「インフルエンサー」や「インフルエンサーマーケティング」という言葉は、今やマーケティング業界では当たり前のように耳にするようになりました。
主にオンラインで活躍する「インフルエンサー」と呼ばれる人々が消費者の購買行動に与える影響は非常に強く、ブログをメインに活動しているインフルエンサーは、テレビなどオンライン以外を軸として活動している「有名人のブロガー」よりも、店頭における消費者の購買行動に影響を与える可能性が10倍高いという調査結果もあります。
しかし、「インフルエンサーマーケティングって何から始めればいいの?」「インフルエンサーはどうやって探すの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、次のような方々に向けて、インフルエンサーマーケティングについて分かりやすく解説します。
・インフルエンサーマーケティングの基本が知りたい
・インフルエンサーの定義がよく分からない
・インフルエンサーマーケティングの専門用語が難しい
・キャンペーンの成功事例を知りたい
インフルエンサーマーケティングの保存版マニュアルとして必要な時に見返して、ブランドのインフルエンサーマーケティング戦略に役立ててください。
目次
- インフルエンサーとはどんな人?
- インフルエンサーマーケティングとは?
- インフルエンサーマーケティングと企業の有料広告の違い
- インフルエンサーマーケティング市場が拡大している背景
- インフルエンサーマーケティングはなぜ効果的なのか
- インフルエンサーマーケティングのよくある誤解
- インフルエンサーの種類
- インフルエンサーを探す方法
- インフルエンサーの選び方
- インフルエンサーマーケティングの国内事例
- インフルエンサーマーケティングの海外事例
- インフルエンサーマーケティングでよく使われる用語集
- まとめ
インフルエンサーとはどんな人?
インフルエンサー(influencer)は、influence(~に影響を与える)という英単語から生まれた言葉で、世間に対して影響力を持つ人々を幅広く指す言葉です。インフルエンサーの定義は曖昧な部分もありますが、当ブログではインフルエンサーを次のように定義しています。
・ブログやソーシャルメディアなどのオンラインで活躍している
・何かしらの専門分野がある
・その専門分野に興味があるフォロワーのコミュニティを持っている
近年では、テレビなどで活躍する有名人がソーシャルメディアに活躍の場を広げるケースもあり、反対に、インフルエンサーが大衆メディアに登場することもありますが、インフルエンサーマーケティングにおける「インフルエンサー」の定義は、「オンライン上の有名人」ということになるでしょう。
ここで、ソーシャルメディアで活躍しているインフルエンサーの例を見てみましょう。アメリカ出身のZack Kingさんは、インスタグラムに2,000万人以上のフォロワーがいる大人気インフルエンサーです。
Kingさんはマジック映像制作の専門家で、動画を中心としたコンテンツをソーシャルメディアに投稿しています。Kingさんが作成するコンテンツでは日常生活の一場面を切り取り、トリックを使って見ている人があっと驚く映像に仕上げています。思わず人に教えたくなるようなKingさんのコンテンツには多くのファンがいます。
インフルエンサーには、「ソーシャルメディアやブログのフォロワーが何人以上」という定義はありません。Kingさんのように2,000万人という膨大な数のフォロワーを持つインフルエンサーは稀で、例えフォロワーが1,000人であっても、特定の専門分野があり、フォロワーのコミュニティを持っていれば「インフルエンサー」と定義されます。
インフルエンサーマーケティングとは?
インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーに依頼してブランドや商品、サービスをプロモーションしてもらうことをいいます。また、ブランドとインフルエンサーがビジネス上の繋がりを持つことを「タイアップ」と呼びます。
「インフルエンサーマーケティング」の一般的な定義は、インフルエンサーに依頼してソーシャルメディアやブログ用のコンテンツを作成および投稿してもらい、フォロワーに対して商品をプロモーションすることです。
ブランドとタイアップしたインフルエンサーは、基本的な戦略はブランドの方針に沿いながら、自らの感性でコンテンツを作成します。そして、作成したコンテンツを自分自身のソーシャルメディアアカウントやブログに投稿します。
ブランドとタイアップして作成されたコンテンツは「スポンサードコンテンツ(広告コンテンツ)」と呼ばれます。スポンサードコンテンツは、ブランドのソーシャルメディアアカウントやブログに投稿されることもあります。
前章で取り上げたZack Kingさんのコンテンツは、Kingさんがフォロワーを楽しませる目的で作成した、いわば「プライベート」のコンテンツです。
一方、こちらのコンテンツは、Kingさんが米国の大手スーパーマーケットである「Target」とタイアップして作成したスポンサードコンテンツです。
米国では、消費者を悪質な広告から守るためにインフルエンサーマーケティングのルールが定められており、スポンサードコンテンツとインフルエンサーが自発的に投稿したコンテンツを区別するために、スポンサードコンテンツには「#ad(広告)」というハッシュタグを付けることが義務付けられています。
インフルエンサーマーケティングが世間に広がり始めた当初は、スポンサードコンテンツであることを隠してインフルエンサーの自発的な投稿であるように見せかけたコンテンツが問題になりました。
近年は、ブランドとインフルエンサーのスポンサーシップを積極的に開示することがインフルエンサーマーケティングのトレンドになるなど、より透明性の高いキャンペーン展開が求められています。
スポンサーシップの開示に関する興味深いインフルエンサーマーケティング事例があります。動画配信サービスのHuluは、複数のスポーツアスリートとタイアップしてHuluのスポーツ中継をプロモーションするキャンペーンを実施しました。
コンテンツでは、アスリートが「Huluにはスポーツ中継があります」という「キャッチコピー」を言う度に現金が投げ込まれるというユニークなもので、アスリートがHuluから報酬を受け取ってHuluをプロモーションしているという事実をユーモアに変えています。
おすすめ記事:アスリートとタイアップしたHuluのインフルエンサーマーケティング事例
さまざまな情報がオンライン上に溢れている現代において、スポンサーシップの開示や嘘偽りのない情報提供といった、「透明性」を高める行動が今後のマーケティング戦略を成功させる鍵となっていくでしょう。
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーとフォロワーの信頼関係をベースにしたマーケティング戦略です。すでに信頼関係が出来上がっている消費者に対してリーチできることから、費用対効果の高いマーケティング戦略として人気を集めています。
インフルエンサーマーケティングと企業の有料広告の違い
インフルエンサーマーケティングは、第三者に依頼して、ブランドや商品、サービスをプロモーションしてもらうという点では、有名人を起用した企業の有料広告に似ています。では、インフルエンサーマーケティングと企業の有料広告はどのように違うのでしょうか。
テレビCMや雑誌の広告、オンライン広告などの企業による有料広告は、世間に幅広く名前が知られている芸能人やモデルなどが起用されるケースがほとんどです。インフルエンサーマーケティングも「有名人による広告」という意味では有料広告に似ていますが、「インフルエンサー」は、有名人の中でもオンラインで強い影響力を持つ人物を指す言葉で、特定の専門分野を軸に活動しているという特徴があります。
例えば、ヨガを専門とするインフルエンサーは、ヨガと関係があるブランドや、普段から自分が愛用している健康食品メーカーなどとタイアップすることがほとんどです。なぜならば、ヨガインフルエンサーのフォロワーは、ヨガや健康的な生活に興味がある人々を中心に構成されているからです。インフルエンサーを通じて、インフルエンサーの専門分野に強い関心を持っている人々のコミュニティに働きかけるのがインフルエンサーマーケティングの基本的な概念です。
企業の有料広告の場合、有名モデルがミネラルウォーターの宣伝をすることもあれば、プロサッカー選手が男性用カミソリの宣伝をすることもあります。プロモーションに起用された有名人は商品やブランドの専門家とは限りませんが、世間的な知名度が高いことから不特定多数の人々に幅広くリーチすることが可能です。
