成功を収めた旅行業界のインフルエンサーキャンペーン事例7選

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今日の旅行業界において、インフルエンサーマーケティングはますます成長を続けています。その背景には、エージェントたちによって次々と打ち出されるキャンペーンの存在が大きく、インフルエンサーを起用したキャンペーンの多くが、各企業におけるブランドの知名度アップと商業的成功に貢献しました。

またインフルエンサーマーケティングが拡大する中、イギリスでは「旅行に興味がある」と回答した人が2016年の21%から2018年には33%に増えるなど、近年旅行に対する関心が高まっています。このことからも、インフルエンサーマーケティングと旅行業界、双方の発展に明らかな相互関係があることが分かります。

今回は、過去に大成功を収めた旅行業界のインフルエンサーキャンペーンにスポットを当てました。予想以上の成果をもたらし、インフルエンサーマーケティングの有益性を証明した7つの事例をご紹介します。

 

目次

    1. Circa 39ホテルの事例
    2. Airbnb社 × Coachellaの事例
    3. フィラデルフィア観光局の事例
    4. Artist Residence Oxfordshireホテルの事例
    5. Eurail Passの事例
    6. Ice Lolly社 × ベニドルム観光局の事例
    7. Curaçao島 × ニューヨーク州 × JetBlue社の事例
    8. まとめ

1.Circa 39ホテルの事例

Circa 39は、アメリカのリゾート・マイアミビーチで最も有名なブティックホテルとして知られています。このホテルの知名度アップに最も有効だったのが、インフルエンサーマーケティングでした。

2014年、Circa 39はユニークなSNSコンテンツの配信と、ネット上でのホテルの宣伝という2つの目標を掲げ、「Vloggers & Vagabonds(動画ブロガー&さすらい人)」キャンペーンを打ち上げました。5人のトップYouTuberをマイアミへ招待し、Circa 39に滞在しながらマイアミのローカルな情報をコンテンツで配信してもらうという企画です。その結果、配信から2ヶ月でコンテンツの再生回数は50万回に上り、そのうち6万5000人以上の人がシェアする、コメントするなどポジティブなフィードバックを行いました。またROIは1,177%、メディアバリューは$11万7,000という数字をはじき出しました。

YouTubeを通して臨場感たっぷりに映し出されたCirca 39やマイアミを巡る旅は、ユーザーの興味を大いに刺激し、ホテルの顧客拡大という効果をもたらしました。さらに、このトップYouTuberが作成した質の高いコンテンツはキャンペーンが終わった後もYouTubeに残り続けるため、時が経っても継続して新しい顧客を増やし続けてくれるツールとして活躍することになります。メディアバリューの観点から見たROIは1,198%という数字も出ています。

 

2.Airbnb社 × Coachellaの事例

旅行業界におけるインフルエンサーキャンペーンの中には、各種ビッグイベントに目をつけ、そこから自社ブランドを世間に広くプロモートした例もあります。中でも、Airbnb社が2017年に実践したクリエイティブなインフルエンサーキャンペーンは、シンプルでありながら多大な効果を発揮した例といえるでしょう。

カリフォルニア州で毎年開催される「Coachella」は、大物スターが一堂に会するアメリカ最大規模の野外ミュージックフェスです。Airbnb社は、このイベントに参加するミュージシャンのMartin GarrixやLady Gagaなど数多くのビッグネーム・セレブに対し、イベント期間中に滞在できるゲストハウスを提供しました。これを受け、膨大なファンとフォロワーを持つスターたちはゲストハウスでの快適なステイをインスタグラムに次々アップ。Martin Garrixが10%以上のエンゲージメント率を得るなど、大きな反響を呼びました。

Airbnb社は今回のようなセレブとコラボしたキャンペーンを通じ、過去2年間で37のポストをインスタグラムにアップしています(2017年7月末時点)。そのポスト数は他のトップブランドに比べると少ないものの、1,800万件の「いいね!」と51万件のコメント、さらに4%のエンゲージメント率を達成。ビッグネームたちの知名度を上手く活用したインフルエンサーキャンペーンのよい見本となっています。

