多くのブランドにとって身近な戦略になりつつあるインフルエンサーマーケティングですが、インフルエンサーマーケティングに関連する用語は数多く存在し、特に英単語をそのままカタカナにした用語は初心者には分かりにくいものです。
これらの用語はインフルエンサーマーケティングを実施する上では避けて通れませんが、よく使われる用語は限られています。まずは基本的な用語を覚えておくことで、インフルエンサーマーケティングキャンペーンの戦略立案がスムーズに進みます。
今回は、数あるインフルエンサーマーケティングに関連する用語の中からよく使われる用語をピックアップし、前編と後編に分けて分かりやすく解説します。
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目次
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前編
- 【基本編】必ず知っておきたいインフルエンサーマーケティング用語
- 【応用編】知っておくと便利なインフルエンサーマーケティング用語
- まとめ
- インフルエンサーの種類
- インスタグラムに関連するインフルエンサーマーケティング用語
- パフォーマンス分析によく使われる用語
- まとめ
後編
【基本編】必ず知っておきたいインフルエンサーマーケティング用語
まずは、必ず知っておきたい基本的なインフルエンサーマーケティング用語を紹介します。「インフルエンサー」や「インフルエンサーマーケティングキャンペーン」などの定義も改めて確認しておきましょう。
インフルエンサー:
インフルエンサーとは、特定の分野において強い影響力を持つオンライン上の有名人です。インスタグラムなどのソーシャルメディアでコンテンツを発信している芸能人をインフルエンサーと呼ぶこともあります。
インフルエンサーは何かしらの専門分野を持っているという特徴があり、「ヨガインフルエンサー」「ライフスタイルインフルエンサー」「美容インフルエンサー」など、カテゴリ名を付けてジャンル分けされることがあります。
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インフルエンサーマーケティング:
インフルエンサーにオンライン上でブランドや商品をプロモーションしてもらう手法をインフルエンサーマーケティングと呼びます。
インフルエンサーマーケティングキャンペーン:
インフルエンサーを通じたブランドや商品のプロモーションをインフルエンサーマーケティングキャンペーンと呼びます。インフルエンサーマーケティングキャンペーンは通常、ブランドやインフルエンサーマーケティング会社が主導し、インフルエンサーの選定、ブランドまたは商品に関するコンテンツの作成・発信、効果測定までの一連のマーケティング活動が含まれます。
タイアップ:
インフルエンサーとブランドが提携してインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施することをタイアップと呼びます。
コンテンツ:
コンテンツは日本語に直訳すると「内容・中身」を意味し、写真・動画・ブログ投稿など、主にオンライン上で何かしらの目的を持って作成された制作物のことを指します。
スポンサードコンテンツ:
コンテンツの中でも、ブランドに依頼されてインフルエンサーが作成した広告コンテンツをスポンサードコンテンツと呼びます。スポンサードコンテンツは通常、インフルエンサーがブランドから金銭や商品サンプルなどの報酬を受け取って作成します。
オーディエンス:
オーディエンスとは、ソーシャルメディアなどのオンラインユーザー、もしくは特定のインフルエンサーをフォローしている人々のグループのいずれかを意味します。ブランドがアプローチしようとしているオーディエンスのグループをターゲットオーディエンスと呼ぶこともあります。
インフルエンサーマーケティングは、ブランドがターゲットとするオーディエンスをフォロワーに持つインフルエンサーとタイアップした場合に最も良い結果が出ます。
オーディエンスインサイト:
オーディエンスインサイトとは、オーディエンスの年齢層、性別、関心事などの特徴を表したものです。インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーが持つフォロワーの数よりも、オーディエンスインサイトがブランドのターゲット層と合っているかどうかを見極めることが重要です。
インフルエンサーマーケティングプラットフォーム:
インフルエンサーマーケティングプラットフォームとは、ブランドやインフルエンサーマーケティング会社、もしくはインフルエンサーがインフルエンサーマーケティングのプロセスを管理する際に使用するアプリケーションまたはツールです。
インフルエンサーをフォロワー数やジャンルなどで絞りこんで選定を行うところから、インフルエンサーとの契約、キャンペーンのスケジュールや予算の管理、コンテンツを配信した後のパフォーマンス測定など、インフルエンサーマーケティングキャンペーンの一連の流れをプラットフォーム上で完結させることができます。
【応用編】知っておくと便利なインフルエンサーマーケティング用語
続いて、知っておくと便利なインフルエンサーマーケティング用語を紹介します。インフルエンサーマーケティング用語の多くが海外で生まれているため、日本語に訳しにくい用語も含まれていますが、インフルエンサーマーケティングを実施する上でぜひ知っておいて欲しい用語を厳選しました。
アーンドメディア:
テレビやラジオ、ソーシャルメディアなど、情報を発信する場である「メディア」は、大きく3つに分類することができます。1つはペイドメディア(有料メディア)、2つ目はオウンドメディア(所有メディア)、そして3つ目がアーンドメディア(獲得メディア)です。
1つ目のペイドメディアは、テレビやラジオ、ウェブサイトのように、ブランドが費用を支払って広告を掲載するメディアのことです。2つ目のオウンドメディアは、個人またはブランドが所有するメディアのことで、自社ウェブサイトなどが含まれます。オウンドメディアはブランド側が発信する内容をコントロールすることができます。