このように、インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーという専門家を通じてターゲットを絞ったキャンペーンが展開できるという特徴があります。一方、企業の有料広告は、ターゲットを絞らずに幅広く商品やブランドを宣伝したい場合に絶大な効果を発揮します。
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インフルエンサーマーケティング市場が拡大している背景
米国インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「Influencer Marketing Hub」によると、2016年には17億ドルだったインフルエンサーマーケティングの市場規模は、2017年には30億ドル、2018年に46億ドルまで拡大し、2019年には65億ドルになると予想されるなど、急成長を続けています。
インフルエンサーマーケティング市場の拡大には次のような背景があります。
・オンライン有料広告の効果が低減
一昔前まで、オンラインプロモーションといえば検索エンジンやソーシャルメディアの有料広告が主流でした。しかし、数多くのブランドが有料広告に参入した結果、競争が激しくなり、オンラインユーザーが「広告疲れ」を起こすようになりました。
・広告をブロックするアプリの広がり
オンライン有料広告が増えたことを受けて、広告をブロックするアプリが登場しました。競争が激しくなった上に広告をブロックされるようになり、有料広告でターゲット層にリーチすることはますます難しくなっています。
このように、オンライン有料広告がまだ珍しかった頃に比べて、現在、有料広告を取り巻く環境は厳しいと言えるでしょう。
そこで、オンライン有料広告に代わって注目を集めているのがインフルエンサーマーケティングです。インフルエンサーマーケティングは不特定多数の人をターゲットにする有料広告とは異なり、インフルエンサーのフォロワーにアプローチするマーケティング施策です。そのため、ブランドがターゲットとする層をフォロワーに持つインフルエンサーとタイアップすれば、高確率で狙った層にリーチすることが可能です。
また、インフルエンサーは、一般の人がソーシャルメディアにコンテンツを投稿するのと同じ方法でフォロワーに対してアプローチするため、広告をブロックするアプリの影響を受けません。
2018年に企業がスポンサードコンテンツの報酬としてインフルエンサーに支払った報酬の合計金額は、インスタグラム単体で10億ドルと言われています。さらに、インフルエンサーマーケティングは2020年になっても市場規模を拡大しています。
最近では、テレビで活躍している有名人がインフルエンサーマーケティングに参入するケースも増えています。
おすすめ記事:海外の芸能人やタレントに見るインスタグラム進出戦略
インフルエンサーマーケティングはなぜ効果的なのか
インフルエンサーマーケティングは「費用対効果が高いマーケティング施策」と言われています。それはなぜなのでしょうか。
・消費者はオンラインに集まっている
消費者の主な情報収集の場は、テレビや雑誌といった従来のメディアからソーシャルメディアに移行しています。そのため、オンラインに多くの消費者が集まり、オンライン上のプロモーション施策であるインフルエンサーマーケティングの人気が高まっているのです。
・「インフルエンサーの意見」=「友人や家族の意見」
テレビや映画に登場するスーパースターは、一般の人にとっては遠い存在です。しかし、ソーシャルメディアで繋がりを持ち、コメントなどで双方向のコミュニケーションを取ることができるインフルエンサーはフォロワーにとって友人や家族のように身近な存在です。
インフルエンサーマーケティングは元々、口コミから派生したマーケティング手法です。身近な人からの口コミのように、インフルエンサーの意見は消費者の購買行動に大きな影響を与えます。また、インフルエンサーが商品やサービスをプロモーションしても、ブランドの広告宣伝のような「押しつけがましさ」が少ないというメリットもあります。
『インフルエンサーは消費者が集まる場所で自然な形の口コミを生み出すことができる』
これが、インフルエンサーマーケティングが効果的だと言われている主な理由です。
インフルエンサーマーケティングのよくある誤解
インフルエンサーマーケティングのよくある誤解の一つに、「インフルエンサーマーケティングとは、フォロワー数が多いインフルエンサーにコンテンツを投稿させて情報を拡散させること」というものがあります。
すでに説明した通り、インフルエンサーは何かしらの専門分野を軸に活動しています。そして、インフルエンサーのフォロワーはその専門分野に強い興味を持つ人々で構成されています。
フォロワーの数が多いインフルエンサーとタイアップすれば確かにリーチは増えますが、フォロワーがブランドのターゲット層と合っていなければ思うような成果は得られないでしょう。
また、インフルエンサーは自らのフォロワーと日頃からコメントなどでコミュニケーションを取り、信頼関係を築いています。そのため、インフルエンサーは、自分が心から気に入ったものしかプロモーションしません。
