インフルエンサーマーケティングと有名人による広告の違いとは?

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数十年にわたって、芸能人や著名人、スポーツ選手などの有名人が製品を支持することで、人々の購買決定に影響を与えてきました。しかしここ数年、多くのブランドがタレントの起用よりもインフルエンサーマーケティングに切り替えています。Linqiaの調査によると、「インフルエンサーマーケティングは非常に人気が高く、2016年には86%のマーケターが使用していた」という結果が出ています。

今回は、有名人を起用した広告による宣伝と、宣伝のためにインフルエンサーと協力することとの違いをご紹介します。


目次

  1. インフルエンサーと有名人の違い
  2. 有名人による宣伝よりインフルエンサーマーケティングが選ばれる理由
  3. キャンペーンの目標によって使い分けることが重要
  4. インフルエンサーと有名人の違い

    インフルエンサーマーケティングと「有名人による宣伝」との主な違いは次のとおりです。

    1.専門知識

    有名人は、必ずしも宣伝する製品の専門家である必要はありません。ジャスティン・ビーバーのようなポップスターがカルバンクラインの下着を宣伝したり、セレーナ・ゴメスがアディダスを宣伝したとします。彼らはファッションデザイナーではなく製品開発に関与もしていませんが、大衆的な魅力を持っているため、そのファンはもちろん、それ以外の人々の購買行動にも影響を与えます。

    一方インフルエンサーマーケティングは、主にインフルエンサーが製品に専門知識を持っていることが前提となっています。 例えば、Michelle Phanのような美容系インフルエンサーが新しい美容製品を宣伝したり、Aimee Songなどのファッションブロガーが新しいファッションを宣伝したりすることがあります。インフルエンサーはそれぞれのジャンルの専門家とみなされているため、彼らが勧めるものは信頼できると考えられています。

    2.エンゲージメント

    有名人の支持とインフルエンサーマーケティングのもう一つの重要な違いは、「有名人の支持は一方通行の可能性が高い」ということです。一方インフルエンサーは、オーディエンスとの関わりを重視する傾向があります。 有名人によるテレビやソーシャルメディア広告での宣伝は、視聴者が見て、聞くことを目的としていますが、実際に関わることはできません。

    インフルエンサーが製品を宣伝する場合、「双方向コミュニケーション」が生じる場合が多くあります。インフルエンサーは自身でコンテンツを制作し管理しているため、フォロワーと会話することが可能です。全てのインフルエンサーがファンとの交流を続けているわけではありませんが、一般的には、プロモーションされた商品を通してオーディエンスと十分に関わっています。

    3.コンテンツの作成

    有名人とインフルエンサーとの大きな違いの3つめは、インフルエンサーがコンテンツ制作者であることです。有名人の推薦の場合、ブランドまたはマーケティングエージェンシーは、製品を宣伝するためのアイデアと台本を提示します。有名人は彼らの役割を演じ、キャンペーンに影響を与えます。

    一方で、ほとんどのインフルエンサーはそれぞれの分野の専門家であり、プロモーションコンテンツの作成にも参加し、時にはメッセージを管理することさえできます。ブランドはいくつかガイドラインを与えるかもしれませんが、インフルエンサーはほとんどが自らの感性でコンテンツを制作します。

    言い換えれば、インフルエンサーはブランドの製品やサービスを宣伝する際、創造的な自由を持っています。

    例えば、フードブロガーのChristina Russell(Body Rebooted)は、ボブズレッドミル社を宣伝するためのコンテンツを作成しました。彼女は同社の素材を使ってレシピを作成し、読者に同じ料理を作るためのヒントを提供し、ブランドのキャンペーン成功に貢献しています。また、この投稿の内容とメッセージの管理も彼女が行っています。

    インフルエンサーの自由を制限しようとすると、相互関係を損なう可能性があり、コンテンツの品質に影響を及ぼすことさえあると考えられます。Crowdtapによる調査では、「大多数のインフルエンサーは、創造的な自由が与えられればブランドと何度も協力すると答えた」という結果が出ました。

    4.リーチ

    ・俳優
    ・タレント
    ・モデル
    ・ミュージシャン
    ・有名アスリート
    上記の職業は有名人とみなされます。彼らによる宣伝の到達範囲は、テレビや雑誌といったオフラインで構成されている場合が多いため、不特定多数の層へ広がっています。

    インフルエンサーの場合、ほとんどの人はソーシャルメディアやその他のオンラインチャンネルを介しています。彼らのリーチは、通常、特定のニッチな視聴者に焦点を当てています。例えば、ゲームカテゴリのYouTuberは通常、ファッションラインや美容ブランドを支持することはありませんが、ゲームやハイテク製品などの支持においては信頼度が高くなっています。

    場合によっては、2つの戦略の要素を混在させるグレーゾーンが存在することもあります。例えば、アスリートは有名人と見なされる可能性が高いですが、アスリートによるスポーツウェアの支持はインフルエンサーマーケティングの一種であると見ることができます。

    有名人による宣伝よりインフルエンサーマーケティングが選ばれる理由

    数年前、広告は主にテレビ、看板、雑誌などでよく知られた有名人から成っていました。しかし昨今、広告業界は、ブロガーやYouTuberのようなデジタルインフルエンサーたちによって追い上げられています。その理由を以下でご紹介します。