 

3.フィラデルフィア観光局の事例

企業に限らず、市の観光局がインフルエンサーキャンペーンによって大きな成果を得たケースもあります。アメリカ・ペンシルバニア州のフィラデルティア市では、市のプロモーションとSNSへの露出を狙い、インフルエンサーキャンペーンの実施に踏み切りました。その内容は、大都市ニューヨークで活躍するインスタグラマーたち7人をフィラデルティア市へ招待し、ローカルの観光地やグルメを存分に堪能してもらい、それをコンテンツとしてインスタグラムにアップしてもらうというものです。

膨大なフォロワーを持つニューヨークのインスタグラマーたちの影響力は絶大でした。最初の48時間で14のコンテンツがアップされるとその閲覧回数は瞬く間に72万5,000回に達し、48のコンテンツがアップされた数週間後には220万回まで伸びたのです。次々とポストされる魅力なシーンに、フィラデルフィア市は「クールで、活気があって、フォトジェニックな街」というイメージを世間に植え付けることに成功しました。

このパワフルなキャンペーンによってフィラデルフィア市の評判は大きくアップし、市外から幅広い世代の観光客が大勢訪れるようになりました。市が当初掲げていたプロモーションとSNSへの露出という2つの目標も達成するなど、大きな成果を挙げた例といえるでしょう。

 

4.Artist Residence Oxfordshireホテルの事例

インフルエンサーキャンペーンでは、一般的に広いターゲット層を対象に行われることが多いですが、中には特定のターゲットに絞って行われる場合もあります。その成功例として代表的なのがArtist Residence Oxfordshireホテルのケースでしょう。

このキャンペーンは、イギリスのブティックホテルチェーン「Artist Residence」の中でもラグジュアリーな雰囲気が人気のOxfordshireホテルのプロモーションとして実施されたものです。ターゲットはクールで流行に敏感な若い世代とし、インフルエンサーにはSuzie BonaldiやLiv Purvisといったファッション界の大物ブロガーやインスタグラムスターたちを起用しました。

このキャンペーンでは、まずインフルエンサーたちをOxfordshireホテルへと招待しました。そして近隣にあるデザイナーショッピングアウトレットモールBicester Villageでショッピングを楽しんでもらい、その様子をコンテンツにアップしてもらったのです。おしゃれ好きな若い世代は敏感にこれに反応し、Oxfordshireエリアは彼女たちにとっての憧れの地として認知されるようになりました。またインフルエンサーたちが作成したハイクオリティなコンテンツは、YoutubeやインスタグラムをはじめとするさまざまなSNSでシェアされ、ホテルチェーンArtist Residenceの名を世間に広めることにも貢献しました。

このキャンペーンの成功の秘訣は、ファッション界インフルエンサーのフォロワーに焦点を絞って実施したこと、そして彼女たちのニーズを正確に把握しアプローチしたことでした。加えてホテルの知名度アップという二次的な効果も織り込むなど、インフルエンサーマーケティング戦略を存分に活かしきったArtist Residenceだからこそ成しえた偉業だったのかもしれません。

 

5.Eurail Passの事例

Eurail Group G.I.E.社が発行する海外旅行者専用の鉄道パス「Eurail Pass」は、これ1枚でヨーロッパ最大31ヶ国を自由に移動できるという、リーズナブルかつ便利なツールです。ヨーロッパ諸国では既に有名なEurail Passはこれまでも年々売上を伸ばしていましたが、さまざまなインフルエンサーマーケティングキャンペーンをリリースしたことで、さらに購入者の層を拡大する結果となりました。

その代表的な例が、インスタグラムで50万人ものフォロワーを持つカリフォルニア出身の人気トラベルブロガーThe Blonde Abroadとコラボしたキャンペーンです。彼女は多彩なコンテンツを駆使してEurail Passをプロモートし、初めてヨーロッパを旅するアメリカ人に向けた「Eurail Passでどれだけヨーロッパ旅行がスムーズになるか」というコンテンツや、学生を対象とした「リーズナブルに旅をするコツ」などを配信しました。

