マルイの人気ブランド「velikoko ラクチンきれいシューズ」。顧客の9割が「靴のはき心地に不満がある」ことからその悩みを解消するべく開発され、デビューから10年が経ちました。「より一人ひとりの悩みに寄り添いたい」と、今も進化を続けています。
そんな「velikoko ラクチンきれいシューズ」のプロモーションに、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND(レモネード)」が活用されました。マルイの担当者は、「“売り切りモデル”から“持続モデル”へ。お客様とのコミュニケーションのあり方を変えるべきいま、インフルエンサーは “ご購入前”から“その後”まで共感の輪を広げられる存在」と話しました。
今回は、株式会社丸井× インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND(レモネード)」による事例を紹介します。
目次
- SNSを見て来店する顧客が増加
- LMNDの使いやすさに感銘を受けた
- 商品認知から購入後の繋がりまでの全体的な設計が今後の課題
- インフルエンサーと商品開発も
- まとめ
SNSを見て来店する顧客が増加
マルイの専門店事業部という部署では、主に顧客と一緒に商品を作っていく「プライベートブランド(PB)」事業を基軸に、さまざまなカテゴリで取り組みを進めています。その中でレディースシューズのPBは2019年にデビューから10年を迎え、「おしゃれ」「はき心地」「値ごろ」「サイズ」という4つの要素を大切にしています。
今回インフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施した「velikoko ラクチンきれいシューズ」は、公式のインスタグラムアカウントを活用した情報発信やネット広告、ステップアップメール配信といった、さまざまなウェブプロモーションが行われています。
担当者は、「もともとはマス広告を出稿してましたが、やはりテレビを観る人が少なくなってきて、SNSが主流になっているという流れは感じています。」と話します。さらに、パーソナライズ化された情報が求められるようになってきたとも感じているといいます。
店舗を訪れる顧客からも、「ネットでこういう商品を見たんですけど、このお店にありませんか」などと声を掛けられることもあり、顧客がコーディネートアプリやインスタグラム、フェイスブックなどで情報収集をしてから商品を探しにきていることを、店舗スタッフが肌で感じています。
担当者は次のように話します。
「マスに向けたものより、ネット上でのコミュニケーションが生活者の間では頻繁に行われているんだな、ということを強く感じています。店舗スタッフにもインスタグラムの重要性は認識してもらい、情報を広げていただいています。
また、実際のインスタグラムのコンテンツ自体も、ただコーディネートの情報を発信するというよりは、もっとお役に立てるようなコンテンツ作りを心がけているところです。
具体的には、『靴の消臭をどうしたらいいだろう』というお悩みや、『サイズが合わない場合はどうしたら』という投稿も、インスタ上で定期的に行っています。」
LMNDの使いやすさに感銘を受けた
マルイは、インフルエンサーマーケティングを2018年から開始しており、「この商品の紹介をお願いできませんか」と募集をかける形でインフルエンサーを募り、実際に本社に出向いてもらい、商品の履き心地を体験する取り組みを行っていました。さらに、実際に商品をインフルエンサーに手渡し、「履いてみてどうだったか」という感想をSNSで投稿してもらっていたといいます。
マルイの担当者は、インフルエンサーの投稿にコメントがつき、そこにまたインフルエンサーが回答することで「共感の輪」が広がり、「ファン度」が高まったと感じているといいます。
その際に、LMNDとは別のマーケティング会社を利用しましたが、LMNDのようなインフルエンサーの管理画面がなく、エクセルに掲載されたインフルエンサーの中からフォロワー数などを一つひとつ確認する必要があり、かなり大変だったと振り返ります。
一方、LMNDは使い勝手がよく、企画に対して「参加したい」というインフルエンサーが能動的に手を挙げる仕組みになっているので、そこはかなり大きな違いだったと話します。また、フォロワー数が多いインフルエンサーが集まったことによって圧倒的なリーチ数の違いが生まれ、コメント内での賑やかな感じや、投稿の内容についても、とても熱量が高いと感じたといいます。
担当者は次のように話しました。
