2016年、世界的な経済誌出版社のForbes社は「アメリカ国民の中でスポーツやフィジカルトレーニングが増加している」というレポートを出しました。特に、世界で最も健康的な世代であるミレニアル世代の間で同様の傾向が見られるようです。より多くの人々が健康的なライフスタイルに重点を置いており、健康的な生活を送ることがブームになっています。そして当然のことながら、スポーツとフィジカルトレーニングが健康的な生活を送るのに大きな役割を果たしています。
多くのスポーツブランドはこの健康ブームを利用し、自社製品の多様性を高めることで利益をあげてきました。スポーツ産業の成長が続く中、購買における意思決定の背後にある要因と、スポーツブランドがインフルエンサーマーケティングを活用して売上を押し上げる方法は検討され続けています。
今回は、なぜスポーツ産業でインフルエンサーマーケティングが効果的なのか、またこの業界でのインフルエンサーマーケティングに適したインフルエンサーはどんな人物なのかを例と共に紹介します。
目次
スポーツ産業の目覚ましい成長
スポーツ産業は成長し、多様化する市場です。最近スポーツをする人が増えている理由は、おそらくここ数年スポーツ業界で、多くの新たなイノベーションが見られたからでしょう。新しい技術を取り入れつつより手頃な価格になったスポーツグッズによって、より多くの人々がスポーツに関心を持ち、それに合わせてスポーツグッズを購入するようになりました。プロのレベルでは、技術革新はスポーツイベントをより魅力的なものにし、没頭する視聴者層を増やすことができました。
世界のスポーツ市場は現在4,500億ユーロ以上の価値があり、年平均4%の成長率を示していて、経済全体から見ても高い水準にあります。
スポーツ市場は成長するにつれて、進化も遂げています。今やこの市場は、いくつにも枝分かれしたサブセクションで構成されています。例えば、多くのスポーツブランドはファッション、美容、食べ物を自社製品に取り入れ、スポーツアイテムに集中するだけでなく、健康的なライフスタイル全体を促進することに焦点を当てています。
したがってスポーツブランドは、スポーツ以外の衣服からスポーティなメイク、香水に至るまで幅広く扱い、ブランドアイデンティティに健康的なライフスタイルのあらゆる側面を取り入れることで、消費者にアピールしています。アメリカの金融機関グループ「Morgan Stanley」によると、スポーツ産業の売上高は2016年に870億ユーロに達し、過去6年間で40%増でした。
おすすめ記事:eスポーツインフルエンサーマーケティングにおける注意点【前編】
影響力と願いの力
スポーツ業界のような急成長市場では、ブランドは競合他社と差別化するために努力する必要があります。これを行う最も効果的な方法は、堅牢なソーシャルメディア戦略を開発することです。ブログやSNSを利用することで、ブランドのウェブ上での可視性が高まり、より広い範囲の消費者を呼び込み、最終的に売上を押し上げることができます。
「アイデンティティ」と「コミュニティ感覚」は、スポーツ業界にとって常に重要な側面です。個人がサポートするチームとプレイするスポーツは、その人のアイデンティティの一部です。今日このアイデンティティを利用するアイデアは、ブランドにますます影響を与えています。このコンセプトが購買における意思決定に影響を及ぼすため、インフルエンサーマーケティングは消費者の生活習慣に浸透する魅力的な方法です。
スポーツの世界では、願いとインスピレーションが強力なモチベーションになります。その証拠に、Instagramの#fitspoでタグ付けされた写真は5900万枚以上にも上ります。理想のライフスタイルを具現化したインフルエンサーの声によって、ブランドは消費者とより深く共鳴するでしょう。そして、インフルエンサーとオーディエンスのより深いつながりは、強固な顧客獲得に直結します。
インフルエンサーマーケティングは、ブランドに目を向けておくための完璧な戦略です。インフルエンサーたちは、「自分のコンテンツを信頼する誠実なファン」をすでに持っています。さらに、スポーツ産業であればヨガインストラクターやボディービルダーなどといった適切なインフルエンサーを選択することで、ターゲット市場を正確に特定できます。この方法は汎用広告よりもはるかに効率的です。
おすすめ記事:インフルエンサーマーケティング4つの成功事例 -健康食品-
スポーツ産業のインフルエンサーはどんな人?
消費者は正確な情報源からのコンテンツを求めています。時にその情報源はアスリートで、アスリートインフルエンサーは「fitfluencer」と呼ばることがあります。彼らは健康的なライフスタイルを中心にコミュニティを構築しているソーシャルメディアのスターです。多くの場合、人々は他の情報源よりもインフルエンサーからの情報やおすすめを信頼するため、有名人よりも多くエンゲージメントする可能性を持っています。
例えば、Instagram fitfluencerの一人にEmily Skyeさんがいます。彼女はパーソナルトレーナーとして、ワークアウトや食事プランなど健康的なライフスタイルについてブログやInstagram、YouTubeに投稿しました。彼女には現在240万人のInstagramフォロワーが存在していて、フォロワーたちが投稿のエンゲージメント率を上げています。
多くのスポーツブランドはEmily Skyeさんのようなインフルエンサーとコラボレーションしたり、コミュニケーションキャンペーンを開始しています。これらのfitfluencerたちは幅広い人口層でブランドの認知度を高めることができるため、スポーツブランドの不可欠なパートナーになっています。
Emilyの最近のパートナーシップには、美容関連会社のJames Cosmetics社、食品飲料会社のLucozade社、スポーツウェア会社のReebok社などがあり、これらのすべてがスポーツに関係を持った企業です。
他のInstagram fitfluencersには、
・Jen Selterさん(1130万フォロワー)
・Kayla Itsinesさん(690万フォロワー)
・Joe Wicksさん(180万フォロワー)
が含まれ、ネイティブ広告キャンペーンでブランドとのコラボレーションキャンペーンに成功しました。
おすすめ記事:大手5ブランドの成功事例から学ぶスポーツインフルエンサーの見つけ方
まとめ
今回はインフルエンサーとスポーツブランドの関係性について説明しました。インフルエンサー主導のネイティブ広告を使用したスポーツ業界でのインフルエンサーマーケティングキャンペーンの主な目的は3つあります。
1.ウェブトラフィックとブランドの潜在的なリードを生成すること
2.コンバージョンを増加させること
3.ブランドの評判を高めること
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーのライフスタイルを見せることで、スポーツブランドが以前はアクセスできなかった新しい顧客にリーチすることを可能にしています。例えば新しいスポーツを取り入れるようと考えている人や、初めてスポーツにチャレンジしようと考えている顧客などにも、インフルエンサーならアピールが可能です。また、スポーツブランドは比較的低コストな上に短期間で信頼性を得ることができます。
インフルエンサーがスポーツ業界の広告キャンペーンの範囲を広げていることは明らかです。インフルエンサーマーケティングは、効果的なマーケティング手法であり結果を迅速に得ることができるため、多くのマーケターはこの先も人気が増していくと推測しています。
参考:https://upfluence.com/influencer-marketing/influencer-marketing-sports-industry