Sentiment Analysis(センチメント分析)とは?【前編】

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オンラインマーケティングにおいて、「Sentiment Analysis(センチメント分析)」という考え方が広がっています。Sentiment は日本語で「感情」を意味し、Sentiment Analysis は Emotion Analysis(エモーション分析)とも呼ばれます。センチメント分析は、インフルエンサーマーケティングにおいても重要な役割を果たしています。

インフルエンサーマーケティングの効果を測る一般的な方法は、「いいね!」の数、リーチ数、コメント数などのエンゲージメント率です。フォロワーのアクションを数値として見ることによって、コンテンツへの反響を知ることができます。

ただし、数値だけでは分からないこともあります。センチメント分析を利用することによって、インフルエンサーマーケティングの効果をより深堀することが可能になるのです。

今回は、センチメント分析の定義と、インフルエンサーマーケティングにおいてセンチメント分析が重要視されている理由、そして、ソーシャルメディアにおけるセンチメント分析について、前編と後編に分けて説明します。

おすすめ記事:Sentiment Analysis(センチメント分析)とは?【後編】

目次

    前編

  1. センチメント分析とは?
  2. センチメント分析とインフルエンサーマーケティング
  3. センチメント分析がインフルエンサーマーケティングで重要視される理由
  4. まとめ
  5. 後編

  6. ソーシャルメディアとセンチメント分析
  7. ソーシャルメディアでセンチメント分析を活用する方法
  8. 消費者の感情をベースにした3つのマーケティングコンセプト
  9. まとめ



  10. センチメント分析とは?

    センチメント分析とは、文字通り消費者の「センチメント = 感情」を分析することを意味します。ウェブ上に投稿されたコメントなどを分析することによって、消費者が持っている感情がネガティブなのかポジティブなのか、また、どの程度の強さなのかを知ることができます。

    ソーシャルリスニング、ソーシャルモニタリング、画像分析、カスタマージャーニー分析などの様々な分析の正確性や有用性を確認するために、センチメント分析は欠かせません。その点から見ると、センチメント分析は他の分析手法と切り離されたものではなく、他の分析手法の効果を上げるための「ツール」と言えます。

    例えば、グリーティングカードを販売する企業が「greeting cards(グリーティングカード)」というキーワードを基に、ソーシャルメディア上の「いいね!」やコメント、シェア、閲覧数などのアクションを分析したケースを想像してみましょう。

    グリーティングカードはクリスマスや母の日などのイベントの前に需要が高くなるので、一年間の中で特定の時期に集中してコメントや閲覧数などが増えることは想像の範疇です。果たして、それらの数字は何を意味するのでしょうか。

    分析によって得られた数字から、「嫌い!」のアクションよりも「いいね!」のアクション数が多い、特定のコンテンツにあまりコメントが集まっていない、などという情報は手に入りますが、その裏に隠されたオーディエンスの感情までは知ることができません。

    一方、センチメント分析では、オーディエンスのコメントを分析してキーワードとして抽出することによって、オーディエンスがグリーティングカードのどのような項目に関心を持っているのかが分かります。

    例えば、「アーティスティック」「ギフトのアイデア」「特注」「限定」などのキーワードからは、消費者がグリーティングカードについて知りたい項目が分かります。また、「低品質」「高すぎる」「カードが透明なビニールのケースに入っていない」などのキーワードからは、グリーティングカードに対する消費者のネガティブな感情が分かります。

    企業にとって、自社のマーケティング戦略が正しい方向に向かっているのかどうかを知ることは非常に大切です。センチメント分析を数値の分析と組み合わせることによって、「オーディエンスの声」という資源を最大限に活かし、マーケティング戦略に反映することが可能になります。

    従来、企業は新しい商品やサービスを開発する際に、消費者の声を聞くためにアンケートやフォーカスグループインタビュー(ユーザーを招いた座談会)などを実施していました。ところが、アンケートやフォーカスグループインタビューで集まった消費者の声は、質問の内容やインタビューの環境に左右されることがあるため、実際に商品やサービスが市場に出回った時の消費者の声とは異なる可能性があるのです。

