日本のジュエリーの実に3分の1を生産し、今年で創業83年となる業界屈指の老舗「株式会社ラッキー商会」。CAD、メッキ、仕上げまで一連の工程を一貫しておこなうことで、ハイクオリティ・ロープライスなジュエリーの生産を実現している同社のオリジナルブランドが「L&Co.」です。
2019年9月に、東京・日本橋にオープンした店舗では、ジュエリーの製作体験が可能で、オープン当初から人気を呼んでいます。ラッキー商会は、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND(レモネード)」を活用し、ジュエリー製作体験のプロモーションを実施しました。
今回は、L&Co.× インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND(レモネード)」による事例を紹介します。
目次
- ものづくりのプロセスをもっと伝えたい
- 百貨店からネット通販、海外まで全世代全チャネルを網羅
- インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND」を選択した理由
- インフルエンサーに期待した「意外性」
- キャンペーンの結果
- 今後は「個人」への信頼にユーザーがついていく時代へ
- まとめ
ものづくりのプロセスをもっと伝えたい
ラッキー商会は、1937年にジュエリーのメーカーとしてスタートしました。もとは卸ビジネスを展開していたといいますが、3代目の望月直樹氏が事業を引き継いでからは、徐々に直販モデルをスタートしていきました。いまでは百貨店で40店舗を展開し、ネット通販やテレビ通販なども行っています。
商品企画デザイナーがいて、CADオペレーションがあって、職人がいて…というジュエリー作りのプロセスをきちんと伝えながら商品を販売し、職人が魂を込めて1個1個手作りしています。
オリジナルブランド「L&Co.」が立ち上げられたのは2016年のことで、百貨店の伊勢丹とインフルエンサーのコラボレーションによって、メーカー・ブランドとしてスタートしました。達人や名人といった「マイスター」をかかえ、商品情報だけでなく、ものづくりのプロセスも開示することでメーカー・ブランドが誇るクラフトマンシップを発信したいという思いがあるといいます。
これまでは、価格や地金、石といった「スペック」にフォーカスしてきましたが、これからは、「人」にフォーカスしてもらえるような商品開発、ブランド開発をしていきたいと考えています。また、石や地金に関する情報を発信するにしても、「ダイヤがどこから採掘されるか」というところまで踏み込んで説明する必要性を感じているそうです。
ラッキー商会の担当者は、「ものづくりの難しさを理解してもらうことも、今後は非常に大切だと感じています。」と話します。
百貨店からネット通販、海外まで全世代全チャネルを網羅
80年以上の歴史の中で、「全世代に対して商品を提供している」という点がラッキー商会の大きな強みです。百貨店や量販店はもちろんのこと、Yahooや楽天といったネット通販、テレビショッピング、海外も含めてすべての流通と世代に対して販売チャネルを有しています。
しかし、これからの時代は、フリマやSNSも含めて購入の活動がさらに変わっていくと感じているといい、SNS施策はそのうちの一つと位置づけられています。ラッキー商会は、いままでもこれからも、チャネルを絞らずに全世代にリーチできる施策をうち続けていくことが大切だと考えています。
今回のキャンペーンは、ラッキー商会もデジタルシフトしていく中で、DtoC(メーカーから消費者への直販)を推進していく目的がありました。また、店頭においても、講座やワークショップのようなイベントを開催し、あらゆる方向から情報提供をしていくブランドを目指しています。
インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND」を選択した理由
今回、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND」を活用しようと思った理由について、ラッキー商会の担当者は次のように話しました。
「もともとこれからはCtoC 、つまり『個人がものを売る時代』、『個人がものを開発する時代』になるとすごく感じていたんです。いっぽう、弊社では社内にデザイナーを抱えて社内でものを作っておりまして、月にだいたい100から200型、新作を作っているんですね。
そこで、ジュエリーを実際に身に着けている方の声をもっと聞きながら商品開発していきたいと思うようになったのが、今回の取り組みの根底にあります。消費者の方には、どうしてもジュエリーは高いイメージがあったり、すごくお金がかかりそうだという心理的な壁もあります。
そこで、今回お仕事をご一緒させていただいたインフルエンサーの方々と、将来的には商品開発もご一緒できるような関係が構築できたらという期待もありました。また、情報提供の裾野を広げることも非常に大きなテーマでした。」
また、担当者は、LMND側からインフルエンサーに対して「こういうことに興味がありますか」と声掛けをしてもらえることが大きな魅力だと話しました。
自前でインフルエンサーの役割を果たせる人物を探そうとすると、アサインや選定軸の確定に時間がかかり、果てしなく選択肢が生まれるという問題があります。その点、LMNDの場合は、まず登録しているインフルエンサーにキャンペーンの告知を行い、そこに興味を持ったインフルエンサーの中から次のステージに進む人物を選ぶことができるので、熱量の高いインフルエンサーと繋がることができます。
インフルエンサーに期待した「意外性」
