現代の消費者は、商品やサービスを購入する際に「口コミ」を主な判断材料にしています。言い換えれば、良い口コミがない商品やサービスは購入の候補にすら挙がらないということです。
商品やサービスを宣伝するには、「自社のホームページに商品やサービスについての情報を載せる」「SNSで情報発信をする」など様々な方法がありますが、それだけではなかなか口コミは広がっていきません。
そこで注目されているのが、口コミの力を活用したインフルエンサーマーケティングです。インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーが自らのフォロワーに対して情報発信することによって商品やサービスをプロモーションするマーケティング手法です。
インフルエンサーマーケティングは他のマーケティング手法に比べてROIが高いことが知られていますが、コンテンツを「バズらせる」仕掛けを作ることによって、ROIをさらに高めることができます。
今回は、インフルエンサーマーケティングでバズらせるための8のノウハウを紹介します。
おすすめ記事:【保存版】マーケティング担当者が知っておくべきインフルエンサーマーケティング10ケ条
目次
- 1.気軽に会話ができるプラットフォームを使う
- 2.規模の小さいインフルエンサーを活用する
- 3.オーディエンスに利益を与える
- 4.ビジュアルメディアを取り入れる
- 5.インフルエンサーと協力してキャンペーンを目立たせる
- 6.コンテンツに個性を出す
- 7.「期待」と「秘密」で話題を作り出す
- 8.新商品の情報をインフルエンサーに発信してもらう
- まとめ
1.気軽に会話ができるプラットフォームを使う
インフルエンサーマーケティングでは、ソーシャルメディアが頻繁に活用されています。それは、無料で使えてすぐにコンテンツのシェアができるので、気軽に会話を生み出すことができる素晴らしいプラットフォームだからです。
コンテンツをバズらせるためには、インフルエンサーとオーディエンス、また、オーディエンス同士の会話が欠かせません。ソーシャルメディア上で会話を増やすことによって情報が拡散され、大きなバズに繋がるのです。
従来の企業広告は、有名タレントやモデルなどからオーディエンスに向けた一方通行のコミュニケーションでした。一方、インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーとオーディエンスによる双方向のコミュニケーションがあることが特徴で、これは有名タレントやモデルにはなかなか真似ができないことです。
インフルエンサーは、ソーシャルメディア上のオーディエンスのコメントや「いいね!」をチェックし、時にはコメントを返してくれます。インフルエンサーとオーディエンスがコミュニケーションを取ることによって会話が生まれ、結果的に情報がどんどん拡散されていきます。
インフルエンサーマーケティングでバズを発生させるためには、コミュニケーションが取りやすく、会話が生まれるプラットフォームを選択することが大切です。
2.規模の小さいインフルエンサーを活用する
インフルエンサーマーケティングで活躍するマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーなどの規模が小さいインフルエンサーは、エンゲージメントが高く、熱心なファンを抱えています。
フォロワーの人数が少ない分、インフルエンサーが一人ひとりのフォロワーとコミュニケーションを取ることができて、双方が深い信頼関係で結びついているのが特徴です。
規模の小さいインフルエンサーのフォロワーは、インフルエンサーのライフスタイルに強い関心を持ち、フォロワー同士も繋がっています。そのため、インフルエンサーがコンテンツを投稿すると、コミュニティー内で情報が拡散され、バズに繋がっていきます。
インフルエンサーマーケティング業界では規模の小さいインフルエンサーが多数活躍していますが、「彼らのコンテンツはバズりやすい」というのが大きな理由の一つです。
少ないリーチで高いエンゲージメントを獲得できる規模の小さいインフルエンサーとのタイアップは、限定されたターゲット層で情報を拡散させるために非常に効果的です。インフルエンサーマーケティングの効果は、フォロワーの数に比例する訳ではないというところがポイントです。
3.オーディエンスに利益を与える
