「インフルエンサーマーケティング」という言葉が世の中に浸透し始め、多くのブランドがインフルエンサーとタイアップしたプロモーションキャンペーンに取り組んでいます。そして、2019年は「インフルエンサーマーケティングがこれまでにないほど盛り上がりを見せる年」と言われています。
インフルエンサーマーケティングとはどのようなマーケティング手法で、有名人を起用したこれまでの企業広告とは何が違うのでしょうか。今回は、これからインフルエンサーマーケティングに取り組もうとしているブランドに向けて、インフルエンサーマーケティングの基本を解説します。
こちらの記事でもインフルエンサーマーケティングのテクニックを紹介していますので併せてご覧ください。
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目次
- インフルエンサーマーケティングとは?
- 数字で見るインフルエンサーマーケティング
- インフルエンサーの種類
- インフルエンサーの見つけ方
- インフルエンサーマーケティング戦略
- まとめ
インフルエンサーマーケティングとは?
ソーシャルメディアの普及に伴い、「インフルエンサー」という言葉が一般的に使われるようになりました。インフルエンサーとは、特定の専門分野におけるプロフェッショナルで、ブログやソーシャルメディアにおいて、自らのフォロワーの購買行動に対して強い影響力を持つ人々です。
インフルエンサーマーケティングとは、ブランドの認知度向上、トラフィックの増加などを目的として、インフルエンサーを通じてブランドのメッセージをターゲットオーディエンスに届けるマーケティング手法のことを言います。
なぜインフルエンサーマーケティングが注目されているのか?
インフルエンサーマーケティングが注目されている主な理由が2つあります。
理由1: インフルエンサーがオンラインで活躍しているから
インフルエンサーは、ソーシャルメディアやブログなどのウェブ媒体を主体に活動しています。消費者の情報収集の場は、テレビや雑誌といった従来のメディアから、ソーシャルメディアに移行しています。
それによって、テレビや雑誌で展開されていた企業広告は以前ほど効果的ではなくなりました。消費者が集まるソーシャルメディアは、今ブランドが最も力を入れるべきプラットフォームだと言えるでしょう。
理由2: 口コミや企業以外の第三者の意見だから
インフルエンサーマーケティングは、口コミや企業以外の第三者の意見など、マーケティング戦略を成功させるために必要不可欠な要素を活用したものです。
インフルエンサーは複数のプラットフォーム上で、すでに多数のフォロワーと繋がりを持っています。ブランドはその繋がりを活用してプロモーションキャンペーンを行います。インフルエンサーはフォロワーにとって、テレビや雑誌で活躍するスーパースターよりも身近な存在で、彼らの意見は、友人や家族などの意見に近いのです。
そのため、インフルエンサーが商品やサービスをプロモーションしても、ブランドの広告宣伝のような「押しつけがましさ」がなく、口コミを自然に生み出すことができます。
「消費者が集まる場所で、自然な形で口コミを生み出す」
これがインフルエンサーマーケティングが効果的だと言われている大きな理由です。
「インフルエンサー」と「アンバサダー」の違いとは?
インフルエンサーは特定の専門分野におけるエキスパートで、フォロワーはその分野に強い関心を持つ人々の集まりです。そのため、インフルエンサーはフォロワーの購買決定に非常に強い影響力を持っています。
インフルエンサーとは?
ここで一つ、インフルエンサーマーケティングの事例を見てみましょう。
ファッションブランドの「Lulus」は、ソーシャルメディアインフルエンサーの@leximarsさんとタイアップしてプロモーションを実施しました。
@leximarsさんは自身のインスタグラムアカウントで、Lulusの洋服やアクセサリーを身に着けた動画や写真をコンテンツとして配信しました。コンテンツにLulusのタグやウェブサイトリンクを貼ることによって、フォロワーがブランドについて知り、@leximarsさんが身に着けている商品を購入することができるようになっています。
@leximarsさんは、ファッションという専門分野を持つインフルエンサーです。そのため、彼女のフォロワーはファッションに関心がある人々の集まりです。このフォロワー層にリーチしたいと願うファッション業界のブランドが@leximarsさんにタイアップを依頼するのです。
このように、インフルエンサーは特定の分野において非常に強い影響力を持つのが特徴です。インフルエンサーマーケティングは、その影響力を活用したマーケティング手法です。
アンバサダーとは?
