自動車業界のインフルエンサーマーケティング事例【タイヤメーカーMichelin(ミシュラン)】

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ミシュランは120年の歴史があり、フランスを拠点として世界170ヶ国で事業を展開する老舗のタイヤメーカーです。ミシュランはこれまで、オンライン以外のメディアを中心に販促活動を実施してきましたが、他の多くのグローバルブランドが直面しているように、消費者の新しい行動に合わせた変化が求められています。

最近では消費者と繋がるための新たな方法としてインフルエンサーマーケティングに割り当てる予算を増やし、インフルエンサーを招いたイベントやソーシャルメディア上でのキャンペーンを実施しています。また、ミシュランのインフルエンサーマーケティング戦略は、インフルエンサーマーケティングプラットフォームを活用することによってさらに強化されていきました。

今回は、インフルエンサーマーケティングプラットフォームを活用したミシュランのインフルエンサーマーケティング戦略と事例を紹介します。

目次

  1. ミシュランの北米エリアにおけるインフルエンサーマーケティング戦略
  2. ミシュランの北ヨーロッパにおけるインフルエンサーマーケティング戦略
  3. ミシュランのインフルエンサーマーケティング事例
  4. ミシュランのインフルエンサーマーケティング戦略から学べること
  5. まとめ


  6. ミシュランの北米エリアにおけるインフルエンサーマーケティング戦略

    ミシュランの北米エリアのブランド・コミュニティ・マネージャーであるCarrie Woodwardさんは、2011年に大手企業のソーシャルメディア戦略をサポートする組織「SocialMedia.org」に加入しました。Woodwardさんは、ニューヨークで開催されたメンバー向けのミーティングで、インフルエンサーマーケティングを実施するためにミシュランが立ち上げた2つのオンラインコミュニティについて語りました。

    ソーシャルメディアに限らず、非営利の口コミサイトである「Consumer Reports」やウェブメディア、車の同好会、自動車教習所など、消費者はさまざまな場所でタイヤについて話しています。

    「ただし、そこに私たちが入っていってタイヤの購入を勧めることはできません。」とWoodwardさんは言います。そこでミシュランは、「Michelin APEX」と「BFGoodrich」というタイヤブランドのオンラインコミュニティをそれぞれ立ち上げました。コミュニティの目的は、タイヤに興味がある人を集め、インフルエンサーを育成することです。

    BFGoodrichのコミュニティは、オフロードレースなどの愛好家に焦点を合わせ、Michelin APEXのコミュニティは、 BMWやAudi、シボレーのオーナーなど、タイヤに高いパフォーマンスを求める人々をターゲットに設定しました。

    Woodwardさんは、「ソーシャルメディア上でコミュニティを持ち、ブランドの顔として活躍してくれるインフルエンサーを探しています。」と話しました。車の運転が好きな人、有名レーサー、自動車販売店のオーナーなどがミシュランのインフルエンサーの候補になります。

    こうして繋がったインフルエンサーとは、スポンサーシップの開示などの注意事項を共有した後、本格的にタイアップキャンペーンを実施します。さらに、ミシュランはインフルエンサーとのタイアップキャンペーンを実施するだけではなく、社員とインフルエンサーの繋がりも大切にしています。Woodwardさんは、ミシュランの他のビジネス部門とオンラインコミュニティの橋渡し役になっています。

    「例えば、インフルエンサーから新製品のハイブリッドタイヤについて質問が届いたとします。その場合は、ハイブリッドタイヤに詳しい社員とインフルエンサーを繋ぎます。インフルエンサーは社員から得た情報を基にオンライン上で情報を発信します。このようなコミュニケーションによって、ミシュランとインフルエンサーの関係性が出来上がっていくのです。」とWoodwardさんは話します。

    インフルエンサーマーケティングの担当者だけではなく、他の部門を巻き込むことによって、インフルエンサーマーケティングキャンペーンをさらに活性化することができます。この方法はインフルエンサーマーケティングで成果を上げている他のブランドでも実施されています。

