世界初の缶コーヒーを発売するなど、日本のコーヒー文化を牽引してきたUCC上島珈琲株式会社。あるきっかけからインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施することになりましたが、企画当初は「缶コーヒーがインスタ映えするのだろうか」という疑問がありました。
しかし、インフルエンサーが作り出したコンテンツはUCC上島珈琲の想像を超えるもので、コンテンツに大きな反響があっただけではなく、社内の意識改革と社員の活性化に結びつきました。
今回は、UCC上島珈琲株式会社 × インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND(レモネード)」による事例を紹介します。
目次
- 1933年に創業した老舗企業
- ソーシャルメディアへの取り組みは後発
- キャンペーンは想像以上のスピード感とクオリティ
- 今回のインフルエンサーマーケティングキャンペーンに対する評価
- まとめ
1933年に創業した老舗企業
UCC上島珈琲株式会社の歴史は、創業者の上島忠雄氏が神戸で食品の輸入卸をしていたことから始まりました。
上島氏が、とある喫茶店でコーヒーを飲んだところ非常に美味しく、「これは今後日本人に受け入れられる」と思ったことが、後にコーヒー専業ビジネスを展開することにつながっています。
1969年には、世界初の缶コーヒーとなる「UCCミルクコーヒー」を発売しました。UCCミルクコーヒーは、その翌年の大阪万博で一気に知名度が高まり、大ヒット商品になりました。RTD飲料(Ready To Drink/購入後そのまま飲める缶やペットボトル飲料のこと)が世の中に広がるきっかけを作った商品です。さらに1994年には、業界初の無糖タイプの缶コーヒー「ブラック無糖」を発売しました。
UCC上島珈琲は、「UCCミルクコーヒー」と「ブラック無糖」で大きなイノベーションを起こし、現在のRTD市場の礎を築きました。
ソーシャルメディアへの取り組みは後発
UCC上島珈琲は、もともとフェイスブックのアカウントしか持っていませんでしたが、ソーシャルメディアの広がりを受け、ツイッター、LINE、インスタグラムのアカウントも開設し、エンゲージを高める取り組みを行ってきました。
インスタグラムのアカウント開設当初は、社員がコーヒーを淹れている写真などを投稿し、「家淹れ」の啓蒙をしていました。しかし、その方法では限られた生活者にしかリーチできず、エンゲージは伸び悩んでいました。その後、UCC上島珈琲のインスタグラムは、コーヒーの魅力や家でコーヒーを淹れる楽しさを啓蒙するメディアに方向転換しています。
そんな中、主力商品である「UCCミルクコーヒー」が発売50周年を迎えるにあたり、「まずはやってみよう」ということでインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施することが決まりました。
キャンペーンは想像以上のスピード感とクオリティ
今回のインフルエンサーマーケティングキャンペーンでは、2018年にスポット的に発売したUCCミルクコーヒーの「ご当地キャラ缶」のプロモーションが行われました。
キャンペーン開始前、UCC上島珈琲の担当者は、「細長い缶コーヒーがインスタ映えするのだろうか」という疑問を持っていました。しかし、実際に募集を開始すると予想以上に多くのインスタグラマーから手が挙がり、担当者は「想定外の喜びでした」と話しています。
インフルエンサーの投稿を見るのは女性が多いと推測し、若手社員から子どものいる女性社員まで、UCC上島珈琲の女性社員の意見を聞き、さまざまな視点でインフルエンサーを選定しました。
そして、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND(レモネード)」を活用することによって、インフルエンサーマーケティングの煩雑な作業工程をすべてプラットフォーム上で進めることが可能になり、キャンペーン立ち上げから一週間ほどでコンテンツを投稿することができました。
投稿内容も多彩で、ご当地キャラ缶にちなんで「ご当地キャラ弁」を作ったインフルエンサーや、「プリンを作ってみました」というインフルエンサーもいました。また、「コーヒー好き」「coffeetime」「coffeelover」「coffeegram」といったハッシュタグを使用し、コンテンツのエンゲージメントを高める取り組みも行いました。
UCC上島珈琲の担当者は、今回のインフルエンサーマーケティングキャンペーンを次のように振り返りました。
「圧倒的なスピード感に加えて、インフルエンサーが投稿したコンテンツも日常の投稿に溶け込むような、能動的な投稿をしていただけたのも印象的でした。こちら側から押し付ける形でやってもらったところで、その人達のフォロワーにはすぐに分かってしまうでしょうから。弊社がたいへん勉強になった部分も多かったです。『缶コーヒーでプリンを作る』というような発想は、弊社社員にはありません。」
今回のインフルエンサーマーケティングキャンペーンに対する評価
今回のキャンペーンで、UCC上島珈琲は、多くのインフルエンサーから手が挙がったことによって確かな手ごたえを得ました。リソースが多くない状況であっても、「インフルエンサーの力を借りることによっておしゃれな写真や面白い写真が撮れる」と勇気づけられたといいます。
また、コンテンツにも「いいね!」がたくさん付き、投稿内容によって「いいね!」のつき方も違うため、今後、UCC上島珈琲のSNSチームがコンテンツを投稿していく時の参考にもなっています。
例えば、今回のキャンペーンでインフルエンサーが投稿したプリンの写真を参考に、フェイスブックページに純喫茶の紹介と共にレトロなプリンの写真を添えて投稿したところ、エンゲージメントが非常に高く、2018年の年間トップ3に入りました。
今後も、「UCCミルクコーヒー」のリニューアルに合わせ二次利用を見据えたキャンペーンの実施や、喫茶店や外食店経営も手掛けているのでインフルエンサーを招いた店舗のプロモーションも検討しているそうです。
また、LMNDをどういう企業にオススメしたいかという質問に対し、UCC上島珈琲の担当者は次のように話しました。
「非常に良いサービスなので、正直言って競合にはあんまりやってほしくないです(笑)。しかし、自分たちで作ったものを自分たちで情報発信できるというのは、メーカーさんの強みでもあると思います。ジャンルに限らずメーカーさんが活用すると、ブランド価値の向上にもつながると思います。」
まとめ
今回は、UCC上島珈琲株式会社 × インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND(レモネード)」による事例を紹介しました。
インスタグラマーの投稿が「UCCミルクコーヒー」の新たな魅力の発見につながり、社内の意識改革と社員の活性化に結びつきました。
インフルエンサーマーケティングプラットフォームを活用すれば、インフルエンサーマーケティングの煩雑な工程をすべてプラットフォーム上で完結させることができるため、少ないリソースでも圧倒的なスピード感とクオリティが実現できます。
インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND」が少しでも気になったら、まずはお気軽にお問い合わせください。