美容・コスメ業界のインフルエンサーマーケティング成功事例【リンメル Rimmel】

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美容・コスメ業界は、アパレル業界と並んでインフルエンサーマーケティングが最もさかんに行われている業界です。そのため、インスタグラムなどのソーシャルメディアには美容系のインフルエンサーが投稿したコンテンツが溢れ、競争は年々激しくなっています。

ロンドン発の大手コスメブランドであるリンメル(Rimmel)は、マーケティング会社やインフルエンサーマーケティングプラットフォームと協力して、これまでにないアイデアで勝負したインフルエンサーマーケティングを展開して大成功を収めています。

今回は、美容・コスメ業界のインフルエンサーマーケティング成功事例として、リンメルのインフルエンサーマーケティングキャンペーンを2つ紹介します。

 

目次

    1. 事例①「Live The London Look」キャンペーン
    2. 事例② 「Ready For This Jelly」キャンペーン
    3. リンメルのインフルエンサーマーケティング事例から学べること
    4. まとめ

事例①「Live The London Look」キャンペーン

リンメルには以前、「Get The London Look」というブランドコンセプトがありました。流行の発信地としての「ロンドン・ルック = 洗練された見た目」をベースしたGet The London Lookというコンセプトは、主に女性の見た目に焦点を当てたスローガンでした。しかし、時代は変化し、多様性を認めようとする動きが世の中に広まり、リンメルの「ロンドン・ルック」も生まれ変わる必要がありました。

リンメルは、マーケティング会社である「BETC London」とコラボレーションし、新しいブランドのコンセプトとして「Live The London Look」を発表しました。このスローガンは、人々の見た目ではなく生き方や感情などを表現したもので、個性を尊重し、自分らしく生きようとする姿勢を称賛するものです。また、ロンドンという都市の文化の多様性や、「自由から生まれるパワー」という意味も込められています。

    1. Live The London Lookというコンセプトは、これまでの画一的な美の概念を壊し、自分らしい見た目に自信を持って生きているZ世代やミレニアル世代に向けられたものです。

おすすめ記事:多様化が求められるインフルエンサーマーケティング

    1. https://lmnd.jp/blog/influencermarketing_diversity

ブランド初の男性ビューティーインフルエンサーとタイアップ

Live The London Lookというコンセプトの認知度を拡大するために、BETC Londonは、指でアルファベットの「L」を2つ作った独自のサインを生み出しました。この「LLポーズ」は誰でも簡単にできて、2つのLの間に顔を入れて写真を撮影できるので、アイコンとしての役割もあります。

リンメルは、ブランドアンバサダーを務めているモデルのCara Delevingneさん、歌手のRita OraさんなどにLLポーズを広めてもらいました。また、これから有名になる可能性を秘めている複数のビューティーインフルエンサーともタイアップしました。

これまで、美容・コスメ業界は主に女性のためのものでしたが、リンメルは今回のインフルエンサーマーケティングキャンペーンで、ブランド初の男性ビューティーインフルエンサーとタイアップしました。

17歳のビューティーブロガーであるLewys Ballさんは、インスタグラムでリンメルとのタイアップを発表し、キャプションで「リンメルの新しいキャンペーンに参加できて、とても嬉しく思います。」と述べました。

リンメル・ロンドンとマンハッタンのグローバルマーケティングヴァイスプレジデントのMontse Passolasさんは、ビジネス雑誌「Marketing Week」の取材に対して次のように話しています。

「Live The London Lookは単なる新しいブランドのアイデンティティではなく、革命と言えます。Z世代とミレニアル世代は、人に指示されて何かをすることを嫌います。そのため、多様な立場の人たちが対話をしながら何かを作り上げていく「コ・クリエーション」という考え方が非常に重要になります。私たちは彼らの価値観を理解し、彼らと時間を共有しています。」

キャンペーンのハッシュタグである「#livethelondonlook」は、3万2,000件のインスタグラム投稿で使用され、インフルエンサーだけではなくリンメルブランドのユーザーもこのハッシュタグを使って多くのコンテンツを投稿しています。

おすすめ記事:Z世代に向けたインフルエンサーマーケティング事例まとめ

    1. https://lmnd.jp/blog/genz-influencer-marketing-case-studies

事例② 「Ready For This Jelly」キャンペーン

ソーシャルメディアの普及とインフルエンサーマーケティングの広がりによって、インスタグラム上には日々、数多くのコンテンツが投稿されています。オンラインプロモーションで成果を上げるためには、一人でも多くのターゲット層へリーチを広げ、コンテンツに目を留めてもらえるようにしなければなりません。

リンメルは、新しい商品ラインであるジェル・クリーム・アイシャドウの発売に合わせて、オーストラリアのシドニーに本社を構えるインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「Vamp」の協力のもと、インフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施しました。

今回のキャンペーンでは、Vampがインフルエンサーコンテンツを有料広告で拡散することによって、圧倒的な低単価で幅広いリーチを獲得することに成功しました。

「Ready For This Jelly」と名づけられた今回のインフルエンサーマーケティングキャンペーンの内容は次の通りです。

キャンペーンの目的

・幅広いオーディエンスに向けた商品認知度拡大
・エンゲージメントの獲得
・オーディエンスに店頭での商品購入を促進

キャンペーンの内容

タイアップしたインフルエンサーたちは、キーメッセージと商品の特徴を、商品を使った感想と共にインスタグラムで共有しました。コンテンツの作成はそれぞれのインフルエンサーに一任されたため、個性豊かなコンテンツがインスタグラム上に多数投稿されました。また、タイアップしたインフルエンサーには男性のビューティーインフルエンサーも含まれていました。

