Instagramの視覚的にインパクトのあるデザインは、自身の才能を示したいアスリートにとっても喜ばれるものです。ウォーミングアップのルーティーンやトレーニングセッションから、試合やフリースタイルラン、表彰台やほろ苦い敗北の写真やビデオは何百万というプラットフォーム上で人々の興味を引き、刺激を与えてきました。
プロのアスリートは、これまで「俳優やタレントのような有名人による広告」の一種として宣伝に使用されてきましたが、今やブランドが消費者とつながるための一般的な手段です。雑誌、ラジオ、テレビからソーシャルメディア上に広告手段が移行した昨今、さまざまなスポーツ分野とインフルエンサー層という幅広い範囲を含む「個人」がアスリートインフルエンサーと呼ばれる存在に進化しました。
今回は、サングラスとスポーツウェアのブランド「Oakley社」によるスポーツインフルエンサーとタイアップした事例を紹介します。
目次
Oakley社のマーケティングチームは「新しいプリズムレンズ」の未来を見据えたキャンペーンを開始
Oakley社は1975年にJames Jannardさんによって創設され、はじめはローカルイベントに出店し販売カーでモトクロスグリップを売る会社でした。4年後、Oakley社はアイコニックなデザインのサングラスを発売し、同時にスポーツジャンルにも手を広げて世界進出にも乗り出しました。
今日では、さまざまな分野の著名なスポーツ選手が、InstagramフィードでOakley社製品を楽しんでいます。ナノインフルエンサーからメガインフルエンサーまで、同社のブランドアンバサダーはスポーツ界に自社製品とそれを取り入れたライフスタイルや価値観を発信する役に立っています。また、Oakley社のマーケティングアプローチには、売上をアップさせるサポーターやプロモーターに報酬を与えるアフィリエイトプログラムも含まれています。
さまざまな環境で「色とコントラストを高めるように設計されたレンズ」を宣伝するために実施された最近のマーケティングキャンペーンで、Oakley社はInstagramのフォロワーに自社の新しいプリズム技術を紹介するため、多くのスポーツ選手とタイアップしました。
PRIZMインフルエンサーマーケティングキャンペーンのゴール
・Oakley社の新しいPRIZMレンズの認知度を高める ・「何が見えますか?」と尋ねて、フォロワーにエンゲージメントする
アプローチ ソーシャルメディア:Instagram インフルエンサー:Oakley社のマーケティングチームは、サイクリング、モトクロス、トライアスロン、バレーボール、サーフィンを含む様々なアスリートとタイアップ
タイアップした主要なインフルエンサーの例 @ marcmarquez93 – 390万フォロワー @markcavendish – 54万2000人のフォロワー @ annika.langvad – 10万2000人のフォロワー @ ester.meiliana – 5万3100フォロワー @nzalya – 4万5200フォロワー
PRIZMキャンペーンにおけるスポンサードポストのテーマ
・投稿された16ポストには、すべて一枚の写真が掲載 ・Oakley社とタイアップしたインフルエンサーのうち数人はアクティブな写真で、それ以外の人は顔写真をアップ ・写真はすべて、Oakley社のサングラスをかけているアスリートを特集 ・インフルエンサーたちがキャプションにしたさまざまな導入文は「何が見えますか?」というキャッチフレーズに連動
今回のインフルエンサーマーケティングキャンペーンでタイアップしたインフルエンサーのうち4人は、同じキャプションか似た文面のキャプションをシェアしました。
各スポーツインフルエンサーは自分の投稿に#OakleyPrizmと#OneObsessionのハッシュタグを使用しています。多くのアスリートが@Oakleyのタグを付けましたが、@ Oakleybike、@ Oakleysurfing、@ Oakleymotorsportsなどのアカウントについて言及している人もいました。
世界最高峰のオートバイレーサーが見るのは「新しい挑戦」
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- https://www.instagram.com/p/Bwwg7FIHfEP/
史上最高のオートバイレーサーの一人、スペイン人のMarc MárquezさんはInstagram上で400万人ものフォロワーを擁しています。
今回のOakley社によるPRIZMキャンペーンでタイアップした最大かつ唯一のメガインフルエンサーとして、Márquezさんは最も多くいいねとコメントを獲得しました。
投稿されたポストでは、Márquezさんがのんびりとした雰囲気を醸し出して自身のヘルメットを見ている写真が投稿されており、オートバイレースのワールドグランプリチャンピオンに7度も輝いた彼の手とヘルメットがOakley社製のレンズに反映されているのがわかります。Márquezさんのキャプションは彼のオートバイのキャリアの中で「新たな挑戦」に取り組むことへの熱心さが示されていました。
Márquezさんの投稿には19万9,266件のいいねと1,006件のコメントが寄せられ、エンゲージメント率は5.01%でした。
スプリントサイクリストが見るのは「チャンス」
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- https://www.instagram.com/p/BwyoEHkA-X9/
モルディブのサイクリスト、Mark CavendishさんのPRIZMキャンペーンにおける投稿では、PRIZMサングラス超しに見える激しいサイクリングルートの前方を見据える彼の写真がアップされています。
54万人以上のフォロワーを対象に、マクロインフルエンサーであるCavendishさんはレースで首位を獲得するというその決意をうまく伝えました。
Mark Cavendishさんのこのスポンサードコンテンツは、2万2,348件のいいねと102件のコメントを得て、4.14%のエンゲージメント率を達成しています。
プロ水球プレイヤーが見るのは「人々ができないこと」
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- https://www.instagram.com/p/BwtlekcA4Bk/
Alya Nadiraさんは、Instagramで45,300人のフォロワーを持つインドネシアの水球プレーヤー兼マイクロインフルエンサーです。彼女の投稿にアップされた屋外での写真では、カメラを振り返るNadiraさんの真っ赤なフレームとレンズが画面に映し出されていますが、そのキャプションには個人的な技巧や他人には気付かれない欲求が書かれています。
Oakley社のインフルエンサーマーケティングキャンペーンにおけるスポンサードポストで、Alya Nadiraさんは4,725件のいいねと83件のコメントを集め、10.64%のエンゲージメント率をもたらしました。
結果
ソーシャルリーチ リーチしたInstagramフォロワー総数:4,798,908
エンゲージメント 243,579件のいいね 1,470件のコメント 7.24%の全体平均エンゲージメント率
まとめ
今回は、スポーツインフルエンサーとタイアップして自社の新しい「プリズム技術」を結集させたスポーツサングラスを宣伝したOakley社の事例を紹介しました。
Oakley社は自社製品を使用するアスリートとタイアップすることで、ブランドの信頼性を確立しています。
Oakley社のマーケティングチームによるPRIZMキャンペーンでは、躍動感のある写真や顔写真といったInstagramの文化によく合っている画像が投稿されました。また意図的にテンプレート化されたスポンサードポストのキャプションは、Oakley社がタイアップしたさまざまなスポーツインフルエンサーに統一性を持たせています。
今回Oakley社がタイアップした中でフォロワー数が最大のメガインフルエンサーが最も多くのいいねやコメントを受け取ったのに対し、フォロワーが最も少ないナノインフルエンサーが最も高いエンゲージメント率を達成しました。
このように、メガインフルエンサーからミッドティアインフルエンサー、マイクロからナノインフルエンサーまで様々なフォロワー数を持つインフルエンサーとタイアップすることで、Oakley社は多様なエンゲージメントレベルを獲得するだけでなく、さまざまなオーディエンスにリーチすることに成功しています。
参考:https://mediakix.com/blog/oakley-influencer-marketing-case-study-instagram/ https://ranking.influencer.world/en/account/oakley