インフルエンサーマーケティングにおいてフォロワー数よりも大切な事とは?

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インフルエンサーマーケティング市場は年々拡大を続け、2018年に企業がスポンサードコンテンツの報酬としてインフルエンサーに支払った報酬の合計金額は、インスタグラム単体で10億ドルと言われています。

また、米国インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「Mediakix」が2019年1月にブランドやマーケターを対象に実施した調査によると、回答者の89%が、「インフルエンサーマーケティングのROIは他のマーケティングチャネルと同等かそれ以上である」と答えており、その効果は多くのブランドに認められています。

しかし、インフルエンサーマーケティングには多くのマーケターが陥る「誤解」があります。それは、「インフルエンサーマーケティングは、フォロワー数が多いインフルエンサーに情報を拡散してもらうことだ」という考え方です。

インフルエンサーマーケティングを成功させるためには、インフルエンサーのフォロワー数よりも、ブランドがインフルエンサーマーケティングにどのような姿勢で関わるかが重要です。

今回は、インフルエンサーマーケティングにおいてフォロワー数よりも大切な事と、ブランドがインフルエンサーとのタイアップキャンペーンを成功させるコツを紹介します。

目次

  1. インフルエンサーは広告塔ではない?
  2. 1.顧客の内面を知る
  3. 2.ブランドが伝えたいメッセージを明確にする
  4. 3.インフルエンサーマーケティングの目的を定める
  5. 4.キャンペーンの成果を測るための指標を設定する
  6. インフルエンサーとタイアップするコツ
  7. まとめ


  8. インフルエンサーは広告塔ではない?

    インフルエンサーは、ファッション、ライフスタイル、フィットネスなど、基本的に何かしらの専門分野をベースに活動しています。フォロワーはインフルエンサーの熱心なファンで、インフルエンサーの専門分野に強い興味を持つ人々で構成されています。

    インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーを通じてフォロワーのコミュニティに働きかけ、自然な形で口コミを生み出すマーケティング手法です。インフルエンサーとフォロワーの間に強い信頼関係があればあるほど、インフルエンサーマーケティングの効果は高まります。

    一般的に、フォロワー数が少ないインフルエンサーの方が、フォロワー数が多いインフルエンサーよりも積極的にフォロワーとコミュニケーションを取っており、インフルエンサーとフォロワーが親密になる傾向があります。

    インフルエンサーマーケティングは、「フォロワー数が多いインフルエンサーとタイアップして情報を拡散してもらえば話題になる」という単純なものではありません。世間的な知名度やフォロワー数のみでタイアップ相手を選び、インフルエンサーを広告塔にしようとするとインフルエンサーマーケティングキャンペーンは高い確率で失敗に終わります。

    インフルエンサーマーケティングキャンペーンを成功させるために大切なことは、まずブランドが自らの顧客について深く理解することです。ブランドの顧客は誰なのか、そして、その顧客はどのようなことに興味があり、どのようなライフスタイルを送っているのかを把握するといった、マーケティング戦略の基本に立ち返るところから始めてみましょう。

    次の章から、インフルエンサーマーケティング戦略を考える前にブランドがやるべきことについて具体的に説明していきます。

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    1.顧客の内面を知る

    顧客の基本情報や、顧客が商品やサービスを購入する動機を知ることは、インフルエンサーマーケティングキャンペーンにおいてどのプラットフォームに焦点を当てるべきか、どのインフルエンサーとタイアップするべきか、また、どんな種類のコンテンツを作成するべきかといった戦略立案に役立ちます。

    顧客を知るための一つの方法として、「共感マップ」と呼ばれるものがあります。共感マップの目的は、顧客が何を考えているか、どのように感じているか、何を言っているか、どのような行動をとるかといった心理面を理解し、「共感」することが目的です。

    共感マップは顧客のペルソナに似ていますが、ペルソナはロールモデルとなる顧客の年齢や性別、ライフスタイルといった表面的なデータを具体化したもので、共感マップはペルソナを心理的な面から理解するためのものです。

    こちらは、Nielsen Norman Groupのホームページを参考にして作成した共感マップのテンプレートです。中央の「顧客」にブランドのペルソナを設定します。

    共感マップの作成はグループで行います。上記のようなテンプレートに、顧客についてのデータを追加していきます。付箋にアイデアを書き込んで貼っていく方法がおすすめです。顧客のデータは出来る限り、研究やユーザー調査、インタビューなどから得た実態に近いものを選ぶのがポイントです。共感マップは、グループとしてのユーザーに関する知識を統合し、ユーザーについて共通の理解を持つのに役立ちます。

    共感マップを使用すれば、重要な決定の前にチームの理解をリフレッシュすることができます。また、ユーザーインタビューの直後にデータをすばやく合成する手段としても活用できます。共感マッピングはユーザーへの理解が深まるにつれて定期的に見直していくことが大切です。