キャンペーンではインスタグラムストーリーも活用されました。インスタグラムストーリーには、外部URLに直接飛ぶことができる「スワイプアップ」という機能があり、スワイプアップ機能を活用することによって、オーディエンスをEコマースサイトに直接誘導することができます。

さらに、Vampはインフルエンサーが作成したコンテンツの中でも特にパフォーマンスが良かった7件を選定し、ソーシャルメディアの有料広告で運用しました。

キャンペーンの結果

インフルエンサーが作成したコンテンツは非常に質が高く、平均3%という高いエンゲージメント率を達成しました。これは、ヘルス&ビューティー業界のベンチマークの2.5倍近い数値です。また、インフルエンサーのコンテンツがブランドのイメージやコンセプトに沿って作成されていたため、リンメルはインフルエンサーコンテンツをそのまま自身のメディアに「リグラム」することができました。

リグラムとは、インフルエンサーが作成したコンテンツをブランドの公式アカウントなどで再投稿することを指します。インフルエンサーマーケティングキャンペーンは通常、期間限定のものですが、ブランドはインフルエンサーマーケティングを実施することによって、長期的にプロモーションに使用できる質の良いコンテンツを大量に獲得することができます。

インスタグラムストーリーの投稿からも、1,300人のオーディエンスをEコマースサイトに誘導することに成功しました。インスタグラムストーリーの投稿には外部URLを貼り付けることができるため、ダイレクトに売上に繋げることができます。

さらに、有料広告で展開したインフルエンサーコンテンツも大成功を収め、最も高い成果をあげたコンテンツは1,652回クリックされ、エンゲージメント率は驚異の41.7%を記録しました。有料広告で展開したインフルエンサーコンテンツ(7件)は合計8,252回クリックされ、1クリックあたりの広告コストは0.61ユーロ、業界の平均値の半値以下という結果になりました。

今回のインフルエンサーマーケティングキャンペーンについて、リンメル・ロンドンのブランドマネージャーを務めるSiobhan Kellyさんは次のように話しました。

「インフルエンサーマーケティングプラットフォームVampのインフルエンサーは、私たちの「Ready For This Jelly キャンペーン」を、信憑性のあるコンテンツとターゲット層に適したアプローチ方法で活気づけてくれました。コンテンツの質が非常に高かったことと、Vampの働きによって有料広告を低単価で運用できたことに関心しました。」

おすすめ記事:インスタグラムストーリー(Instagram Stories)を活用したインフルエンサーマーケティング

https://lmnd.jp/blog/using-instagram-stories-influencer-marketing-methods-and-case-studies

リンメルのインフルエンサーマーケティング事例から学べること

リンメルは、今回紹介した2つのインフルエンサーマーケティングを通じてさまざまな成果を得ました。

・男性ユーザーへのアプローチ

男性ビューティーインフルエンサーとタイアップすることによって、女性がメインとされてきたコスメ業界で男性ユーザーへのアプローチに成功しました。

・ブランドコンセプトの拡散

インフルエンサーの声を通じてブランドの新しいコンセプトを分かりやすく発信しました。

・Eコマースサイトへのトラフィック増加

インスタグラムストーリーを通じてオーディエンスをEコマースサイトへ直接誘導し、トラフィックを増加させました。

・低単価での有料広告展開

業界の平均値の半値以下で有料広告を展開し、ターゲットオーディエンスから大きな反響を得ました。

・インフルエンサーが作成した高品質なコンテンツの獲得

ブランドのプロモーションにそのまま使用できるレベルのクオリティのコンテンツを数多く獲得しました。

今回紹介した2つのインフルエンサーマーケティングキャンペーンの中でも、男性ビューティーインフルエンサーとのタイアップは斬新な施策だったと言えるでしょう。また、インフルエンサーが作成したコンテンツを有料広告で運用するというアイデアも、インフルエンサーマーケティングキャンペーンの効果をさらに高める結果となりました。

多くの美容・コスメブランドがターゲットとする若年層は、従来の一方的な企業広告を嫌い、多様性を認めようとする動きがあるなど、他の年齢層とは異なる特徴を持ちます。彼らに近い存在であるインフルエンサーとタイアップしたキャンペーンはこれからますます増え、その中で求める成果を出すためには、ユニークなアイデアが必要です。

その際に、今回紹介したBETC LondonやVampなどのインフルエンサーマーケティングキャンペーンのプロフェッショナルが、キャンペーンの成功を強力に後押ししてくれます。

まとめ

今回は、美容・コスメ業界のインフルエンサーマーケティング成功事例として、大手コスメブランドのリンメルのインフルエンサーマーケティングキャンペーンを2つ紹介しました。

インフルエンサーマーケティングが展開されている業界の中でも特に競争が激しいと言われている美容・コスメ業界では、ブランドの露出を増やすだけではなく、オーディエンスに関心を持ってもらうための工夫が必要です。

今回のリンメルの事例は、これまでの業界の常識にとらわれない柔軟な発想で成功を収めた好例と言えるでしょう。

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参考:https://vamp-brands.com/blog/2019/11/27/how-rimmel-drove-thousands-of-low-cost-clicks/?lang=ja
https://www.marketingweek.com/rimmel-london-brand-evolution/
https://www.lbbonline.com/news/betc-lives-the-london-look-with-latest-brand-platform-for-rimmel/
http://www.betc.co.uk/live-the-london-look
https://www.glamourmagazine.co.uk/article/rimmel-male-beauty-blogger-lewys-ball

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