出版業界のインフルエンサーマーケティング事例3選

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インフルエンサーマーケティングはデジタルマーケティングのなかでも主要な位置を占めつつある戦略です。多様なブランドがインフルエンサーの発掘とインフルエンサーマーケティング手法の習得に躍起になっていますが、雑誌出版業界も例外ではありません。ただ、雑誌出版業界の場合は自社が取り扱う新聞、雑誌といった媒体の広告塔の役割のほか、スポンサーとなるブランドをも代表することがインフルエンサーに求められます。このため、他業種のインフルエンサーマーケティングとはいくらか異なるアプローチが必要となります。

ニューヨークに本社を置き世界展開を続ける雑誌出版社「New York Times社」や、VOGUEやGQといったファッション誌を筆頭に多国籍雑誌出版をおこなう「Conde Nast社」、世界初の週刊ニュース雑誌として登場し、ヨーロッパやアジアなど各地域版も発行する「TIME社」といった大手雑誌出版社も、ブランドをさらに盛り上げるためインフルエンサーマーケティングに乗り出しており、インフルエンサーマーケティング企業に協力を依頼しています。

高い費用対効果が期待できるインフルエンサーマーケティングという戦略は、もはやマーケティングのメインストリームとなってきています。今回は、大手出版社によるインフルエンサーマーケティングの事例を3つ紹介します。

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目次

  1. TIMEのインフルエンサーマーケティング
  2. GQのインフルエンサーマーケティング
  3. New York Timesなどによるインフルエンサーマーケティング
  4. まとめ
  5. TIMEのインフルエンサーマーケティング事例

    「TIME」は1923年3月3日の発刊当初から、その時々の話題の人物を表紙に乗せることでも知られている雑誌です。初号を飾ったのは46年間勤めた米下院議員のジョセフ・ガーニー・キャノンさんでした。それ以降大きな功績を残した政治家や科学者、アーティストのほか、問題の渦中にある政治家、論客が選ばれ賛否両極から話題をさらい続けています。

    インフルエンサーマーケティングが発達する以前から芸能人以外にも「時の人」を巧みに用いていたTIME社は、インフルエンサーマーケティング手法のさきがけと言えます。インフルエンサーは雑誌出版社の看板となると同時に、広告主でもあります。そのため出版業界とインフルエンサーは独特な関係を築いてきました。TIME社はオフラインからオンラインに移った後も、自らのブランドと広告主にふさわしい人物をより慎重に選び、インフルエンサーとの良好な信頼関係の構築に取り組んでいます。

    雑誌の紙面には広告がつきものであり、その広告料で出版業界は出版費用の一部を賄っています。TIME社はインフルエンサーマーケティングを通して、雑誌のスポンサーとなる他ブランドに新たな価値をもたらすことを意識したキャンペーンを成功させてきました。こうしたキャンペーンの中でインフルエンサーは、マーケティングチームの主要メンバーとして迎えられることになります。しかしインフルエンサーがスポンサーとなるブランドにもたらす付加価値を軽視し、ブランドが体現するイメージを単なる添え物としか考えていない場合は、効果が得られないという傾向にあります。

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    Three years ago, Colson Whitehead published a book, The Underground Railroad, that shot him to literary stardom. He became only the second writer of color and sixth writer ever to win both a National Book Award and a Pulitzer Prize for the same novel. The book was also an @oprah’s Book Club selection, sold over a million copies and earned the praise of @barackobama. Where do you go after that? For Whitehead, it’s the era of Jim Crow. His next novel, The Nickel Boys, out July 16, follows two boys struggling through their sentences at an abusive reform school under the specter of segregation in the 1960s. It’s a book that will further cement his place in the pantheon of influential American writers, writes @mitchsjackson. Books about the past have always helped us understand our present; Whitehead’s in particular feel crucial to understanding our current cultural and social climate. In a moment when Senate majority leader Mitch McConnell has made headlines for discrediting the need for slavery reparations and former Vice President and current presidential candidate Joe Biden is under fire for excusing his past work with segregationists, Whitehead’s books are a vital reminder that American racism is far from bygone. Read this week’s full cover story at the link in the bio. Photograph by @waynelawrence for TIME

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    GQのインフルエンサーマーケティング事例

    次に、男性向けハイファッションカルチャー雑誌の「GQ」によるインフルエンサーマーケティング戦略について紹介します。GQは1957年にConde Nast社から初版されて以降、世界19ヶ国で販売されてきました。メンズウェアの着こなしのほか、時計や高級車、ライフスタイルといった話題も扱い、上質な生活を目指す男性からの支持を得ている雑誌です。

    GQを発行しているConde Nast社は雑誌出版業界がインフルエンサーマーケティングで成功した好例となっています。6,500人ものインフルエンサーデータベースを持つ同社は徹底したインフルエンサーマーケティングキャンペーンを行うと同時に、タイアップしたインフルエンサーを通してブランド認知度を高め、市場調査を行ってきました。

    なかでもGQストーリーというインフルエンサーマーケティングキャンペーンが突出して良い事例となっています。3章だてのシリーズ動画のなかで、様々なインフルエンサーたちの「ストーリー」を紹介する構成となっている動画です。Instagramに4万人以上のフォロワーを持つファッションデザイナー、アンヘル・ラモスさんの例を見てみましょう。