一方、アンバサダーは、ブランドの認知度向上や売上増加などの目的を達成するために契約書を交わして雇われた人物を指し、主に広く名前を知られている有名人が起用されます。アンバサダーは数か月から数年に及ぶ長期契約が一般的で、その間はアンバサダーがブランドの顔となり、彼らがブランドのファン層のロールモデルとなります。
インフルエンサーは特定の専門分野をベースに活動するので、ファッションインフルエンサーはコスメやバッグメーカーなど、ファッションに関連があるブランドとタイアップするのが一般的ですが、アンバサダーは任命する人物の知名度を活用することが多いので、必ずしも特定の分野の専門家とは限りません。
インフルエンサーは特定の専門分野とその分野に関心があるフォロワーとの繋がりを活用し、アンバサダーは女優やモデル、スポーツ選手として活躍することで築き上げた知名度をあらゆる分野のプロモーションに活用するというのが大きな違いです。
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インフルエンサーマーケティングはなぜ効果的なのか?
インフルエンサーマーケティングが効果的だと言われている大きな理由として、インフルエンサーの持つ専門性と、フォロワーとの信頼関係が挙げられます。フォロワーはインフルエンサーに憧れを持ち、彼らのライフスタイルに強い関心を持っています。そのため、インフルエンサーが興味を持ったことについてはフォロワーも興味を持つ可能性が高いのです。
ブランドは特定の業界で活躍するインフルエンサーとタイアップすることで、潜在顧客であるフォロワーにリーチし、より効果の高いマーケティングキャンペーンを展開することができるのです。
数字で見るインフルエンサーマーケティング
多くのブランドやマーケターがインフルエンサーマーケティングの効果を認め、インフルエンサーマーケティングにかける予算を拡大しています。ここで、米国インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「Mediakix」が2019年1月にブランドやマーケターを対象に実施したインフルエンサーマーケティングに関する最新の統計結果を紹介します(回答数:162)。
インフルエンサーマーケティングの目的と効果
・インフルエンサーマーケティングの目的トップ3は、ブランド認知度向上 (85%)、新しいオーディエンスへのリーチ獲得 (71%)、売上改善 (64%) (複数回答)
・80%のマーケターが、インフルエンサーマーケティングは効果的だと考えている
・全体の89%が、インフルエンサーマーケティングのROIは他のマーケティング手法と同等もしくはそれ以上だと考えている
インフルエンサーマーケティングの予算
・全体の60%以上が、2019年にインフルエンサーマーケティングの予算を拡大することを予定している
・全体の17%が、マーケティング予算の半分以上をインフルエンサーマーケティングに使うことを予定している
インフルエンサーマーケティングのプラットフォーム
・全体の89%が、インスタグラムはインフルエンサーマーケティングにとって重要なプラットフォームだと考えている
・インフルエンサーマーケティングで最も効果的とされるコンテンツのフォーマットトップ3は、インスタグラム投稿 (78%)、インスタグラムストーリー(73%)、YouTube動画 (56%)(複数回答)
インフルエンサーマーケティングの課題
・61%のマーケターが、ブランドに合うインフルエンサーを探すのは難しいと感じている
・インフルエンサーマーケティングを実施するにあたって一番の懸念は、偽フォロワーなどの「インフルエンサー詐欺」だ
このように、多くのブランドやマーケターがインフルエンサーマーケティングを戦略的に重要なマーケティング手法と位置づけ、予算を割り当てています。
一方で、「適切なインフルエンサーを探すのが難しい」「インフルエンサー詐欺が心配だ」など、インフルエンサーマーケティング特有の問題も起きています。このような問題を解決するには、インフルエンサーマーケティングプラットフォームやインフルエンサーエージェントを活用する方法が最も有効です。
インフルエンサーマーケティングのプロが、インフルエンサーの選定、キャンペーンの企画、実施、効果測定までの一連のプロセスを請け負ってくれますので、ブランドはインフルエンサー探しやインフルエンサー詐欺に悩むことなく、キャンペーンのクリエイティブな部分だけに集中することができます。
インフルエンサーの種類
インフルエンサーは、フォロワー数の違いによって次のように分類できます。
・メガインフルエンサー(フォロワー数100万人以上)
