高級ジュエリーブランドのインフルエンサーマーケティング戦略

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「Tiffany社」と「Swarovski社」は、伝統的な高級ブランドを取り扱う企業です。ティファニー社は1837年にニューヨークのチャールズ・ルイスとジョン・ヤングによって設立され、スワロフスキー社は1985年にオーストリアのダニエル・スワロフスキーによって考案されました。どちらもジュエリー業界の大手ブランドで、毎年7,000人以上が雇用され、年間売上高は10億ドルに達しています。今回は、両方のブランドのインフルエンサーマーケティングキャンペーンを比較し、それぞれのインフルエンサーがどのようにそれぞれのブランドとタイアップしているか紹介します。

現在、世界各国の宝飾品やブランド化粧品から高級自動車まで、毎年5,700億ドル以上の利益が発生しています。ラグジュアリー製品の人気が高まるにつれて、業界内のブランドは、競合他社とは別の新しいマーケティング方法を模索しています。特に、ソーシャルメディアのインフルエンサーとタイアップすることで、どんな製品を扱う高級ブランドでも消費意欲を高め、消費者にリーチすることが可能になりました。


目次

  1. ティファニー社、若い世代のトップインフルエンサーとタイアップ
  2. 若いインフルエンサーとタイアップしたキャンペーン内容
  3. スワロフスキー社の母の日インフルエンサーマーケティングキャンペーン
  4. なぜKohさんのコンテンツが優れたパフォーマンスを上げたのか?
  5. ティファニー社とスワロフスキー社の比較

  6. ティファニー社、若い世代のトップインフルエンサーとタイアップ

    米国で最も有名な高級ジュエリーブランドの1つであるティファニー社は、婚約指輪からダイヤモンドネックレスまで幅広く扱っており、優雅さをそのジュエリーで表現しています。高級ブランドとしての地位を確立すると同時に、トレンドに敏感なブランドである同社は、様々なインフルエンサーキャンペーンを実施するために4人のインフルエンサーとタイアップしました。

    その4人は、
    ・18歳から27歳までの年齢
    ・ミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代)
    ・またはジェネレーションZ世代(1990年後半以降に生まれた世代)
    ・それぞれ100万人以上のInstagramフォロワーが存在する
    というインフルエンサーパートナー達で、それぞれティファニー社のジュエリーに関する投稿を1~2つInstagramに投稿しています。

    ティファニー社は約200年間ジュエリー製造に携わっているため、「値段が高すぎるブランド」や「古臭い」と考える人もいるかもしれませんが、モデルのKendall Jennerさん、ダンサーでミュージシャンのMaddie Zieglerさん、トラベルインフルエンサーのJack Morrisさん、女優のYara Shahidiさんとタイアップすることで、ティファニー社はミレニアル世代やジェネレーションZ世代といった若年層にもしっかりと存在感を発揮することに成功しています。

    Kendall Jennerさんは9080万人のフォロワーを抱える、トップインフルエンサーです。 1人のInstagramのポストで、9080万人にリーチするインフルエンサーはほとんど存在しません。ティファニー社はJennerさんから、ファッション業界で人気を博している人物としてだけでなく、莫大なブランド露出を誇る有名人として恩恵を受けています。彼女は消費者の関心とアクションを引き出す、究極のソーシャルメディアコンテンツ製作者です。


    若いインフルエンサーとタイアップしたキャンペーン内容


    スワロフスキー社の母の日インフルエンサーマーケティングキャンペーン

    ティファニー社と同様、スワロフスキー社は高級品で有名なジュエリーブランドです。しかし、ティファニー社と比較して、オーストリアのブランドであるスワロフスキー社は、手ごろな価格帯でハイエンドのジュエリーを提供しています。スワロフスキー社のウェブサイトで入手できる最も高価なネックレスの価格は999ドルです。それに比べて、ティファニー社は2,000ドル以上の価格で数多くのネックレスを販売しています。

    手ごろな価格のジュエリーでありながらラグジュアリーさを保つよう意識しているスワロフスキー社は、今回紹介するキャンペーンでジュエリーを買う余裕があるようなミレニアル世代の消費者をターゲットにしました。同社はミレニアル世代のInstagramインフルエンサーとタイアップし、母の日キャンペーンを開始しました。様々な製品を宣伝したティファニー社とは異なり、スワロフスキー社は「すべて199ドル以下の母の日限定コレクション」のジュエリーを宣伝しました。

