トラブルを回避しインフルエンサーと良い関係を築く「4つのヒント」

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ブランドが消費者の動向を探ろうとするとき、インフルエンサーマーケティングの活用が効果的であることがわかってきた。いまやブログやSNS、Youtubeといったインフルエンサーが提供するコンテンツを観察し、彼らを取り巻くweb上のネットワークと接触することで、ブランドは以前では不可能だった方法でソーシャルにおける影響力を得られるようになっている。

しかしこれは逆に言えば、ユーザーたちもブランドのソーシャル上での振る舞いを観察し、信頼できるかどうかを見定めているということだ。インフルエンサーネットワークとブランドはどのようにトラブルのない建設的な関係性を築いていけるのだろうか。

インフルエンサーネットワークとブランド

多くの有識者が指摘しているように、インフルエンサーおよび彼らのソーシャル上でのネットワークと信頼関係を作り上げることがインフルエンサーマーケティングの要となる。これがブランドが良い印象を広めていくための鍵であり、購買の決め手となるからだ。

インフルエンサーのネットワークとは、具体的にはそのフォロワーや同じ分野に関心を持ち同程度の影響力を持つインフルエンサー、またインフルエンサー自身が影響を受けているソーシャルユーザーなどだ。インフルエンサーマーケティングが隆盛し参戦するブランドやユーザー、ステイクホルダーが増加する一途のなか、ソーシャル上でブランドはどう振る舞えばいいのか、また誰とどういった関係性を築き、トラブルなく進められるのかといった課題は複雑化する一方である。

インフルエンサーマーケティングは一度の短期キャンペーンの成果に期待するものではなく、長期的な信頼関係を見越して取り組むのが望ましいとされる。しかし同時に、特定のインフルエンサーとタイアップしたとしても、様々な要因から必ずしも次回につなげられるわけではないのも事実だ。こうした条件の下では、ブランドは幅広いインフルエンサーネットワークにおいて適切に振るまうことで有利なポジションを取り続けることができる。今回は効果的な4つのヒントを紹介する。

目次

  1. インフルエンサーのアイデンティティに理解を示す
  2. サプライズで差をつける
  3. 全タッチポイントに対応する姿勢を見せる
  4. 感謝を個人の言葉で伝える
  5. 人間性を重視したキャンペーンの意味

  6. 1.インフルエンサーのアイデンティティに理解を示す

    多くのインフルエンサーマーケティング事業者が指摘するのは、インフルエンサーマーケティングはインフルエンサーを中心に考えなければならない、ということだ。例えばホームリノベーションを扱うブランドが食料品に特化したインフルエンサーにキャンペーンを持ちかけ、屋根の張りかえといった魅力的なサービスを提示したとしたらどうなるだろう。インフルエンサーが受け入れたとしてもキャンペーは振るわず、フォロワーはインフルエンサーにもブランドにも懐疑的になる。

    インフルエンサーマーケティングでは、対象となるインフルエンサーの興味関心を理解し、その姿を応援することが成功につながる。インフルエンサーのバックグラウンドや現在、求めているものをリサーチし、またその将来に貢献できるような条件を提供しなければならない。そうでなければ、報酬やノベルティまたは体験型サービスなど、どんな素晴らしいインセンティブも意味をなさないどころかトラブルにつながってしまうのだ。

    戦略を作り上げてからオファーするより、まずタイアップしたいインフルエンサーを選定し、そこから各インフルエンサーのコンテンツに合わせたキャンペーンを協働して作っていくほうが、自然な流れを生みだせる。

    2.サプライズで差をつける

    米国でブランド向け消費者動向調査を行ってきたジェシカ・エドモンソン氏は、スポーツウェア販売業者のインフルエンサーマーケティングに携わった。ブロガーにブランドの商品を身につけさせ、ワークアウトをする様子をアップしてもらうという内容だ。タイアップする数人の女性ブロガーにキャンペーンで使用するフィットネストラッカー(携帯式健康管理機器)を発送したが、この時、エドモンソン氏は健康食品やスポーツドリンクなど、ちょっとしたオマケをつけた。