・マクロインフルエンサー(フォロワー数10万人~100万人)
・マイクロインフルエンサー(フォロワー数1万~10万人)
・ナノインフルエンサー(1万人以下)
インフルエンサーマーケティングを成功させるためには、ブランドの目的にマッチした種類のインフルエンサーとタイアップする必要があります。
ここからは、それぞれのインフルエンサーの特徴と、ブランドとのタイアップ事例を紹介していきます。
メガインフルエンサー
メガインフルエンサーは次のような特徴を持っています。
・俳優、モデル、歌手など、多くの人に名前を知られている有名人
・ソーシャルメディアのフォロワーは100万人以上、時には1000万人超
・幅広いオーディエンスにリーチが可能
・1回のスポンサーコンテンツの投稿にかかる費用は非常に高額
メガインフルエンサーとタイアップする一番の利点は、一度にリーチできるオーディエンスの数が非常に多いことです。メガインフルエンサーのフォロワー数は少なくとも100万人、多い場合は数千万人に上ります。
インフルエンサーの全てのフォロワーがブランドのターゲット層と一致していなかったとしても、「有名人が使っている商品やサービス」というだけで興味を持つフォロワーが大勢いるのです。
ただし、インフルエンサーがそれぞれのフォロワーとコミュニケーションを取るケースは少なく、双方の結びつきはそれほど強くありません。メガインフルエンサーは、「広く浅く」リーチするのが特徴です。
また、1回のスポンサーコンテンツにかかる費用が数百万円、時には数千万円になることもあります。そのため、メガインフルエンサーとのタイアップは、インフルエンサーマーケティングの予算を豊富に持ち、ブラント認知度や新規事業の知名度などを一気に拡大したいと考えているブランドにおすすめです。
メガインフルエンサーとのタイアップ事例
Amazonは、インフルエンサーマーケティングを積極的に取り入れている有名企業の一つです。同社は、米国のタレントであるKhloe Kardashianさんのベイビーシャワーのスポンサーになりました。Khloeさんはインスタグラムに9600万人以上のフォロワーを持つメガインフルエンサーです。
Khloe Kardashianさんのベイビーシャワーのスポンサーになることによって、Amazonは自社のベビー用品・マタニティー用品の豊富な商品ラインナップをプロモーションすることに成功しました。
Amazonはベイビーシャワーのスポンサーになっただけではなく、Khloe Kardashianさんのインスタグラムアカウントにスポンサーコンテンツを投稿してもらいました。
KhloeさんはコンテンツのキャプションでAmazonのスポンサーシップについて感謝を述べ、Amazonのリンクを貼ってフォロワーにAmazonのベビー用品・マタニティー用品をプロモーションしました。
Khloe Kardashianさんのように誰もが名前を知っている有名人とのタイアップは、ブランドの知名度拡大や新規事業のプロモーションなど、幅広く情報を拡散させたい場合に非常に有効です。
マクロインフルエンサー
マクロインフルエンサーは次のような特徴を持っています。
・ブログやソーシャルメディアなどインターネット上での有名人
・ソーシャルメディアのフォロワーは10万人~100万人
・メガインフルエンサーよりもエンゲージの高いオーディエンスにリーチできる
・エージェントに所属しているケースが多いので価格交渉が難しい
メガインフルエンサーがテレビや雑誌などで活躍するスーパースターで、多くの人に名前を知られているのに対して、マクロインフルエンサーはインターネット上での有名人です。
マクロインフルエンサーのフォロワー数はメガインフルエンサーに比べて少なくなりますが、その分、エンゲージメントの高いフォロワーを持っているのが特徴です。マクロインフルエンサーは、メガインフルエンサーとマイクロインフルエンサーの「いい所取り」と言えます。
マクロインフルエンサーとのタイアップは、継続的にある程度の規模のオーディエンスにリーチしたいと考えているブランドにおすすめです。
ただし、マクロインフルエンサーはエージェントに所属している事が多いので、個別の価格交渉が難しい点がデメリットです。費用はそれなりに高額になるので、タイアップするインフルエンサーを選ぶ際には、ブランドの投資に見合った結果を出せるインフルエンサーかどうかをしっかりと見極める必要があります。
マクロインフルエンサーとのタイアップ事例
フランスの化粧品専門店「Sephora」は、マクロインフルエンサー、マイクロインフルエンサーとタイアップして、オリジナルのコスメブランド「Sephora Collection」をプロモーションしてもらいました。
