米国のファッションインフルエンサーが動かす金額と有用性 後編

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これまでのようなTVタレントやモデルとは違い、ルックスとファッションセンスにとどまらず、ビジネスの才覚と話題作りにも長けたファッションインスタグラマーたちは、インフルエンサーとして「インフルエンサーマーケティング」という新しいビジネスモデルを展開しています。

新たなソーシャルマーケティング手法として今や多くのブランドが実施しているインフルエンサーマーケティングの注目も高まるなか、そのニーズに応えるべくインフルエンサーマーケティングの専門企業も多数設立され、業界は盛り上がりを見せ続けています。

今回は「米国のファッションインフルエンサーが動かす金額と有用性 前編」に引き続き、ファッションインフルエンサーマーケティングキャンペーンの具体的な事例と共にインフルエンサーマーケティング企業の活用法について説明します。

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目次

  1. インフルエンサーの報酬は金銭だけではない?
  2. インフルエンサーマーケティング企業がブロガーとブランド両者にもたらす利点
  3. ビジネス感覚に長けたファッショニスタの参入で混乱するファッション業界
  4. インフルエンサーマーケティングはインフルエンサーとブランドの出会いから始まる
  5. まとめ
  6. インフルエンサーの報酬は金銭だけではない?

    インスタグラムに45万人以上のフォロワーを持つヘイディ・ナツァラディンさんは年収40万ドルの投資家を2009年に辞めていますが、それと引き換えに現在のライフスタイルを手に入れました。数多くの一流ファッションブランドとコラボレーションを行うナツァラディンさんは、「各インフルエンサーマーケティングキャンペーンに対する報酬の平均は3千ドルですが、時には非常に高額になることもあります。」と話しています。

    キャンペーンは、シンプルなブログ投稿からソーシャル上の各チャンネルを通じた発信、またイベントでの露出など多岐に渡りますが、ナツァラディンさんへの報酬は必ずしも金銭で支払われるわけではありません。最近とある有名ファッションレーベルが彼女をミラノへ招待しましたが、その際、飛行機での席はファーストクラス、現地ではレーベルのトップスタイリストとともにショッピングで服を選び、デザイナーズブランドの衣類でいっぱいになったスーツケースをひいて帰路についたと言います。

    この待遇に、ナツァラディンさんはミラノでの旅がいかに充実していたかを伝える熱意あるブログ記事を投稿し、インスタグラムでも数回に渡って旅行の様子をアップしました。

    ナツァラディンさんにインフルエンサーマーケティングオファーを申し込むのはファッションブランドだけではありません。ロサンゼルス国際空港もターミナルのアップグレードに伴うプロモーションで彼女とタイアップし、ラグジュアリーなラウンジやカフェなどに関する記事をブログやインスタグラムで投稿してもらっています。

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    ナツァラディンさんのような有名インフルエンサーは、報酬こそ高額ですが、
    ・インフルエンサーもスタッフに人件費を払わなくてはならない
    ・報酬のすべてがそのままインフルエンサーの利益になるわけではない
    ・一枚の投稿画像に一日、二日といった時間を費やしている
    といった点も忘れてはいけません。

    インフルエンサーマーケティング企業がブロガーとブランド両者にもたらす利点

    ビッグネームのインフルエンサーであればあるほどスタッフを抱えているのは当然のことですが、インフルエンサーはインフルエンサーマーケティングの専門企業といったエージェントを介してブランドとのビジネスを行っている場合が多いです。

    ナツァラディンさんは、「駆け出しのブロガーたちは、もし今どうしても必要でなくてもなるべく早めにエージェントと契約した方がいいでしょう。」と勧めています。「ブランドにとっても、間に入って金銭の話をするエージェントがいた方がやりやすいからです。また、ブランドは自分たちが起用しようとするインフルエンサーについてよく調べており、あれこれ要求も多いので交渉役がいた方がインフルエンサー本人にとっても便利です。」

    これ以外にも、ソーシャルに不慣れなブランドにとって、インフルエンサーの真価を見極めるのは難しいものです。オンラインで目にする情報の信憑性を確かめるためにも、ソーシャルメディアマーケティングに精通したインフルエンサーマーケティング企業は大きな手助けとなります。

    「お金でフォロワー数を増やし、水増しした数字を記載しているゴーストフォロワーを抱えるアカウントは人々が思う以上に多いですよ。」と語るのは、ブランドのインフルエンサーマーケティングキャンペーンをサポートするPR会社「Brandsway Creative」のCEOであるケリー・ブレイディさんです。「例えば5万のフォロワーがいて実際に商品の取引を生み出しているアカウントがある一方で、フォロワーは百万人いるのになんの活動もしていないアカウントも存在します。」

    インフルエンサーだと認識されている人々の中にはゴーストフォロワーを持っているユーザーである場合も多く、インフルエンサー選定の際に気を付けたい部分ですが、インフルエンサーマーケティング企業ならこういったフォロワー詐欺を見抜くことにも精通しているため、早い段階で協力を要請することはインフルエンサーマーケティングキャンペーン成功に繋がります。