インフルエンサーマーケティングでコンテンツをバズらせるには、思わず誰かに教えたくなるような内容にすることが大切です。そのためには、オーディエンスに何かしらの利益を与えることを意識すると効果的です。
ここで言う「利益」は、無料の商品サンプルやプレゼントなど、必ずしも物質的なものとは限りません。人は素晴らしい経験をすると、友人や家族などの繋がりがある人に経験を共有したくなるものです。オーディエンスが幸せを感じ、笑顔になり、人に共有したくなるようなコンテンツが制作できれば理想的です。
インフルエンサーマーケティングでシェアされやすいコンテンツの一つに、「ストーリーテリング」があります。詳しくはこちらの記事にまとめてありますので併せてご覧ください。
おすすめ記事:インフルエンサーマーケティングの鍵となる「ストーリーテリング」
また、オーディエンスに意見を聞く、コンテストにエントリーしてもらうなど、参加型のコンテンツを発信することもオーディエンスの利益になり、バズに繋がりやすくなります。
4.ビジュアルメディアを取り入れる
文字のみのコンテンツよりも、写真や動画など、視覚に訴えるビジュアルメディアを取り入れると人目を引きやすくなります。
米国マーケティング会社「HubSpot」のブログに、ビジュアルメディアを取り入れたコンテンツの効果について次のように書かれています。
・ツイッター投稿に写真が入っている場合、リツイート数が1.5倍になる
・インスタグラム投稿で顔が写っている写真の場合、「いいね!」数が1.3倍になる
・フェイスブック投稿で写真が使われている場合、エンゲージメントは2.3倍になる
インフルエンサーマーケティングにおいても、写真を中心としたコンテンツを投稿できるインスタグラムが「効果が高い」として特に注目されています。
インスタグラムは次のような理由でバズが起きやすく、インフルエンサーマーケティングとの親和性が高いプラットフォームと言えます。
・写真を使って視覚に訴えかけることができる
・「インスタ映え」するクリエイティビティーの高いコンテンツは思わずシェアしたくなる
・自分が憧れているインフルエンサーのライフスタイルが分かりやすい
また、ビジュアルメディアを取り入れたコンテンツはUGCを生み出しやすいという効果もあります。UGC(User Generated Content =ユーザー生成コンテンツ )とは、ユーザー自身が作成するコンテンツであり、主に商品やサービスに関する口コミ投稿のことを言います。
UGCはブランドにとっては無料のプロモーションのようなもので、ブランド以外の第三者の意見であるため、ブランドが発信したコンテンツよりもオーディエンスの信用を得やすいというメリットがあります。魅力的なビジュアルコンテンツを制作すれば、それがウェブ上でどんどん拡散され、バズに繋がっていきます。
おすすめ記事:ユーザー作成コンテンツの有用性。UGCとIGCの違いとは?
.5.インフルエンサーと協力してキャンペーンを目立たせる
インフルエンサーマーケティングを成功させるには、なるべく多くのフォロワーにコンテンツを見てもらう必要があります。コンテンツを見たフォロワーが「いいね!」やシェアなどのアクションを起こすことによって、バズが発生します。
フォロワーにシェアしてもらえるようなコンテンツを制作するには、インフルエンサーの意見をよく聞くことが大切です。
インフルエンサーは、どのようなコンテンツを発信すればフォロワーが喜び、進んで情報を拡散してくれるのかを誰よりもよく知っています。
そのことを踏まえた上で、インフルエンサーマーケティングを実施する際には、インフルエンサーとブランドの双方でブレインストーミングセッションを行い、キャンペーンをより多くの人に知ってもらうためのアイデアを出し合いましょう。
6.コンテンツに個性を出す
業界によってコミュニケーションスタイルは異なりますが、マーケティングの世界には、業界ごとに「ベーシックな広告」というものがあります。
例えば、自動車業界では、暗いライティングの中、カーブが多い高速道路を車がブレることなく走り抜けていくCMが「ベーシックな広告」です。
インフルエンサーマーケティングでは、他のブランドと同じことをしていても話題にはなりません。ユニークなコンテンツを制作することでオーディエンスが驚き、バズが起きるのです。