Sephoraは、美しくなる事をもっとシンプルに楽しんで欲しいというメッセージを込めて、#beautyuncomplicatedという共通のハッシュタグを付けてキャンペーンを展開しました。
今回のキャンペーンでタイアップしたマクロインフルエンサーのエンゲージメント率は6.0%という素晴らしい結果になりました。
インフルエンサーの@natalietashaさんは、自身のインスタグラムプロフィールにSephoraのリンクを貼り、投稿した全てのコンテンツのキャプションでその事に触れて、オーディエンスをブランドのウェブサイトに誘導しました。
Sephoraは一連のキャンペーンでトータル880万人以上のインスタグラムユーザーにリーチし、Sephora Collectionを幅広い層にプロモーションすることに成功しました。
コスメや美容は多くの女性が関心を持つ分野なので、マクロインフルエンサーとタイアップして幅広くリーチを獲得することによってブランドや商品の認知度を向上させることができます。また、継続的にコンテンツを投稿してもらえばさらにキャンペーンの効果を高めることができます。
ターゲットオーディエンスが限られているブランドであれば、これから紹介するマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーとのタイアップの方が効果的です。
マイクロインフルエンサー
マイクロインフルエンサーは次のような特徴を持っています。
・特定の分野で強い影響力を持つ
・ソーシャルメディアのフォロワーは1万人~10万人
・オーディエンスとの結びつきが非常に強い
・1回のスポンサーコンテンツの投稿にかかる費用は比較的安い
マイクロインフルエンサーは、インフルエンサーの中でも最も人数が多い層です。特定の分野に関して深い知識を持ち、オーディエンスからの信頼性が高いのが特徴です。
マイクロインフルエンサーとタイアップする一番の利点は、少ない投資で効果的なキャンペーンを実施できることです。マイクロインフルエンサーのフォロワーは、自分がフォローしているインフルエンサーが、自分が好きではないものや関心がないことはプロモーションしないと知っています。その信頼性から、オーディエンスのエンゲージメントが非常に高いのです。
商品やサービスを展開している分野が限られていて、その分野のオーディエンスとしっかり繋がりを作りたいと考えているブランドには、マイクロインフルエンサーとのタイアップがおすすめです。
ただし、マイクロインフルエンサーは一度にリーチできる人数が少ないというデメリットがあります。そのため、多くのブランドが一度のキャンペーンで複数のマイクロインフルエンサーとタイアップして成果をあげています。
マイクロインフルエンサーとのタイアップ事例
@sydneyloveleigh さんは、2万1000人のフォロワーを持つ、ヘルス・フィットネス・旅行のマイクロインフルエンサーです。
彼女はファッションブランドの「Nuxactive」とタイアップしました。NuxactiveがSydneyさんとタイアップした理由は、NuxactiveのブランドイメージとライフスタイルがSydneyさんとマッチし、彼女のフォロワーがブランドのターゲットとするオーディエンスだったからです。
Sydneyさんはコンテンツの中で、Nuxactiveでショッピングをした際に使える割引コードをシェアしました。また、全てのスポンサーコンテンツにNuxactiveへのリンクを貼り、オーディエンスのコメントに回答する、メッセージに「いいね!」をするなどしてコミュニケーションを取りました。
このように、マイクロインフルエンサーはオーディエンスと密にコミュニケーションが取れるため、商品やサービスのメリットを直接伝えられるというメリットがあります。
インフルエンサーマーケティングは、口コミを活用したマーケティング手法です。そのため、オーディエンスとコミュニケーションを取って自然に近い形で口コミを広めることができるマイクロインフルエンサーは、インフルエンサーマーケティングの中軸と言えるでしょう。
ナノインフルエンサー
ナノインフルエンサーは次のような特徴を持っています。
・特定の地域のコミュニティーで強い影響力を持つ
・ソーシャルメディアのフォロワーは1万人以下
・ブランドとのタイアップ経験が少ない
・スポンサーコンテンツを無料で投稿してくれることも多い
ナノインフルエンサーは、比較的新しいタイプのインフルエンサーです。4つのインフルエンサーのタイプの中では最もフォロワー数が少ないですが、その分インフルエンサーはそれぞれのフォロワーをよく知っていて、友人や家族のように非常に繋がりが強いのが特徴です。
