2020年のインフルエンサーマーケティングトレンド12選【後編】

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前回の2020年のインフルエンサーマーケティングトレンド12選【前編】では、マーケティング戦略やインフルエンサーのトレンドなど、インフルエンサーマーケティング全体に関する内容について説明しました。

今回は、プラットフォームやコンテンツのトレンドなど、より具体的な内容について説明していきます。2020年のインフルエンサーマーケティングでは、「より多くのプラットフォームで」「よりリアルな」コンテンツを用いたプロモーションが展開されると考えられています。

目次

    【前編】

  1. マーケティング戦略のトレンド
  2. インフルエンサーのトレンド
  3. まとめ
  4. 【後編】

  5. プラットフォームのトレンド
  6. コンテンツのトレンド
  7. まとめ


  8. プラットフォームのトレンド

    まずは、2020年のインフルエンサーマーケティングにおけるプラットフォームのトレンドについて説明します。

    これまで、インフルエンサーはしばしば、「インスタグラムインフルエンサー」「ブロガー」など、プラットフォームによって分類されていました。しかし、ソーシャルメディアや動画プラットフォームなどの進化により、インフルエンサーは自らが得意とするプラットフォーム以外にも活躍の場を広げています。

    8. マルチプラットフォーム

    元々インフルエンサーマーケティングは、「インスタグラムならインスタグラムのみ」など単一のプラットフォームで実施されるのが一般的でした。また、インフルエンサーも、「インスタグラムインフルエンサー」「ブロガー」など、プラットフォームによって分類されていました。

    ところが、ソーシャルメディアや動画プラットフォームの進化により、複数のプラットフォームでキャンペーンを展開するインフルエンサーやブランドが増え、2020年はその動きがさらに加速すると予測されています。

    その背景にあるのは、「デジタルネイティブ」と呼ばれる若年層の存在です。特に、Z世代のオーディエンスは、スマートフォンやタブレット、パソコンなどあらゆるデバイスを使いこなし、複数のソーシャルメディアやウェブサイトから情報収集を行っています。新たなプラットフォームの登場は、このようなZ世代の需要に答えた形とも言えるでしょう。

    若年層は今後、多くのブランドにとって最重要顧客層に成長します。そのため、若年層を早い段階からブランドのファンとして育成する事が、今後ブランドが成長してくための大きな課題になります。だからこそ、若年層への有効なアプローチ方法としてインフルエンサーマーケティングが注目されているのです。

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    マルチプラットフォームでのキャンペーン展開は、異なるオーディエンス層にリーチできるという点が最大のメリットです。一つコンテンツを作成したら、他のプラットフォーム向けにアレンジして展開するだけで新たなオーディエンスとのタッチポイントを生み出す事ができます。

    また、リスクコントロールという点においてもマルチプラットフォームでインフルエンサーマーケティングを展開する事には大きな意味があります。

    2018年と2019年に、フェイスブックユーザーの個人情報が大量に流出する事件が起きました。このような出来事は即ユーザーの離脱に繋がります。もし一つのプラットフォームで何か問題が起きたとしても、他のプラットフォームでもキャンペーンを展開していれば影響は最小限に抑えられます。

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    9. 「いいね!」の重要度の低下

    2019年5月から、カナダでインスタグラムの「いいね!」の数を非表示にするテストが開始され、日本を含む世界各国に広がっていきました。これは、「いいね!」を多く集めるための過剰な「インスタグラム映え」を抑制する事が狙いだと考えられています。

    ただし、「いいね!」の機能自体が消滅した訳ではなく、ユーザーは投稿画面の特定の場所をクリックすれば自分の投稿に付いている「いいね!」の件数を確認することができます。

    インフルエンサーマーケティングを実施しているブランドとインフルエンサーの間で、「いいね!の消滅」というインスタグラムの仕様変更は大きな話題を呼びました。なぜならば、「いいね!」の数は、インフルエンサーマーケティングキャンペーンの成果を測定するための重要な指標だったからです。

    「いいね!」がなくなる事によってインフルエンサーマーケティングにどのような影響があるのでしょうか。

    インスタグラムコンテンツのコンサルティングサービス「Your Social Team」を提供しているManu Muraroさんは次のように話しました。

    「投稿画面に『いいね!』の数が表示されなくなった事はとても素晴らしい変化だと思います。多くの人が『いいね!』の数に執着し過ぎていると思います。一番大切なのはオーディエンスがブランドやインフルエンサーと繋がりを持つ事です。」