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーとフォロワーの信頼関係がベースになっています。インフルエンサーは、自分が使ったことがない商品や、関心がないサービスをフォロワーに紹介すれば、フォロワーが離れていくことを理解しています。だからこそ、フォロワーもインフルエンサーの意見を信用するのです。
インフルエンサーマーケティングを実施する上で、ブランドはまず、インフルエンサーと信頼関係を築かなければなりません。元々ブランドのファンであるインフルエンサーであれば、信頼関係を築くのはそれほど難しいことではないでしょう。
インフルエンサー、フォロワー、ブランドの間に信頼関係が生まれることが、インフルエンサーマーケティングを成功させるための大切なポイントです。
インフルエンサーの種類
インフルエンサーは、フォロワー数の違いによって次のように分類できます。
・メガインフルエンサー(フォロワー数100万人以上)
・マクロインフルエンサー(フォロワー数10万人~100万人)
・マイクロインフルエンサー(フォロワー数1万~10万人)
・ナノインフルエンサー(1万人以下)
メガインフルエンサー
・俳優、モデル、歌手など、多くの人に名前を知られている有名人
・ソーシャルメディアのフォロワーは100万人以上、時には1000万人超
・幅広いオーディエンスにリーチが可能
・1回のスポンサーコンテンツの投稿にかかる費用は非常に高額
マクロインフルエンサー
・ブログやソーシャルメディアなどインターネット上での有名人
・ソーシャルメディアのフォロワーは10万人~100万人
・メガインフルエンサーよりもエンゲージの高いオーディエンスにリーチできる
・エージェントに所属しているケースが多いので価格交渉が難しい
マイクロインフルエンサー
・特定の分野で強い影響力を持つ
・ソーシャルメディアのフォロワーは1万人~10万人
・オーディエンスとの結びつきが非常に強い
・1回のスポンサーコンテンツの投稿にかかる費用は比較的安い
ナノインフルエンサー
・特定の地域のコミュニティで強い影響力を持つ
・ソーシャルメディアのフォロワーは1万人以下
・ブランドとのタイアップ経験が少ない
・スポンサーコンテンツを無料で投稿してくれることも多い
フォロワー数が少ないインフルエンサーはフォロワーと積極的にコミュニケーションを取っており、繋がりが強いのでエンゲージメント率が高くなる傾向があります。
次のグラフは、インスタグラムのプロモーション会社「Later社」の調査結果を基に作成したもので、フォロワー数とエンゲージメント率の関係性を表しています。表を見ると、フォロワー数が2万5,000人以下の「マイクロインフルエンサー」と呼ばれる層のエンゲージメント率が最も高くなっています。
数十万人、数百万人という膨大な数のフォロワーがいても、コンテンツに興味を示してくれる人が少なければ意味がありません。
熱心なフォロワーで形成されたコミュニティを持ち、ニッチな分野で活躍しているインフルエンサーとタイアップすることによって、費用対効果の高いインフルエンサーマーケティングキャンペーンを展開することができます。
マイクロインフルエンサーの事例についてはこちらの記事をご覧ください。
おすすめ記事:有名ブランドのマイクロインフルエンサーマーケティングキャンペーン事例5選
インフルエンサーを探す方法
フォロワー数が多いインフルエンサーは事務所に所属しているケースもありますが、比較的フォロワー数が少ないインフルエンサーは、直接連絡を取ってタイアップを依頼することができます。
インフルエンサーの探し方には次のようなものがあります。
・Googleで検索する
・ソーシャルメディア上で探す
・誰かに紹介してもらう
・ブログを読んで探す
・インフルエンサーマッチングサイトから探す
・インフルエンサープラットフォームを活用する
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
おすすめ記事:【2019年版】究極のインフルエンサーマーケティングマニュアル
インフルエンサーの選び方
インフルエンサーは、ブランドとターゲット層のオーディエンスをつなげる共通の友人のようなものです。誰だか知らない人がいきなり商品を紹介してもオーディエンスの心は動きませんが、いつもソーシャルメディアでフォローしているインフルエンサーが商品やサービスを紹介するとオーディエンスは興味を示します。これがインフルエンサーマーケティングの基本的な仕組みです。
キャンペーンで良い結果を得るためにはブランドにとって適切なインフルエンサーを選択する必要があります。次のようなポイントを考慮しながら最高のパートナーを探しましょう。
・専門分野
・フォロワー数とプラットフォーム
・価値観
・エンゲージメント
・信頼性
・クリエイティブスキル
・フォロワーの反応
・フォロワーへの接し方
・積極性
・契約期間
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