    一方、ネット上の消費者の声は彼らのリアルな感情です。センチメント分析は、ソーシャルメディアのマーケティング戦略を考える上で欠かせないものと言えるでしょう。



    センチメント分析とインフルエンサーマーケティング

    マーケティングの専門家によって、特定のマーケティング手法と人々の感情の間に強い結びつきがあることがすでに証明されています。消費者を魅了する最も有効な方法は、彼らの感情に訴えかけることです。企業と消費者の感情の結びつきを構築することがマーケティングそのものと言えるでしょう。そして、インフルエンサーと彼らのフォロワーもまた、感情で結びついています。

    センチメント分析は、企業が実施するキャンペーンの有用性を測定するのに効果的です。腕の立つマーケターは、消費者と感情の結びつきを構築するために、「いつ」「どのような消費者に」「どのような感情を持ってもらう」のが正解なのかということを常に考えています。このような考え方をベースにすることによって効果的なキャンペーンが実施できるのです。

    これは、インフルエンサーが行うコンテンツマーケティングにも当てはまります。インフルエンサーマーケティングは、企業の商品やサービスを紹介するためにピッタリのインフルエンサーを探し出し、インフルエンサーのフォロワーにリーチする手法です。「インフルエンサーマーケティング」というコンセプト自体が人々の感情に訴えかけるもので、インフルエンサーとフォロワーの人間関係、つまり、感情の結びつきのパワーを活用したマーケティングです。

    インフルエンサーが制作したコンテンツを通じて消費者の感情に訴えかけた結果、彼らがどのような反応を示したかを知ることによって、コンテンツの改善や次回のキャンペーン戦略構築に役立てることができます。



    センチメント分析がインフルエンサーマーケティングで重要視される理由

    インフルエンサーマーケティングにおけるセンチメント分析の重要性が分かる良い例があります。

    2017年に、ペプシコーラはアメリカのファッションモデル、女優である Kendall Jenner さんとタイアップしてキャンペーンを実施しました。キャンペーンのコンテンツには黒人差別とも取れる内容が含まれており、「無神経」「ばかげている」などと世界中から非難され、炎上する結果となりました。

    オーディエンスの反応を示す「アクション数」だけを見れば、そのキャンペーンは大成功と言えます。重要なのはアクションの「数」ではなく、「質」です。センチメント分析を実施することによって、キャンペーンの結果を消費者の反応の質という観点から正確に把握することができます。

    インフルエンサーが商品を手に持った写真をコンテンツとして投稿すると、フォロワーがそれを見る機会が生まれます。コンテンツを見たフォロワーからは、「いいね!」やコメントが寄せられます。コメントの内容を分析すると、それがネガティブな反応なのかポジティブな反応なのかが分かります。

    また、フォロワーのコメントは商品に向けられたものとは限りません。「写真が暗い」「背景が地味」などというコメントは、明らかに商品ではなくコンテンツについての意見です。商品と関係がないコメントをしているフォロワーが商品に対して持っている感情は、「良い悪いのどちらでもない」と考えられます。そして、商品に対する反応が多いコンテンツは商品を目立たせることに成功していると言えます。

    このように、センチメント分析を活用することによって、数字だけでは分からない消費者のリアルな反応を細かく知ることができるのです。



    まとめ

    今回は、インフルエンサーマーケティングにおいてセンチメント分析が重要視される理由について説明しました。

    オーディエンスの感情に訴えかけて商品やサービスをプロモーションするインフルエンサーマーケティングにおいて、センチメント分析はオーディエンスの内面をより深く知ることができる大切なツールです。

    キャンペーン毎にセンチメント分析を実施することによって、マーケティング戦略をその都度正しく方向修正できることも企業にとって大きなメリットと言えます。

    後編では、消費者の声が集まるソーシャルメディアにおいてセンチメント分析がどのように活用されているのかを説明します。

    おすすめ記事:Sentiment Analysis(センチメント分析)とは?【後編】


    参考:https://sociallypowerful.com/influencer-marketing-blog/sentiment-analysis-and-influencer-marketing

    https://pmyb.co.uk/emotion-analysis-influencer-marketing/

    https://www.netbase.com/blog/what-is-social-sentiment-analysis/

    https://www.telegraph.co.uk/women/life/pepsi-ad-everything-wrong-kendall-jenner-video/

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