ユニクロの海外におけるオンライン戦略とインフルエンサーマーケティング事例

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ユニクロは日本発のグローバルファッションブランドで、ユニクロの前身となる企業は1974年に設立されました。商品企画から生産、物流、販売までを一貫して自社コントロールすることによって高品質と低価格を両立し、世界的なファッションブランドに成長しました。

ユニクロはプロテニスプレーヤーであるノバク・ジョコビッチ選手、錦織圭選手といった有名人とブランドアンバサダー契約を結んで大々的なプロモーションを行う一方で、インスタグラムなどで活躍するインフルエンサーとタイアップし、市場を拡大させています。

今回は、ユニクロの海外におけるオンライン戦略とインフルエンサーマーケティング事例を紹介します。

目次

  1. グローバルアンバサダープログラムで知名度を一気に拡大
  2. オンラインを活用して戦略をローカライズ
  3. ユニクロ x Orla Kiely:ヒートテックコレクションのインフルエンサーマーケティング事例
  4. ユニクロ x Marimekkoのインフルエンサーマーケティング事例
  5. ユニクロマレーシアのインフルエンサーマーケティング事例
  6. 2019年春リネンコレクションのインフルエンサーマーケティング事例
  7. まとめ


  8. グローバルアンバサダープログラムで知名度を一気に拡大

    ユニクロは、グローバルアンバサダープログラムの一環として世界的に有名なアスリートを後援しています。2012年に、世界第1位のプロテニスプレーヤーであるノバク・ジョコビッチ選手がユニクロブランドアンバサダーに選出されたことは、当時大きな話題を呼びました。

    ジョコビッチ選手がグローバルアンバサダーに選出された大きな理由は、「人々の生活にポジティブな影響を与えて社会に貢献する」というユニクロと共通の価値を持っていたことでした。

    ユニクロは、セルビア出身のアスリートであるジョコビッチ選手を後援することによってヨーロッパ市場拡大への道を切り開きました。ジョコビッチ選手はユニクロと5年間のスポンサー契約を結び、彼が着用したユニクロのユニフォームを世界中の人々が目にすることになりました。

    著名なアスリートがユニクロのユニフォームを着用することは、ブランド認知度を向上させる上で非常に大きな役割を果たしています。また、アスリートの大規模なファンベースの間でブランドロイヤルティを育てる役割もあります。

    世間に幅広く名前を知られている有名人とのアンバサダー契約は、ブランド知名度を一気に拡大する上で非常に効果的ですが、相手の知名度が高ければ高いほど、プロモーション費用は高額になります。

    また、長期にわたってアンバサダー契約を結ぶことによって、消費者の中でブランドとアンバサダーが繋がっていきます。そのため、アンバサダー戦略は、ある程度まとまった資金を投じて中長期プランを組む必要があります。

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    オンラインを活用して戦略をローカライズ

    有名人とのアンバサダー契約で世界的に知名度を拡大しているユニクロですが、市場によって文化やライフスタイルの基準が異なるため、戦略のローカライズ(現地化)が必要になります。ユニクロはオンラインをうまく活用して戦略をローカライズしています。

    ユニクロは、どのソーシャルメディアプラットフォームがターゲットユーザーにリーチする上で最も効果的かを調査し、市場によって戦略を最適化しています。

    また、オンラインで活躍するインフルエンサーとタイアップし、ブランド認知度の向上や新商品のプロモーションを目的としたキャンペーンを実施しています。現地ユーザーと直接的な繋がりがあり、強い影響力を持つインフルエンサーとタイアップすることによって、ターゲット層に効率よくリーチすることができます。

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    ユニクロ x Orla Kiely:ヒートテックコレクションのインフルエンサーマーケティング事例