    1.費用対効果とコストの柔軟性

    有名人と働くことは、インフルエンサーに協力してもらうよりもずっと高価です。エコノミストによると「Instagramで700万人以上のフォロワーを持つ有名人は、1つのスポンサーポストに15万ドルも請求することがある」と報告されています。

    数百万人のフォロワーを抱えるインフルエンサーは費用がかかるかもしれませんが、通常、有名人のように料金を請求しません。予算が限られているブランドは、中級レベルのインフルエンサーやマイクロインフルエンサーから選択することが可能です。 デジタルマーケティング事業社の「We are Social Media」によると、マイクロインフルエンサーの97%は、500ドル以下の料金しか請求しないと報告されています。

    2.信頼性

    有名人は通常、彼らが宣伝する製品についての深い知識を持っていませんが、インフルエンサーは宣伝するそれぞれの分野の専門家である場合が多いです。消費者は、購入を迷っている製品に関するアドバイスや推奨事項についての情報を求めているため、インフルエンサーが各分野の知識を持っていることは投稿の信頼性に繋がります。

    Collective Biasによって実施された調査では、
    ・有名人の宣伝する製品の購入を検討すると答えた消費者は3%
    ・非有名人のインフルエンサーが勧めている製品を購入すると応えた消費者は30%
    という結果が報告されました。

    これに加えてTwitterとAnnalectの調査によると、フォロワーはインフルエンサーを友人と同じくらい信頼していることが分かりました。この高い信頼水準のため、インフルエンサーはフォロワーの意思決定に影響を与えることができます。

    次に、有名人とインフルエンサーの両方を起用した宣伝の事例をご紹介します。「Star Wars:Battlefront」というビデオゲームの販売を促進するため、Electronic Arts社は女優のアナ・ケンドリックさんを宣伝動画に起用しました。よく知られた有名人であるケンドリックさんの出演は、ゲームに詳しくない人々の注目も集めました。

    しかし、より多くのニッチなゲーマーの関心を引くために、同社はGreg Miller(@GameOverGreggy)のような有力なインフルエンサーを通じてゲームを宣伝しました。Greg Millerさんには、750,000人以上のTwitterフォロワーが存在するゲーマーで、ビデオゲームに関するレビューへの信頼度が高いため、ゲーム業界に大きな影響力を持っています。この戦略のおかげで「Star Wars:Battlefront」は、ゲーマーはもちろん、ゲームに関心の薄い人々にも広くリーチすることに成功しました。

    3.エンゲージメント

    インフルエンサーはコンテンツ制作者です。彼らは専門分野のコンテンツを作成し、オーディエンスにアピールする能力が高いため、影響力があります。なのでインフルエンサーが作成したスポンサードコンテンツは、多くのエンゲージメントを獲得することができます。

    インフルエンサーが製品やサービスをプロモーションするためにスポンサードコンテンツを作成する際、ブランドがクリエイティブな自由を与えると、その投稿はインフルエンサーの通常の投稿と一致することがよくあります。彼らはどのような種類のコンテンツが自分のオーディエンスにエンゲージするかを知っているため、製品を特集するだけの投稿も魅力的なスポンサードコンテンツにすることが可能です。

    Collective Biasによる調査では、
    ・インフルエンサーのコンテンツに人々が費やす時間→平均2分21秒
    ・オンライン広告を見る時間→約9秒
    という大きな違いが報告されました。

    次に、有名人によるInstagramへの投稿とインフルエンサーの投稿とのエンゲージメント率を比較します。

    約200万人のフォロワーを持つ女優のOlivia WildeさんはあるCDの写真をシェアし、どれほどそのレコード会社を愛しているか投稿しました。
    この投稿は、
    ・9,600以上のいいね
    ・97件のコメント
    を獲得しました。

    これに対して美容インフルエンサーのBunny Meyerさんによる新しいプーマの靴についての投稿には、
    ・43,000以上のいいね
    ・1,000件のコメント
    が寄せられました。
    彼女にも約200万人のフォロワーが存在しますが、有名人よりもインフルエンサーの方がエンゲージメント率が高いことが、この結果からわかります。

    キャンペーンの目標によって使い分けることが重要

    今回はインフルエンサーマーケティングと有名人による宣伝との違いを紹介しました。

    インフルエンサーは、
    ・専門知識があるため各分野での信頼度が高い
    ・エンゲージメント率が高い
    ・コスト面で柔軟
    という特徴があり、ニッチ層に大きな影響力があります。

    有名人には、
    ・大規模なリーチ数
    ・不特定多数の人々へアプローチできる
    ・ブランドの顔に起用すれば、オフラインでも宣伝効果がある
    という特徴があり、現在もブランドの認知度を高める力を持っています。

    予算がある場合は、今回ご紹介した「Electronic Arts社」のように、ニッチなゲーマー層と一般人へ両方アプローチするために、インフルエンサーマーケティングと有名人を起用した広告を組み合わせると高い効果が得られます。

    「有名人とフォロワーの関係」と「インフルエンサーとフォロワーの関係」には、交流の有無という面で大きな違いが見られますが、インフルエンサーマーケティングを使用するか有名人の力を借りるかは、各々のキャンペーンによって使い分けることが重要であると考えられます。


    参照:https://shanebarker.com/blog/influencer-marketing-celebrity-endorsements/ 

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