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    2.ブランドが伝えたいメッセージを明確にする

    インフルエンサーマーケティングキャンペーンの目的はブランドによってさまざまですが、最終的にオーディエンスに対してどのようなメッセージを伝えたいのかを明確にしておかないと、努力は実を結ばないかもしれません。

    ブランドは、インフルエンサーとタイアップして関係性を構築し、最終的にはインフルエンサーのフォロワーとブランドの間に信頼関係を築くことを意識する必要があります。そのためには、まずブランドが伝えたいメッセージについてインフルエンサーに共感してもらわなければなりません。

    ブランドのメッセージにインフルエンサーが共感することによってインフルエンサーのモチベーションが高まり、ブランドの代弁者としてフォロワーにメッセージを伝えてくれます。その点において、インフルエンサーマーケティングは、「インフルエンサーに対するマーケティング施策」と言えるでしょう。インフルエンサーはブランドよりも顧客に近い立場だということを念頭に置いておきましょう。

    ブランドが顧客に対して伝えたいメッセージは何でしょうか。そして、インフルエンサーの助けを借りて顧客のために何ができるでしょうか。今一度考えてみましょう。

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    3.インフルエンサーマーケティングの目的を定める

    米国インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「Mediakix」の調査によると、61%のマーケターが、ブランドに合うインフルエンサーを探すのは難しいと感じていることが分かりました。

    インフルエンサーマーケティングは費用対効果が高いマーケティング手法として知られていますが、多くのブランドやマーケターが、最適なインフルエンサーを探すというステップで躓いています。

    また、同じ調査で、インフルエンサーマーケティングを実施するにあたって一番の懸念は、偽フォロワーなどの「インフルエンサー詐欺」だという意見もありました。

    インフルエンサーは、フォロワー数が多ければ多いほどスポンサードコンテンツの単価を引き上げることができると知っています。そのため、bot(機械)によって見せかけのフォロワー数を増やし、「いいね!」をお金で買っている悪質なインフルエンサーも存在します。

    これらの行為はまとめて「インフルエンサー詐欺」と呼ばれていて、インフルエンサーマーケティングの広がりに伴ってインフルエンサー詐欺も増えています。

    インフルエンサー詐欺を回避する最善の方法は、インフルエンサーをビジネスパートナーと考えることです。候補となるインフルエンサーが見つかったら直接コミュニケーションを取り、彼らのコンテンツをチェックし、気になることがあれば質問してみましょう。

    そして、ブランドがインフルエンサーマーケティングキャンペーンを実施する目的やブランドとしての考え方などをインフルエンサーに共有しましょう。

    このようなプロセスを経てブランドのコンセプトや目的に共感してくれたインフルエンサーは、ブランドにとって素晴らしいビジネスパートナーとなるでしょう。

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    4.キャンペーンの成果を測るための指標を設定する

    インフルエンサーマーケティングキャンペーンの目的がはっきりしたら、今度はキャンペーンの成果を測る指標について考えます。

    キャンペーンの目的は、ブランド認知度を高めることでしょうか。それとも、売上を伸ばすことでしょうか。ブランド認知度を高めることが目的であれば、インフルエンサーが投稿したコンテンツのシェア数、「いいね!」の数などの指標を決めましょう。

    売上を伸ばすことが目的であれば、ブランドのEコマースサイトに誘導するための固有のリンクを作成し、インフルエンサーに共有します。

    インフルエンサーマーケティングキャンペーンを初めて実施する場合、具体的な数値目標を定めるのは難しいかもしれません。しかし、基準を定めなければ、キャンペーンが成功したのか失敗したのかも判断できません。次のキャンペーンへの学びも生まれないでしょう。

    すでにインフルエンサーマーケティングを実施しているブランドのキャンペーン事例などを参考に、キャンペーンの目標を数値化してみましょう。インフルエンサーマーケティングの代表的なKPIについてはこちらの記事にまとめてありますので併せてご覧ください。

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    インフルエンサーとタイアップするコツ

    ブランドがアプローチするべき顧客層とインフルエンサーマーケティングキャンペーンの目的がはっきりしたら、インフルエンサーとタイアップしてキャンペーンを始動させます。インフルエンサーを探す方法についてはこちらの記事にまとめてありますので併せてご覧ください。

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    この章では、ブランドがインフルエンサーとのタイアップキャンペーンを成功させるコツをいくつか紹介します。

    インフルエンサーと一緒にコンテンツ作りに取り組む

    コンテンツを作成する際に重要なのが、インフルエンサーとそのフォロワーについて学ぶ姿勢を持つことです。そうすることによって、ブランドが彼らの日常生活の中でどのような位置づけなのかを理解し、フォロワーに喜ばれるコンテンツ作りに繋がります。

