混同しがちな「インフルエンサー」と「ブランドアンバサダー」の違いとは?

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インフルエンサーとブランドアンバサダーはどちらもブランドや商品をプロモーションする役割を担っていますが、両者には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。そして、インフルエンサーとブランドアンバサダーをどのようにブランドのマーケティング戦略に組み込んでいくべきなのでしょうか。

今回は、インフルエンサーとブランドアンバサダーの定義の違いや効果的な活用方法を分かりやすく説明します。

目次

  1. インフルエンサーとブランドアンバサダーの定義の違い
  2. インフルエンサーとブランドアンバサダーの役割の違い
  3. インフルエンサーとブランドアンバサダーのメリットの違い
  4. 優秀なインフルエンサーをブランドアンバサダーとして起用する
  5. インフルエンサーマーケティングとブランドアンバサダー戦略を組み合わせる
  6. まとめ

インフルエンサーとブランドアンバサダーの定義の違い

まずは、インフルエンサーとブランドアンバサダーの定義の違いを見ていきましょう。

インフルエンサー(influencer)は、influence(~に影響を与える)という英単語から生まれた言葉で、世間に対して影響力を持つ人々を幅広く指す言葉です。インフルエンサーの定義は曖昧な部分もありますが、当ブログではインフルエンサーを次のように定義しています。

・ブログやソーシャルメディアなどのオンラインで活躍している
・何かしらの専門分野がある
・その専門分野に興味があるフォロワーのコミュニティを持っている

インフルエンサーという言葉が認知され始めた頃は、セレブや芸能人といった大衆メディアにおける有名人がインフルエンサーとして認識されることがほとんどでした。現在はインフルエンサーの層が拡大し、有名人に加えてジャーナリストや学者といった特定の分野における専門家、さらには、ブロガーやソーシャルメディアで活躍するコンテンツクリエイターなど多様化が進んでいます。

一方、ブランドアンバサダーは、一言でいえば「ブランドの顔」となる人物のことです。ブランドと長期契約を結び、さまざまなイベントやキャンペーンを通してブランドの魅力を伝え続けていくのがブランドアンバサダーです。

これまでは、ブランドがインフルエンサーとタイアップする場合、イベントやプロモーション単位の短期契約が一般的でした。しかし近年は、ブランドとインフルエンサーが長期契約を結び、インフルエンサーがブランドアンバサダーに就任するケースも増えています。その点においては、インフルエンサーとブランドアンバサダーの境界線は曖昧になっていると言えるでしょう。

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インフルエンサーとブランドアンバサダーの役割の違い

インフルエンサーとブランドアンバサダーの役割は重なる部分もありますが、基本的な立ち位置やブランドとの関係性に違いがあります。

インフルエンサーマーケティングキャンペーンでは、キャンペーンやイベントの規模に合わせて複数のインフルエンサーが単発で起用されるのが一般的です。規模の小さいキャンペーンであれば数名、規模の大きいキャンペーンやイベントであれば数百名のインフルエンサーと同時にタイアップすることもあります。

一方、ブランドアンバサダーはブランドの顔となる人物なので、一つのブランドに対して一名、もしくは二名といった少人数である場合がほとんどです。ブランドアンバサダーは長期にわたってブランドのさまざまなマーケティング活動に参加します。

インフルエンサーとブランドアンバサダーのメリットの違い

インフルエンサーとタイアップしてブランドや商品をプロモーションしてもらう「インフルエンサーマーケティング」は、インフルエンサーが持つフォロワーのコミュニティに働きかけるマーケティング手法です。

フォロワーはインフルエンサーの熱心なファンであり、インフルエンサーのライフスタイルや専門分野に強い関心を持っています。そのため、不特定多数の消費者に呼びかける広告よりもターゲットに対して効率的に働きかけられるというメリットがあります。

他にも、キャンペーンやイベントのテーマに合ったインフルエンサーをその都度選ぶことができる点や、予算やキャンペーンの規模に合わせて人数を自由に増減できるといった点もインフルエンサーとタイアップするメリットと言えるでしょう。