    ここからは、ユニクロのインフルエンサーマーケティング事例を紹介します。

    ユニクロは、「UNIQLO x Orla Kiely:ヒートテックコレクション」の立ち上げ時に、ブログインフルエンサーとタイアップして成功を収めました。音声チャットなどを行うことができるメッセンジャーアプリ「Googleハングアウト」を活用し、2013年10月に複数のブログインフルエンサーがライブ動画を介して人気デザイナーのOrla Kielyさんにインタビューを行うというイベントを実施しました。

    今回のイベントに参加したブログインフルエンサーのChristineさんは、ファッションやライフスタイルに関するブログ「The Fabulous Times」を運営しており、自らのブログでKielyさんのインタビューに参加したことを発表し、ユニクロとKielyさんがコラボレーションしたヒートテックを紹介し、イベントの実施前から話題が拡散されるような仕組みを作りました。

    キャンペーンの結果、ファッションブログや著名な出版物にユニクロのインタビューイベントに関する記事が30件以上掲載されました。また、2013年1月から11月までのユニクロのオーガニック検索を前年比で26%増加させることに成功しました。

    インフルエンサーは、熱心なファンであるフォロワーのコミュニティを持っています。ブランドがターゲットとする層をフォロワーに持つインフルエンサーとタイアップすることによって、ブランドは確実に狙った層にリーチすることが可能です。

    また、ブログはソーシャルメディアよりも掲載できる情報量が多いというメリットがあります。ブログインフルエンサーはインスタグラムなどのソーシャルメディアにアカウントを持っていることも多いため、ソーシャルメディアコンテンツでユーザーの目を惹き、キャプションでブログに誘導するというマルチプラットフォーム戦略によって、効果的なインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施することができます。

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    ユニクロ x Marimekkoのインフルエンサーマーケティング事例

    ユニクロは人気ファッションブランド「Marimekko」とのコラボレーションデザインの発売に合わせて、ネイルアートブランド「Chillhouse」と協力してニューヨーク5番街のユニクロ旗艦店でイベントを実施しました。

    来店者は、イベント開催中に「Marimekko」とのコラボレーションアイテムを含む100ドル以上の買い物をすると、Chillhouseによるマリメッコプリントのカスタムネイルアートをもらうことができます。

    ユニクロは、インスタグラムで活躍するファッションインフルエンサーとタイアップして、イベントの話題を拡散してもらいました。

    Cyndi Ramirez-Fultonさん(@cyndiramirez)は、インスタグラムに5万人のフォロワーを持つファッション・ライフスタイルインフルエンサーです。Ramirez-Fultonさんはコンテンツのキャプションでユニクロとのタイアップを発表し、「午前中は5番街の旗艦店にいます」と述べてイベントへの参加を呼び掛けました。

    ファッション・美容インフルエンサーのalexandraさん(@lexiconofstyle)も、「Marimekko」とのコラボレーションアイテムを着用してイベントの情報を拡散しました。

    Courtney Quinnさんはカラフルなコンテンツで人気があるファッションインフルエンサーで、他のインフルエンサーと同様、自らのフォロワーに対してイベントへの参加を呼び掛けました。

    Quinnさんは普段から次のようなカラフルなコンテンツを投稿しています。今回の「Marimekko」とのコラボレーションアイテムを着用したQuinnさんのコンテンツも、他のコンテンツに自然と馴染んでいます。

    インフルエンサーは、どのようなコンテンツを配信すればフォロワーが喜んでくれるかを熟知しています。そのため、ブランドはキャンペーンの目的やルールなどをインフルエンサーに共有し、クリエイティブ面についてはインフルエンサーを信頼して任せることが大切です。

    今回のキャンペーンで、それぞれのインフルエンサーはオリジナリティ溢れるスポンサードコンテンツを自らのインスタグラムアカウントに投稿しました。

    さらにユニクロは、「ユニクロUSA」のホームページでインフルエンサーのコンテンツをコメント付きで紹介しました。

    インフルエンサーが作成した質の高いコンテンツは、事前にインフルエンサーから許可を取ればブランドのホームページやソーシャルメディアアカウントで二次利用することができます。コンテンツは長期にわたって使用することができるため、ブランドはインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施することによって、マーケティング施策に使用できるプロモーション素材を獲得することができます。

