あなたも騙される?!消費財ブランドによる驚きのインフルエンサーマーケティング活用術

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消費財ブランドによるインフルエンサーマーケティング事例~インスタグラムの有用性~

インスタグラムは、フェイスブックやツイッターに比べ利用者数の増加が激しく、オーディエンスのエンゲージメント率も非常に高いソーシャルメディアプラットフォームです。

現在、インスタグラムには3億人のユーザーが毎日7000万枚以上の写真を投稿しています。米国の企業10万社を対象とした調査によると、インスタグラムユーザーのエンゲージメント数は1ブランドにつき平均190万を記録しました。これは、フェイスブックとツイッターのエンゲージメント率をあわせた倍以上の数字です。また、同じ調査でブランドのインスタグラムアカウントをフォローしている人、一人あたりのエンゲージメント率は、1年間でフェイスブックの58倍、ツイッターの120倍という結果が発表されました。

視覚的効果が活用でき、ユーザーのアカウントの世界観に一貫性があることから、インフルエンサーマーケティングとの相性が抜群なのインスタグラムの魅力です。

トイレタリーブランドの興隆

インフルエンサーマーケティングを利用してブランディングを行う消費財ブランドとしては、ファッション業界、化粧品業界、食品業界が有名です。それに対して洗剤やスキンケア商品、歯磨き粉を含むトイレタリーブランドは、視覚的なインパクトが比較的少ない消費財であるため、インスタグラムを利用したインフルエンサーマーケティング事例は顕著ではありませんでした。

しかし近年、様々な外資系消費財ブランドが、インスタグラムインフルエンサーマーケティングを活用して結果を残しています。

今回はトイレタリー商品を扱う有名消費財ブランドである、Tom’s of Maine社、ユニリーバ、Kiehl’s社が行ったインフルエンサーマーケティング事例を紹介し、比較検討します。

目次

  1. 事例その1 Tom’s of Maine社の歯磨き粉
  2. 事例その2 ユニリーバの新しいヘアケア製品編
  3. 事例その3 ユニリーバの男性用ヘアスタイリング剤編
  4. 事例その4 Kiehl’s社の宇宙型プロモーション?男性用保湿クリーム
  5. まとめ
  6. 事例その1 Tom’s of Maine社の歯磨き粉

    「Tom’s Maine社」は、Colgate-Palmoliveの子会社で自然派消費財を扱う米国のブランドです。

    Tom’s Maine社がインフルエンサーマーケティングに起用したのは、環境に優しい商品を好み、環境保全に関する話題に対してエンゲージメント率の高いフォロワーを多く持つマイクロインフルエンサーでした。Tom’s Maine社のマイクロインフルエンサー起用は、メガインフルエンサーを活用するためにかかる莫大な資金の節約目的に加え、オーディエンスへの影響力が大きいにも関わらず企業の消費財を使用する一般顧客に極めて近しい存在であるというマイクロインフルエンサーの特徴を加味してのことでした。

    このインフルエンサーマーケティングキャンペーンでは、Tom’s of Maine社の商品を使って歯磨きをするインフルエンサー達の自撮り写真や、任意で労働時間の5%を割いて協力してくれたTom’s of Maine社の社員の写真がインスタグラムに投稿されました。

    同社のインフルエンサーマーケティング戦略を担当するBurnsさんは、「きらびやかな広告より、ユーザーによって作られたコンテンツが消費財ブランドの信頼性を向上させる」と話しています。また、インフルエンサーとの長期的な関係性の構築を心がけたことも、インスタグラムにおけるTom’s of Maine社の大幅なコミュニティー拡張に繋がりました。

    Tom’s of Maine社のインフルエンサーマーケティング結果
    Tom’s of Maine社は、2週間で1000人ものフォロワーを新たに獲得しました。これは、インフルエンサーマーケティング開始前の目標の2倍の数字でした。

    インフルエンサーマーケティングから得られたユーザーの消費財に関するフィードバックやレビュー、そしてそのコメントを分析・調査したことによって、ユーザーの趣向を読み取ることが可能です。

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    事例その2 ユニリーバの 新しいヘアケア製品編

    日本でも有名な消費財ブランド「ユニリーバ」のCMOであるKeith Weedさんは、これからのブランディングに重要な要素として、以下の3つを挙げています。
    ・消費者個人にターゲットを絞ってメッセージ伝達を行うこと
    ・インフルエンサーマーケティングを活用すること
    ・インパクトを与えること