一方、ブランドアンバサダー戦略は、アンバサダーを活用したブランディングが可能になるという点が最大のメリットです。アンバサダーはブランドと数ヶ月から数年にわたる長期契約を結び、イベントへの参加、新商品やサービスへのフィードバック、時には商品開発やイベントの企画といったマーケティング戦略に携わるなど、多岐にわたってブランドを支えます。

アンバサダーが長期的かつ密接にブランドと関わると、消費者はアンバサダーとブランドを次第に関連付けて見るようになります。テレビドラマに出演する特定の女優を見ると、その女優がアンバサダーを務めるブランドを思い出す、といった具合です。

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優秀なインフルエンサーをブランドアンバサダーとして起用する

ここまで見てきたように、インフルエンサーはイベントや新商品のキャンペーンといったプロモーション単位で起用されることが多く、ブランドアンバサダーは中長期計画が基本となるブランディングを目的として起用されるという違いがあります。

しかし、ブランドアンバサダーは長期契約が前提となるため、多額の費用がかかることが多く、これまでブランドとタイアップした経験がない人物をいきなりアンバサダーに起用することに対して不安を覚えることもあるでしょう。そんな時におすすめなのが、優秀なインフルエンサーをブランドアンバサダーとして起用する方法です。

まずは、イベントや新商品のプロモーションといった単発契約で複数のインフルエンサーとタイアップします。その中でパフォーマンスが良かったインフルエンサーと長期契約を結び、ブランドアンバサダーとして活躍してもらいます。

可能であれば、複数のインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施し、その中から特に貢献度の高かったインフルエンサーをアンバサダーに選ぶと良いでしょう。優秀なインフルエンサーはブランドと複数回にわたってタイアップすることも多く、ブランドに対する情熱を持ち、その情熱を積極的に世間へ伝えようとする姿勢を持っています。そのようなインフルエンサーは、ブランドの顔となるアンバサダーに相応しい人物と言えるでしょう。

インフルエンサーマーケティングとブランドアンバサダー戦略を組み合わせる

ブランドアンバサダーを選出したら、イベントや新商品のキャンペーンといったプロモーション単位で複数のインフルエンサーを追加で起用します。それによって、ブランドを長期に渡って支えるブランドアンバサダーのメリットを享受しつつ、キャンペーン毎に目新しいインパクトのあるアピールが可能となり、より大きな成果を挙げやすくなります。

インフルエンサーは、キャンペーンの目的に合った人物を選ぶことが重要です。例えば、20代の女性をターゲットにするのであれば、20代の女性のフォロワーを多く持つインフルエンサーを探しましょう。

多数のインフルエンサーが登録しているインフルエンサーマーケティングプラットフォームを活用すれば、フォロワー数やジャンルで候補となるインフルエンサーを簡単に絞り込むことができます。特に、初めてインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施するブランドには、インフルエンサーマーケティングプラットフォームの活用がおすすめです。

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まとめ

今回は、インフルエンサーとブランドアンバサダーの定義の違いや効率的な活用方法について説明しました。

ブランドアンバサダーの起用を考えているのであれば、まずインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施し、アンバサダーの候補となるインフルエンサーを探してみましょう。

世間に幅広く名前が知られている有名人をブランドアンバサダーとして起用する方法もありますが、そのような人物はすでに他のブランドのアンバサダーになっていることも多く、知名度が高い分、契約に必要な費用も高くなる傾向があります。その点、インフルエンサーとのタイアップであれば、複数のインフルエンサーとのタイアップを少ない予算で試してみることができます。

インフルエンサーをブランドアンバサダーに起用し、さらにキャンペーン毎に新たなインフルエンサーを投入するという方法は、インフルエンサーとアンバサダーの良いところ取りができる非常に効率が良い方法です。

 

参考:https://www.beatly.com/en/guide-article/whats-the-difference-between-an-influencer-and-a-brand
https://subsign.co/stories/influencers-vs-brand-ambassadors/

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