ただし、ナノインフルエンサーが影響力を持つ範囲は狭いので、ブランド認知度の拡大や新規事業のプロモーションなど、幅広く情報を拡散させたい場合には適しません。
ナノインフルエンサーとタイアップする一番の利点は、特定の地域のコミュニティーで強い影響力を持っていることです。ローカルビジネスを展開するブランドにとって、地元に特化した情報をオーディエンスに届けてくれるナノインフルエンサーは心強い見方です。
また、ナノインフルエンサーはスポンサーコンテンツの費用が少額です。時には、インフルエンサーに商品サンプルを渡して、気に入ってもらえれば無料でコンテンツを制作してくれる場合もあります。そのため、スタートアップや小規模ビジネスを展開するオーナーなど、マーケティング予算を豊富に持っていないブランドであっても、インフルエンサーマーケティングを試してみることができます。
ナノインフルエンサーとのタイアップ事例
「Obrigado」は、100%天然の原材料から作られているココナッツウォーターのブランドです。契約した農家で栽培された原材料を使用し、防腐剤や香料、砂糖を使っていないのが特徴です。
カナダでブランド認知度を拡大するため、Obrigadoは、トロントとバンクーバーに在住している46名のナノインフルエンサーとのタイアップを実施しました。
46名のインフルエンサーはインスタグラムにそれぞれ1つずつスポンサーコンテンツを投稿しました。また、インスタグラムストーリーへのコンテンツ投稿も併せて実施しました。
ナノインフルエンサーの@vikimikkiさんはObrigadoが映った写真を投稿し、Obrigadoをスムージーに入れたり、フルーツを加えるなど、Obrigadoの楽しみ方をキャプションで紹介しました。
トロント・バンクーバーに特化した今回のObrigadoのキャンペーンは、トータルリーチが41万5000、エンゲージメント率が4.19%、1エンゲージメントあたりの費用が0.29ドルという結果になりました。
このように、ナノインフルエンサーは、特定の地域でビジネスを展開しているブランドや、これからビジネスエリアを拡大しようとしているブランドにピッタリです。
ナノインフルエンサーは影響を与えられる範囲が狭いため、今回の事例のように同一エリアで活躍する複数のナノインフルエンサーとタイアップすることによって効果的なキャンペーンを実施することができます。
インフルエンサーの見つけ方
インフルエンサーマーケティングを成功させるためには、ブランドの目的に合ったインフルエンサーとタイアップすることが大切です。では、理想のインフルエンサーはどのようにして見つければ良いのでしょうか。
規模の大きいインフルエンサーは事務所に所属していることがありますが、比較的フォロワー数が少ないインフルエンサーは、直接連絡を取ってタイアップを依頼することができます。
インフルエンサーの見つけ方には次のようなものがあります。
Googleで検索する
インフルエンサーを探す最も簡単な方法が、Googleなどの検索エンジンを活用することです。インフルエンサーは、すでに特定の分野でコンテンツを発信し、フォロワーと繋がりを持っています。そのため、ブランドが属する業界に関連のあるキーワードでインフルエンサーを検索することができます。
また、業界に関連がある記事や業界専門のウェブサイトを見てみる、すでに業界内で地位を確立していて名前を聞いたことがある人をGoogleで検索して依頼するなどの方法もあります。
ソーシャルメディア上で探す
ソーシャルメディア上にはたくさんのインフルエンサーがいます。ソーシャルメディア上でのインフルエンサーマーケティングを希望していなくても、多くのインフルエンサーは何かしらのソーシャルメディア上にアカウントを持っています。
ソーシャルメディアのプロフィールやコンテンツを通じてインフルエンサーについて知ることができる点も大きなメリットです。
ソーシャルメディア上でインフルエンサーを探す時には、キーワードやフレーズ、ハッシュタグ、特定のコンテンツにタグ付けされたユーザーなどをチェックします。
また、ブランドが属するカテゴリーの中でユーザーからの反応が良いコンテンツのコメント欄を確認するという方法もあります。そこには、業界で活躍するインフルエンサーがコメントをしている可能性があるからです。また、競合ブランドがどのようなコンテンツを投稿しているかも分かります。
誰かに紹介してもらう
インフルエンサーマーケティング業界に精通している専門家や知り合いにインフルエンサーを紹介してもらうという手段もあります。
世界最大級のビジネス特化型SNS「LinkedIn」でインフルエンサーを探したり、会社の同僚がフォローしているインフルエンサーについて聞いてみてもいいでしょう。また、これまでにタイアップしたインフルエンサーがいれば、そのインフルエンサーの仲間を紹介してもらうこともできます。