    また、ブランドはインフルエンサーに対して「何を投稿するかを伝える」のではなく、一緒になってコンテンツ作りに取り組むことが大切です。インフルエンサーと協力したコンテンツ作成で成功しているのが、2014年に創設されたドイツのデトックス茶メーカー「FitVia」です。

    「FitVia」の創設者であるSebastian Merkhofferさんは、米国の起業家向け雑誌「Entrepreneur」のポットキャストで、インフルエンサーマーケティングについて次のように語りました。

    「インフルエンサーマーケティングは、マーケティングミックスの標準的な部分になりつつあります。私たちとインフルエンサーは、主にコンテンツを共同で作成することで関係性を築いています。」

    Merkhofferさんは、「FitViaとタイアップしているインフルエンサーはどこにでも私たちの製品を持っていきます。」と語りました。コンテンツ作成の一例として、Merkhofferさんはドイツ人のインフルエンサーを週末の「デトックス旅行」に招待し、旅行にはインフルエンサーだけではなく、フォロワーとFitViaのチームも同行しました。

    Merkhofferさんは、「その過程で生まれたコンテンツは、普段の朝食の写真を撮影しただけのコンテンツよりもずっと「本物」で、魅力的です。」と話しました。FitViaは、インフルエンサーと信頼関係を築き、インフルエンサーはブランドの「本物」のファンであることが分かります。

    ブランドがインフルエンサーをビジネスパートナーとして接し、チームとしてより良いコンテンツを一緒に作っていきたいという熱意が伝われば、インフルエンサーは喜んでブランドのキャンペーンに手を貸してくれるでしょう。

    Z世代にフォーカスする

    現在、消費者の中心となっているのは1980年から2000年の間に生まれた「ミレニアル世代」と呼ばれる世代です。これまで、多くのブランドがミレニアル世代を中心としたマーケティング戦略を立案してきましたが、ミレニアル世代よりも更に若い10代を中心とした「ジェネレーションZ」と呼ばれる世代の購買力が年々高まっており、2020年には最大の消費者グループになると予測されています。

    Z世代は生まれた時からインターネットが身近にある「デジタルネイティブ」で、インフルエンサーとの結びつきが非常に強い世代でもあります。Z世代を早い段階から取り込むことが、今後のブランドの成長に大きく影響します。

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    インフルエンサーマーケティングにゆっくり投資する

    インフルエンサーマーケティングに取り組む際に、有名インフルエンサーにいきなり大きな投資をする必要はありません。確かに、有名インフルエンサーとタイアップすれば瞬時に何百万人という人々にアプローチできるかもしれません。しかし、その効果は一時的なものです。

    まずはフォロワー数が少ないインフルエンサーとのタイアップから始めて、どのタイプのインフルエンサーが最もブランドに適しているかを理解します。

    フォロワーが少ないインフルエンサーはソーシャルメディアなどを通じて探すことができます。ブランドや商品名のハッシュタグを使ってインフルエンサーが投稿したコンテンツを探してみましょう。

    すでにブランドの商品を愛用し、日頃からブランドに関する情報を発信しているインフルエンサーであれば、喜んでタイアップのオファーを受けてくれるでしょう。さらに、元々ブランドのファンであるインフルエンサーであれば、情熱を持ってタイアップキャンペーンに取り組んでくれるでしょう。

    適切なインフルエンサーが見つからないと感じた場合は、インフルエンサーマーケティングプラットフォームを活用するのも一つの方法です。インフルエンサーマーケティングプラットフォームには数多くのインフルエンサーが登録しており、フォロワー数やジャンルなどで希望のインフルエンサーを簡単に絞り込むことができます。

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    まとめ

    今回は、インフルエンサーマーケティングにおいてフォロワー数よりも大切な事と、ブランドがインフルエンサーとのタイアップキャンペーンを成功させるコツを紹介しました。

    インフルエンサーマーケティングは、ブランドとインフルエンサー、そしてフォロワーの間に信頼関係が生まれ、ブランドについて話題が広がるコミュニティが出来れば大成功と言えるでしょう。

    インフルエンサーを通じて新たにブランドのファンになったフォロワーは、自発的にブランドについての情報をソーシャルメディアで拡散し、話題が口コミとして「フォロワーのフォロワー」、そして、さらにその先のフォロワーにも広がっていきます。

    理想的なインフルエンサーマーケティングを実現させるためには、まずブランドが顧客を深く理解し、伝えたいメッセージやゴールを明確にすることが大切です。そして、インフルエンサーにブランドの大ファンになってもらいましょう。

    参考:https://www.entrepreneur.com/article/327687
    https://www.entrepreneur.com/article/349942
    https://www.nngroup.com/articles/empathy-mapping/

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