米国ファッションブランドによるインフルエンサーマーケティングの先駆けとなった事例4選

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ファッション・アパレル業界が美しいモデルやタレントを使ってブランドのアピールを行うのは一般的な戦略ですが、米国におけるインフルエンサーマーケティングの黎明期から、ブランドはインフルエンサーと呼ばれる「ファッションブロガー」とタイアップして新しいデジタルマーケティングである「インフルエンサーマーケティング」に取り組んできました。

今回は、GUESSやGAPといった有名ファッションブランドなどによる、インフルエンサーマーケティングの先駆けとなった事例を紹介します。

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目次

  1. インフルエンサーマーケティングに着手した米国ファッションブランド
  2. GUESSの事例
  3. Thirty-One Giftsの事例
  4. Apricot Collectionの事例
  5. GAPの事例
  6. まとめ
  7. インフルエンサーマーケティングに着手した米国ファッションブランド

    米国でインフルエンサーマーケティングが広まるのと前後し、2012~2013年ごろからいくつかのファッション・アパレルブランドはデジタルマーケティングにおけるブロガーの影響力に気付きはじめていました。それ以前のようなモデルやタレントを起用したコマーシャルや、既存のウェブマーケティングを離れた新しい戦略でファンを獲得する道筋を見出したのです。

    大手ファッションブランド各社はインフルエンサーとも呼ばれるファッションブロガーたちとタイアップして「インフルエンサーマーケティングキャンペーン」を行うことを公にし、またインフルエンサーとの継続的な関係構築を模索するようになりました。ここでもう一つ注目すべき点は、クリエイティブな方法でインフルエンサーマーケティングの先駆けが試みられたことです。

    コンテンツ上でブロガーたちが振りまく口コミの威力を軸に、そのネットワークを活かしつつさらにクリエイティビティと影響力あるコンテンツが引き出せるよう意識しつつ、ブランドはインフルエンサーとのタイアップキャンペーンを進めていきました。

    以下から、有名ファッションブランド4社による具体的なキャンペーン事例を紹介します。

    GUESSの事例

    ロサンゼルス発のアパレルブランド「GUESS」は幼児から大人、またメンズもレディースも取り扱う世界規模のブランドです。

    日本でもショッピングモールで見かけることが多いGUESSは、ファッションブロガーとタイアップしたインフルエンサーマーケティングに乗り出すにあたり、自社の時計をプロモーションしてもらうため60人のブロガーを選び出しました。

    その選定基準は、
    ・過去にブログ上でGUESSの商品を着用した投稿をしていること
    ・GUESSについてのなんらかの発言を投稿していること
    ・自身のビジョンを持ったコンテンツを作成していること
    ・GUESSのターゲットオーディエンスからエンゲージメントを引き出せるようなコピーライティング力が期待できること
    上記のことが重視されています。

    インフルエンサーマーケティングキャンペーン期間中、各ブロガーは一年間で4つ、もしくは四半期に1つのタスクを与えられました。また締め切りやブランドが定めるガイドラインも遵守するよう求められましたが、こうした条件はタイアップインフルエンサーたちに規律をもってプロジェクトに取り組んでもらうことに成功しました。GUESSがインフルエンサーの努力に報いたことが影響し、キャンペーン期間中の無用なディスコミュニケーションも発生しなかったようです。

    GUESSは、インフルエンサーたちのコンテンツ上での率直な口コミを歓迎し、レビューがつけばブロガーを中心とするソーシャルコミュニティに時おりノベルティとしてGUESS製の時計やその他ギフトを贈りました。また、GUESS公式サイトにブログへのリンクを貼ったり、Facebookページで紹介もしています。

    当時のGUESSのソーシャル&コミュニティ・マネージャーであるケイト・ニアリーさんは「ブロガーたちの個人の言葉で語られたコンテンツは多くの人の関心を引きつけ、私たちのブランドを際立ったものにしてくれます。他にもブロガーをキャンペーンに活用するブランドはありますが、ここまで成功している例はないでしょう。」と語っていました

    ブロガーたちはブランドのアピールをすると同時に自らの宣伝も行っていますが、GUESS側はインフルエンサーマーケティングの先駆けとしてそれすらオーディエンスの意識に上らないほどの効果を得たようです。

    Thirty-One Giftsの事例

    Thirty-One Giftsは女性向け財布やトートバッグを中心としたファッション・アパレルアイテムを扱う、オハイオ州に本社を構えるブランドです。商品やビジネススタイルを通じて女性のライフスタイルや仕事を応援することを理念に掲げているThirty-One Giftsは、新しいカタログの売り出しに力を入れるためファッションブロガーとタイアップしたインフルエンサーマーケティングの展開を決定しました。