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    インフルエンサーマーケティング詐欺を防ぐ方法

    ビジネス感覚に長けたファッショニスタの参入で混乱するファッション業界

    ファッションインフルエンサーの影響力に期待し、SNSを活用してインフルエンサーマーケティングの幅を広げようと画策するなかで、
    ・インフルエンサーとの関係性
    ・不確定要素の強いソーシャルユーザーの行動
    ・新しいインフルエンサーマーケティングの手法
    上記を前に戸惑うブランドも少なくありません。

    インターネット上で売り出し中のコスメブランド「Winky Lux」の共同出資者、ナタリー・マッキーさんもソーシャルメディアが発達する以前のような広告手法を続けていくことに疑問を持ち、ビューティ・スターを起用したインフルエンサーマーケティングキャンペーンの効果に期待する一人です。

    マッキーさんは、「インフルエンサーマーケティングが隆盛する今の状況は、カリフォルニアにゴールドラッシュが押し寄せた時代に例えることができます。どこを掘るのが当たりかわからないギャンブルのようだからです。ただ、現代ではツルハシとショベルといった道具はiPhoneやインスタグラムなどのツールへと変化しています。」と語りました。

    「ブランドはインフルエンサーに接触するとき、直接連絡することもあればエージェントにメールすることもありますが、なかには一度もブランドとビジネスを行ったことがないような、中身のないインフルエンサーマーケティングエージェンシーも存在するため注意が必要です。こうしたことが、いま一体誰とビジネスを行えば良いのか混乱を起こしているのです。」ともマッキーさんは説明してくれました。

    5千ドルから10万ドルまで、様々な額の報酬を「Winky Lux」に要求してきたインフルエンサーも存在したようです。事業のスタートアップとして誰にマーケティング予算をかけるか、マッキーさんは投資に値するインフルエンサーを見極めるため頭を悩ませてきました。

    ソーシャルメディアを利用して多様なアカウントがインフルエンサーマーケティングに参戦する混乱状況を受けて、米国連邦取引委員会は商品の宣伝と捉えられるインスタグラム記事ついて、報酬が発生しているかどうかを明記する法律を作っています。

    インフルエンサーマーケティングはインフルエンサーとブランドの出会いから始まる

    ソーシャルメディアの発達と加速度的に変化するオンラインコミュティの分布を前に、ブランドがインフルエンサーマーケティングに乗り出そうとしつつも戸惑う一方で、インフルエンサーもタイアップ相手としてふさわしいブランドを探し求めています。

    ブランドはインフルエンサーのブログ記事やインスタグラム投稿を通じてオーディエンスにリーチすることによって認知度を上げ、商品購入に結びつけることができるわけですが、ブランドが発信したい自社イメージとインフルエンサーを取り巻くコミュニティのジャンルが異なっていれば、双方にとってメリットを生み出せないキャンペーンになってしまいます。

    例えばオートクチュールのハイブランドがファストファッションを求める若者や、ストリートカルチャーを愛するミレニアル世代にリーチしたとしても、ほとんど利益に結びつくことはありません。

    こうしたマッチングの失敗はソーシャルを介した「口コミマーケティング」の信憑性を揺るがし、インフルエンサーとブランド両者にとって信頼を失う危機となります。またオーディエンスは、報酬目当てにどんな商品の広告塔にもなるファッションアカウントや、ソーシャル上での認知度をお金で買えると思っているブランドに対して驚くほど敏感であり、「オーディエンスからの失望」はフォロワー数の減少として如実に表れます。

    こうした間違ったタイアップを回避するためにも、インフルエンサーマーケティング専門企業を活用することはブランドのインフルエンサーマーケティングキャンペーンの展開を有利にしてくれます。

    まとめ

    今回は、インフルエンサーマーケティングの報酬に関する事例とインフルエンサーマーケティング専門企業の有用性について紹介しました。

    現代ではインスタグラムアカウントやブログを作成するインターネット環境があれば、自分の能力を最大限に活かして世に出ることができます。インフルエンサーとしてユーザーたちに認められれば、ハリウッドに集まる従来のセレブと同じように人々からの羨望と大金を手に入れられる世界になりました。

    ハッシュタグとともに世界中に発信されるファッションインフルエンサーたちのビジネスの勢いは衰える様子がありません。インフルエンサーたちとどう付き合っていくかによって、ブランドの未来は大きく変わります。

    独学のメソッドによって実行してきたが芳しい成果が得られなかったマーケティング担当者や、今後インフルエンサーマーケティングの活用を考えるブランドは、今回紹介したことを心に留めながらインフルエンサーマーケティングにかけるコストとROIのバランスを考えることが重要です。

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    参考:http://www.marieclaire.com/fashion/news/a22091/business-of-style-stars/
    https://theambitionista.com/a-rendezvous-at-the-new-lax/

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