「インフルエンサーの方が『私は足のお悩みでこういうものがあるのですが、今回体験会で足の構造などのお話を聞いたことによって、悩みに合わせた自分の足に合うパンプスに出会うことができました』というような投稿をしてくださったんです。
そうすると、『私も同じ悩みを持っていました』『私も試してみたい』というコメントがたくさんつきまして。いま吉田が申し上げたように、熱量の高い方がいちユーザーとして自分の言葉で発信してくださるので、そこに共感した多くのフォロワーさんがコメントをしてくださるんですよね。それで輪が広がっていったというのを目の当たりにしたので、そこはすごく良かったです。」
商品認知から購入後の繋がりまでの全体的な設計が今後の課題
マルイの担当者は、自社のマーケティング活動に二つの課題があると認識しています。一つは、これまでと変わらず、顧客に満足してもらえる商品作りを追求していくこと。そして、もう一つは顧客とのコミュニケーションです。
これまでは、新規顧客に商品を認知してもらい、購入に繋げるところに多くのエネルギーを注いできましたが、「これからはそれだけではない」と感じているといいます。
担当者は次のように話します。
「商品を認知し、試し履きなど実際に体験してもらう。その体験がすごく素敵なものであれば、『今後も繰り返し使える』と顧客が感じてくれるのではないか。そのあたりの全体的な設計が今後の課題だと感じています。」
インフルエンサーと商品開発も
マルイでは、「velikoko ラクチンきれいシューズ」のプロモーションにインフルエンサーを起用するだけではなく、インフルエンサーと共同で商品を開発しているといいます。
インフルエンサーとコラボレーションしたことによって、インフルエンサーのファンであるフォロワーに訴求できたのはもちろんのこと、「社内ではなかなか斬新なデザインを出せない」という従来の課題も、インフルエンサーとのコラボレーションによって解決できたといいます。担当者は、「いままでマルイが作ってきたものとは違うデザインを生み出せたことが一番良かった」と話し、「velikoko ラクチンきれいシューズ」を好きだと言ってくれる方
ユーザーの幅が広がったとも感じているそうです。
実際に、インフルエンサーとのコラボ商品は、新規顧客が占める割合がふつうの靴と比べて10〜20%ぐらい高かったといいますが、意外なことに、新規顧客全員がインフルエンサーを知っている訳ではなかったといいます。
これまでマルイと接点がなかったインフルエンサーのファンと新しく繋がれることを期待して取り組んだ今回のキャンペーンでしたが、結果として「商品そのものを気に入った」という購買動機も作り出すことができました。インフルエンサーとのコラボレーションは、ファンの獲得だけにとどまらず、既存商品にはない新しいデザイン、価値をもたらしてくれるという効果も生み出しました。
マルイはこれまで、「買ってもらうまで」の施策に注力してきました。マルイ独自の呼び名で「売り切りモデル」と呼ばれる従来のスタイルから、今後は持続型の「継続モデル」を構築したいと考えています。
担当者は次のように話します。
「繰り返し、末永くつながりながらビジネスをサスティナブルするというか、持続的にしていくことを求めていきたい。それは必ずしも物や売り場だけではなくて、コンテンツも含めて、ということです。全体として目指しているところは、そこですね。」
まとめ
今回は、株式会社丸井× インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND(レモネード)」による事例を紹介しました。
これまで、商品を評価してくれる顧客との共創で「ものづくり」を続けてきたマルイは、
インフルエンサーという新たなビジネスパートナーを迎えることによって、マスでは実現できなかった「共感できる輪」を広げています。
今後、「持続性」は、多くのブランドにとって重要な課題になっていきます。質の良い商品やサービスを提供し続け、ファンに長く愛される「持続可能な」ブランドだけが生き残っていける時代とも言えるでしょう。
インフルエンサーは、ブランドのマーケターでもあり、消費者の代表でもあります。インフルエンサーを通じてプロモーションを行うことによって、メーカーと消費者が一体となったブランドのコミュニティを創造し、持続性の高いブランド作りを目指すことができます。
インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND」に少しでも興味を持ったら、まずはお気軽にお問い合わせください。