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    ミシュランの北ヨーロッパにおけるインフルエンサーマーケティング戦略

    ミシュランは、顧客がタイヤの購入を決定するまでの行動についてリサーチを実施し、実に70%もの顧客が自社ウェブサイトやオンラインリサーチを経由してミシュランブランドを発見していることを突き止めました。

    ミシュランの北ヨーロッパのB2Cマーケティング・ヴァイスプレジデントであるKevin Maleterreさんは、市場開拓戦略の一環として、オンラインで強い存在感を持つインフルエンサーとのタイアップを考えました。

    Maleterreさんは、「多くの顧客がオンラインで購入する商品を探しているので、市場で競争力を持ち続けるためにインフルエンサーマーケティングを展開することは私たちにとって自然な流れでした。」と話します。

    2017年から本格的にインフルエンサーマーケティングを開始

    ミシュランは2017年の初めからヨーロッパでインフルエンサーマーケティングを開始し、インフルエンサーをイベントに招くなどのプロモーション活動を実施しました。この時点ではそれぞれの国の担当者がインフルエンサーマーケティング戦略を個別にコントロールしていました。

    ミシュランは北ヨーロッパ各国のインフルエンサーマーケティング戦略を指揮する「ソーシャルメディアマネージャー」を任命し、さまざまな成果を上げました。Maleterreさんはこの期間を「発見段階」と位置づけ、どのインフルエンサーマーケティング戦略が有効なのかを学ぶ期間と考えました。

    2017年の終わりまでには試運転期間を終え、本格的なインフルエンサーマーケティングプログラムをヨーロッパ全土で展開するための「技術的なパートナー」を探し始めました。

    インフルエンサーマーケティングプラットフォームを活用

    ミシュランのインフルエンサーマーケティング戦略を支える「技術的なパートナー」として選ばれたのが、インフルエンサーマーケティングプラットフォームのTraackrでした。インフルエンサーマーケティングプラットフォームには次のような役割があります。

    ・インフルエンサーのマネージメント
    ・地域に合わせた戦略の調整
    ・インフルエンサーのパフォーマンス測定
    ・オーディエンスの分析
    ・キャンペーンの効果測定基準の統一

    ミシュランとTraackrのパートナーシップは2018年のドイツ市場から始まりました。ドイツはヨーロッパの中で最も大きな市場です。インフルエンサーマーケティングチームは、Traackrを活用してそれぞれの商品やブランドに適正があるインフルエンサーを探しました。

    最も優先して取り組むべきだと考えられたのは、インフルエンサーをマネージメントする流れを日々の業務に落とし込み、インフルエンサーとの関係性を持続させることでした。その後、次のようなインフルエンサーマーケティングのルールを定め、他国にも展開していきました。

    ・共通のインフルエンサーマーケティングプラットフォーム上でコミュニケーションを取る

    Traackrは、ミシュランの各国のソーシャルメディアマネージャーが共通のプラットフォームをシェアできるようにしました。 それにより、タイアップしているインフルエンサーのデータベースと、インフルエンサーとのやり取りのすべてを記録することができるようになりました。チーム内のタスク管理もプラットフォーム上で行います。

    ・各インフルエンサーの過去のパフォーマンスを評価してベンチマークとする

    インフルエンサーマーケティングプラットフォームを導入する以前は、インフルエンサーを評価するための基準が統一されていませんでした。Traackrにはインフルエンサーを評価するツールがあり、インフルエンサーがブランドに適しているかどうか、正しいオーディエンスに到達しているかどうかを判断し、キャンペーンの結果を予測することができます。