    「今後、数値として目に見えるのはコメントだけになるので、インフルエンサーがより多くのコンテンツを投稿するようになるでしょう。ブランドがタイアップするインフルエンサーを探す際にはオーディエンスからのコメントが重要な判断材料になりますが、コメントの数だけではなく『コメントの内容』も確認する必要があります。」

    インフルエンサーのコンテンツに寄せられるコメントの中には、「pod」と呼ばれるインフルエンサーによるグループが投稿したものが存在します。podとは、複数のインフルエンサーで構成された、互いの投稿へのエンゲージメント促進を目的としたグループです。

    インフルエンサーマーケティングの広がりに伴い、podや「インフルエンサーマーケティング詐欺」など、新たな問題が出てきています。信頼できるインフルエンサーを見つけるためには、インフルエンサーマーケティングプラットフォームやエージェントなど、インフルエンサーマーケティングのプロにおすすめのインフルエンサーを紹介してもらうという方法もあります。

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    コンテンツのトレンド

    続いて、2020年のインフルエンサーマーケティングにおけるコンテンツのトレンドを紹介していきます。

    2019年に引き続き、2020年は動画コンテンツ人気がさらに加速していきます。そして、ライブストリーミングなどの新たな形態の動画コンテンツも増えると予測されています。また、消費者がブランドや企業広告の透明性を重視するようになった影響で、これまで「洗練されたコンテンツ」がベストだと考えられていたインフルエンサーマーケティングに変化が起きています。

    10. 動画コンテンツの台頭

    2020年には、これまでにない程、コラボ動画やクリエイティブな動画が増えると考えられています。2020年の主な動画コンテンツのトレンドは次の通りです。

    ・マルチプラットフォームでの動画コンテンツ展開

    インスタグラムで活躍するインフルエンサーのElizabeth Gilmoreさんは、「通常のインスタグラム投稿に関連した動画をIGTV(インスタグラムの動画アプリ)にアップする方法もおすすめです。オーディエンスに価値を与え、より深いレベルでの繋がりを持つことができますよ。」と話します。

    ・ライブストリーミングの広がり

    YouTubeをはじめとする動画プラットフォームではライブ動画を配信できるようになっています。ライブ動画は編集する事ができない生のコンテンツなので、インフルエンサーの人柄がよく伝わります。それによって、これまでとは違うレベルの信憑性を演出する事が可能になり、エンゲージメント率も高くなると言われています。

    また、ライブ動画ではオーディエンスとコミュニケーションを取る事ができるので、商品やサービスについて直にフィードバックを受ける事ができます。

    ・比較的長めの動画コンテンツ

    2019年にはTikTokやインスタグラムストーリーズなどの短い動画が流行しましたが、2020年は特定のトピックについてより深く掘り下げるための長編動画も増えてくると予想されています。

    このように、動画コンテンツの中にもさらに細かくトレンドが生まれています。

    インスタグラムで活躍するインフルエンサーのElizabeth Gilmoreさんは、「常に動画が最優先です。」と言います。

    「それから、動画の場合は『本物であること』『その瞬間を表現すること』『より自然体であること』が大切だと分かってきました。その方が人間味があり、オーディエンスにとって親しみやすいコンテンツになります。」

    また、トラベルインフルエンサーのChristina Galbatoさんは、「インスタグラムにもっと動画コンテンツを増やしていくつもりです。他のインフルエンサーにもそれを推奨します。」 と話しました。

    11.「加工なし」のリアルな写真

    「インフルエンサーが発信する情報に信憑性があること」は、インスタグラムを活用したインフルエンサーマーケティングの2019年の大きなトレンドでしたが、2020年にはそれが写真コンテンツにまで広がっていきます。

    ここ最近、インスタグラムで、「#加工なし(英語では#nofilter)」というハッシュタグが流行しています。これは、掲載している写真に一切加工を加えていない事を示すハッシュタグで、「嘘偽りのない本物の写真である」というアピールになります。ブロガーやインフルエンサーの間にもこのトレンドが広がり、写真を加工するにしても不自然にならない程度に留める人が増えています。

