範囲は狭いものの、日頃から自らのフォロワーと積極的にコミュニケーションを取り、フォロワーも「このインフルエンサーのおすすめなら信頼できる」と感じているため、費用対効果が高いキャンペーンを実施することができます。

    「浅く・広く」が得意な有名人を起用した有料広告と、「狭く・深く」が得意なマイクロインフルエンサーとのタイアップの特徴を理解し、目的に合わせて上手に活用していくことが大切です。

    おすすめ記事:有名ブランドのマイクロインフルエンサーマーケティングキャンペーン事例5選

    有名ブランドのマイクロインフルエンサーマーケティングキャンペーン事例5選

    まとめ

    今回は、コカ・コーラのインフルエンサーマーケティング事例5選を紹介しました。

    コカ・コーラは、世界的な有名女優やオリンピックアスリートといった世間的に知名度が高い有名人と、特定の分野や地域で強い影響力を持つマイクロインフルエンサーとのタイアップを組み合わせて効果的なプロモーションを展開しています。

    マイクロインフルエンサーはソーシャルメディアを通じて自力で探すこともできますが、インフルエンサーが多数登録しているインフルエンサーマーケティングプラットフォームを活用すれば、ジャンルやフォロワー数などで簡単に候補となるインフルエンサーを絞り込むことができます。

    参考:https://mediakix.com/blog/coca-cola-marketing-strategy-influencers-ambassadors/
    https://www.cl-y.com/portfolio-item/coca-cola-originals-influencer-campaign/
    https://www.marketing-interactive.com/coca-cola-celebrates-world-cup-season-with-sg-and-my-influencers
    https://www.getkobe.com/best-influencer-marketing-case-studies/
    https://getmintent.com/blog/dont-need-athletes-rio-marketing-campaign/
    https://www.coca-colajourney.co.nz/stories/thatsgold-get-the-scoop-on-coke-s-global-campaign-for-the-rio-2016-olympic-games

    Pocket