ニールセンによるインフルエンサーの効果、調査結果

Pocket

消費者の購買行動などの分析をおこなう世界的な調査会社「ニールセン・カタリーナ・ソリューションズ(NCS)」が、インフルエンサーマーケティングがもたらす販売効果について調査結果をまとめました。

この調査報告は、商品販売業の売上高におけるインフルエンサーマーケティングの効果に焦点を当て、売り上げデータを使用して、インフルエンサー・コンテンツに接触した消費者と接触しなかった消費者の購買行動を比較した内容になっています。

 

目次

    1. はじめに
    2. 調査手順
    3. トラッキング方法
    4. 結果
    5. なぜより多くの売上/インプレッションが得られたのか?
    6. さらなる調査結果
    7. 成果
    8. まとめ

はじめに

近年、インフルエンサーマーケティングにおいて、以下3つの動向があるようです。

2016年1月時点でのGoogleトレンド調べによると、『インフルエンサーマーケティング』のキーワード検索は2015年に5倍へと成長。 PageFairとAdobeの2014年のレポートによると、ミレニアル世代の40%がウェブ広告ブロック機能を使用し、その使用率は現在も急激に増加しています。

「Fanatics Media」と「Marketo」の調査によると、コンテンツマーケティングは、2016年 CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)の最優先事項になりました。

インフルエンサーマーケティング関連のソフトウェア企業「TapInfluence」の共同創立者ラスティン・バンクさんと「ディズニー社」は、「インフルエンサーマーケティングで大きな『売上』につなげるための最終ステップは、広告効果測定だ。」というやり取りをしていたようです。

<調査方法>

TapInfluenceは、当時史上初となるインフルエンサーマーケティングセールスの研究を実施しました。この調査は、米国のビジネス誌であるFORTUNE誌が年1回発行するリスト「フォーチュン500」にランキングされた食品メーカーや、ニールセン・カタリーナ・ソリューションズ(以下、NCSと記載)と提携して行ったものです。

コンテンツに接触した消費者(テスト群) と、接触しなかった消費者(対象群)の購買行動を2014年8月から2016年2月に渡り調査。キャンペーンは、2015年9月~11月に実施しました。

調査手順

1.インフルエンサーの選出 フィットネスと食品分野のトップ・インフルエンサー258人を選出。

2.コンテンツの作成 インフルエンサーが健康維持方法、健康志向食品やフィットネス関連のコンテンツを作成。

3.インフルエンサーによる拡散 インフルエンサーたちのソーシャル・ネットワークを使用して、コンテンツを拡散。

4.管理・トラッキング TapInfluence社のTapFusionプラットフォームを使用し、自動で支払い、管理、トラッキングを実施。

トラッキング方法

今回の調査では、すべてのブログやコンテンツへの書き込みに対し「特殊なNCSトラッキング・ピクセルが自動的に挿入される仕組み」のトラッキング方法が使用されました。

例えば、誰かがソーシャル・メディアから投稿をクリックすると、NCSトラッキング・ピクセルが起動して、その人がロイヤリティー・カード・データにマッチするか試みました。ロイヤリティー・カード・データとは「今回定めた優良顧客かどうかの情報」をまとめたデータです。

結果

・コンテンツに接触した消費者は、対象群よりも多くの製品を購入した。 ・競合他社製品からの乗り換えが見られた。

<セールス・リフト・データについて>

・セールス・リフト・データは、1000インプレッションあたりの売上高の増加分(対照群に対して)に正規化される。 ・セールス・リフトの結果については、インフルエンサーのコンテンツを観た1000人は、対照群に対して、売り上げが$285向上した。

<良好な結果と言えるか?>

各指標ごとに1000あたりの売上増加分を比較すると以下のような結果が見られました。

・ディスプレイ広告/ミルク分野:1000インプレッションごとに$16の増収 ・インフルエンサーマーケティング/Silkというブランドのミルク製品:1000ビューごとに$285の増収

1000ビューごとのインフルエンサーマーケティングコストは、1000インプレッションごとのディスプレイ広告より高くなりました。

なぜより多くの売上/インプレッションが得られたのか?

1.実際のエンゲージメント

インフルエンサーマーケティングでは、1インプレッションは実際にエンゲージメントした(見込み客が反応したり行動し始めた)1人を意味しています。それに対し、ディスプレイ広告では、表示された広告を観ても観なくても1インプレッションになるため、実際のエンゲージメントとは異なっている場合が多くなります。

2.ハロー効果

ハロー効果によってブランドは、インフルエンサーが作成したコンテンツに影響されます。一方、ディスプレイ広告にハロー効果はありません。インフルエンサーのサイトの横にディスプレイ広告が表示されても、インフルエンサーとは無関係なものだと知られているからです。

さらなる調査結果

・かつての広告ではコンテンツ作成コストは含まれていなかった

昔ながらのデジタル広告における調査では、コンテンツ作成コストは含まれていませんでした。しかし、現在インフルエンサーマーケティングでは、コンテンツ作成コストが含まれています。このコストは、インフルエンサーに支払う「コンテンツ作成料」です。

・リユースによる無制限の潜在価値

インフルエンサー・コンテンツを再利用することによってソーシャル・メディア全体にブランドを拡散することが可能になります。インフルエンサー・コンテンツはオーディエンス(消費者)に拡散価値を感じさせることにより、社内デザインチームに支払うコストよりも費用対効果を高くできる場合があります。

・調査後のインプレッション数=売上増加

インプレッション数が2倍に増えたことにより、投稿キャンペーンが作られました。それにより売り上げが増えたと想定できます。

・2015年11月30日時点のインプレッション数は、54万 ・2016年2月29日時点のインプレッション数は、130万からさらに増加中 ・ブログ投稿のみのROIは、3ヶ月ごとに2倍に増加。 ・通常のディスプレイ広告(ブログ投稿のみ)と比べると、ROIは12ヶ月以降に11倍に増加。 ・Pinterest上の追加400万view(ブログ投稿の5倍)は、トラッキングされることなく購入に結びついた。

成果

本調査では、TapinfluenceのTapFusionプラットフォームを使用したことで、膨大なデータの中から、最適な情報を見つけ出し、最高のROIを獲得できたと言えます。

また、成果をトラッキングしたデータを使用することにより、最低でも3倍に売上を伸ばせる成果重視のインフルエンサーマーケティングを実施できます。

まとめ

今回の調査から、インフルエンサーマーケティングをうまく利用すれば、既存のデジタル広告よりも年間売上高増加率を11倍に伸ばすことが可能だとわかりました。

長い期間が経過しても内容が普遍的で価値が失われない普及のコンテンツのことを「エバーグリーンコンテンツ」と呼びます。エバーグリーンコンテンツとなるようなコンテンツをインフルエンサーに作成してもらうことで、右肩上がりのROIを継続的にもたらすことができます。

より良いコンテンツをインフルエンサーに作成してもらうには、タイアップしているインフルエンサーとの長期的な信頼関係が重要だと考えられます。

 

参考:http://pages.tapinfluence.com/hubfs/Nielsen_WhiteWave_Study/1009_-_Nielsen_Study_Case_Study.pdf 

Pocket