そして、3つ目のアーンドメディアは日本語に訳すと「獲得メディア」となり、商品やサービスを直接販売するのではなく、消費者からの信頼を獲得するためのメディアです。アーンドメディアは消費者の口コミや評判が集まるメディアなので、マーケティング業界では、「アーンドメディア = ソーシャルメディア」と考えられています。
インフルエンサーマーケティングは主にソーシャルメディア上で展開され、インフルエンサーという人物の口コミを活用するマーケティング手法です。そのため、アーンドメディアという考え方は必ずおさえておく必要があります。
FTC(連邦取引委員会):
FTCは「Federal Trade Commission」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「連邦取引委員会」となります。FTCは公正な取引を管理する米国政府の機関で、悪質な広告から消費者を守っています。米国におけるインフルエンサーマーケティングのルールはFTCが定めています。
例えば、FTCはインフルエンサーが作成したスポンサードコンテンツに「#ad(広告)」というハッシュタグを付けることを義務付けています。「スポンサーシップの開示」と呼ばれるこの動きは日本のインフルエンサーマーケティング業界にも広がっています。
FTCが日本のインフルエンサーマーケティングのルールを定めている訳ではありませんが、FTCが定めたルールがインフルエンサーマーケティング業界の常識として広がっていくこともあるので、FTCはぜひ覚えておきたい用語です。
transparency(透明性):
日本語で「透明性」と訳される「transparency」は、ブランドが開示するデータを操作しないことや、インフルエンサーとのタイアップを隠さないことなど、インフルエンサーマーケティングを実施する上で正直に情報を開示することを意味します。
情報を開示することはブランドやインフルエンサーの透明性を高めることに繋がり、透明性が高いブランドやインフルエンサーは消費者から信頼を得ることができます。「透明性を高める」という考え方は近年のインフルエンサーマーケティングのトレンドでもあります。詳しくはこちらの記事にまとめてありますので併せてご覧ください。
おすすめ記事:2020年のインフルエンサーマーケティングトレンド12選【前編】
インフルエンサー生成コンテンツ(IGC)とユーザー生成コンテンツ(UGC):
IGCは「Influencer Generated Content(インフルエンサー生成コンテンツ)」の頭文字を取ったもので、インフルエンサーによって作成されたコンテンツを意味します。一方、UGCは「User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)」の頭文字を取ったもので、インフルエンサー以外の一般ユーザーが作成したコンテンツを意味します。
IGCを活用したマーケティング手法、つまりインフルエンサーマーケティングはターゲットを絞ったプロモーションが可能というメリットがあり、IGCをUGCと組み合わせることによってマーケティング効果を更に高めることができます。
おすすめ記事:ユーザー作成コンテンツの有用性。UGCとIGCの違いとは?
インフルエンサー・リレーションシップ・マネジメント(IRM):
インフルエンサー・リレーションシップ・マネジメントとは、タイアップしたインフルエンサーのグループとの長期的な関係(リレーションシップ)を構築および管理するプロセスです。IRMはインフルエンサーマーケティングに関わりがあるマーケティング担当者のための用語で、IRMプログラムは、インフルエンサーのコンテンツでブランドに対する肯定的な意見を増やし、ブランドに対するロイヤリティを向上させることを目的としています。
多くの場合、インフルエンサーマーケティングで成果を上げ続けているブランドは、複数のインフルエンサーと長期契約を結んで独自のグループを作り、常に協力できる関係性を築いています。インフルエンサーを単なる広告塔ではなく、ビジネスを一緒に成長させるためのパートナーとして尊重し、関係性を築く努力をすることはとても大切です。
おすすめ記事:インフルエンサーと長期契約を結ぶメリットと注意点
ジェネレーションZ(Z世代):
多くのブランドがメインターゲットに設定しているミレニアル世代は、1980年代から1990年代の間に生まれた年齢層です。一方、ジェネレーションZ(Z世代)は1996年から2010年に生まれた10代を中心とする年齢層です。
幼い頃からインターネットが身近にある「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代がZ世代で、10代が多い年齢層であるにも関わらず、彼らの年間購買力はすでに440億ドル(約4兆8400億円 / 1ドル110円計算)に達しています。
「ジェネレーションZ」自体はインフルエンサーマーケティング業界特有の用語ではありませんが、10代の消費者が顧客として重要な役目を果たすようになったため、インフルエンサーマーケティング業界でも注目を集めています。
おすすめ記事:Z世代とインフルエンサーマーケティング【前編】
まとめ
今回の前編では、「インフルエンサー」や「インフルエンサーマーケティングキャンペーン」など、基本的なインフルエンサーマーケティング用語について説明しました。後編では、インフルエンサーの種類やインスタグラムに関連する用語、さらに、パフォーマンス分析によく使われるややこしい用語を分かりやすく解説していきます。
おすすめ記事:インフルエンサーマーケティングでよく使われる用語まとめ【後編】
参考:https://sidewalkerdaily.com/social-media-influencer-marketing/#close-it
https://www.scrunch.com/blog/influencer-marketing-glossary
https://www.traackr.com/resources/influencer-marketing-glossary
https://www.relatable.me/glossary-a-to-z
https://oldsite.insightpool.com/influencer-marketing-glossary/
https://acorninfluence.com/blog/influencer-marketing-glossary/