    ・インフルエンサーマーケティングプラットフォームを用いてインフルエンサーを選定する

    インフルエンサーのデータベースがあれば、新製品の発売やイベントに最適なインフルエンサーを条件から絞り込むことができます。

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    ミシュランのインフルエンサーマーケティング事例

    ミシュランは、2019年にポルトガルの首都リズボンで、「Pilot Sport 4 SUV」という商品のインフルエンサーに向けたイベントを実施しました。Pilot Sport 4 SUVはクロスオーバーやSUV用に開発された夏用タイヤで、このイベントはミシュランにとって初めてのインフルエンサー向けの独占イベントでした。 インフルエンサーマーケティングチームはTraackrを活用して、高い成果が期待できるインフルエンサーを選定しました。

    キャンペーンは、インフルエンサーとミシュランのインフルエンサーマーケティングチームがリズボンを探索するというテーマで実施され、歴史的な海岸沿いの道のドライブや、ポルトガル人の有名シェフによる料理教室などもプログラムに含まれていました。それぞれのインフルエンサーは#mySUVoyageというキャンペーンハッシュタグを付けてコンテンツを投稿しました。

    今回のキャンペーンでは合計167件のコンテンツが投稿され、23万7,169件のエンゲージメントを獲得、エンゲージメント率は3.6%という結果になりました。



    ミシュランのインフルエンサーマーケティング戦略から学べること

    ミシュランは2018年にTraackrとのコラボレーションを開始し、各地での試運転期間を経て、ヨーロッパ全土へ戦略的なインフルエンサーマーケティングプランを展開してきました。現在では、ある国でインフルエンサーマーケティングキャンペーンが行われると、それが他の国でも水平展開されています。

    ミシュランは、インフルエンサーマーケティングプラットフォームを活用したことにより、チームや地域という枠を越えたコーディネーションや、エンゲージメントの高いパフォーマンス力に優れたインフルエンサーの選定ができるようになりました。

    インフルエンサーマーケティングの流れを確立した結果、ミシュランをメンションしたコンテンツが増え、2019年と2018年の同時期で比較するとエンゲージメントが43%増加しました。また、ミシュランの北ヨーロッパエリアを担当するKevin Maleterreさんは、インフルエンサーマーケティングを実施する前は2~3%だったドイツでのエンゲージメント率が、キャンペーン後には10%を超えたことを強調しました。

    そして、これまでリーチ数にフォーカスしていたマーケティング戦略を、「いいね!」やコメント数などのエンゲージメントにシフトしました。Maleterreさんは次のように話します。

    「消費者は商品やサービスについて消費者同士で会話することを好むため、インフルエンサーは重要性が高いのです。そして、インフルエンサーとは一回限りの契約ではなく、持続可能な関係性を築くことが重要です。」

    ミシュランのインフルエンサーマーケティング戦略は、インフルエンサーマーケティングプラットフォームが加わったことにより、さらに強化されていきました。今後は、蓄積したデータを活用して更に効率的なインフルエンサーマーケティングキャンペーンが展開できるようになるでしょう。

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    まとめ

    今回は、インフルエンサーマーケティングプラットフォームを活用したミシュランのインフルエンサーマーケティング戦略と事例を紹介しました。

    インフルエンサーマーケティングは、最初からすべてがうまく行くわけではありません。多くのブランドがミシュランのように手探りでインフルエンサーマーケティングキャンペーンをスタートさせ、トライアンドエラーを繰り返して改善を重ねています。

    これからインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施しようと考えているブランドは、ミシュランのようなブランドの事例から学び、自らのブランドに取り入れられる部分を真似してみると良いでしょう。

    また、インフルエンサーマーケティングプラットフォームを早い段階から活用することによってデータが蓄積されていき、効率的なインフルエンサーマーケティングキャンペーンが実施できるようになります。

    参考:https://www.traackr.com/resources/michelin-influencer-marketing-case-study
    https://today.yougov.com/topics/resources/articles-reports/2020/02/18/tyre-manufacturer-michelin-focuses-influencer-mark
    https://socialmedia.org/community/shortlist/carrie-woodward-michelin-creates-influencer-communities/

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