    Weedさんは、ソーシャルメディアユーザーは興味のある話題に高いエンゲージメントを示すため、メディアの選定だけでなくコンテンツマーケティングの重要性も訴えています。

    Weedさんの言葉通り、ユニリーバは様々な方法でインフルエンサーマーケティングを効果的に行いました。今回は2つの事例を紹介しましょう。

    1.ヘアケア商品
    まず紹介するのは、ヘアケア商品のインフルエンサーマーケティング事例です。大手消費財ブランドの美容部門の中でも、ソーシャルメディアインフルエンサー達に後ろだてされた他社の高価な商品との競争に直面する中、ユニリーバもEvausという「新しい」ヘアケア商品のプロモーションを開始すべく、美容やファッションを専門とするインフルエンサーとタイアップしました。

    しかしこのEvausという商品の中身は、Sauve(米国で一般的な大手スーパー「Walmart」で販売され、すでに広く認知されているユニリーバのヘアケア製品)と全く同じなのです。

    「Evaus」という商品名も、よくみるとSauveを逆から読んだだけで、価格は品質に比例すると信じて疑わない一部の消費者に疑問を呈するために作られた架空の商品でした。このインフルエンサーマーケティングキャンペーンはタイアップインフルエンサーごと騙して行われた戦略で、インフルエンサーたちは2週間Evanusを使用した後、真実を知らされました。Evausが「新しい商品である」として口々に誉め称えていたインフルエンサーたちは、自らが既存の大衆向けブランド製品を使用していたことに当然、仰天しました。

    ユニリーバは、驚くインフルエンサーの様子を記録したプロモーションビデオを公開するともに、インフルエンサーにインスタグラム上で「#SauveBeliver」や「#sauvepartner」といったハッシュタグを使用したSauveに関する投稿をしてもらいました。

    ユニリーバが公開したキャンペーン動画では、インフルエンサーそれぞれが紹介されると同時に、彼女達のインスタグラムアカウントが公開されていて、インフルエンサーは各自、自分の好みにあった色や香りのSuaveを持って写真に写り、コメントとともにSuaveをアピールする投稿を行いました。

    結果として、競争の激しい消費財ブランドの市場であるにも関わらず、2017年においてユニリーバは第一四半期の時点で3%から5%の売り上げ収益の実質的成長を遂げています。Suaveの一例は、インフルエンサーや消費者に衝撃を与える斬新なアイデアと、確かな戦略に基づくインフルエンサーマーケティングが成功をおさめた事例であったといえるでしょう。

    ユニリーバのCEOであるPaul Polmanさんは、「この成長は市場の先駆けであり、斬新なインフルエンサーマーケティングとブランドサポートにより成し遂げられたものである。」と、語りました。

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    事例その3 ユニリーバの男性用ヘアスタイリング剤編

    2.ヘアスタイリング剤

    調査によれば、美容に関する投稿の3分の1は男性によるもので、その割合は増加傾向にあります。

    男性のヘアスタイルへの関心も年々高まっているため、男性用消費財の中でもトイレタリー商品を扱うブランドの成長が期待されています。

    しかしユニリーバの調査によると、男性の65%が「特別な時以外、あるいは全く」ヘアスタイリングをしないという状況にありました。男性にとってヘアスタイリングは複雑で時間がかかるのではないかという不安や、髪に手を加えすぎたせいで痛い印象をあたえるのも気恥ずかしいという懸念が、男性がヘアスタイリングを躊躇する理由のようです。

    そんな中、ユニリーバの男性用消費財ブランド「AXE」は、ヘアスタイリングすることへの男性の精神的ハードルを下げ、毎日のスタイリングを習慣づけるため、インフルエンサーマーケティングを実施しました。

    具体的なインフルエンサーマーケティングキャンペーン内容としては、スポーツや音楽など様々な分野で男性から支持を受け、スタイルと才能に定評がある男性インフルエンサーのランキング上位30人に、スタイリングした毎日の髪型を投稿してもらうというものでした。

    このキャンペーンでタイアップしたインフルエンサー達は、男性として魅力的なヘアスタイルや、スタイリングの方法を伝授すると同時に、ヘアスタイリングが自らの自信や成功にどう繋がったのかを伝え、男性のヘアスタイリングへの意識変革を行いました。また、AXEの公式インスタグラムアカウントでは、インフルエンサーが美容師の助言を受けつつ、オーディエンスからのヘアスタイリングに関するお悩み相談を受けるというサービスを提供しています。