その結果は上々で、Eurail Passは海外のポテンシャルバイヤーを開拓できただけでなく、ブランドが提供しているサービスをより分かりやすく消費者へアピールする効果も見られました。

 

6.Ice Lolly社 × ベニドルム観光局の事例

スペインのリゾート地・ベニドルムが格安ツアー検索サイト「Ice Lolly」とタッグを組んだ本キャンペーンのゴールは、かなり難易度の高いものでした。というのも、「スペインにありがちな観光地」という従来のベニドルムのイメージを払拭し、インフルエンサーによるプロモーションを通して全く新しいイメージを吹き込むという大胆なものだったからです。

このキャンペーンでは、イギリスを代表するインフルエンサーをインスタグラマー、ユーチューバー、ブロガーなど広い分野から起用し、彼らをベニドルムへと招待しました。そこでシュノーケリング、ジェットスキー、電動自転車を使ったツーリングなど、あらゆるアクティビティを詰め込んだツアーを楽しんでもらい、その様子をコンテンツとしてアップしてもらったのです。同時に、これまであまり知られていなかった歴史ある美しい街並みにもスポットを当て、ベニドルムの新たな魅力と楽しみをインフルエンサーたちを通してアピールしました。その結果、ベニドルムは既存のイメージを破り、ヨーロッパの中でもトップリストに挙がるほど人気の旅行先へと生まれ変わったのです。

 

7.Curaçao島 × ニューヨーク州 × JetBlue社の事例

南カリブ海に浮かぶCuraçao島は、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港からのアクセスもよく、休暇の旅行先として高いポテンシャルを秘めた場所でした。Curaçao島とニューヨーク州、そして航空会社JetBlueはそこに目を付け、ニューヨーク出身の旅行者たちを対象としたキャンペーンをリリース。ファッション、ビューティ、ライフスタイルなど、ニューヨークをホームに活動するさまざまな分野のインフルエンサー11人をCuraçao島へと招待し、「リゾート地・Curaçao島」としてのプロモーションを展開しました。

このキャンペーンでは、インフルエンサーたちが帰国した後も10ヶ月という長期間に渡ってCuraçao島のコンテンツを配信し続けるほか、ニューヨークからCuraçao島まではJetBlue社の直行便を就航している旨も取り上げるなど、Curaçao島とJetBlue社双方のプロモーションを行いました。これまでほとんど知られていなかったCuraçao島ですが、このキャンペーンが終わる頃には計303のコンテンツがポストされ、およそ1,000万人ものニューヨーカーに対するプロモーションが行われたことになりました。推定されるメディアバリューは$83万6,517、ROIは82,648%という脅威の数字を記録し、Curaçao島の認知度は飛躍的にアップしました。

 

まとめ

以上、旅行業界のインフルエンサーマーケティングにおいて目覚ましい成果を上げた事例を7つご紹介しました。Circa 39のように自社ホテルにインフルエンサーを実際に招待してプロモーションを展開するケースのほか、ビッグイベントに参加するセレブたちに働きかけるAirbnb社のキャンペーン、Curaçao島のケースのように複数ブランドがタッグを組むことで、よりパワフルなプロモーションを展開するケースもありました。

インフルエンサーを起用したキャンペーンが他のキャンペーンと一線を画すのは、洗練されたハイクオリティなコンテンツを次々とポストすることで、ブランドのセールスポイントを鮮やかに浮き上がらせ、ダイレクトにフォロワーに伝えられる点でしょう。過去の成功事例に後押しされるように、旅行業界のインフルエンサーマーケティングは今後ますます盛り上がりをみせることが予想されます。

 

参考:https://pmyb.co.uk/7-great-travel-influencer-campaigns/  https://shortyawards.com/8th/vloggers-vagabonds/  http://mediakix.com/2017/07/airbnb-marketing-celebrity-instagram-influencers/#gs.3qjaic/  https://shortyawards.com/7th/instagram-influencer-trip-to-philadelphia/  https://shortyawards.com/9th/curacao-new-york-influencer-campaign/ 

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