ブログを読んで探す
ブログを読むことも、インフルエンサーを探す有効な手段の一つです。ブログを運営しているインフルエンサーだけではなく、ブログの中で取り上げられているインフルエンサーもそのカテゴリーで活躍しているかもしれません。
さらに、業界の情報を発信しているブログには、専門家を紹介しているページがあります。その中にはインフルエンサーも含まるので、業界を代表するブログは必ずチェックしておきましょう。
インフルエンサーマッチングサイトから探す
インフルエンサーマーケティングの広がりに伴い、インフルエンサーが登録するマッチングサイトが増えています。業界で絞り込みができるサイトが多いので、ブランドにマッチするインフルエンサーを効率よく探すことができます。
インフルエンサープラットフォームを活用する
最近では、インフルエンサーの選定からインフルエンサーキャンペーンの企画、効果測定までの一連の流れを請け負ってくれるエージェントや、インフルエンサーマーケティングプラットフォームが増えています。
自力でインフルエンサーマーケティングを実施するのが難しいと感じている多くのブランドが、このような外部のプロに依頼をしています。
このように、インフルエンサーを探す方法は様々です。
すでに特定の業界で活躍しているインフルエンサーは、競合ブランドとタイアップをしている可能性があるので注意が必要です。
これから急成長する可能性があるインフルエンサーを探し出すことができればベストですが、名前の知られていないインフルエンサーとのタイアップにはリスクもあります。
一番確実なのは、エージェントやインフルエンサーマーケティングプラットフォームにインフルエンサーを紹介してもらうことです。直接インフルエンサーを探すよりは費用がかかるかもしれませんが、契約のトラブルやインフルエンサーと連絡が取れなくなるなどの問題を防ぐには、外部の業者の力を借りることも必要です。
インフルエンサーマーケティング戦略
インフルエンサーマーケティングは、次のような流れで進んでいきます。
・ゴールを決定する
・オーディエンスを決定する
・インフルエンサーを選定する
・インフルエンサーのコンテンツを評価する
・インフルエンサーにインセンティブを支払う
・キャンペーンの結果を振り返る
インフルエンサーマーケティングを成功させるためには、正しい手順を踏んでキャンペーンを実施する必要があります。詳しくはこちらの記事にまとめてありますので併せてご覧ください。
おすすめ記事:インフルエンサーマーケティングを成功させるための15のステップ
まとめ
今回は、これからインフルエンサーマーケティングに取り組もうとしているブランドに向けて、インフルエンサーマーケティングの基本を解説しました。
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーにコンテンツを投稿してもらうだけのマーケティング手法ではありません。正しいオーディエンスに正しい方法でアプローチすることで初めて結果が出るのです。
こちらの記事にもインフルエンサーマーケティングのテクニックがまとめてありますので、併せてご覧ください。
おすすめ記事:【保存版】マーケティング担当者が知っておくべきインフルエンサーマーケティング10ケ条
参考:https://blog.hubspot.com/marketing/how-to-work-with-influencers
https://mediakix.com/influencer-marketing-resources/influencer-marketing-industry-statistics-survey-benchmarks/
https://www.adweek.com/creativity/sonic-making-awesome-square-shakes-designed-instagram-sold-through-instagram-170602/
https://medium.com/@vujenny/mega-macro-micro-and-nano-influencers-whats-the-difference-and-which-should-you-use-for-9839bb3055ae
https://visme.co/blog/social-media-influencer/
https://peersway.com/case-studies/obrigado-case-study/
https://mediakix.com/blog/micro-influencers-vs-macro-brand-case-study/