例えば、インスタグラムで活躍するZack Kingさんは、視覚的なトリックを使ったコンテンツを配信することで多くのファンを持つインフルエンサーです。Zackさんは米国の大手小売業者「Target Corporation」や、フランスのファッションブランド「Lacoste」とタイアップするなど、インフルエンサーマーケティング業界では有名な人物です。
詳しくはこちらの記事にまとめてありますので併せてご覧ください。
おすすめ記事:思わずシェアしたくなるマジックを使ったインフルエンサーマーケティング事例
インフルエンサーマーケティングでは、多額の予算を投じてたくさんのオーディエンスにリーチするよりも、個性的なコンテンツを制作して情報が拡散される仕組みを作った方が効果的です。
7.「期待」と「秘密」で話題を作り出す
インフルエンサーマーケティングでは、コンテンツに「期待」と「秘密」の要素を盛り込むことによって、バズを生み出すことができます。
有名な一例が、Apple社のケースです。Apple社はiPhoneを発売する際に、発売日の6ヵ月も前から大々的に広告を打ち始めました。
消費者はiPhoneが発売されるまで実際に商品を見ることができないので、「全く新しいタイプの携帯電話が発売されるらしい」という情報のみが広まり、期待がどんどん高まっていきました。また、発売までの6ヵ月の間に話題が拡散され続けたことによって、発売最初の数日で数百万台のiPhoneを販売することに成功しました。
インフルエンサーマーケティングでは、キャンペーンやコンテストの予告をするなど、情報の一部をあえて隠し、段階的に発信することによってオーディエンスの注意を引き、キャンペーンが開始される前に話題を作り出し、バズに繋げることができます。
「期待」と「秘密」は、情報の出し方一つで簡単に演出することができます。また、キャンペーン実施期間中以外にもキャンペーンの話題が拡散されることによって、より効果的にインフルエンサーマーケティングを実施できます。
8.新商品の情報をインフルエンサーに発信してもらう
「期待」と「秘密」を演出する上で最も効果的なのは、新商品についての話題です。インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーに情報を少しずつ提供し、数回に分けて発信してもらうことによってバズが起きやすくなります。
その際に、インフルエンサーがこれまでに全く関わったことがないブランドの商品やサービスをプロモーションするよりも、彼らが普段から愛用し、コンテンツを頻繁に発信している商品やサービスをプロモーションした方が説得力があります。
そのためにも、期待の持てるインフルエンサーとなるべく早く関係性を構築しておくことが重要です。そして、インフルエンサーマーケティングのパートナーとしてインフルエンサーをブランドに迎え入れ、長期的に活躍してもらうのがベストです。
まとめ
今回は、インフルエンサーマーケティングでバズらせるための8のノウハウを紹介しました。
1.気軽に会話ができるプラットフォームを使う
2.規模の小さいインフルエンサーを活用する
3.オーディエンスに利益を与える
4.ビジュアルメディアを取り入れる
5.インフルエンサーと協力してキャンペーンを目立たせる
6.コンテンツに個性を出す
7.「期待」と「秘密」で話題を作り出す
8.新商品の情報をインフルエンサーに発信してもらう
インフルエンサーマーケティングでバズらせるためには、「ブランドファースト」ではなく、「オーディエンスファースト」の考え方が重要です。
オーディエンスに価値を感じてもらうことにフォーカスすれば、自然とバズるコンテンツのアイデアが浮かんでくるでしょう。インフルエンサーと協力して、オーディエンスに楽しんでもらうための工夫をしていきましょう。
おすすめ記事:インフルエンサーマーケティングを成功させるための15のステップ
参考:https://medium.com/@lolitataub/buzz-marketing-and-influencer-marketing-success-in-a-technique-3a1861b42e87
https://xomad.com/buzz-marketing-what-it-is-and-why-you-need-it/
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