今回のインフルエンサーマーケティングキャンペーンで、ラッキー商会の担当者は次のような発見があったと語りました。
「我々サイドから『この人だったらうちのキャンペーンに向いている』と最初に思っても、実際はあまりよくなかったりするんですよね。意外にそうではないところに光があったりするように思います。
実際に今回LMNDさんとお取り組みをしてみたら、そういうのを感じるんですよね。こちらが予想していないようなタイプの方が面白いものを考えてくれたり、ジュエリーに興味があったり、いろんなアドバイスをくれたり。それもまた、今回の取り組みの面白いところかなと思います。」
担当者によると、キャンペーン当初は、インフルエンサーの持つイメージや雰囲気を気にしていたといいます。しかし、先入観は抜きにして、『ジュエリーが好き』、『ジュエリーに興味がある』というインフルエンサーとどのようにマッチングできるかという考えにシフトしました。100人いれば100通りのテイストや雰囲気があり、意外性も欲しいという考えがあったそうです。
キャンペーンの結果
今回のインフルエンサーマーケティングキャンペーン後、ラッキー商会の担当者は、次のような変化を感じたといいます。
ツイッターでの投稿が増えた
今回のキャンペーンはインスタグラム上で実施されましたが、ツイッターなど他のメディアでもシェアを目指すなど、「横のつながり」も意識しました。その結果、ツイッターでジュエリーの体験を写真に撮ってアップするユーザーが明らかに増えたといいます。
インフルエンサーがブランドとタイアップして投稿したコンテンツは「IGC(Influencer Generated Content)」と呼ばれ、IGCが増えると、ユーザーの自由意志で投稿される「UGC(User Generated Content)」が増える傾向があります。特に、実店舗や商品があるブランドでは、その傾向が高くなることが分かっています。
インフルエンサーマーケティングキャンペーンは、「インフルエンサーがコンテンツを投稿して終わり」ではなく、インフルエンサーの投稿によって情報がじわじわと広がっていく点が大きな魅力です。
記事や取材の問い合わせがあった
キャンペーン後に、記事や取材の問い合わせがあり、担当者は、「体験系の雑誌やタウン誌なども含め、裾野はとても広がったなと思いました。」と話しました。
多くのブランドが、ブランドのコンセプトに合ったインフルエンサーと中長期的な取り組みを行っています。インフルエンサーが情報を発信し続けることによって草の根のように情報が拡散されていき、思わぬ成果を上げることもあります。
若年層の顧客が増えた
ラッキー商会は、2019年9月に、東京・日本橋にあるコレド室町テラスに「L&Co.」のショップをオープンしました。店舗ではさまざまな「体験コース」を提供しており、オープン当初から多くの予約が入っていましたが、日本橋という立地もあり、2020年1月までは、50代、60代の顧客がほとんどだったといいます。
今回のキャンペーンを実施した後は、若年層の顧客が増え、それを受けて、バングルなどの若年層向けのアイテムを拡充していったといいます。担当者は、「すべてが御社のインフルエンサーさん経由かどうかはわかりかねますが、明らかに変化はあったと感じています。」と話しています。
今後は「個人」への信頼にユーザーがついていく時代へ
今後の展開について、ラッキー商会の担当者は次のように話します。
「弊社はあらゆる世代に対してあらゆる流通を用いて、これまで販売をしてまいりました。
その販売チャネルが大きく転換しようとしている中でいうと、今回のお取り組みはその時流に乗るための最初のスタートだと思っています。
我々はいろいろな世代に向けて、『ジュエリー』というものづくりをしてきましたが、今後はいかに個人とメーカーが新しいマーケットを作っていけるかが問われています。
インフルエンサーもYouTuberもそうですけど、ここでうまくタイアップからエンゲージメントの高い消費者という形に昇華させていき、様々なお取り組み方法を生み出すことで、非常に大きなマーケットになっていけると思います。反対に、ここでうまく消費者からの認知や信頼が得られないと、次のビジネス展開に追いついていけないだろう、と。
そのなかでものづくりの情報提供など、インフルエンサーとの関係値作りの中でのコミュニケーションや、信頼性などの構築をする上で、いろいろなことを徐々に整理していくことを踏まえてではありますが、何か新しいマーケットができればと思います。」
まとめ
今回は、L&Co.× インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND(レモネード)」による事例を紹介しました。
キャンペーンを実施したラッキー商会の担当者は、LMNDについて、「シンプルでユーザビリティの高いシステム」と高く評価しました。また、LMNDの運営スタッフのサポートによって、インフルエンサーの選定も容易に行うことができたといいます。
インフルエンサーマーケティングキャンペーンは自前でインフルエンサーを探し出して行うこともできますが、デジタルに詳しくないブランドや、オンラインマーケティングに多くのリソースを割くことができないブランドにとっては、大きな負担になります。
インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「LMND」を活用すれば、キャンペーンに興味がある熱量の高いインフルエンサーを簡単に探し出し、インフルエンサーとの契約からキャンペーンの実施、効果測定という一連の流れをプラットフォーム上で完結させることができるため、手間と費用を節約することができます。
少しでもLMNDに興味を持ったら、まずはお気軽にお問い合わせください。