おすすめ記事:最高のインフルエンサーマーケティングパートナーを選ぶ10のポイント
インフルエンサーマーケティングの国内事例
この章では、インフルエンサーマーケティングの国内成功事例を紹介します。
KOSEのコスメブランド【雪肌粋】
株式会社KOSEのコスメブランドである「雪肌粋」は、新しくドラえもんコラボデザインのスキンケアセットを限定で発売し、ビューティーインフルエンサーにスポンサードコンテンツを投稿してもらいました。
今回のインフルエンサーマーケティングでは、雪肌粋の愛用者であり、ドラえもんが大好きなインフルエンサーの近藤あやさん(@doraemontoaya)とタイアップして、商品発売前に対談動画を撮影しました。そして、ブランドの公式ホームページに対談の様子を撮影した動画をアップすると共に、近藤さんのインスタグラムにもコンテンツを投稿してもらいました。
フランス発のコスメブランド【レ・メルヴェイユーズ ラデュレ】
コスメブランド「レ・メルヴェイユーズ ラデュレ」は、パリの老舗パティスリーであるラデュレの美容部門です。お菓子のような見た目のコスメや外装にこだわったデザインで、ガーリー好きの女性たちから人気を博しています。
レ・メルヴェイユーズ ラデュレは「春のランデヴー」というテーマで春の新作発表会を実施しました。ラデュレ青山店で開催された新作発表会には、複数のビューティーインフルエンサーが招待され、春の新作コスメのお披露目と共に、パティスリーのラデュレならではのアフタヌーンティーパーティーでおもてなしが行われました。
タコの通販【Mark A】
「Mark A」は、明治20年に創業した老舗水産加工会社「あ印」が開発したタコの最高級ブランドです。Mark Aは、インスタグラムに5万7,000人のフォロワーを持つライフスタイルインフルエンサーの「とふこ」さん(@tofuko0611)とタイアップして、Mark Aのタコを使った料理を紹介してもらいました。
とふこさんのコンテンツは色とりどりの料理と美しい和食器が中心で、スポンサードコンテンツも他のコンテンツの中に自然と馴染んでいます。とふこさんはキャプションで、「届いた時の箱がシンプルでお洒落」「さばき方の説明書が付いていた」と説明し、「タコの美味しさに驚いた」と素直な感想を述べました。
食品メーカー【テーブルマーク】
冷凍食品やパックごはんなどを製造している食品メーカーのテーブルマークは、フードインフルエンサーのToshihiro Uekiさん(@utosh)とタイアップして、冷凍うどんをプロモーションしてもらいました。
Uekiさんはテーブルマークの冷凍うどんを使った「冷や汁ぶっかけうどん」のレシピを写真と共に投稿しました。コンテンツにはソーシャルメディアで流行している「#在宅楽飯」というハッシュタグが付けられ、簡単で美味しいレシピを探している人に投稿を見つけてもらえるように工夫しています。
おすすめ記事:【2020年6月版】インフルエンサーマーケティングの最新動向と国内・海外の事例まとめ
インフルエンサーマーケティングの海外事例
続いて、インフルエンサーマーケティングの海外成功事例を紹介します。
世界的に有名なコーヒーチェーン【スターバックス】
スターバックスは20年近くにわたり、クリスマスシーズンに「レッドカップ」と呼ばれる特別なカップで飲み物を提供しています。2016年のクリスマスシーズン前にはユーザー参加型の「レッドカップキャンペーン」を実施しました。
このキャンペーンでは、顧客がスターバックスの店舗を訪れてレッドカップに思い思いのペイントを施し、インスタグラムやツイッターで「#RedCupArt」のハッシュタグを付けて投稿しました。投稿されたレッドカップはスターバックスの公式アカウントで紹介され、13種類のイラストがレッドカップの限定版としてスターバックスからリリースされました。
スターバックスは、レッドカップキャンペーンを盛り上げるために、イラストを得意とするインフルエンサーとタイアップしました。プロのイラストレーターの手によって美しいペイントが施されたレッドカップはソーシャルメディア上で大きな話題を集めました。
おすすめ記事:グルメ・飲食業界のインフルエンサーマーケティング事例【スターバックス】
バッグブランド【Away】
旅行バッグの直販ブランド「Away」は、2015年に誕生したばかりの新しいブランドです。サムソナイトなどの大手ブランドが台頭する中、Awayはすでに30万個以上のスーツケースを売り上げるなど、急成長しています。Awayは、女性を中心としたトラベル・ライフ・ファッションインフルエンサーとタイアップしてブランド知名度を拡大しました。
多くの旅行バッグブランドは、商品をプロモーションする際に堅牢性や機能などの商品的特徴を訴求していますが、Awayは今回のインフルエンサーマーケティングで「旅行の体験」をオーディエンスと共有しました。素敵な旅の写真の中に自然な形で商品を取り入れることによって、コンテンツを見た人の旅への意欲を掻き立て、Awayの旅行バッグを素敵な旅の経験と紐づけました。
おすすめ記事:旅行業界のインフルエンサーマーケティング事例【バッグブランドAway】