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    ユニクロマレーシアのインフルエンサーマーケティング事例

    イスラム教国家のマレーシアでは、一ヶ月におよぶ断食期間であるラマダンが開けると、「ハリラヤ」という盛大なお祭りが行われます。ユニクロはハリラヤに合わせてインフルエンサーマーケティングキャンペーン「Together in Comfort、Raya in Style」を実施しました。

    キャンペーンでは、断食期間中の約30日間、毎日1分間の動画シリーズを配信しました。動画では、ハリラヤに関連するDIYのアートや工芸品、家庭料理のレシピ、ファッション、ラマダン中に実践する善行などを複数のインフルエンサーが紹介しました。

    ラマダンという特殊な期間を快適に過ごすための情報発信をインフルエンサーに行ってもらうことによって、ユニクロのコンセプトである「高品質でファッショナブル」「手頃な価格の快適なライフウェア」というコンセプトと人々の生活を結びつけています。

    ファッションインフルエンサーのMINLUNAさんはユニクロマレーシアの公式インスタグラムに登場し、MINLUNAさんが自分の娘にユニクロの服でコーディネートをしてもらうというハートウォーミングな動画が公開されました。

    キャンペーンのコンテンツには、#MYLifeWear、#30DaystoRayaという共通のハッシュタグが付けられました。ハッシュタグを付けてコンテンツを投稿すると、キャンペーンに興味を持ったユーザーが、ハッシュタグでキャンペーンに関する一連のコンテンツを簡単に見つけることができます。ブランド固有のハッシュタグを付けることも大切です。

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    2019年春リネンコレクションのインフルエンサーマーケティング事例

    ユニクロは2019年春のリネンコレクションをプロモーションするためにインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施しました。キャンペーンでは、ファッションインフルエンサー、美容ブログインフルエンサー、ライフスタイルインフルエンサーとタイアップしました。

    ライフスタイルインフルエンサーのBianca Valleさん(@vbiancav)はインスタグラムに6万人のフォロワーがいます。Valleさんはユニクロのリネンシャツを着用したコンテンツを投稿し、ユニクロUSAがタイアップを申し出てくれたことについてキャプションで感謝を述べました。

    ユニクロのリネンコレクションには、フランス北部のノルマンディーで調達した亜麻をベースにした生地で作られ、新しい色合いとシルエットを備えています。Valleさんのコンテンツではリネンコレクションの商品特徴に関する説明はなく、優しい色合いのコンテンツでリネン生地のナチュラルな風合いが表現されています。

    インスタグラムは写真や動画で視覚に訴えるプラットフォームなので、服のイメージやコンセプトが表現しやすくなります。そのため、多くのファッションブランドがインスタグラムでのインフルエンサーマーケティングキャンペーンに取り組んでいます。

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    まとめ

    今回は、ユニクロの海外におけるオンライン戦略とインフルエンサーマーケティング事例を紹介しました。

    ユニクロは、インフルエンサーとのタイアップをうまく活用して海外における新商品のプロモーションや新規市場の開拓を進めています。これからグローバル展開を目指す日本のブランドにとって、ユニクロのオンライン戦略やインフルエンサーマーケティング事例から学べることは多いでしょう。

    参考:https://www.uniqlo.com/jp/ja/information/corp-about
    https://bizibl.com/marketing/download/social-listening-practice-influencer-marketing
    https://www.referralcandy.com/blog/uniqlo-word-of-mouth-marketing/
    https://www.uniqlo.com/us/en/news/topics/2018041101/
    http://www.thefabuloustimes.com/live-google-hangout-home-orla-kiely-wednesday-30th-october/
    https://www.marketing-interactive.com/uniqlo-s-influencer-led-raya-campaign-highlights-brand-in-everyday-life
    https://mr-mag.com/uniqlos-new-campaign-influencers-in-linen/

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