    思いがけない温かみのあるサプライズに心を動かされたブロガーたちは、予想以上に熱心にキャンペーンに取り組んだという。エドモンソン氏によれば、サプライズは高価なもの、手間のかかったものである必要はない。人間味のあるちょっとした心遣いでインフルエンサーらの特別意識をくすぐることができ、ブランドに貢献する意識を高めるのだという。

    3.全タッチポイントに対応する姿勢を見せる

    キャンペーンを展開していくなかで、マーケターは「直接自分の管理下にないトラブル」についても対応しなければならない局面が出てくる。例えば前述のエドモンソン氏は、かつてインフルエンサーに荷物を送ったところ、商品は無事に送り届けられたものの梱包についてネガティブな感想を受け取ったという。このインフルエンサーは別のなんらかの機会を通じて、使用された梱包材もしくは配送業者に対する好ましくないイメージを得ていたからだ。このためエドモンソン氏は配送業者に問い合わせの連絡を入れることとなった。

    このようにキャンペーンの中では、第三者が提供するサービスを差しはさむことでブランドが直接関与しないタッチポイントも出てくる。例えば米国の小売ブランドがインフルエンサーに自社の商品を発送するときはFedEx、UPS(ユナイテッド・パーセル・サービス:米国の貨物運送会社。国際貨物航空も手がける。)、USPS(アメリカ合衆国郵便公社)といった事業者が用いられるだろう。また、報酬を振り込む際は電子決済事業者が提供するシステムを通すことは現代では当たり前だ。ブランドにとっては責任を負いかねる側面であってもインフルエンサーの目にはそう映らない。

    万が一、利用した外部事業者のサービスに不備やトラブルがあったりインフルエンサーにとって不満となる部分があった場合、それはキャンペーン自体への評価にも結びつく。そしてブランドがトラブルにどう対応したかはインフルエンサーの発言を通してユーザーも常にチェックしているのだ。

    あらゆるタッチポイントにおいて真摯な対応を見せることが、インフルエンサーからの信頼獲得につながると言える。

    4.感謝を個人の言葉で伝える

    一連のキャンペーンが終わったのち、インフルエンサーにソーシャル上と各々のEメールアカウントにむけて感謝の言葉を贈るのは当然だろう。エドモンソン氏は20人のインフルエンサーと数ヶ月間にわたるキャンペーンを終えたのち、これに加えて一人一人に当てた直筆の手紙を郵送したという。定型句のようなメッセージではなく、感謝の気持ちとともに「ぜひ今後もご一緒できる機会があれば嬉しい」と人間らしい文章で綴られた手紙に、インフルエンサーたちは感銘を受けたようだ。

    インフルエンサーはコンテンツの作成と拡散、またフォロワーとのコミニケーションに多くの時間と精神力を費やしている。ブランド側も同様に手間ひまをかけてその労に謝意を示すことで、両者の関係は一層深まるのだ。

    まとめ:人間性を重視したキャンペーンの意味

    インフルエンサーネットワークの中で良好なイメージを広めるため、心のこもったやり取りを行うことの重要性について見てきた。これは、単にフォロワーを抱えた人気者と双方向的なやり取りをすればいい、ということではない。インフルエンサーを通してブランドは購買層となりうるフォロワーや、将来インフルエンサーになるかもしれないソーシャルユーザーとも間接的にコミュニケーションをとり、関係性を築いているのだ。これを通じてブランド側は充実したインフルエンサー候補、ターゲットセグメントのデータベースも得ることができるだろう。



    参考:GroupHigh “Helpful Tips for fostering Better Relationships with your influencer network” http://www.grouphigh.com/blog/4-tips-fostering-better-relationships-network/

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