家電メーカー【ブラザー】
Brother(ブラザー)というブランド名を聞くと多くの人が家庭用のプリンターを思い浮かべますが、ブラザーの歴史は1908年に輸入ミシンの修理会社として始まりました。その後、グローバルブランドへと成長したブラザーは、国内外の若年層へリーチする手段としてインフルエンサーマーケティングに取り組んでいます。
ブラザーがベルギーで実施したインフルエンサーマーケティングキャンペーンでは10名のインフルエンサーとタイアップを行い、複数のオンラインプラットフォームでスポンサードコンテンツを配信してもらいました。
おすすめ記事:家電メーカーのインフルエンサーマーケティング事例【Brother(ブラザー)】
民泊サービス【エアビーアンドビー】
事業を展開してから10年も経たないうちに、エアビーアンドビーは世界第3位のオンライン民泊サービスへと成長しました。それを支えたのは、旅行・ホテル業界に革命を起こし続けてきたオンラインマーケティング戦略です。
エアビーアンドビーのオンラインマーケティング戦略の中心となっていたのがソーシャルメディア上でのインフルエンサーマーケティングで、同社はインフルエンサーマーケティングを通じてオーディエンスを理解し、ブランドのファンを増やしてきました。
ソーシャルメディアの中でもエアビーアンドビーが特に力を入れているのがインスタグラムです。エアビーアンドビーは、18歳~29歳の若年層がユーザーの55%を占めるインスタグラムに注力することによってブランドのターゲット層を取り込み、事業を急成長させました。
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インフルエンサーマーケティングキャンペーンでは、インフルエンサーのフォロワー数が多くなればなるほどタイアップ報酬も上がっていきます。フォロワーが100万人以上の「メガインフルエンサー」と呼ばれるインフルエンサーにスポンサードコンテンツの投稿を依頼すると一回あたり100万円以上の費用がかかることもありますが、最も費用対効果が高いと言われているのは、フォロワー数が10万人未満の「マイクロインフルエンサー」と呼ばれているインフルエンサーです。
世間に名前が知られている有名ブランドは、それなりに知名度のある有名人やインフルエンサーとタイアップしたプロモーションを実施しているイメージがありますが、インフルエンサーマーケティングキャンペーンを成功させている有名ブランドは、目的に応じて、テレビで活躍している有名人、フォロワーの多いインフルエンサー、フォロワーの少ないインフルエンサーをうまく使い分けています。
マイクロインフルエンサーであれば少ない予算でインフルエンサーマーケティングを始めることもできるので、これからインフルエンサーマーケティングに取り組んでみようと思っているブランドにはマイクロインフルエンサーとのタイアップがおすすめです。
ただし、マイクロインフルエンサーはフォロワーが少ないので、影響を与えることができる範囲も限定的です。複数のマイクロインフルエンサーとタイアップすることでリーチを広げ、短期的な結果だけを求めず、インフルエンサーとの信頼関係を築きながらじっくりとキャンペーンに取り組みましょう。
インフルエンサーマーケティングでよく使われる用語集
最後に、インフルエンサーマーケティングでよく使われる専門用語がまとめてある記事を紹介します。「インフルエンサー」「インフルエンサーマーケティング」などの基本的な用語から、「エンゲージメント率」「CPE」など、インフルエンサーマーケティングキャンペーンのパフォーマンス分析によく用いられる用語などを分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
おすすめ記事:インフルエンサーマーケティングでよく使われる用語まとめ【前編】
まとめ
今回は、インフルエンサーマーケティングの入門編として、言葉の定義や事例を紹介しました。
インフルエンサーマーケティングのトレンドは常に変化していますが、基本的な概念やよく使われる用語は変わりません。基本をおさえてインフルエンサーマーケティングへの理解を深め、ブランドのマーケティング戦略に役立てていきましょう。
インフルエンサーマーケティングプラットフォームLMND(レモネード)は、インフルエンサーの選定から契約、パフォーマンス分析、 コンテンツ管理までの流れを一つのプラットフォームで完結できるツールです。
インフルエンサーマーケティングを試してみようと思っている方はぜひお気軽にお問合せください。
参考:https://optinmonster.com/influencer-marketing-beginner-guide/
https://bloggingwizard.com/getting-started-with-influencer-marketing/
https://influencermarketinghub.com/influencer-marketing-2019-benchmark-report/