    さらにユニリーバは、インスタグラムインフルエンサーマーケティングに加えて、公式ウェブサイトでも男性が自分に似合うスタイルをみつけ、ヘアスタイリングへの第一歩を踏み出すことを推奨しています。

    消費者の美意識を変革することでインフルエンサーや消費者の心を動かし、自社ブランド商品の使用頻度を上げて購買につなげるという戦略が、ユニリーバの事例の成功に繋がりました

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    事例その4 Kiehl’s社の宇宙型プロモーション?!男性用保湿クリーム

    男性の美容への関心が高まる中、「Kiehl‘s社」もまた、男性用トイレタリー商品でインフルエンサーマーケティングを行った消費財ブランドの一つです。

    Kiehl‘s社はニューヨークの調剤薬局が発祥で、自然由来の成分が使われたスキンケア・ヘアケア商品で広く知られています。女性だけでなく男性にも響くブランディング活動を行うことがKiehl‘s社の大きな特徴です。

    その事例の1つが”Oil Eliminator Moisturizer for Men”という男性用保湿クリームの、商品特性を生かしたユニークなインフルエンサーマーケティングでした。

    NASAが絶縁体に使うAeroliteという成分を上記の保湿クリームが含んでいることから、商品のプロモーションは宇宙をテーマに行われました。具体的には、インスタグラムを初めとするソーシャルメディアに一般ユーザーが「無重力に見える写真」を投稿するという写真コンテスト形式で、インフルエンサーマーケティングキャンペーンが実施されました。

    「#SpaceFace」や「#Contest」のハッシュタグをつけて写真を投稿した数多くのユーザーのうち、優勝者には、その顔写真が3Dプリントされた宇宙飛行士のフィギュアや、限定版パッケージに入った保湿クリームがプレゼントされました。

    この事例でKiehl’s社は、数々の個性的なユーザー生成コンテンツ(UGC)を調達し、ユニークなインフルエンサーマーケティングによりユーザーのエンゲージメントを効果的に高め、商品の知名度を上げることに成功しています。

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    5. まとめ

    今回は、消費財ブランドによるインフルエンサーマーケティング事例を4つ紹介しました。

    トイレタリー商品を扱う消費財ブランドは、インフルエンサーマーケティングの代表格であるファッション業界、化粧品業界、そして食品業界の事例と同様、インスタグラムを活用して様々な方法でブランドイメージの伝達を行っています。宣伝したい商品と関連する専門分野をもつインフルエンサーを選定し、効果的なプロモーションを行った点で、「Tom’s of Maine社」の事例はユニリーバの事例と共通していますが、異なる戦略も使用されていました。

    Tom’s of Maine社の事例
    ・マイクロインフルエンサーの起用で低コストを実現
    ・マイクロインフルエンサーのファンから高いエンゲージメントを獲得
    ・顧客のニーズや意向を把握

    ユニリーバの事例
    ・インフルエンサーの知名度アップに貢献
    ・インフルエンサーとそのオーディエンスに感動体験や価値観の変革を与えた

    上記の事例では、それぞれのブランドの特色が考慮された効果的なインフルエンサーマーケティング戦略が使用されていました。

    また、男性用消費財を扱うブランドのインフルエンサーマーケティング事例には、男性の美容以外の関心ジャンルであるスポーツや音楽といった趣味と、美容関連消費財のプロモーションが関連づけて行われるという特徴がありました。

    そういったジャンルのインフルエンサーとタイアップすることによって、プロモーション内容をターゲットオーディエンスの関心を呼ぶものにすることは、コンテンツマーケティングを成功させる上で非常に重要です。

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    参考:http://adage.com/article/cmo-strategy/tom-s-maine-tackle-cpg-s-instagram-challenge/299537/ 
    http://glean.info/4-examples-effective-micro-influencer-campaigns/ 
    http://www.marketing-interactive.com/unilever-fool-influencers-into-thinking-they-are-using-expensive-hair-products-video/ 
    http://adage.com/article/cmo-strategy/unilever-s-brand-makes-pricey-upstarts-silly/308720/ 
    https://www.unileverusa.com/news/press-releases/2017/AXE-Hair-Enlists-30-Top-Influencers.html 
    instagroom.com/StyleHacks 
    https://www.schneiderpr.com/blog/kiehls-launches-a-new-moisturizer-for-menliterally/ 
    https://www.malestandard.com/kiehls-wants-to-send-your-face-to-space-spaceface-contest/ 
    http://www.kiehls.com/heritage 

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