    Rémy Martin社がスポンサーとなったGQストーリーの例
    スタイリッシュなソファーに心地よさそうに腰掛け、自らのファッションブランドが世に出るまでに至ったストーリーを語るアンヘル・ラモスさんの前には、テーブルに乗ったRémy Martin社のコニャック瓶が何気なく置かれています。当然、このコンテンツのスポンサーはRémy Martin社ですが、こうした手法がスポンサーブランドにとって有利なのは、けたたましく商品やブランド名を宣伝することなしに「思い通りのイメージを持つインフルエンサーを通してオーディエンスにブランドをアピールできる」からです。

    Rémy Martin社のマーケティング副部長は「こうしたインフルエンサーマーケティングキャンペーンの最も重要なポイントは、ブランドと重なるイメージを持った人物を探し出すことだ」、と言います。常にブランド自らが自社の宣伝を行うことが効果的だとは限らず、時には消費者が親しみを覚え、自身と重ね合わせることができるような第三者を通した方が効果が得られることがあります。そのイメージはマーケティング戦略を通したつくりものではなく、本物であるからこそ支持を獲得できるのです。また、Rémy Martin社のマーケティング副部長は「友人の家に遊びに行くような感覚で弊社が提供するライフスタイルに馴染んでくれれば嬉しい」と語っています。

    このイメージ戦略こそが、信ぴょう性と親しみに基づいたインフルエンサーマーケティングの目指すポイントです。マーケティングチームによる人工的なブランドイメージではなく、そのイメージを体現するリアルな存在こそ、訴求力のあるインフルエンサーキャンペーンに必要になります。今回のGQストーリーキャンペーンではGQ誌自体のイメージはもちろん、スポンサーであるRémy Martin社のイメージもアンヘル・ラモスさんというインフルエンサーに適していたため、コンテンツは素晴らしい効果を獲得しました。

     



    New York Timesなどによるインフルエンサーマーケティング事例

    米国で多数の雑誌出版社がインフルエンサーマーケティングに乗り出す背景には、ソーシャルメディアの発達とSNSを利用するミレニアル世代を取り込めるというポイントに需要があります。こうした状況のもと、ブログやYouTube、Instagram、Pinterestなどさまざまなソーシャルチャンネルを活用しながら、各雑誌出版社はスポンサーブランドとソーシャルメディアのスターであるインフルエンサーをつなげてきました。

    New York Times社は2016年3月、ソーシャルマーケティング企業の「Hello Society」にブランドの認知度を上げるコンテンツの作成を依頼し、インフルエンサーマーケティングで大きな成功を収めています。また、ファッションやエンターテイメント、ニュースなど幅広い分野を扱う「女性による、女性のための」がキャッチフレーズのBustle誌もスポンサーブランドのためにインフルエンサーマーケティングを取り入れ始めました。

    TIMEもYoutubeのファッションインフルエンサーネットワークの「StyleHaul」と提携を始め、多様なソーシャルネットワークの中から選りすぐったインフルエンサーをスポンサーに提案しています。ハーパースバザーやコスモポリタン、25(ヴァンサンカン)といった雑誌を手がけるHearst社も、華々しい自社の雑誌を一層盛り上げるため2015年12月からファッションインフルエンサーとタイアップして、デジタルビデオサービスの「Reelio」と共にコンテンツを作成するようになりました。

    インフルエンサーマーケティングを活用することでブランドは従来の「しつこい」宣伝に代わり、より自然で親しみある手法によって認知度を上げ、イメージアップをはかることできます。また、これまでは広告を載せた出版物の読者層にしかブランドはリーチできませんでしたが、インフルエンサーの幅広いソーシャルネットワークを通じてより広いオーディエンスにリーチ出来るようになりました。また、雑誌出版社も自社を新たなチャンネル上でアピールし、ソーシャルスターであるインフルエンサーとの関係を深めることで利益を上げられる仕組みになっています。

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    まとめ

    今回は、大手雑誌出版社によるインフルエンサーマーケティング事例について紹介しました。雑誌出版社、スポンサー企業、インフルエンサーという独自の関係性があるからこそ、それぞれにふさわしいゴールへの選択肢は豊富に存在します。

    インフルエンサーの選定にあたり、広告主のブランドイメージと近似する人物ばかりを起用したインフルエンサーマーケティングキャンペーンを展開する雑誌出版社は数多くあります。ブランドイメージと近いインフルエンサーだけを選ぶとブランドイメージを構築することはできますが、インフルエンサー自身に興味のあるインフルエンサーのフォロワー層へのみの訴求になり、より幅広いリーチは期待できません。

    またインフルエンサーマーケティングの難しさとして、
    ・効果測定の曖昧さ
    ・インフルエンサーにブランド目標を理解してもらいながらのコンテンツ作成
    ・インフルエンサーとの信頼関係の構築
    などが挙げられるため、予想外の難題に気をもむブランドも多くなっています。

    インフルエンサーマーケティングを成功するには、インフルエンサーを通して雑誌出版社やスポンサーブランドはどれだけ新たな付加価値を創造できるか、またどれだけ新しいオーディエンスを取り込むことができるかが重要なポイントです。

    出版業界だけでなく他業種のキャンペーンでも共通する点ですが、インフルエンサーマーケティングにおいて、インフルエンサーを単なるブランドコンテンツの拡散ツールとして考えるのではなく、各インフルエンサーのキャラクターやそれぞれのライフイベントに注目して、オーディエンスの信頼と親近感を獲得することが不可欠になります。

    おすすめ記事:インフルエンサーマーケティングの失敗事例3選【前編】 – 失敗を防ぐにはどうしたらいいのか?

    参考:http://digiday.com/publishers/like-just-another-add-agency-view-publishers-influencer-networks/
    https://digiday.com/media/conde-nasts-gq-ups-influencer-marketing-game/ 

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