    キャンペーンに携わった19人のインフルエンサーのうち、13人がフォロワー10万人未満のマイクロインフルエンサーであり、6人がフォロワー10万人以上のマクロインフルエンサーでした。

    28歳のファッションブロガーMelissa Celestine Kohさんは、今回のキャンペーンで優れたパフォーマンスを上げたインフルエンサーパートナーです。スワロフスキーとタイアップして、彼女はInstagramにスポンサードコンテンツとして2枚の写真を投稿しました。 1つは、Kohさんが彼女の母親にスワロフスキーのイヤリングを贈っている姿で、もう1つは、お揃いのイヤリングを着けている母と自分の写真でした。


    なぜKohさんのコンテンツが優れたパフォーマンスを上げたのか?

    KohさんのInstagramフィードは、ファッションや旅行中心のカラフルな写真のコンテンツがたくさんありあります。過去に、彼女はEstee Lauder社やCarolina Herrera社などのハイエンドなブランドとタイアップしてきました。しかし彼女のフィードは、ラグジュアリーブランドであふれているわけではありません。Kohさんは、Coach社やReebok社のようなハイエンドブランドと比べればより手頃な価格のファッションやアクセサリーブランドとも過去にスポンサー契約を結んでいます。スワロフスキー社とのコラボレーションが彼女のオーディエンスに喜ばれたり期待されていることは、Kohさんの過去のパートナーシップが示唆しています。

    KohさんのInstagramフィードを見る

    と、彼女のオーディエンスがミドルエンドブランドとハイエンドブランドの両方を求めている可能性が高いことがわかります。

    彼女とタイアップすることで、スワロフスキー社は
    ・ファッションに興味がある
    ・ハイエンドなブランドを好む
    といった、まさにその商品の購入に興味がある消費者にリーチすることが可能となりました。

    Instagramに投稿された2つの写真の高いパフォーマンスを受けて、Kohさんは母の日にスワロフスキー社のイヤリングを彼女の母親にプレゼントします。そうすることで、彼女はスワロフスキー社のジュエリーを「母の日の理想的な贈り物」として、自身のフォロワーの購買意欲をあげることに成功しました。

    また、スワロフスキー社の公式Instagramアカウントを写真にタグ付けすることによって、Kohさんは同社ウェブサイトの訪問や商品の購入を促しています。Kohさんは写真で、母親にプレゼントしたものと同じスワロフスキーのイヤリングを身に着けることで、ブランドの母の日コレクションが誰にでも適しているというニュアンスを巧みに強調しています。


    ティファニー社とスワロフスキー社の比較

    今回は、ティファニー社とスワロフスキー社のインフルエンサーマーケティングについて紹介しました。ティファニー社はミレニアル世代やジェネレーションZ世代といった若年層をターゲットオーディエンスにし、「伝統的で手の届かないハイブランド」という自社のイメージを一新するためその世代のインフルエンサーとタイアップしました。また、スワロフスキー社はミドルエンド~ハイエンドな商品を好むオーディエンスを持つ若いインフルエンサーとコラボレーションして、母の日コレクションジュエリーのインフルエンサーマーケティングに成功しました。

    どちらのブランドも、
    ・Instagram世代をターゲットにした戦略
    ・若い世代にとってのスターであるインフルエンサーとタイアップ
    ・若年層にも手が届くブランドであるとアピール
    このようにターゲットオーディエンスを絞ることによって、効果的なインフルエンサーマーケティングキャンペーンを行いました。

    ハイエンドブランドは、現在はお金を持つ大人の世代に需要があるものですが、将来的に今の若者に「親近感のあるハイエンドブランド」であると意識させることは購買意欲に大きく関わってきます。そのため、「インフルエンサーが使用している=購入しやすいブランド」と若い世代に意識してもらうことは非常に重要だと考えられます。



    参考:http://mediakix.com/2018/05/luxury-brand-marketing-influencers-instagram/#gs.96Uxzws  

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