    同社は、相応のリーチ数があるサイトを探して、ブランドのコンテクストに合ったコンテンツを作成できるブロガーを選定するため、インフルエンサーマーケティング企業の「Group High社」と「Meltwater社」に協力を要請しました。

    Thirty-One Giftsのインフルエンサーマーケテイングキャンペーンはファッションブロガーの選定とタイアップ後、シンプルな方法で行われています。内容としてはまずブロガーにギフトとして商品を贈り、その感想をブログ上に書いてもらうというものでした。また、自社の景品プレゼントキャンペーンにもタイアップしたインフルエンサーを招き、感想をブログに投稿してもらっています。

    ブランドの広報担当者サラ・ウェストさんによれば、ブロガーたちは新商品の口コミやニューシーズンのおすすめ商品の紹介を行い、ブログにとどまらない様々なチャンネルでレビューの拡散をしてくれるようです。商品とともにブロガー自身や家族が写り込んだブログ記事は、誠実な口コミにさらに高い信憑性を与えています。

    「インフルエンサーマーケティングを通じてタイアップしたブロガーはファンを増やせるし、私たちはブランドの露出機会を獲得できます。インフルエンサーマーケティングキャンペーンの成果は非常にポジティブなもので、誰にとってもWin-Winとなっています。」とウェストさんは語りました。

    Apricot Collectionの事例

    忙しい母親をターゲットにしたオンラインファッション・アパレルストア、Apricot Collectionは2012年から選りすぐりの商品を提供してきました。自社サイトの公開当初からファッションブロガーとのタイアップしたインフルエンサーマーケティングキャンペーンを行ってきた同ブランドの創設者、ミシェルさんとハースクさんは、まさにインフルエンサーマーケティングの先駆けとしてその大きな成果を実感しているといいます。

    設立から早いスピードでネットショッピング業界で台頭し、「スタイリッシュなママ」というターゲット市場を掘り起こしてきたApricot Collectionの成功は「タイアップしているインフルエンサーたちの力があってのものです。また、ブロガーたちとタイアップしたキャンペーンは時間短縮とコストダウンの点からも効果的でした。」と、ミシェルさんは語っています。

    ブログ上でインフルエンサーにレビューを広めてもらうほか、Apricot Collectionは春と秋の年に二回開催されるファッショニスタの大規模ウェブキャンペーンイベントにも参加しています。各ブランドがスポンサーとなった100名のブロガーが登場するこのイベントは、数千人のソーシャルユーザーの関心を引き寄せ、Apricot Collectionもブロガーにギフトカードを贈ってイベントを盛り上げる一方で、大きな認知度を得ることに成功しました。

    ミシェルさんは、「ブロガーたちは多様なソーシャルチャンネルを用いながら口コミや画像、感想を投稿し拡散してくれます。その価値は今後も注目すべきものです。」とインフルエンサーマーケティングの有用性を確信しています。

    GAPの事例

    目覚しい世界展開を続けるGAPはサンフランシスコ発で米国最大のアパレルブランドチェーンであり、自社で企画した製品を自社で販売する製造小売という業種形態でも知られています。

    2012年のスプリングコレクションのプロモーションに先立ち、GAP社は“Be Bright(輝いて)”というインフルエンサーマーケティングキャンペーンを展開しました。このキャンペーンでは有名ブロガーとファッションブロガー合わせて6名のインフルエンサーが選定され、企画に携わることとなっています。

    従来のカタログを利用したプロモーションの手法を飛躍させ、インフルエンサーのソーシャル上のネットワークを盛り上げることが意図されたBe Brightキャンペーンは、ブロガーたちにそれぞれのセンスでGAPのアイテムを着用してもらい、レビューを投稿してもらいました。

    タイアップしたインフルエンサーにとってもブランドの商品の魅せ方に対する新たな挑戦となり、このキャンペーンはGAPのマーケティングの幅を大きく広めることに成功しました。

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    まとめ

    今回は、米国のファッション・アパレルブランドにおけるインフルエンサーマーケティングの先駆けとなった事例を紹介しました。

    インフルエンサーマーケティングの手法が発達し細分化されるようになった3~4年後の今でも、上記で見てきた事例はなんら遜色のない戦略といえます。付け加えるとしたら、ソーシャルメディアがさらに発達してユーザーも増加したことを踏まえ、活用できるインフルエンサーのタイプやソーシャルチャンネルが増えたという点でしょう。

    参考:Group High “How are Fashion Brands Working with Bloggers?” 

    http://www.grouphigh.com/blog/how-are-fashion-brands-working-with-bloggers/

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