    インスタグラムで活躍するインフルエンサーのRohini Maukさんは、日常生活の一瞬を上手に切り取って自然体のコンテンツとして配信するのが得意で、「加工された写真は徐々に淘汰されていくでしょう。」と話しました。

    インフルエンサーのElizabeth Gilmoreさんも、Rohiniさんの考え方に賛同しています。「私も加工なしのコンテンツを気に入っています。その方が真実味があって、『何かを宣伝させられている』という感じがしないからでしょう。」

    また、インスタグラム用のコンテンツを作成するためのアプリ「Storyluxe」の創業者であるNichole Ciottiさんは、次のように話しました。

    「インフルエンサーマーケティングの黎明期は、誰もが『どれだけ洗練されたコンテンツを作れるか?』という事を意識していましたが、今では、ソーシャルメディア上で『本当の声』を見つけたいと考えているユーザーが増えています。」

    Nichole Ciottiさんは、「加工されていない自然体のコンテンツが増えていく一方、従来の美しく整えられたコンテンツを配信し続けるアカウントも一定の割合で残るだろう」と予測しています。

    「結局のところ、コンテンツを通じてどのようなメッセージと感情を伝えたいのかという事が大切なのです。」

    コンテンツのスタイルには流行がありますが、オーディエンスが求めているのは、信憑性が高く、価値ある情報が含まれたコンテンツです。その事実はいつも変わりません。

    12. 期間限定コンテンツ

    インスタグラムでは、「ストーリーズ」という期間限定のコンテンツを投稿できる機能が大人気で、アクティブユーザー数は1日3億人と言われています。ストーリーズは2016年にインスタグラムに新しく追加された機能で、投稿されたコンテンツが24時間後に自動的に消滅します。

    ストーリーズの登場によって、ユーザーは日常生活の出来事を通常のインスタグラム投稿よりも気軽に行えるようになりました。インスタグラムストーリーズを活用したインフルエンサーマーケティングの手法と事例についてはこちらの記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

    おすすめ記事:インスタグラムストーリー(Instagram Stories)を活用したインフルエンサーマーケティング

    インスタグラムストーリー(Instagram Stories)を活用したインフルエンサーマーケティング

    期間限定のコンテンツは、作りこんだものではなく、コンテンツを発信した人の日常生活の一瞬を切り取ったものです。そのため、信憑性があり、エンゲージメントが高くなる傾向があります。すでに多くのブランドがインスタグラムストーリーズでのインフルエンサーマーケティングに参入しています。

    インスタグラムストーリーズのような期間限定のコンテンツを活用したインフルエンサーマーケティング戦略は、2020年の大きなトレンドとなるでしょう。

    これまで、インスタグラムを活用したインフルエンサーマーケティングといえば洗練された写真のコンテンツが中心でしたが、最近ではインスタグラムストーリーズを活用した動画コンテンツも増えています。



    まとめ

    今回は、2020年のインフルエンサーマーケティングトレンド12選について説明しました。

    ・マーケティング戦略のトレンド

    1. 包括的なカスタマージャーニー
    2. 透明性
    3. ブランドの価値観
    4. AIの活用

    ・インフルエンサーのトレンド

    5. 長期契約の標準化
    6. 小規模インフルエンサーの活躍
    7. オーディエンスとのより深い関係性

    ・プラットフォームのトレンド

    8. マルチプラットフォーム
    9. 「いいね!」の重要度の低下

    ・コンテンツのトレンド

    10. 動画コンテンツの台頭
    11.「加工なし」のリアルな写真
    12. 期間限定コンテンツ

    インフルエンサーマーケティングはその手法が徐々に確立され、進化を遂げる段階にあると言えるでしょう。今後、多くのライバルブランドに打ち勝ってインフルエンサーマーケティングを成功させるためには、より戦略的なキャンペーン展開が求められるようになります。

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    参考:https://later.com/blog/influencer-marketing-trends/
    https://medium.com/@folkeviralaccess/what-to-expect-from-influencer-marketing-in-2020-1e93f1cf868f
    https://www.thedrum.com/opinion/2019/12/13/seven-predictions-influencer-marketing-2020
    https://talkinginfluence.com/2019/12/04/talking-influence-2020-influencer-marketing-predictions/
    https://casting-asia.com/ja/news/2213/
    https://medium.com/swlh/top-9-influencer-marketing-trends-of-2020-cee0ac935a84

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